◆全体として言いたいこと
警察庁の出してきた「警察捜査における取調べ適正化指針」には、取り調べを警察の管理部門がチェックすると書かれているが、それがいかにインチキであるか
http://www.npa.go.jp/keiji/keiki/torishirabe/tekiseika_shishin.pdf

◆警察内の「管理部門」ではチェックしきれない
警察庁が１年間で取り調べを行う人数は「刑法犯の被疑者１２４万人」「特別法の検挙者８２万人」
＋立件できない人　＋１４歳未満の人　＋参考人（被疑者より多い）
＝とてつもない数　→　物理的にムリがある。

◆チェックするほうと、されるほうが同じ上司をもつ
捜査に関係ない管理部門が取り調べにクレームをつけることになるが、管理部門のトップも本部長。きびしく監視できるわけがない。

◆捜査上の秘密が守れない
警察官は「司法警察員」と「一般の警察員」で区別されている。捜査するのは「司法警察員」。司法上の捜査で得た情報を、行政上の警察員に漏らしてよいものなのか、疑問である。

◆取り調べに対し苦情を申し立てる先を「警察」にすることは
　（１）弁護士との秘密交通権の侵害になる
　（２）公安委員会を軽視することになる
（ただし、そもそも公安委員会は御用委員会。銀行の頭取とか大学教授とかがなるのだが、そんな人が何か被疑者にしてくれるはずはない）

◆取り調べが過激になる問題の根底には「自白偏重主義」がある
　自白偏重主義をささえる「制度」
　（１）長期の拘留制度。２３日間の拘留＋別件逮捕（保釈を認めない）
　（２）代用刑事施設（留置場）

◆警察が可視化をいやがる理由は、検挙率が大幅に落ちるから
　（１）検挙率＝検挙件数／犯罪認知件数　をはじきだす計算式（分子の時間的制約）に、そもそもインチキがある
　（２）分子の検挙件数には、自白によって得られた「余罪」がたくさん含まれている。
　※ドロボウなどは捜査して逮捕しているものは１０％もない。