次期戦闘機購入問題は第二の普天間問題になるという東京新聞のスクープ

　６月２６日の東京新聞は一面トップでタイムリーなスクープを掲載した。それは防衛省が来年度の予算要求に次期戦闘機数機の購入費を盛り込む方向で最終調整にはいった、という記事だ。

　三種類に絞られた候補機種（米社ロッキード、ボーイング、欧州ユーロファイター）はいずれも世界一高額の一機１５０億円前後。数年かけて５０機を導入するという。総額一兆円近い予算だ。なぜ日本の防衛にそのような高額の戦闘機が、しかもそれだけの量が必要なのか。それを使う相手はどこか。その説明は国民に一切知らされない。語られない。議論されない。

　問題はそれだけではない。戦闘機開発中にトラブルが起き、開発費が大幅にハネ上がったために米国がその穴埋めに日本に大量購入を持ちかけているというのだ。

　普天間基地をめぐる迷走の果てに、日本の国民が政権交代を望んで選んだ総理が、首をかけて米国に譲歩したのが５月２８日の日米共同声明であった。

　その発表の直後の６月５日に、ゲーツ米国防長官は訪問先のシンガポールで北沢俊美防衛相に持ちかけたという。F-35（ロッキード・マーチン社）をよろしく、と。

　米国からの武器購入は戦闘機だけではない。イージス艦も迎撃ミサイルシステムもすべてそうだ。

　しかも日本の装備は日本を守るためではなく米国の軍事戦略に従って決められてきた。だから装備がアンバランスのものとなって日本防衛に役だたない。

　これは鳩山首相の防衛ブレーンの一人であった軍事評論家小川和久氏が繰り返し述べている事実だ。

　おまけに、あの田母神元航空幕僚長も至るところで述べている。日本は米国から不当に割高な武器を買わされ続けてきた、と。

　ここまで防衛予算の無駄は状況証拠が揃っている。

　来年度の予算はただの予算ではない。財政再建のために消費税増税は不可欠だと主張してつくられる予算だ。

　予算が足りないといってガソリン減税を止め、子育て支援も約束を破った菅民主党政権である。

　その菅民主党政権が日本国民の暮らしよりも日米同盟を優先する予算を認めるというのか。まともな国民であれば黙ってはいないだろう。

　東京新聞のスクープ記事が「第二の普天間問題」になりうる難問だ、と書く理由がそこにある。

　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　完　　　　　　　　　　　　　 　

コメント
01. 2010年6月27日 20:46:35: 5FhufSYmmI アメリカにつける薬はありまへんな。
02. 2010年6月27日 21:35:31: 6qGYI3T8Us 普天間問題での「抑止力」恫喝で、「シメコのウサギ」を味わったネオコン-日米安保利権族は小官僚ゲーツが揉み手するように、次期戦闘機問題でまた一捲りを狙う。 この戦闘機問題はかの世界の愚作機Ｆ-１０４選定のように、日本独自の防衛-防空網の要石となるような戦闘機を選定していない。あくまでも自軍のジャンク品認定の物か、既に時代遅れとなる戦闘システムに適合したもの。 Ｆ４ファントムがそうだ。 かのゼロ戦の三菱が常にホゾを噛み、パン助日米安保体制の共同作戦自体が、日本の外交力と軍事力を米国に対して「無力の次元」に押しとどめておくという企図を如実に表現しているものなのだ。 ただひたすら、詐欺的軍事用品商法で、オタクの石破あたりを喜ばせるだけのものなのであろう。ＭＤ防衛網のセールスがそれを物語る。 戦闘機開発に巨額の予算が掛かるとしたら、「二番でいいでしょ」というミンスの仕分け水準では簡単に引っかかるというもの。Ｆ-３５が以下ばかりのステルス性能を持っているかは、不明なのである。しかし、ロシアのステルス迎撃地対空ミサイルシステムをイランに売るなと圧力をかけているサマを見ると「ナンボのモノか？」というヤツなのであろう。 思いやり予算を突出させたミンスは、その大半を米軍に寄生する米国業者に持っていかれているという事実を知ってか知らずか、第二の普天間ではなく、郵貯-簡保にたかったオリックスのザマを示すのであろう。
