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誰が日本国家を支配するか ──石川知裕代議士とマックス・ウェーバー『職業としての政治』を読む。(佐藤 優)
http://www.asyura2.com/10/senkyo86/msg/875.html
投稿者 純一 日時 2010 年 5 月 24 日 17:13:49: MazZZFZM0AbbM
 

【現在の政治情勢において、政権与党である民主党のおかれた立ち位置、次期参議院選挙の展望はどうか、小沢氏の国家観・政治理念をどう読み解いたらよいか、またこれからの政治の流れのなかで良いとか悪いとかではなく民主党が巨大な権力になっていくことは間違いないなどについて、佐藤優氏による示唆に富む論評が「魚の目編集部」により取りまとめられた。
長文に及ぶ内容であるため、一部抜粋させていただきご参考に供したい。純一】

http://uonome.jp/article/satoh02/946

2010 年 5 月 19 日

この連載では、(第1回)衆議院議員の石川知裕さんと佐藤優さんが主宰する勉強会の内容をお伝えします。マックス・ウェーバーの『職業としての政治』(岩波文庫)を参加者で読み合わせ、権力の本質に迫っていこうという意欲的な試みです。権力行使の現場に身を置く国会議員も多数参加しています。現在進行形の問題と第1次世界大戦で敗北したドイツで発せられたウェーバーの言説がどう斬り結ばれるのか、お楽しみください。(魚の目編集部)


(以下、本文より一部抜粋し転載)


(本文の前半部分 転載省略)

 それから今日は民主党の方が圧倒的に多いと思うのですが、私は参議院選で民主党が勝つと見ています。これはおべんちゃらではありません。それはどうしてかというと、選挙工学を持っている政党が民主党しかないからです。

ちょっと心配していたのが、みんなの党だったのですが、みんなの党は始動が早すぎました。いまマスメディアにおける消費は非常に早いです。6月くらいからみんなの党は本格的な動きをはじめればかなりの票を私は取ることができたと思うんですね。今の段階からはじめてしまったために、みんなの党が新自由主義政党だということがかなり近いうちに明らかになってくると思うんです。

新自由主義的なプログラムを掲げた政党は、国民の広範な支持を得ることができません。それだから選挙に勝てません。自民党の場合はその潜在力を使い果たしたと私は見ています。ですから際限なき分裂が始まっていると思います。その状況の下で唯一の選挙工学を持っているのが民主党なんです。

 
 それからもうひとつ。小沢さんについていろいろいわれていますが、私は小沢さんを理解するにはヘーゲルを読むことが必要と考えます。ヘーゲルの中にエレメント(Element)という言葉があります。これは普通には要素、単位と訳されますが、哲学では境位、あるいは場と訳されます。どういうことか。魚が動くには場が必要なんです。水が必要なんです。魚にとっての水がエレメントです。

私の見るところ、小沢さんは国家主義者です。国家が強くなることで日本の国は生き残るのだと考えています。逆に小沢さんの問題は国家と社会が同心円の中で一体化していることです。

 
 小沢さんが考えているところにおいては、国家自身が強くなるためには、国家自身に付随している官僚たちに任せると国家が弱くなる。ここのところがわかっているんです。そのために社会によって支えられている政党を強化しなければならない。自民党は政党ではない。国家システムと一体化しすぎてしまった。政党を強化して日本国家を強くしていくんだという考え方が小沢さんの基本です。

 
 そこから考えるならば、1990年の湾岸戦争の時に自衛隊をイラクに派遣することができなかった。あのときにもっと積極的に軍事力で国際貢献をすべきだった。ところが今になると、インド洋から引くということを言って、中国との関係を重視しようとしているのではないか。小沢さんは矛盾しているのではないか。

国家主義という切り口から見れば、小沢さんはぜんぜん矛盾していません。時代状況のコンテクスト(「前後関係」)においてそうやったほうが日本の国家が強化されると考えているんですね。

 
 また、1993年の『日本改造計画』でグランドキャニオンに柵はないといって新自由主義政策を推進していただろうと。それが今になったら、まるで社会民主主義者じゃないか。ここのところも小沢さんが矛盾している例としてよくあげられます。

これも国家主義という切り口から見れば矛盾してないんです。1990年代の状況で行きすぎた日本のいわば社会主義的な体制にくさびを打ち込むことが必要と思った。ところが現状においては国家を生き残らせるには新自由主義ではだめなんだ。一定の函数体の幅の中、政策を遂行しようとしているんです。

 
 それから二大政党制、これは小沢さんのテキストをみんなきちんと読んだらいいと思うんですね。去年の暮れに集英社文庫から出た『小沢イズム』を読むとよくわかります。小沢さんは時制の使い方がしっかりしています。

二大政党制がよいと思った、と過去形でいっています。重要なのは二大政党制でも大きな政党が一つだけある形態でも構わないんです。政党が強化されることによって、国家が強化されるんだという信念を小沢さんはかなり強く持っています。客観的に見て、たぶんそれは正しいと思っています。帝国主義的な今の時代に対応していると思います。

