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世界に広がるデフレ-財政に関する虚言・妄言が世界に拡散している(経済コラムマガジン)
http://www.asyura2.com/10/senkyo92/msg/193.html
投稿者 JAXVN 日時 2010 年 8 月 10 日 08:09:13: fSuEJ1ZfVg3Og
 

「経済コラムマガジン10/8/2(626号)
・米国もデフレ?

・ヘッジファンドに繋がっている「ヤカラ」
ギリシアなど南欧諸国の財政危機をきっかけに、一時的ではあるが日本の財政問題が注目を集めた。例えば経済学者達は「財政規律の確立を急げ」と騒ぎ始めた。また大新聞も、国民は消費税引上げに賛成しているという奇妙なアンケート結果を公表していた。このような世間の論調が少なからず菅首相に影響を与え、唐突な消費税増税構想に結び付いた。

しかし民主党が参議院選挙で大敗する頃には雰囲気が一変していた。消費税増税論議はどこかに吹き飛んでしまった。だいたい政府はデフレ対策のため、これまで消費を喚起する政策(エコポイントなど)を進めてきた。ところが今度は消費税増税によって消費にペナルティーを課すと言うのだから、明らかに矛盾している。

たしかにギリシアの国債が売られた当初、マスコミには日本の国債も売られるという声が満ちていた。これで財政再建派も勢いづいた。ところが現実は全く逆に動いたのである。むしろ日本の国債はどんどん買われ、利回りは低下した。また日本の国債を買うための資金が流入し、円は高くなった。

慌てたのは「日本の財政は破綻寸前」と日頃から財政危機を喧伝してきた人々である。彼等は、日本の国内貯蓄がたまたま多いから、今回に限って日本の国債が買われていると苦しい言い訳をしている。「菅首相が増税を言い出したから」という珍妙なものまで現われた。それなら消費税増税を断念したことによって、日本の国債が売られても良いはずだ。

筆者は、日本の財政について少しずつであるが、正しい理解が広がりつつあると感じる。もっとも30年間も「日本の財政は破綻寸前」という大嘘に付合ってきたのである。いい加減に御用学者達の言動がおかしいと気付く人々が出てきても不思議はない。

「日本の財政赤字の累計はGDPの2倍も有り、これは先進国で飛び抜けて最悪」という、例の話も最近はあまり聞かなくなった。むしろ日本政府が巨額の金融資産を持っていることが段々と知られてきている。今日、日本の財政が危機的であると深刻に悩んだり、借金時計に脅えるのはよほどの変人である。

たしかに事あるごとに「破綻寸前の日本の財政」と言っているニュースキャスターがいる。このキャスターは、昔、プロレスの中継をしていた。ところが今日、財政の専門家になったような断定的な口調で話すので驚かされる。特に09/11/30(第595号)「ヘッジファンドの広報担当」http://www.adpweb.com/eco/eco595.htmlで取上げたように、この報道番組には、外資系ヘッジファンドに繋がっているのではないかと疑われるような解説者が時々出演している。

市場関係者によれば、やはり外資系のヘッジファンドはここ一年くらいの間に4回ほど日本国債の売り崩しを仕掛けたという話である。ところが国債の利回りが少し上昇すると、必ず日本の生保や銀行が国債を買ってくる。つまりヘッジファンドは売り仕掛けをする度に失敗しているようである。もし彼等が大きな損を抱えているようなら、また売り仕掛けをして来るものと思われる。その時にはヘッジファンドに繋がっている「ヤカラ」がまたうるさくなるのであろう。

・「異例なほど不確か」
筆者は、日本の現状が正しく認識された上で、財政が運営されるのが理想的と考える。しかし菅首相が「日本の財政はギリシアの次の次ぐらいに悪い」と思い込んだことで分るように、政治家にそのような事を望むのは無理である。日本の財政は直には破綻することはないといった程度の認識を持つのが精一杯である。

