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政策遂行能力を失う菅民主党政権 (かけはし)
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投稿者 ダイナモ 日時 2010 年 7 月 24 日 13:17:21: mY9T/8MdR98ug
 

http://www.jrcl.net/frame100726a.html

右派野党からの攻勢

 七月十一日の参院選で大敗し、参院で少数派に転落した菅政権は、七月三十日召集予定の臨時国会を前にして、早くも政権運営そのものの深刻な危機に直面している。
 野党が参院の多数派となる「衆参ねじれ」現象の中で、政府・与党提出の法案は、参院で否決された法案の「再可決」に必要な三分の二を与党が衆院で持っていない現状では、新しい「与党連合」の組み替え、あるいは野党との法案ごとの個別的・多角的協力ぬきには成立しない。民主党は、みんなの党や公明党を視野に入れながら、個別的政策協議による法案成立、あるいは新たな連合政権の可能性を打診している。
 しかし、当面、民主党政権の危機に助け船を出そうとする野党はいない。自民党は「改選第一党」となった勢いで、衆院の早期解散・総選挙に民主党を追い込み、みんなの党や公明党との共闘を通じて「政権奪回」を実現することに焦点を絞っており、菅政権との対決の姿勢を鮮明にしている。みんなの党や公明党にしても、民主党と自民党を両にらみしながら、自らを高く売りつけるために、民主党からのアプローチを当面は拒否し続けるだろう。
 菅政権が対処しなければならない難敵は野党だけではない。当の民主党内部からも小沢・鳩山支持グループを中心に、九月の民主党代表選を射程に入れながら、菅首相、枝野幹事長の責任を追及する動きが始まっている。それは民主党の分解、新た政界再編をもたらす可能性をふくんだ動きである。

福祉カットと消費税アップ

 菅執行部は、民主党大敗の重大な要因となった「消費税率の一〇%への引き上げ」の主張への党内からの批判をかわすためにも、消費税率をはじめとした税制のあり方、財政危機の中での税負担の具体的二〇一一年三月までに作成する政府税調の税制抜本改革案の中に盛り込む、という案を、先送りにしようとしている。
 しかし、「先送り」は「消費税率大幅引き上げ」に向けた与野党間の合意を取り付けるための手段にすぎない。何よりも財界は法人税のさらなる引き下げによる「企業競争力」の強化と、「財政危機」を労働者民衆に転化するための消費税率引き上げをねらって民主党政権に圧力をかけている。IMF(国際通貨基金)もまた、七月十四日に発表した日本に対する二〇一〇年度版年次報告書の中で、二〇一一年度から消費税率の引き上げに着手し、十年かけて一五%にまで段階的に引き上げる、という案を社会福祉支出の抑制策とともに提案している。
 みんなの党は、選挙キャンペーンの中で菅政権の「消費税率引き上げ」論を批判した。しかしそれは、何よりも公務員の大リストラと給与引き下げ、民営化のいっそうの促進とセットになった消費税率引き上げでなければならないという主張であり、民主党の大きな支持基盤である公務員労働運動へのバッシングをねらったものだった。参院で少数に転落した民主党は、政権を延命させようとすれば、こうした公務員の大リストラと賃下げ、社会福祉支出の削減、消費税率の引き上げの圧力にさらされ続けることになる。
 「強い経済、強い財政、強い社会保障」という菅政権の訴えは、何よりも「強い経済」と「強い財政」を前提とすることにより、大企業のための減税、規制緩和と大衆増税、社会支出の切り下げの新自由主義の論理を復活させるものである。

自民党政治への先祖返り

 「子ども手当の支給」、「高校授業料無償化」「農家への戸別所得補償」などの民主党政権の中心的政策も、右派野党からの「バラマキ」批判の前に大きく後退させられようとしている。不十分きわまる派遣法「改正」案や、郵政改革法案もまた右派野党の総攻撃によって秋の臨時国会での成立がおぼつかない状況に立ち至った。
 同時に菅政権は、民主党「マニフェスト」の核心だった「官僚主導」を排した「政治主導」確立という立場をますます希薄化させ、国家官僚機構との妥協に走っている。「国家戦略局」構想の断念は、その端的な例証である。
 昨年総選挙での民主党マニフェストは政権構想の「5原則・5策」を掲げ、「官僚丸投げの政治から、政権党が責任を持つ政治家主導の政治へ」「各省の縦割りの省益から、官邸主導の国益へ」と訴え、その核心として「官邸機能を強化し、総理直属の『国家戦略局』を設置し、官民の優秀な人材を結集して、新時代の国家ビジョンを創り、政治主導で予算の骨格を策定する」と主張していた。
 鳩山政権の下で設置された「国家戦略室」は、通常国会に提出された法案で「国家戦略局」に格上げされるはずだった。しかし同法案が成立しなかったことにより、菅政権は「戦略局」構想を放棄して政策決定の権限を持たない「提言」組織に縮小することになった(「朝日」7月16日)。この決定を官僚機構は歓迎している。それは「自民党政権への『先祖返り』」(「朝日」7月17日)だからである。
 このようにして、「衆参ねじれ」に直面する菅政権の下での民主党の政権運営能力の恒常的危機は、その政策が自民党とますます酷似したものになっていく圧力として作用する。われわれは民主党の言う「政治主導」が、議会と労働者・市民との関係で民主主義を破壊する要素を持つ危険性を指摘してきた。しかしこうした「政官癒着」にもとづく自民党政治への「先祖返り」を背景にした、政策協議や新たな政党連合の模索は、「改憲大連合」の基盤を形成することになるだろう。労働者・市民は、いまこそこうした動きとの正面からの闘いを準備しなければならない。