 
 さらに第三者的に見てみましょう、私は今連立政権の中で大きな役割を果たしているのは、社民党と見ているんです。それは一週間くらい前の『週刊現代』で、福島瑞穂さんがインタビューで小沢さんについてこんなこと言ってるんですね。あの人は24時間権力のことしか考えていません。それだから学ぶところが多い。彼女の本音だと思う。
ですから普天間問題でいかなることがあっても、私は社民党の離脱はないと私は見ている。

それでは社民党はどんな役割を果たしているのか。社民党は今度の参院選で新社会党から候補を出すことが非常にはっきりしていますが、いまや連立政権の左ウイングはですね、社民党からは社会主義協会系の新社会党の候補者が出ます。

JR総連から民主党の候補者が出るのですが、この組合は公安警察と相当ぶつかっているといわれる戦闘的な労働組合です。それから社会活動家の雨宮処凛さんや湯浅誠さん、湯浅さんが(内閣府の顧問からは外れましたが)、厚生労働省のナショナルミニマム委員会のメンバーです。左のウイングで連立政権に糾合されていないのは日本共産党とごく一部の小さな新左翼だけです。

 
 じゃあ、右の方見てみましょう。小沢さんの高野山でのキリスト教批判発言は非常に重要です。あの発言を私はキリスト教への批判と見てないんです。あれは神道政治連盟、神社本庁、明治神宮、それから出雲大社などへのシグナルです。

寛容の多元性の伝統に基づくような日本の伝統宗教は民主党の味方である。いつまで自民党と一緒にくっついているんですか。それで神社にいいことがありますかという、明確なシグナルだと思うんです。


 このへんの流れがある中で、公明党、創価学会の動きも明らかに変わっています。
習近平(中国国家副主席)さんの天皇との会談要請問題の時に、公明党が一緒に(宮内庁側の日程調整ルールに反するという民主党への批判に)のっていれば、自民党と公明党の連合で相当、民主党叩きができた。ところが入口のところで山口那津男さんが止めました。それから公明党は補正予算にはじめから賛成した。そもそも予算に関しても補正予算に賛成する野党なんてないですからね。公明党は流れをよく見ている。
 
 この全体の流れは何なのかというと、ずばりマックス・ウェーバーの、これから勉強していくキーワードの「権力」なんです。
 
 民主党が巨大な権力になっていることは間違いないんですね。良いとか悪いとかではなく。これが流れなんです。皆さんが相当なエラーをしない限り続くと思いますし、私は次の総選挙では81.7%の壁を越えるんじゃないかと思うんですね。

81.7%の壁とは、昭和17年(1942年)の翼賛選挙です。翼賛会が81.7%の議席を占めた。その状況でも18%くらいは反翼賛がいたんですね。おそらく日本の国家がそういった形での巨大で強力な政党、それによって国家を運営するということを望んでいるわけなんです。

それに無意識のうちに反映して民主党は動いているのだと私は見ているんです。だからいま、民主党は組織的な強化はなされているんですが、理論的にどんな日本を作っていくのか、そういう議論をすごくしてほしいと思うんですよ。
 
 この前置きのもとでウェーバーを読んでいきたいと思います。

(2010年4月15日 於衆議院議員会館)


 
*マックス・ウェーバー 1864‐1920 ドイツの社会科学者。主著に『プロデスタンティズムの倫理と資本主義の精神』。勉強会のテキスト『職業としての政治』は、1919年、第1次世界大戦に敗北し、革命の気運が高まるドイツで、ウェーバーが若者を前に講演した内容を本にまとめたもの。
 
 

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コメント
 
01. 2010年5月27日 11:16:30: e8dTk3NnOI
今国民が、「巨大で強力な政党、それによって国家を運営するということを望んでいる」ことは、その通りと思います。目には見えない「米国利権者」の、あらゆる面での「支配=圧力」を「無意識のうちに、肌で感じているのが日本国民」と思います。第二次世界大戦の失敗を繰り返さないためにも、「理論的にどんな日本を作っていくのか、そういう議論をすごくしてほしいと思う」。全くその通りです。
反感を煽るのではなく、世界中の人々が手を繋ぎながら「生を全うできる国」作りを切に望みます。

02. 2010年12月18日 13:47:57: 1QP7GrLqmg
はじめまして。仙谷長官の暴力装置発言ってなんだろうと調べていたらここにたどり着きました。
本当に巨大で強力な政党、一党のみに国を任せたたいと思っているのでしょうか

思えない私は少数派なのだと思います

たとえ巨大で強力な政党が国を支配ずべきだと思う人が多数であっても

そうは思わぬ人も必ずいる
北朝鮮や中国のような国家体制になるならいざ知らず
民主主義であるなら
自分たちを支持してる人ばかりではないという頭において
反米親米反中親中とかいってばかりいないで
どういう国づくりを目指すのか
日本はこれからの国際社会でどうあるべきなのか
そういうことをきちんと議論して欲しいし
誰もが安心して暮らせる社会を作って欲しいです


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