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「下地幹郎ブログより転載。
http://www.mikio.gr.jp/blog/index.php?mode=res_view&no=1830#myu1830
訪米報告
５月２０日木曜日から１泊でワシントンDCを訪問して参りました。今回の訪米の目的は米議会で国防と予算に関して重要な役割を担われている連邦議員の方々にお会いすることでした。
私は鳩山総理の特使ではありませんが、出発前日には鳩山総理と３０分間お話をして鳩山総理の思いを聞いて参りましたので、そのことを米側にも正確に伝えながら、普天間飛行場の移設、グアムへの移転、沖縄の基地負担軽減という過去１５年間の努力を両国が決して無駄にしないような慎重な協力関係について協議をして参りました。この思いが日米両国でしっかりと共有されていることを確認できたのがこの訪米の最大の成果であります。
私が会談を行ったのは上院の東アジア・太平洋小委員会において委員長を務めるジム・ウェブ上院議員と、上院序列ナンバー２で予算に関して極めて大きな権限を持たれている上院歳出委員長（軍事小委員会委員長を兼任）のダニエル・イノウエ上院議員です。
ウェブ議員とはラッセル上院議員会館で、イノウエ議員とは米国国会議事堂内の歳出委員長室でそれぞれ、鳩山首相の下記三点の強い思いを伝えて参りました。
１．日米同盟が極めて重要だと認識し、今後もその深化を目指し大事にしていきたい。
２．５月３０日までに日米で合意をしたいと考えており、決意している。
３．日本側でもグアム移転のための予算を平成２３年度予算の概算要求で付けたい。
その上で私が特に強く申し上げたのは、グアム移転を止めてしまうことは日米関係だけではなく、東アジア地域にも「日米関係が良好ではない」という誤ったメッセージを送ることになるということです。朝鮮半島が哨戒船の問題で揺れており、中国の潜水艦が日本に接近している中でそのようなメッセージを発することは地域の安定にとって決して良いことではありません。そして何より、このグアム移転の予算が計上されなければ１５年間動かなかった沖縄の基地問題が再び硬直化して動かなくなってしまう恐れがあり、沖縄の過重な負担の軽減ができなくなってしまいます。そのことは絶対に避けなくてはなりません。
私は今回の訪米では工法や滑走路の場所といった具体的な話をしに来たのではなく、より大きな日米関係、日米同盟の枠組みの話をしに来たのだということを明確に伝えました。例えばこれまでに浮上している徳之島案も、そもそも在沖米軍を徳之島に移転するという話ではなく、米軍が訓練を国内外で広く行えるようにすることで従来よりも更に強い抑止力を発揮し、強固な日米同盟を実現するためのものなのです。
ウェブ委員長は「二つのパズルをうまく解決する必要がある」とおっしゃっていました。これは次の通りです。
-----------ウェブ議員の発言---------------------------
①日本政府から沖縄の問題の解決・結論について、明確な日本側の考えをできるだけ早く聞きたい。
②長期的に、日本政府との合意が米軍にとって良いものとなることを確保する必要がある。グアムやテニアンにおける米軍のあり方も重要である。グアムには上下水道などインフラの問題もあり環境影響評価書の課題もあるが、例えば港湾整備に５０００万ドルの予算を獲得することにも成功している。
しかし、先ずは沖縄の問題の結論が第一ステップである。日米間の合意は今の不確実性を払拭し、確実性のあるものでなければならない。その日米合意の内容を注視している。これを経て次の段階に進み、日米で幅広い問題に取り組んでいきたい。
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また、イノウエ議員からは次のような発言がありました。
-----------イノウエ議員の発言--------------------------
我々は、鳩山総理の公式な決断をお待ちしているところである。
在沖米海兵隊のグアム移転は元々、米側が言い出したことだが、この予算はこれまで１０億ドル付けてきた。これからも予算を獲得していく。日本側がグアム移転の予算をつけることは、グアム移転が進むことになる。
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私が「今回の決定の中には未来志向の要素も考えたい。海兵隊が全国で自衛隊と共同訓練する機会を作ることは新たな枠組みである」と申し上げたことについては、イノウエ上院議員は「非常に興味深く、とても良いアイディアで意義深い。両政府間で真剣に検討されることを期待する」と日米関係の深化に対して大きな期待を示されていました。
米国の議会の中でも最も強い影響力を有し、日米関係に精通しているウェブ議員とイノウエ議員と沖縄の負担軽減と日米同盟の強化について認識を共有できたことは大変に大きな意味があります。沖縄の負担軽減につながる実に意義深い訪米であったという思いであります。
[1830] (2010/05/22(Sat) 13:38:17)
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