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いろんなところを見ると(日本の)自主って言うのは、もう消えている。特に安全保障の方では無い:7月19日孫崎享インタビュー
http://www.asyura2.com/10/senkyo91/msg/433.html
投稿者 読書中。 日時 2010 年 7 月 27 日 15:04:14: ak3IxOSAEFjas
 

遂に菅首相の私的諮問機関「新たな時代の安全保障と防衛力に関する懇談会」が、日米同盟の進化のため、非核三原則の見直しを提言します。正に日本がますますアメリカの戦略に組み込まれようとしています。
そこで7月19日に行われた岩上安身氏の孫崎享氏しインタビューの一部書き起しをしましたので、ぜひご一読、ご視聴を。

なお11回シリーズの中には田中角栄失脚の話などもあり、今後の日本を考えるうえでも、全篇ご覧になることお勧めします。

話は、イギリスのかつてのインド支配の続きからです。
以下、書き起こし(孫:孫崎享氏、岩:岩上安身氏)


100719孫崎享氏インタビュー10.flv
http://www.youtube.com/watch?v=3ps3M3U7nao&feature=related

孫:(当時の)世界のGDPを%で見るとインドが20%くらい持ってるんですよ。
岩:かつては。
孫:かつては。ものすごく豊かだった。何が起こるかというと、東インド会社ができて、インドでモノを生産する。100のモノを作るとすると、それをイギリスに送る。
岩:とりわけ綿花だったりしたわけですね。
孫:綿花ですね。綿花で100を輸出する。そうするとそのお金は一旦イギリスはインド側に渡す。しかし、国内に需要がないという状況を作っておけば、それはないから、もう一回運用でもってイギリスに戻る。これに対して利子が来ると。
どういうことかと言うと、100のモノがまず行って、最終的に、いろんなバリエーションがありますけども、利子分だけ戻ればいい訳ですから。100の分で、4か5か・・・
岩:なぜそのお金は国内投資に回らなかったのか?そして運用ができなかったのか?
孫:それは、国内では2%の利子に対して4%とか5%の利子をつける。そうすれば利ザヤでもってイギリスの方に行く。
岩:正に日本のおかれている状況とそっくりですよね。
孫:そう。
岩:国内が超低金利で、そして国内に投資先が無いんだ無いんだといわれ、政策的に需要を喚起するような投資ということを非常に強く否定される。
孫:はい。
岩:そして結局投資先というのは、個々人のレベルでも、国家のレベルでも、運用ノウハウが無いんだとかんだと言われ外に流れる。
孫:そういうことです。
岩:そして結局米国債買ってたりとか。
孫:そういうことです、そういうことです。
岩:米国債危ない危ないと言われ、暴落の可能性があるとまで言われているのに、買わされているような状況にある。まあ、なんでしょうねえ。
孫:だから低金利1%より4%のほうがいいという、それだけのことで向こうに行くわけです。
岩:巧妙な帝国主義主義的搾取の、まあ帝国主義なんて古い概念で今日は通用しないと、ね、思っている人が多くいると思うんですけど。それはレーニンが叫んでいた時代の話で、今の時代の話じゃないと思っているその日本人の多くが、実は知らず知らず「あれ、気付いたら自分たちのお金が持ってかれている」という。気付かずにいる。
孫:だから、そういう意味では、なんと言いますか、占領軍、占領体制であれば搾取されているとみんな思うわけですよね。それが無いだけに「ああ、基本的には自主でやってる」と、こう思っているんだけども、いろんなところを見ると、自主って言うのは、もう消えている。特に安全保障のほうでは、無いわけですよね。
岩:なるほど。日本の本土の中には米軍基地があるんですけども、かつての様には目立った形ではなかったりして、そのしわ寄せが沖縄に集中しているわけですけども、沖縄に行くと本当にまあ、沖縄は間違いなく日本国の一部ですから、日本の一角がこんな風に米軍の基地によって占領されている状態にある、今も占領続いているということを実感するんですが、これが沖縄と日本がいわば分断して、分断して統治されているといいますか、沖縄側の意識もそうだし、日本側の意識もそうですけども、「あれは沖縄のこと」、沖縄は「我々は日本から差別されているんだ」と感じ、両者はそれぞれ違う意識で持ってこれを捕らえてしまう。
 でも実際には、これは法的に見ても政治的に見ても同じ日本の国の中で、アメリカによる駐留・占領が今も継続しているということですよね。そのベースにあるのが、さっき前段で言った核戦略の話。じゃあ日本はどうしたらいいのか?っていう話になってくるんですけども、これ一言で急には言える話じゃなくて、大変難しい、先ほど行った通常戦力の戦略の話と、それから核との話になってくる。この辺りは27日にじっくりお話を伺いたいと思う。また告知かと言われるかもしれませんけども。
