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米国の脅しに立ちすくんだ政権の末路 沖縄県民を切り捨てた鳩山の辞任 (かけはし)
http://www.asyura2.com/10/senkyo88/msg/274.html
投稿者 ダイナモ 日時 2010 年 6 月 10 日 19:10:15: mY9T/8MdR98ug
 

http://www.jrcl.net/frame100614a.html

「辺野古移転」の日米共同宣言と閣議決定を直ちに白紙撤回せよ


わずか8カ月
で内閣が崩壊

 鳩山首相は六月二日午前十時に急きょ開催された民主党の両院議員総会で辞任を表明した。昨年八月三十日の総選挙での民主党圧勝による歴史的な「政権交代」により昨年九月十六日に連立政権を発足させてから九カ月もたたないうちの政権崩壊である。
 鳩山は辞任あいさつの中で、二つの理由を挙げた。
 第一は「普天間の問題」である。鳩山は「沖縄の外にできるかぎり米軍の基地を移す努力」をしてきたが「北朝鮮が韓国の哨戒艦を魚雷で沈没させる事案も起き、北東アジアは決して安全、安心が確保されている状況ではない」ので不可能になった、「沖縄の皆様方にも迷惑をかけ」、かつ「社民党を政権離脱に追い込んでしまった」、その責任を取らなければならない、ということである。
 第二は「政治とカネ」の問題である。鳩山は述べる。「結果として自分自身が、政治資金規正法違反の元秘書を抱えていたなどということで、議員の皆さんがたに大変なご迷惑をおかけしてしまった」「私はそのような政治とカネに決別をさせる民主党を取り戻したい」。鳩山は、こうして自分の辞任と抱き合わせで「最高実力者」の小沢一郎幹事長にも引導を渡したのである。
 鳩山はこのままでは参院選を闘えないという民主党内からの高まる批判に押され、「ツートップ」の辞任で「政治とカネ」の問題にフタをすることで、逃亡を決めこまざるを得なかった。
 鳩山は、辞任を十日ほど前から考えていたという。すなわち「辞任」を意識したまま「辺野古移設」の日米共同宣言・閣議決定を強行し、福島みずほ社民党党首を閣僚から罷免し、社民党に「連立離脱」を強制するという「置き土産」を後継者に残して首相の座を去ったのだ。沖縄県民にいっそうの負担を強制する、沖縄差別そのものの辞任だった。こうした辞任について「無責任」という言葉は不適当だろう。彼は少なくとも米国オバマ政権だけには「責任」を果たしたのだからである。

「甘い判断」と
欠落した意思

 政権発足当時七〇%を超えていた鳩山政権の支持率は、朝日新聞による直近の世論調査では二〇%を割るという危機的な局面に入っていた。鳩山が「国民が聞く耳を持たなくなった」と自ら述べたこうした政府危機の深化の要因が、直接的には鳩山が述べた「普天間」「政治とカネ」という二つにあったことは確かである。とりわけ鳩山政権崩壊の原因として決定的だったのは、「最低でも県外」と総選挙で公約した沖縄の普天間基地「移設」問題であった。
 辺野古地区を想定した新基地建設を条件に普天間飛行場の返還を定めた一九九六年のSACO合意以来、現地住民のねばり強い闘いによって何の進展もない「普天間移設」問題について、米国から何らかの「譲歩」を得られるのではないかという点で、鳩山は明らかに甘い観測を持っていた。それは「日米同盟」の相対化をも展望した「対等な日米関係」、「東アジア共同体」という鳩山構想の重要なポイントの一つだった。
 しかし鳩山のこの構想は、従属的な「同盟」関係に日本を組み込み続けた上で中国との「戦略的パートナーシップ」の構築をめざし、資本主義の「成長センター」であるアジア太平洋における「帝国」的覇権を維持しようとする米国政府・軍部当局、ならびにその代理人である日本の外務・防衛官僚などによって跳ね返された。
 「普天間県外移設」が「日米同盟を危機に追いやっている」というキャンペーンが自民党などの右派野党、マスメディア主流、さまざまの「安保問題有識者」、さらに当の民主党内からも吹き荒れ、閣内でも鳩山は完全に孤立した。他方、沖縄では「普天間基地即時返還・新基地反対」の声はまさに島ぐるみの「民意」となった。県議会では自民党・公明党まで含めて「県外・国外移設」の立場に移行し、九万人が参加した四月二十五日の県民大会では沖縄の四十一市町村の首長すべて(代理出席2人を含め)が参加する事態となった。もはや沖縄県内への「移設」はいかなる意味でも完全に不可能となった。鳩山が昨年十二月に言明した「五月末までの決着」は破綻した。
 この時、鳩山に残された唯一の選択は「五月末決着」を見直し、沖縄の島ぐるみの「民意」を背景に「普天間基地即時無条件の返還」を求め、SACO合意にまで立ち返り「米軍再編」見直しをテーマにする「対米交渉」のテーブルを設定し直すことだったはずだ。それは当然にも、「安全保障」・「抑止力」という概念、アジア太平洋における米軍の戦略・戦力構成、さらに日米安保そのものをも俎上にのせることになったであろう。
 しかし従属的な「日米同盟」という戦後日本国家の存立基盤そのものに踏み込まざるをえないこうした方向に鳩山は恐怖し、結局のところなんの展望もないまま米国の恫喝に屈して沖縄を切り捨てる「辺野古回帰」の最悪でみじめな結果に追い込まれてしまった。「和解」や調停が不可能な沖縄県民の闘いと米国の露骨な脅しに挟撃された鳩山は、米国の意向を無条件・全面的に受け入れ、尻尾を振って屈従した。
 自民党などの右派野党やメディアは、沖縄の期待をあおった上でのどんでん返しとして鳩山政権の「迷走」を批判する。しかし、彼らの批判は絶対に沖縄の基地を「既得権」としてあくまで手放そうとせず、「聞く耳を持たない」米国には向かわない。
 鳩山政権崩壊後の菅新政権に対して、そして七月参院選の中で、労働者・市民、とりわけ「本土」の労働者・市民は、何よりも「日米共同宣言」・閣議決定の白紙撤回、普天間即時無条件返還を求める「対米交渉」を求めるとともに、「辺野古新基地建設反対」を中心課題とする大衆的な運動を再構築していかなければならない。
 「普天間移設」をめぐる鳩山政権の迷走は、沖縄基地問題の根幹にある「日米同盟」=日米安保の現実を否が応でも浮上させている。われわれはこの局面で、「日米同盟」に代わる平和・民主主義・人権の国際的オルタナティブの提起と結び付けて「日米安保の廃棄」を明確に掲げる論議と運動を広げていくだろう。

