http://mainichi.jp/select/world/news/20100510dde001010043000c.html

　米軍普天間飛行場（沖縄県宜野湾市）の移設問題を巡り、鳩山由紀夫首相は１０日午前、首相官邸で関係閣僚会議を開き、政府案とりまとめに向けて協議した。米軍キャンプ・シュワブ沿岸部（同県名護市辺野古）に移設する現行計画の修正案と鹿児島県・徳之島への海兵隊部隊の一部か訓練移転に加え、米軍嘉手納基地（沖縄県嘉手納町など）の戦闘機訓練を全国の米軍や自衛隊基地に移転する案など総合的な沖縄負担軽減案を検討した。

　鳩山首相はこれに先立ち記者団に「最終的な方向を作り上げていく努力の一環だ」と強調。平野博文官房長官は記者会見で「トータルとして沖縄県民の皆さんの負担を削減するということもある」と述べ、沖縄の米軍機訓練の県外移転案を検討していることを明らかにした。

　閣僚会議には平野長官、岡田克也外相、北沢俊美防衛相、前原誠司沖縄担当相が出席。移設修正案はシュワブ沿岸部か沖合にくい打ち桟橋（ＱＩＰ）方式で滑走路を建設する案が軸。沖縄の負担軽減策では、嘉手納基地の訓練移転に加え、久米島、鳥島の射爆撃場やホテル・ホテル訓練区域の一部返還なども検討したとみられる。

　政府は１０日の関係閣僚会議の結果を踏まえ、１２日にもワシントンで日米外務・防衛当局の審議官級協議を開き、移設案の運用・技術面について検討する方向で調整している。【仙石恭、影山哲也】

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鳩山首相は、普天間基地機能の米軍キャンプ・シュワブ沿岸部への移転案と、徳之島などの沖縄県外への米軍機訓練の移転案を、１２日に日米外務・防衛当局の審議官級協議を開き、米国と協議を行ない、移設案の運用・技術面について検討する方向で調整しているという。もしも、これが事実ならば、移設案に強く反対している沖縄県民や徳之島の住民の頭ごなしに米国と移設案を調整しようと言うことであり、沖縄県民や徳之島の住民への裏切り行為であると言わなければならない。

住民との合意形成は後回しにして、鳩山首相には米国との合意形成を既成事実化する狙いがあるものと見られる。米国は普天間移設の条件として地元住民の合意を条件としていたが、この間の移転先住民の強硬な反対運動を目の当たりにして、移設の条件から地元住民の合意を除外した可能性がある。もし、米国がこれまで通り、地元住民の合意を条件としているならば、１２日に予定されていると言う日米外務・防衛当局の審議官級協議など、米国から拒否されているはずだからだ。

もともと米国には、普天間基地の移設先に将来、最新鋭の垂直離着陸機オスプレイを配備し、巨大な一大出撃拠点とする計画がある。米国にとっては、オスプレイも配備できる広大な基地用地がどうしても必要なのだ。基地移設について住民の合意が得られれば理想的だが、切羽詰れば優先度は引き下げられるだろう。

鳩山首相が、断られることが分かっていながらも、無意味とも思える名護市や徳之島の市長、町長との対話をこれからも継続したいと言っているのは、説得の努力をやれることはすべてやったというアリバイ作りであり、それだけやっても分かってもらえないのであるから、行政代執行も止む無し、という方向に持っていくための猿芝居なのかもしれない。

５月末までに決着をつけると言った鳩山首相の本意は、移転先の住民の同意を無視した米国との合意形成を意味している可能性がある。もしも、行政代執行ということになれば、鳩山政権は歴代の自民党政権以上に暴力的な政権と言うことになる。そうなれば、沖縄県民は鳩山政権を敵と見なすだろう。鳩山政権が行政代執行という実力行使に出れば、想像を超える流血の事態が予想される。