03. 2010年6月27日 21:40:49: GV7r3tLzYy 防衛省空自が欲しがったF22（ラプター）は、輸出すれ米国の安全保障が脅かされると輸出拒否の沙汰。ところが肝心の米国防省も、国防予算上余りに高額のためこれ以上の導入打ち止めとなった。 　儲け口を失ったロッキード・マーチンとボーイング社は、今度はスペックダウンした、廉価版のF35（ライト二ング）の売り込みに必死だが、肝心の実機の開発が遅れに遅れ、ロール・アウトした機体が未だない、という摩訶不思議の商談がひそかに進行中である。 　これが米国版「振り込め詐欺話」にならず、よしんばF35が姿を現したとしても、開発費用も上乗せされたとんでもない価格となるであろう。 　防衛省ひょっとして、「空母の形をした大型護衛艦」での運用を目論んでいるんじゃないだろうね？
04. 2010年6月28日 00:45:23: DmCC9k6hHM 「欧州ユーロファイター」が最高である。今中国は、例によって、スパイを放って手に入れたステルス機を開発しており、対抗できる戦闘機は「Ｆ-２２」と「欧州ユーロファイター」だけである。 アメリカは「Ｆ-２２」を日本に売らないといっているから「欧州ユーロファイター」しかない。 Ｆ-３５は、以下にも廉価版で貧弱だ。航空ショークラスの代物で実戦向きではない。 日本でもステルス機は開発できるし、実験機が飛んでいるが、世界が驚くほどのものを作れないか。 米国債を売れば、２兆円くらいの金はすぐ用意できるが・・。
05. 2010年6月28日 16:34:37: 9NykapfLrI 軍事産業が外国に武器を売り込む場合、それぞれの代理店や代理人を通して、必ず、購入総額の５％以上を工作費(ワイロ)にあてて、その国の政界への裏工作をするそうです。 かなり前、こうした武器の裏工作資金が各国の政界にワイロとしてばらまかれることで、世界中の政界が汚職にまみれ、腐敗してゆくことを取り上げたＮＨＫの番組で、ある海外の武器商人が顔出しでこのワイロによる政界工作には例外がないことを証言していました。 つまり日本に対しても政界や選定をしている防衛官僚にワイロがばら撒かれてきた可能性が非常に高いということです。その一端が例のロッキード事件であり、日本のフィクサーであった児玉誉士夫やその他の有力政治家、官僚など数十人にワイロがばら撒かれたと言われています。 武器以外の場合でも、各国の政府が絡むような巨額の取引には巨額のワイロが使われ、その度にどんどん世界中の政界が腐敗してゆきます。（つまり、先進工業国が世界中の政界を腐敗させ、それで独裁政権が生まれ、民主主義の定着が中々進みません） 考えてみれば、武器の売買は何千億円とか１兆円とかの巨額の売買契約であり、軍事企業の存亡が懸かる場合もあるのですから、資本主義では巨額のワイロが動くのは当り前といえば、当り前です。 今回の場合、防衛省の本命は米国のＦ２２でしたが、Ｆ２２が米国議会の反対でダメになったので、米国のＦ３５（ロッキード・マーチン社）で決まりかもしれません。しかし、政権交代により、ＦＡ１８Ｅ／Ｆのボーイング社やユーロファイターのＢＡＥシステムズも本気で売り込む気になっているかもしれません。 もし、本気でボーイング社やＢＡＥシステムズが売り込む気になったら、Ｆ３５のロッキード・マーチン社も含めた３社から、金がばら撒かれるのかもしれませんし、既に当初の６社から金がばら撒かれているのかもしれません。
06. 2010年6月30日 16:29:40: RumzxWsQt2 前原あたりはもう匂いにつられてフラフラしてますよ。とっくに、アメリカに下半身スキャンダルは握られているだろうしなあ。これからの動きを良く見て無くては。八ッ場ダムはどうした前原くん。

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