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菅直人政権には国家社会主義的傾向がある (佐藤優の眼光紙背)
http://www.asyura2.com/10/senkyo89/msg/112.html
投稿者 otoppi 日時 2010 年 6 月 22 日 10:32:48: cUHXG0u8x2am6
 

菅直人政権には国家社会主義的傾向がある

「最小不幸社会」を掲げる菅直人首相。佐藤優の眼光紙背:第75回
http://news.livedoor.com/article/detail/4841008/


6月21日の記者会見において菅直人総理がこう述べた。

<首相は消費増税について、「早期に超党派で議論を始めたい。その場合、自民党が提案している10%を一つの参考にしたい」と改めて表明。「そのこと自体は、(参院選の)公約と受け止めて頂いて結構だ」と述べた。その上で、参院選では自らが掲げる経済・財政・社会保障の一体的立て直しが問われるとの考えを強調した。
 一方で、参院選後ただちに税率引き上げに踏み切るのではないかという見方に対しては「まったく間違いだ」と否定。「少なくとも2年、3年、あるいはもう少しかかるのではないか」との見通しを示した。
 首相は、低所得者ほど負担感が増す逆進性を緩和するため、生活必需品の税率を軽減する複数税率や税金を還付するための納税者番号制度の導入の検討が必要だという認識も明らかにした。>(6月22日asahi.com)

 6月21日朝日新聞朝刊には、同19〜20日、電話により行った全国世論調査の結果、<菅内閣の支持率は50%で、1週間前の前回調査(12、13日)の59%から下落した。不支持率は27%(前回23%)。「消費税率10%」に言及した菅直人首相の発言には「評価しない」が50%で、「評価する」の39%を上回った。首相が引き上げに前向きと取れる発言をしたことで、消費増税に反対の人たちの離反を招いているようだ>という記事が掲載されている。記者会見における菅総理の発言は、この朝日新聞の記事を読み、消費税問題に焦点をあてることが参議院選挙において民主党に不利になるということを十分踏まえた上での、「確信犯的」発言だ。この発言から、菅政権が、恐らく無意識のうちに、国家社会主義体制に日本を転換していこうとする傾向が浮かび上がってくる。そのポイントは、以下の3点だ。

 第一に自民党が提案する消費税率の10%を「一つの参考」すなわち、基準点にすることによって、与野党の争点から消費増税問題を外そうとしている。「財政再建に与党も野党もない」という全体の代表となることを菅政権が無意識のうちに指向している。

 政党を英語でポリティカル・パーティーと呼ぶように、政党とは社会の一部(パート)を代表する結社である。税問題は、国家観と表裏一体の関係にある。政党を差異化する上で、重要な問題である消費増税について、最初から野党が提示した数値を基準とするという菅総理の発想自体に、部分の代表(政党)が開かれた場(国会がそこにおいて重要な機能を果たす)における討論で、切磋琢磨して合意に達することを避けようとする傾向が認められる。

 第二に、低所得者への税率軽減や税金の還付が想定されていることだ。結果として、国家(官僚)による社会への関与が増大する。

 第三に、日本国民だけでなく日本に居住する全ての人を対象とする納税者番号制度の導入が検討されていることだ。事実上の総背番号制、国家(官僚)が個人の経済状態を詳細に把握することになる。

 菅直人氏を左翼、市民派と見なす論調が多い。フランス革命における左翼には、理性を絶対視し、合理的な設計によって、社会を構築するという了解があった。その意味で、菅氏の思想がこの系譜に属する政治家であることは間違いない。しかし、菅氏はマルクス主義的左翼とは本質的に異なる。日本の非共産党系左翼においては、伝統的に労農派マルクス主義の影響が強かった。旧社会党において、労農派マルクス主義者は平和革命を主張する社会主義協会というグループを作っていた。このグループに属する人々は、共産主義社会をつくるというユートピアをもっていた。菅氏はこのようなユートピアをもたない。菅氏は社会主義協会と闘う中で世界観を形成した非マルクス主義的左翼である。