「友愛」を政治信条とする鳩山首相がこのような暴挙にでないことを願うばかりだ。
　

コメント
01. 2010年5月10日 18:11:05: y2SPy6IwBg 僕が無知なのか、言っている意味が良く分からない。 鳩山首相への警鐘にしては、鳩山首相の人柄をよく理解していない。
02. 2010年5月10日 18:17:13: YXw5VBquSA 平野長官、岡田克也外相、北沢俊美防衛相、前原誠司沖縄担当相、 と、話してなにが決まったのかねえ。 ５月末でなくても、いいのじゃないの？ 鳩山さんは、暴挙をする人では、もともと無いと思います。 何考えてんるだろう？ わからないだけ、期待していますが。
03. 2010年5月10日 19:09:19: 8IME4JhQLQ 前原・北沢は防衛族、其処に岡田、平野が甘い汁に近寄ってきただけ、それに 杭打ち桟橋案は、三菱重工の技術（沖縄海洋博）で実証済み、此れを防衛利権と呼ばずして何と言えよう。所詮代議士、自分の配下を増やすため、金が必要。 民主の円よりこが、朝日ニュースターの番組で、「日本新党擁立に際し、細川元総理が10億円ぐらい借金をして、奔放したのに、かっこいい事ばかり行って、お金に関してて何も努力してこなかったと、そんな人達が、政治と金で、小沢を非難する とは、虫か良すぎる」といっていた。政権を取るという事は、新人議員を多数擁立し、選挙に勝たなければ、成立しない。政治資金にしても、前政権自民党には、 経団連、各団体からの献金で、民主党より３倍以上の資金が有ったはず。それでも 負けたのは、小沢の秘書軍団による新人議員のサポートがあったからだ。 その軍団を養うためにも、資金が必要なのだ。 この様な秘書団組織は、田中角栄の戦法だったと後藤田正晴が自書で述べている。 そして、後藤田は当選できたと。 政権を握り政策を実行する為には、数が必要なのだ、すべて多数決によって決まるのだ、だから田中は政策を実行するために、旧社会党代議士の国対委員に金を配り 法案を決めていったのだ。
04. 2010年5月10日 20:54:16: 555HiKUT0E 日本中が協力を拒否すればよい、そうすれば、沖縄の怒りは頂点に達して、米軍は沖縄に駐留できなくなる。 沖縄選出の国会議員は本土の政党から離脱して、一致団結して独自の政党を作るべきだ。
05. 2010年5月10日 22:19:54: w6m1iWoSZ6 というかそのような事を強行すると言うのなら、沖縄独立も視野に入れたほうがいいね。 日本に属しているばかりに酷い目に遭い続け、勝手に時の政権が権力をもって自分達の身を守るためだけに沖縄に基地を押しつけ、ゴロツキのチンピラ兵隊たちによる日常生活の危難や、さらには核攻撃の恐怖まで押しつけているわけだから。 もはや日本などに愛想が尽き果てているだろう。 もしも返還の時に戻れるのなら、大多数の住民が独立を選択するんじゃなかろうか。
06. 2010年5月10日 22:24:38: B7imjkSuEo 鳩山首相を支持してきた人たちは、結果として岡田・北沢大臣と平野官房長官を支持することになるのではないか。　辺野古埋め立て案は拒否してもくい打ちなら良いと言うのだろうか。　それでも鳩山さんの人柄に期待するというのなら、盲目的支持になってしまう。　虜になった鳩さんを救出することを考えた方が良いのではないか。　前原・仙石・枝野・平野・北沢・千葉などの諸氏を更迭すること。　多分出来ないだろうと思うが。　N.T
07. 2010年5月10日 22:35:19: zH6zmnzLtE ＞移転先の住民の同意を無視した米国との合意形成を意味している可能性がある。もしも、行政代執行ということになれば、鳩山政権は歴代の自民党政権以上に暴力的な政権と言うことになる。そうなれば、沖縄県民は鳩山政権を敵と見なすだろう。鳩山政権が行政代執行という実力行使に出れば、想像を超える流血の事態が予想される。 結局、言ってることは【予想】でしょ。 予想にすぎないことに振り回されてどーする？ 鳩山さんを信じて、国外移設に望みを託そう。

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