米国からの強まる圧力

 菅政権は、米国の脅しと圧力に屈して沖縄の「民意」を裏切り、辺野古への新基地建設に舞い戻った鳩山政権の「日米共同声明」と「閣議決定」を、なんのためらいもなく踏襲し、「日米同盟の堅持」をオバマ政権に約束した。
 参院選の争点から「普天間移設」問題が完全にはずされていく中で、民主党は沖縄で候補を擁立できず、「県内移設反対」を主張した自民党の島袋議員の再選を許してしまった。しかし本紙前号でも述べたように、沖縄県の投票率が全国最低を記録する一方、社民党が沖縄での比例第一党となったことは、「ヤマト」の政治・政党への沖縄の人々の深い不信を示すものであった、と考えられる。
 沖縄現地の攻防は、「ヤマト」での政界再編をめぐる綱引きを超えて、さらに緊張した局面を迎えている。五月二十八日の日米安全保障協議委員会(2+2)の共同発表(日米共同声明)は、「代替の施設の位置、配置、工法に関する専門家による検討を速やかに(いかなる場合でも2010年8月28日までに)完了させ、検証及び確認を次回のSCC(日米安全保障協議委員会)までに完了させることを決定した」としている。
 「朝日新聞」の報道によれば、この「工法」に関して、政府は二〇〇六年の「ロードマップ」にある「埋め立て方式」に絞る案を決定したという。鳩山前首相は「埋め立て方式」を「自然への冒涜」とまで語り、くい打ち桟橋方式を検討するとしていたが、このやり方では建設費用が「埋め立て」の四千億円に対して倍以上の一兆円に達し、かつ米国側が「くい打ち桟橋」方式では「テロ攻撃」に対して脆弱、と難色を示していたことが、その理由とされる。
 しかし米国は、日本政府の旧来方式への舞い戻りに対しても信用していない。ゲーツ米国防長官は七月初め、辺野古基地建設遅延を口実にグアム移転費用の日本側負担の増額を求めた、と報じられている。さらに米国政府は、位置・工法についての八月末の決着・公表をあいまいな形ではなく明確にすることを求めている。それは米上院軍事委員会が二〇一一会計年度の国防予算権限法案の審議で、在沖海兵隊のグアム移転費用を七割削減し、予算復活の条件として「代替施設」建設の具体的進展を求めているためでもある。ゲーツの「日本側負担増額」要求にはこうした背景があるものと推察できる。
 しかし、いかに日米政府が「合意」したり「共同声明」で確認しようとも、沖縄の民衆は決して辺野古への新基地建設を認めない。そして沖縄の人々の強い意思を日米両政府にはっきりと突きつけるためにも、九月十二日投票の名護市議選、十一月二十八日投票の沖縄県知事選は重要な意味を持っている。

「日米同盟」と海外派兵

 他方、菅政権は辺野古新基地建設推進と並行しながら、「日米同盟」のグローバルな実質化の動きをあらゆる角度から進めている。
 今年のリムパック(環太平洋合同軍事演習)に参加した海上自衛隊は、はじめて米国以外の海軍との「多国籍合同演習」に加わった。今までは「集団的自衛権」に抵触するとして米艦以外との合同演習は行っていなかったのである。
 また政府は七月十六日、七月二十三日に期限切れとなるソマリア沖・アデン湾での海上自衛隊による「海賊対処行動」の一年間延長を決定した。その上日米の物品役務相互提供協定(ACSA)の対象を災害時の国際緊急援助活動にも拡大する方針が固められ、秋の臨時国会で関連法「改正」案が提出される、と報じられている(7月18日、朝日)。これは今年一月のハイチ大地震の際、派遣された自衛隊機で米兵を輸送するよう要請があったが、法的根拠がなかったため断らざるをえなかったからだとされている。
 こうして「海賊対策」や「緊急援助活動」という名の、実質的な軍事作戦でのグローバルな「日米共同」に関して、民主党政権がきわめて積極的であることにわれわれは注意を払う必要がある。軍による警察活動の代行や、救援活動の軍事化を通じて海外での共同作戦が確実に進行しているのだ。
 この夏・秋の沖縄米軍基地をめぐる攻防、十一月横浜APECへの対抗アクションをはじめとして、菅政権の混乱と危機の中での労働者・市民への攻撃に立ち向かう共同の闘いを広く作り上げよう。今こそ鮮明な立場が求められている。
    (7月18日、純)
 

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コメント
 
01. 2010年7月24日 14:37:13: K6AEu7ybNI
いよいよ徴兵制と日米同盟が明白にリンクしてきたな。
つまる所、3000人も死ねばピーピー悲鳴を上げて厭戦論が飛び出すアメリカ自体の兵力ではなく、いくらでも使い捨てのできる兵力として従順で間抜けな日本人を利用しようという事だ。

こんなものは左翼のみならず右翼も当然、断固反対で絶対阻止だぜ。


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