<本来、政治は夢を語り理想を語り、ユートピアを語るわけですが、私の言い方で言うと不幸を最小化する仕事であって、幸福というユートピアを強制的につくると『Brave New World』(引用者註*イギリスの作家オルダス・ハックスレーの小説『すばらしき新世界』のこと)のようになってしまう。当時、学生運動でもマルクス主義なんかの連中と議論すると、彼らはユートピア社会を語るわけです。階級がなくなればすべてが解決するんだ、みたいなことを言っていた。でも、階級がなくなってすべてが解決するなんてとても思えなかった。だから僕はマルクス主義には最初から懐疑的でした。>(五百旗真/伊藤元重/薬師寺克之編『90年代の証言 菅直人 市民運動から政治闘争へ』朝日新聞社、2008年、15〜16頁)

 菅氏は、「不幸を最小化する仕事」を国家が社会に介入することによって実現できると信じている。ところで、国家とは抽象的存在ではない。官僚によって担われている。従って、菅氏の発想を図式化すると「よき官僚によって、不幸がミニマム化された社会がつくられる」ということだ。菅氏は官僚を価値中立的な道具ととらえている。ナイフが人殺しに使われたといっても、それは道具であるナイフが悪いのではなく、ナイフを使った人間が悪い。自民党の政治家は、官僚を悪用していた。民主党政権は、官僚を善導し、よい目的のために用いることができるという了解を菅氏はもっている。

 菅氏の発想は、先行思想と比較すると19世紀ドイツのフェルディナント・ラッサールの国家社会主義(シュタート・ゾツィアリスムス)に近い。日本では、陸軍と提携して「上からの社会主義社会」の構築を考えた大正時代から昭和初期に活躍した高畠素之と親和的だ。高畠は自らの思想を国家社会主義と名づけた。もっとも、マルクスの『資本論』全3巻をはじめて日本語に訳した高畠は、官僚を道具的な存在とはとらえず、国家悪を体現した危険な存在なので、社会によって官僚に対して圧力をかけることが不可欠と考えた。

 菅政権下、日本は国家社会主義に向けて舵を切ろうとしている。国家社会主義には、北欧型の福祉国家からイタリア型ファシズムまでの幅がある。ここで重要なのは官僚よる社会への介入をどのようにして、防ぐメカニズムを構築するかであるが、国家を中立的存在と見ている限り、このようなメカニズム構築の必要性がわからない。

 マルクスとマックス・ウエーバーは、論理構造は異なるが、暴力を合法的に独占するところに国家の本質があると考えた。この視座をもたないと官僚の危険が見えない。菅氏が道具主義的に官僚を使おうとすると、そこから「よき官僚たち」によって無知蒙昧な国民を保護することを真面目に考えるファシズムが生まれる。

 もっともマルクス主義理論に通暁している仙石由人内閣官房長官が、菅氏の世界観的限界を補うことが想定されるので、そう簡単に日本がファシズムに転換することはないと筆者は考える。いずれにせよ、菅氏が、恐らく無意識のうちに国家社会主義的傾向を示していることを軽視してはならない。(2010年6月22日脱稿)  

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コメント
 
01. 2010年6月22日 11:14:06: eJpJR4SFmM
あえて定義するなら
 官僚自由主義
である。

増税しても使い方を間違わなければ経済は成長する、という言葉が官僚自由主義をあらわしている。

エコポイントでもそうだが、あんな煩わしいことをせずに消費税を0.5パーセントでも下げた方がいくらか手間が省け効果がある。
何を減税の対象にするかという権限と、わざわざ事務局なるものを作って公務員を増やしている。(民間の形態をとっていても実質競争がない独占企業であるから公務員である)
政府の支出と収入を両方積み上げるのが官僚自由主義である。


