民主党は「ねじれ国会」での政策実現の第一弾として、公務員制度改革の修正に着手する。玄葉光一郎政調会長（公務員改革担当相）はみんなの党との連携に意欲を示し、民主党内に制度改革のプロジェクトチームを立ち上げる方針。ただ、みんなの党は政策の「丸のみ」を迫っており「部分連合」は容易ではなさそうだ。（上坂修子）

　玄葉氏は公務員制度改革について「みんなの党と考え方、方向感は一致している。そういう意味では歩み寄れる余地があるのではないか」と述べている。

　政府は、国家公務員法改正案を先の通常国会に提出。みんなの党も自民党と共同で対案を提出したが、ともに廃案になった。政府としては、秋の臨時国会に法案を再提出しても成立させるのは困難とみており、内容を修正して来年の通常国会に提出する方向だ。

　両案を比較すると、現実路線に傾く民主党と、急進的な改革を目指すみんなの党には大きな違いがある。

　まず、幹部人事について、政府案は、首相官邸主導による人材登用を進めるため、各府省の事務次官から部長級六百ポストを一くくりにし、上下、横の異動を可能にする内容を盛り込んだ。一方、みんなの党などの対案は、さらに課長級も含めた範囲での異動を可能にし、信賞必罰の人事の幅を広げている。

　給与制度の改革についても、政府案は言及していないのに対し、みんなの党は「抜本改革を年内に措置」と付則に明記。参院選公約では「公務員給与二割カット、ボーナス三割カット」と具体的な数値を打ち出した。

　天下りに直結する早期勧奨退職でも、民主党は人件費削減も考慮し「希望退職」を容認した。みんなの党は「民主党は天下り根絶を断念した」と批判。勧奨退職を撤廃し、天下りあっせんには刑事罰を設けるなど厳しい規制の盛り込みを求めている。

　参院選で「アジェンダ（政策課題）」を旗印に躍進したみんなの党は、民主党との安易な妥協は有権者の失望を招きかねないとの思いが強い。

　みんなの党の江田憲司幹事長は「われわれの公務員制度改革をそのまま突きつける。それをのんでいただければ、結果を出していくよう活動する」と強気の姿勢だ。
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