しかし日本がデフレ経済から脱却するには大規模な財政支出政策が必要である。しかもそれを何年も続ける必要がある。この正論を主張できる政治家はわずかである。

筆者達が主張するセイニアーリッジ政策が、実行されないまでも、社会に認知されるチャンスはあった。リーマンショック後の異常な景気後退時である。しかし麻生政権は財政支出の中途半端な拡大を行いこれに対応した。日銀は、毎月の国債買い切りオペ額を12,000億円から18,000億円に増やし、お茶を濁した。

各国は金融緩和と財政支出を増やし、リーマンショック後の経済の落込みに対処した。新興国の経済の立直りは早く、少なからず世界の経済を牽引した。日本経済は米国や新興国の景気回復に助けられ、ほぼリーマンショック前に近い水準まで回復した。これによってとりあえずセイニアーリッジ政策の出番がなくなったのは事実である。

ここから主に今後の米国経済について述べる。世界的に大企業の4〜6月決算が出ている。景気回復とリストラによってどの企業の決算も好調である(前年が酷すぎる)。ただ今後の世界経済の行方は渾沌としている。筆者は先進国の経済は4〜6月がピークではないかと見ている。また企業の業績が多少良くなっても、マクロ経済が悪いという状態がずっと続くと思っている。

企業決算が良くても失業率が下がらない。もっとも人員整理をしたから企業業績が良くなったという面がある。しかし失業者を抱えたままでは、そのうち消費も頭打ちになる。米国経済にはその徴候がはっきりと現われている。

今後の米国経済の見通しについてバーナンキFRB議長は「異例なほど不確か」と発言し、これが世間の注目を集めている。バーナンキ議長が懸念しているのは、米国経済が日本のようなデフレに陥ることである(筆者は既にデフレと思っているが)。以前の米国経済は金利に感応的であり、金利を下げれば消費や投資が伸びたものである。ところが今日どれだけ低金利を維持しても、一向に国内需要は増えないのである。

米国でも国債だけが買われ、長期金利は低下を続けている。しかし金利が低下しても実物経済に金が流れない。まさに日本と同じ現象が起っている。これでは高止まりしている失業率が低下する可能性がなくなる。いずれ高い失業率が大きな政治問題になることは必至である。

筆者は、バブル崩壊後のデフレは景気循環の景気後退とは根本的に異なると考える。景気循環の不況は主に過剰設備によるもので、時間が経てば調整される。しかしバブル崩壊によるデフレは、資金が金融機関で凍り付いて流れ出さないことによって慢性的な需要不足を引き起す。

もっともサブプライムローン問題やリーマンショックがバブル経済の崩壊と見なして良いのか議論があろう。もしこれがバブルの崩壊なら、米国経済は日本と同じ道を歩む可能性がある。つまりデフレ街道である。

今、米国などで不況対策からの出口戦略が検討されている。具体的には金融緩和の是正と財政支出の削減である。頭だけで考えるなら、これまでのように官需を増やす政策を行えば、そのうち民需が増えてくると思われる。ところがその民需が腰折れ状態に陥っている。勘が鋭いバーナンキFRB議長は、もし今出口戦略に移行したらとんでもないことになると気付いているのであろう。それが「異例なほど不確か」という発言になったと筆者は考える。

そのうち失業率が低下しないことを問題にし、米国民主党の政策を否定する勢力が強くなると思われる(米国民主党の政策を否定する勢力が正しい事を言っているとは限らないが)。また財政規律を問題にする者や長期間の金融緩和に異議を唱える者が必ず出てくる。日本も経験したように、米国の経済運営は難しい段階に来た。