しかもこの官僚自由主義は、新自由主義と結託している。

新自由主義とは、金融資本家が望む自由主義のことである。

金融資本家は、資本を通じて会社を支配しその利益を得ることである。
そのため会社を支配しやすく規制をなくすことと、配当などに税金をかけないことを求めている。

そこで官僚自由主義と新自由主義は、官僚の権益を増やすことと金融資本家への課税をしないことを取引したのだ。

その結果が消費税の値上げである。


我々は二つの敵を同時に攻めなければならない。

そこでジレンマに陥っている。

新自由主義を否定することによって官僚が何でも口をはさむ経済になることを否定しにくくなる。

官僚支配を非難すると新自由主義がいいのかと非難しにくくなる。

このジレンマだ。

しかし、新自由主義が悪いのは、あまりにも金融資本家有利になることであって、自由主義自体を否定しているわけではない。

小さな政府を否定しているわけではない。

むしろ小さな政府であって、金融資本家にも社会の維持経費である税金を応分に負担させる社会を望んでいるのである。

我々が望んでいるのは、小さな政府の総中流社会の自由主義なのである


02. 2010年6月22日 11:14:33: eJpJR4SFmM
あえて定義するなら
 官僚自由主義
である。

増税しても使い方を間違わなければ経済は成長する、という言葉が官僚自由主義をあらわしている。

エコポイントでもそうだが、あんな煩わしいことをせずに消費税を0.5パーセントでも下げた方がいくらか手間が省け効果がある。
何を減税の対象にするかという権限と、わざわざ事務局なるものを作って公務員を増やしている。(民間の形態をとっていても実質競争がない独占企業であるから公務員である)
政府の支出と収入を両方積み上げるのが官僚自由主義である。


しかもこの官僚自由主義は、新自由主義と結託している。

新自由主義とは、金融資本家が望む自由主義のことである。

金融資本家は、資本を通じて会社を支配しその利益を得ることである。
そのため会社を支配しやすく規制をなくすことと、配当などに税金をかけないことを求めている。

そこで官僚自由主義と新自由主義は、官僚の権益を増やすことと金融資本家への課税をしないことを取引したのだ。

その結果が消費税の値上げである。


我々は二つの敵を同時に攻めなければならない。

そこでジレンマに陥っている。

新自由主義を否定することによって官僚が何でも口をはさむ経済になることを否定しにくくなる。

官僚支配を非難すると新自由主義がいいのかと非難しにくくなる。

このジレンマだ。

しかし、新自由主義が悪いのは、あまりにも金融資本家有利になることであって、自由主義自体を否定しているわけではない。

小さな政府を否定しているわけではない。

むしろ小さな政府であって、金融資本家にも社会の維持経費である税金を応分に負担させる社会を望んでいるのである。

我々が望んでいるのは、小さな政府の総中流社会の自由主義なのである。


03. 2010年6月22日 11:17:11: eJpJR4SFmM
1と2
投稿失敗と出たのでもう一度押したら、2重投稿になりました。

04. 2010年6月22日 11:29:59: kFyPdez0NA
ファシズムの兆しあり・・・菅氏の街頭演説は異様だ。893紛いの黒服軍団(襟に党バッチ)ずらりと並び機動隊まで取り巻いてる。国民を敵と見紛うようにさえ見える。論理より先に現実は動いているようだ。

05. 2010年6月22日 12:03:37: rO2YqeEuow
昨年の衆議院選挙が「新たなる希望」
今回の菅総理就任が「帝国の逆襲」
小沢一派による「ジュダイの帰還」があることを希望。

06. 2010年6月22日 13:02:54: zuQuhPOteB
ほんとに小沢支持者か?

小沢氏が選んだ候補に投票しないのか?徳永えり、はたの里奈、伊藤ひろみ、道あゆみ、相本 芳彦、西原 あきら、いのべ 航太、
高島陽子、中本 なおこ、安井みさこ、岡部 まり、三橋 真記、島 くみこ、
板野真理、岩田 ひろたか、中川 けい、原田 大二郎、吉田 ます子、
岡平知子 、かつき 美知子、そして谷 亮子・・・など多数。

民主党を叩いて、小沢氏が汗をかいて擁立した候補を落選させるようでは、小沢支持者ではない。


07. 2010年6月22日 15:03:54: F7RW5rxiO6
去年の夏、脱官僚を謳う民主党に清き1票を投じました。何の断りも無く、1年もしないうちに、官僚国家体制にするなんて、詐欺でしょう。菅内閣を許せない。菅さんに政権を渡した鳩山さんにも、小沢さんにも責任は、ある。

08. 2010年6月22日 16:18:59: Sc8rj8YB2w
衆議院選挙で「国民の生活が第一」という民主党を支持して家族で投票した。今回の菅内閣はまったく約束を反故にしておまけに消費税増税まで言い出した。納得出来ないことだった。私はもともと民主党の支持者ではないが、小沢さんは応援してきた。政治と金なんてどの党の政治家だって綺麗じゃないのに決まっているといつも思っていたから、そんな事は気にならなかった。おまけに検察は「不起訴相当」だって言ったのだから、どうしてこんなに叩かれるのか怒り心頭になった。