ま、先生のアメリカのハーバードに言ってた時代に論文をお書きになったじゃないですか。
孫:そうですね。
岩:その当時の論文では、日本の核武装の可能性を追求されたんですよね。そういうことずっと封印されてた。
孫:いや、封印したわけじゃない。
岩:外務省で大問題になったって。
孫:いや、あの、今で言うとかなり自主的な核を持つべき、持ったほうがいいだろうということを書いたんですよね。
岩:当時は。
孫:書いたんです。これはね、一つはアメリカに我々だってあなた方の言いなりになるよりは自分でやったほうがはるかにいいものができるんだよと、その選択肢もあるということを示したかったという気持ちもあったんですけども。
岩:外務省の官僚としてですよね。
孫:はははは。
岩:本国の日本の外務省の方では問題になったって。
孫:そうですよね。はははは。
岩:相当勇気の要った話ですよね。
孫:基本的には、私自身はアメリカのアカデミアの中で、これが、アカデミアの中の議論としてはね、成立しうるんだと言う承認をもらって、日本で議論をしたいと言う気持ちを持ったんですよね。
岩:当時は。
孫:当時は。だからハーバードで書いて、そこである種の認知を貰って、こっちに持ってきた。
岩:でも持ち帰ることはできなかった。
孫:こっちに帰ったら、基本的には、多分省内でも回覧させなかったんじゃないですかね。多分ね。私はその時には、あの時には、そう、バクダットに行ってましたからね。
岩:今度はイラクの…
孫:はははは。だから省内でその文書がどう扱われたかは、あの、正式には分かりませんけども、反対している人間がいるということは聞きましたけどもね。出すなと。
岩:出すなと。これを封印を解いてですね、是非。
孫:別に、だってハーバードにはずっと置いてあったんですよ。
岩:誰も見ませんって、そんなもの。
孫:はははは。
岩:誰も気付きませんって。是非これはその、改めて開示して、もちろん昔の論文です。
孫:そうです。
岩:で、その当時の時代の文脈もあると思います。
孫:そうですね。
岩:そのことを踏まえて、まあその先生の中で若木だと思うようなこともあるかもしれません。
孫:(首を振って否定)
岩:その後の軌跡、お考えの変遷というもの、時代の変化もあるでしょうし。
孫:今は、私は反対なんですよ。
岩:今は。
孫:反対。
岩:核保有に対して。
孫:うん。
岩:これは要するに倫理的に反対であるという…
孫:そうじゃない。
岩:情緒的に反対であると
孫:そうじゃない。
岩:さっきの純然たる冷徹な戦略を考えて、要するにきちっと計算していくと割が合わん…
孫:いや、そうじゃない。
岩:そうじゃない。そうではない、じゃあどういうことですか?
孫:多分ね、今日の日本の安全保障政策、防衛政策で、日本の独自のものが無い。基本的には米国の戦略の中の一環として動いている。そうすると日本の核も、実はアメリカの以降でもって使わされると言う状況が出てくる。
岩:あー、でちょっと物騒な話。
孫:そうすると、ね、日本と中国の間で核の打ちっ放しをやって、米国は後ろにいると、こういう戦略は十分に考えられるんですね。もう、アメリカの保守派の人たちは、それに気付いて、日本に核を持たせたらいいって言い始めましたからね。
岩:それは最近の話ですか?
孫:最近の話。
岩:自分たちの戦略だと思って気がつくと、自分たちの戦略だと思ってやっていると、いつの間にか操られている可能性、そういう可能性が出てくると。
孫:要するに、これがね、日本に持たせたらいいということを、なんとなくね、ライシャワーであるとか、日本を理解している人たちの言葉から出るんであればいいんですけども…
岩:まだしも、ということですね。
孫:そうそうそう。だけど、持たせたらいいといっているのが誰かというと、チェニーなんですよね。
岩:チェニー(笑)…
孫:それからマッケーンなんですよ。
岩:はー
孫:このウルトラ保守派が何で日本に核を持たせたらいいと言っているか、ここを考える必要があるんですよ。
岩:チェイニーが、ハリバートンのCEOのチェイニーが、ね、ブッシュ大統領の副大統領であった…
孫:それはね、チェニー、チェニーの副大統領の動きを見ると、まこれはニューヨークタイムズかどこかアメリカの新聞が書いた表現ですけども、正確な英語のフレーズは忘れましたが、「悪の帝王」ですからね。
岩:ふっふふ。チェイニーは非常に研究されて、非常に怖い男だと仰っておられましたよね。
孫:それは本当に、そういう意味では
岩:ブッシュ政権の本質というのはブッシュ以上に、チェイニーによって、
孫:チェニーですよ。
岩:性格づけられた。
孫:ええ。ブッシュ政権の基本的な方向付けはチェニーだと思うんです。