来週は今週の続きである。

8月1日の日経新聞7ページにレスター・サロー・マサチューセッツ工科大学名誉教授のインタビュー記事が掲載されている。・・世界の当局者やエコノミストの間で「景気刺激策を続けるか、財政再建が先か」と議論が別れています。という問に対して、教授は「大恐慌の克服法は20世紀最高のエコノミストの一人、ジョン・メイナード・ケインズが教えてくれている。狂ったように紙幣を印刷し、狂ったように景気刺激策を打出すことだ。財政赤字を気にする必要はない。需要を創出しずぎることはあり得ない」と答えている。筆者はよくぞ言ってくれたと思う。また中国などの経済統計数値が怪しいという話も同感である。日経をとっている方に全文のご一読を奨める。」
http://www.adpweb.com/eco/eco626.html

「経済コラムマガジン10/8/9(627号)
・世界に広がるデフレ

・先進各国のマーシャルのK
筆者は、日本のデフレ経済の裏側に、金融機関に眠る巨額の金融資産の存在があることを指摘してきた。03/1/20(第281号)「マネーサプライ政策の限界」http://www.adpweb.com/eco/eco281.html他で、筆者はこれを「フリーズ状態の資金」とか「凍り付いたマネーサプライ」と表現してきた。特にバブル経済、つまり資産価格の高騰に伴ってこの種の資金が増えると考える。

土地などの不動産を価格高騰時に売って得た巨額の売却代金が、消費や投資に回ることなく銀行などの金融機関で凍り付いているのである。これが日本の過剰貯蓄の大きな部分を構成している。そしてこの現象がデフレ発生の大きな原因であることを08/12/1(第550号)「デフレ発生のメカニズム」http://www.adpweb.com/eco/eco550.htmlで説明した。

特に列島改造ブームと土地バブルというバブル経済を二回も経験した日本は、これまで先進国の中で唯一デフレ経済を続けてきた国である。このデフレ経済を克服する(誤魔化す)ため、日本経済は外需に依存する構造になった。しかし昨今の円高を見れば分るように、この路線も限界にきた。今週はこの「デフレ発生のメカニズム」が日本だけでなく、主要な先進国にも広がっているのではないかと言うことを取上げる。

まず古典派経済学では、この種の金融資産(貯蓄)が増えれば、金利が低下し投資が活発になり需要不足は起らないことになっている。また消費は無限であり、生産された物は全て消費されることになっている(セイの法則)。しかしいくら金利が低下しても一向に日本の投資が盛上がらないことは、誰でも知っていることである。つまり古典派経済学の理論なんて、現実の経済と無関係である。

ところが構造改革派は、これは日本が規制緩和や競争政策が進んでいないからと言った虚言・妄言で言い逃れをしてきた。実態は単に国内に需要がないから、投資が増えないのである。これを「構造改革なくして成長なし」という大嘘で誤魔化してきたのである。この結果、考えられないほど長期のデフレで日本国民は苦しめられてきた。そして同じことが世界で起ろうとしているのである。

米国のサブプライム問題やリーマンショックで世界的なバブルは崩壊したと筆者は見る。それまで信用創造によって世界の金融資産は増えつづけてきた。1990年当時48兆ドルだった金融資産は今日200兆ドル(1京7,200兆円・・本誌で京という単位を使うのは初めて)に迫っている。

注目されるのは、1990年から今日まで世界のGDPが2.6倍になったのに対して、世界の金融資産は4倍にもなっていることである。マネーサプライを名目GDPで割り返したものがマーシャルのKである。本誌が日本の過剰貯蓄を問題にした頃の日本のマーシャルのKは2.0程度(郵便貯蓄などを含めて)で、先進各国は0.5から1.0程度であった。以前から指摘しているように、先進各国のマーシャルのKもかなり大きくなっていて、日本の数値に近付いているものと筆者は想像する。

当時マーシャルのKが0.5程度のマネーサプライで十分一国の経済は回っていけることを筆者は指摘した。つまりそれ以上の金融資産は余剰なマネーサプライである。また余剰な金融資産(マネーサプライと言い換えて良い)の存在の反対側には、それを借りている債務者がいる。

それは資産価格高騰時に借金をして資産を購入した者(かなりの部分が不良資産化して最終的に銀行の負担になる)と、不足する需要を財政支出で埋めている政府である。ところが今日、どの国でも財政赤字が問題になっており、政府支出を削ろうという動きが出ている。しかしこれは極めて危険な行為である。