ただ鳩山さんにはがっかりした。「現実的に考えれば・・・」そういえば昔社会党が自民党と連立した時にも「社会党は与党として現実路線に・・・」それで支持を失った。今度は菅政権が「現実路線に切り替えて・・・」それで浮動票の支持は失う事になる。官僚政治に回帰で信用がた落ちだね。

「国民の生活第一」の民主党は支持できたが今の民主党は支持する義理も無い。
でも、小沢さんを長く支持してきたので私の選挙区では小沢さんが立てた新人に投票する。党名は書きたくないので、原田 大二郎(大好きな俳優さんだから)と書く。先日自分の地区の民主党支部に電話をして「党の名前は書きたくないが、他の地方の候補者の名前を書いてもいいか」と電話した。これも使える手だと思った。



09. 2010年6月22日 20:52:28: EMzXytPluA
菅氏は、自分の知らないことを知っている人の言うことを採り入れる融通無下さがよくも悪くもある人のようである。
佐藤氏は、菅氏に国家社会主義者を見、その上で「もっともマルクス主義理論に通暁している仙谷由人内閣官房長官が、菅氏の世界観的限界を補うことが想定されるので、そう簡単に日本がファシズムに転換することはないと筆者は考える」としているようだが、私は佐藤氏とは逆に、危ないのはオポチュニスト菅氏ではなく、「日米同盟の負担の犠牲を沖縄県民がどこまで甘受できるかだ」としている仙谷氏こそが社会ファシズムの元凶なのではないのかと疑っている。
宇野弘蔵氏を日本が生んだ最高の思想家と持ち上げたり、無視意識の集合によるクーデター説など最近の佐藤氏は、アイデア先行に走りすぎているように感じざるを得ない。

10. 2010年6月23日 01:33:14: 2yvKCHjVwI
私には行き当たりばったりなだけに思えます。それは自民が困惑していたことからも窺えるのではないでしょうか。底が浅いだけに空き菅掃除の始末に弱ります。

11. 2010年6月23日 04:03:42: UPq0JUDhF6
行き当たりばったりなだけなオポチュニスト佐藤氏、ともいえなくもない。増税が本来どうなのかが根本のイシューだろうに。その時その時読んだものをそのまま状況に当て嵌めているだけに見える。

12. 2010年6月23日 18:02:27: i1oUnF3jS6
何々主義などと言う高尚な思想が菅に有るとは思えない。「国民の生活第一。真の日本独立。自立。対等の日米関係」。などへの改革、の看板を捨てて、愛国者の小澤さんや鳩山さんを追い落とした旧体制属国派へすりより、訪米の指南を中曽根氏に仰ぐ始末だ。自民党的な要するに吹く風を読む権力指向型の政治家では無かろうか。

13. 2010年6月24日 00:04:07: vYy2Ay1JDU
話は変わりますが
12.さんのつながりで

JAL123について 言及しろ!
中曽根!!


14. 2010年6月24日 00:16:58: MrbCUd5TaI
最近 菅のブレーンという教授?があちこちのテレビ局に引っ張りだこのようだが・・・話しを聞いていると「こんな軽いのがブレーンか」「内容が現実的でない」と独り言を言ってしまう。

菅の発言に中身が無いのが理解出来た。


15. 2010年6月24日 07:45:04: UPq0JUDhF6
社共の残骸のようなエセマルクス主義者と議論して悲惨な自信をつけたという話だが、団塊の世代がマルチスターリン主義であることを露呈したというわけか。
小野善康は気違いじゃないの?笑わせる。ネット右翼の気持ちがよくわかる。右翼可愛や可愛や右翼

16. 2010年6月25日 21:48:57: EMzXytPluA
No.10「空き缶処理」氏に座布団5枚。

17. 2010年6月25日 23:02:22: EMzXytPluA
15様

マルチスターリン主義というのは、もう一つ私の理解が及びませんが、市民派を自称する人の中には、権力志向の強い人がいることは事実だと思います。
「市民目線からは許しがたい」などとそっくり返っている検審はその一つの典型であると思いますが、強い経済、強い財政、強い社会保障などとやたらに強いを連発するものの、その意味はというと、ハテナと考えさせる菅氏も同様であると思います。


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