100719孫崎享氏インタビュー11.flv
http://www.youtube.com/watch?v=lD2JEGflNG0

岩:あのイラク戦争の突入にしろ、必要の無い戦争
孫:テロとの戦いもね。これ、一言だけ言うと、9.11が起こってね、9.11が起こってオサマ・ビン・ラーディンが世界貿易センターを破壊したんですよね。みんなはオサマ・ビン・ラーディンがやっつけたとこう思った。それが2001年9月11日、2001年9月26日かどっかその辺でね、チェニーがある記者とインタビューしてるんですよ。そのインタビューで言ったセリフの中で、新聞記者が「もしもここにオサマ・ビン・ラーディンの首が出てきたら、どうなりますか?」。ということは、これでもう終わりでしょうと、敵の首領の首が出たんだから、まあそれで終わりでしょうと。チェニーが言ったのは「これからあと何十年とテロとの戦いは続きます」と。「首が出てきても出てこなくても関係ない、インドネシアからエジプトまで戦争やります。」
岩:うーん…聞きましたか?皆さん、恐ろしい。
孫:これはきちんと出てるんですよ。何も私が空想でしゃべってるんじゃなくて、ワシントンポストやニューヨークタイムズに出てますから。
岩:相手の首を取ろうが、つまり勝利を収めようが、それとは関係なく、アルカイダを壊滅させた後の、テロとの戦いに名を借りた戦争をインドネシアから
孫:エジプトまで。
岩:…
孫:だからアフガニスタン戦争が何であるか、イラク戦争が何であるかって言うことを、地域のローカルなところでしゃべったって意味無いんです。なぜ、チェニーが、その時に、首が来てもあと10年とかそれくらいテロとの戦いを戦わなくちゃならないと言ったか、という、そこ。
 面白いのは、その当時ブッシュ大統領は少しトーンが違うんです。ブッシュ大統領は、我々はこの9.11があってもイスラム教徒と戦う意思は無いと、あれはイスラム教徒じゃないんだと、ある意味でまじめな、アルカイダというのはまじめなイスラム教徒じゃなくって、それから飛び出した人間であると。
岩:異端の過激派であると。
孫:そうそうそう。
岩:イスラム教徒の本質的な教えに基づいたりとか、あるいは大多数の考えを反映したものではない問うことですね。
孫:ということを、ブッシュ大統領言うんですけども、
岩:驚きます、ブッシュ大統領…
孫:ブッシュ大統領言うんですども、その時の、なぜそういうこと言ったかと言うと、それの、ブッシュに知恵をつけた人間、それは、今の、外交評議会の会長なんですよね。彼が国務省の政策企画部長なんです。兼、アフガニスタン特別担当というね、一時期、9.11が起こった直後はアメリカの国務省の中では良識派がね、あの問題を、一連の問題を扱ってた。ところが、彼が次第次第に排除されて、チェニー的な考えが出てくる。
岩:ネオコンが。
孫:ええ。
岩:極端な軍産複合体。ま、金儲けですよね。一つは。
孫:まあ、理由は私自身分かりませんけども。
岩:はははは。簡単すぎますね。
孫:チェニーという人がイニシアチブを取ったと言うこと、これは事実だからね。その背景が何かは私は分かりません。
岩:ものすごい力が、アメリカ国内でもひしめき合うし、日本と関係ない第三国を含めた地球上で権力のせめぎあいがあって今日の自体を生んでるんだと思うんですけども、そういうことうかがっていると時間がなくなってしまうので、とりあえず出すね、この核の話し、核戦略の話は落ち着いてお話しないと誤解を招きますよね。核、単純にですね、じゃあ広島や長崎は核保有したいのかしたくないのかとか、すごく単純な議論をする人がどうしても増えてしまうので。ただ単に核爆弾持てば核戦略が成り立つのではなく、保有するとか製造するとかよく言いますよね、日本人で日本の技術力を持ってすれば一ヶ月で作れるんだーとか、子どもみたいなこと言う人。作ろたってどうしようもないわけで、それを巡ってどのようにそれを大きな全体の軍事戦略や、防衛戦略、安全保障戦略の中に位置づけうるのかと言うことが、非常に重要だと、言うことですよね。
孫:(うなずく)
岩:そういった話をじゃあ日本はそういった話をありえるのかありえないのか、日本がありえないとして、これまで通りありえないとして、じゃあこれからの見渡せる限り、数十年間程度のスパンで見て、我々が関われる部分での世界の中でですね、どのように核戦略が動き、そういった戦略が揺れ動き、権力ゲームが展開されていくのか。間、これは一寸先は闇なのかもしれませんけども、その上で日本はどういう道を模索するのが可能なのか、あるいは現実にできるのか、ということを一緒に考える機会をもてたらなあと思います。先生のご高説聞きたいと思います。
孫:ありがとうございます。
(5:40まで)


 

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コメント
 
01. 2010年7月27日 18:12:01: FSyPN1ESQM
書き起こし、長時間かかったかと思います。
投稿ありがとうございました。
この投稿が多くのかたの目にふれるよう、期待しております。

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