・少しは賢くなっているはずの人類
最近、米国では銀行の過剰な信用創造を規制する法案(ボルカー法)が通った。これは主に金融機関が過剰な信用創造によって、結果的に大きな不良資産を抱えることを予防するものである(最終的に国家の負担になるから)。ところが過剰な信用創造の結果、デフレ経済に陥ることはあまり意識されていない。

また今頃になって信用創造を規制しても「後の祭り」と筆者は考える。むしろ今重要なのことは、バブル崩壊後のデフレ経済への対処である。ところがトリシェ欧州中銀総裁の「デフレ脱却には財政再建が重要」発言に見られるように、とんでもない考えが広がりを見せている。

筆者は長年バブルとその後のデフレ経済の関係を取上げてきた。最近になって日本でもデフレ経済と過剰貯蓄の関係を指摘する者がチラホラ出てきた。先日もテレビに登場したエコノミストは「日本には金融機関に眠ったままの資金が300兆円(金額の根拠がはっきりしないが)もある。これが動かない限りデフレは克服できない」と発言していた。

そしてこのエコノミストは「この眠り続ける貯蓄に貯蓄税を課せ」と主張していた。アイディアとしては面白いが、しかし実際にそれが実施されればパニックが起ると考える。これまで筆者は、率直に政府がそれに見合う金額の借金をして、そっくり財政支出をすれば済むと主張してきた。

もし政府が債務を増やすことが問題なら、政府紙幣の発行という方法があり、さらにそれが困難なら国債を日銀が引き受ければ良い。政府やエコノミストは日銀が購入した国債が実質的に国の借金にならないことを国民に説明すれば良いのである。これは先進各国が少しずつ始めている政策であり、貯蓄税なんかよりよほどまともな政策である。

筆者は、バブル期の不動産取引が日本のデフレの原因と指摘してきた。もちろんそれ以外にも過剰貯蓄の要因がある。特に日本人の将来不安に備えた貯蓄が大き過ぎることもその一つである。また政府も異常に大きな公的年金の積立金を持っている。ストを全くしない労働組合でさえ、闘争資金の名目で組合費を集めて多額の預金をしている(おそらく何兆円もあると思われる。組合員に返せば良いのである)。

歴史的に見ても、バブル崩壊後に過剰貯蓄を伴ってデフレ経済に陥ると、各国とも為替の切下げ競争と保護主義に走る。そして場合によっては戦争である。第二次世界大戦にもその要素がある。まず軍事の需要がデフレ経済対策になる。そして戦争で互いの国の過剰生産設備を壊し合うことによってデフレが解消される(生産設備が壊されなかった米国だけは戦後もデフレが続いた)。

しかし人類も少しは賢くなっているはずである。何も戦争をしなくともデフレは克服できる。日本の場合、過剰貯蓄を「はやぶさ」などの宇宙開発や色々な学術研究に使うのも良い。必要な道路も造れば良い。エネルギー自立のために高速増殖炉を建設するのも良い(原子力アレルギーの人は反対するかもしれないが)。公的年金の補填に使うことも考えるべきである。要するに国民が喜ぶことにどんどん使えば良い。

需要がないから、長期金利が1%になっても収益が見込めず民間は投資をしないか、あるいは減価償却の範囲の投資しか行わないのである。経済がこのような状態になった場合には、公的投資と公的消費で総需要を増やす他はない。そして総需要が増えれば、民間の投資もジワリと増えてくるはずである。

来週は夏休みで休刊であり、次は8月23日号である。なお9月の中旬にもう一回休刊を予定している。」
http://www.adpweb.com/eco/eco627.html  

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コメント
 
01. 2010年8月10日 17:30:12: DmCC9k6hHM
ロックフェラーとロスチャイルドの動きを知ると、世界は平和になる。
彼らを軍で攻撃できないものか!

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