７万７千頭の牛、豚が殺処分対象（１２日現在）という、口蹄（こうてい）疫、容易ならざる事態だ。
　が、新聞の扱いは控えめだし、テレビではほとんど取り上げない。風評被害を防ぐためというが、今やそんな状況ではないだろう。
　今号、ゴールデンウイークあけの週刊各誌も特集で取り上げているところは一誌もなし。わずかに『週刊文春』（５月２０日号）がグラビア２ページで報じているのみ。
　ゴールデンウイーク、緊急の用事もないのに、のんびり中南米を訪問していた赤松広隆農林水産大臣、対応の遅い政府を『週刊新潮』あたりがピシッと批判してくれなくては困る。

　『週刊現代』がこのところ絶好調。今週号（５／２２）も読み応え十分だ。「豪華特大号」の名に恥じない。

　野中広務氏と立花隆さんの対談「普天間問題から総理の資質、そして小沢という男について」。

　佐川急便事件の時、野中氏はこんな体験をしたという。

　〈野中　金丸邸で小沢さんが金丸さんに向かって「オヤジ、私に任せてください。私のバッジを懸けて守りますから」と。そう言いながら、はらはらと涙を流すんですよ〉

　〈野中　当時、金丸邸に幼稚園ぐらいの孫がいましてね。その孫がのちに言うわけです。「うちにたくさんの政治家が来ていたけれど、一人だけ怖い人がいた。おじいちゃんの前であれだけ涙をぽろぽろ流しながら、スーッと薄目でぼくらの表情を眺めていた」って。子どもはちゃんと見抜いていたんですよ〉

　他に石川遼の父のインタビュー。井上章一（国際日本文化研究センター教授）、鹿島茂（フランス文学者）、張競（比較文学者）３氏の座談会「知れば知るほどＳＥＸは愉しい」、それに先週から始まった「立川談志の時事放談」。他誌より５０円から６０円高い４００円だが、この内容なら許せる。（『ＷｉＬＬ』編集長）