菅新政権に立
ちはだかる壁

 小泉政権後、安倍、福田、麻生、鳩山と一年と持たずに崩壊する政権が相次いだ。短期・不安定政権の連続というこの現実は、まさに新自由主義的グローバル化の破綻、金融・経済・財政危機、雇用危機と格差・貧困、エネルギー・食糧危機や気候変動・環境危機という資本主義のシステム的危機に規定されている。
 それは先進資本主義諸国、とりわけEUで爆発した財政・金融危機と政権の不安定さとも共通したものであり、いわゆる「新興発展諸国」(中国、ブラジル、インド、ロシアなど)でも社会的矛盾の蓄積が政権を揺るがす可能性を秘めて増大している。
 「生活第一」、「人間のための経済」、「新しい公共」などの理念を掲げた鳩山政権の政策は、小泉政権の「官から民」「規制緩和」の新自由主義的「構造改革」路線に一定の修正を行おうとしたものであった。「子ども手当」「高校教育の無償化」などの福祉政策や、「派遣労働法」改正などの企図の中に、そうした方向性が含まれていたことは確かである。それは、貧困・格差や、地域経済、農業の崩壊などに対する住民の根深い怒りに基礎づけられたものであった。
 しかし、深刻化する財政危機の中で、こうした一定の「中道左派」的要素を含んだ政策遂行は、大資本への規制・増税による所得配分の根本的転換に踏み出すことぬきにはあり得ない。「新しい成長戦略」を求める財界の意向に応えようとする鳩山政権の政策は、新自由主義的な「民営化・規制緩和」路線の枠組みからの決別をなしえないのである。この点にこそ鳩山政権の政策遂行における決定的なジレンマがあった。
 「外国人参政権法案」、選択的男女別姓を認める「民法改正案」などのリベラル的改革法案には、自民党、「日本会議」さらに「在特会」や「主権回復をめざす会」などの極右レイシストたちだけではなく、政権与党の一角を担う国民新党からの強い批判が集中した。鳩山政権・民主党は、内部からの反発・抵抗を含めたこうした反対論を押し切って、法制化を実現する意思を持たなかった。
 「普天間」問題を含めて、鳩山政権が掲げた一連の「改革」的課題は、今日のグローバルな資本主義のシステム危機の巨大さに対して、軍事・政治・経済・社会・意識全体の根本的変革を提示することぬきには着手することもできないテーマである。そして民主党には、そうした意思が初めから欠落している。またこうした課題への挑戦は、広範でダイナミックな社会的運動の圧力と、その方向を提起するオルタナティブな左翼政治勢力=反資本主義左派勢力の形成が不可欠である。こうした運動は、沖縄の島ぐるみ反基地運動を例外にすれば存在していない。
 菅新政権は、「小沢支配」との決別をイメージさせて出発した。そしてその出発において菅政権への支持率は高く、民主党への支持率も回復しているようである。しかし菅新首相は首班指名後、ただちにオバマ米大統領との電話で「日米合意」の忠実な履行を約束した。菅新体制の陣容もまた、新自由主義的「改革」論に追随する政治家のオンパレードである。
 菅新政権にわれわれはいかなる「期待」も抱くことはできないし、それが抱える危機と困難も鳩山政権となんら変わることはない。消費税増税論の先鋒でもある菅政権に対する労働者・市民の運動的攻勢がますます緊急の課題である。
 われわれは七月参院選においても「普天間基地の即時返還、日米共同宣言・閣議決定」の白紙撤回、「派遣法の抜本改正」を軸にして労働者・市民の要求を実現する政党・候補への投票を呼びかける。自民党や右翼「新党」を敗北させ、資本主義の構造的危機に立ち向かう新しい左翼勢力のための闘いに全力で踏み出そう。
(6月7日 平井純一)
 

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