★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK94 > 854.html
 ★阿修羅♪  
▲コメTop ▼コメBtm 次へ 前へ
「強い会社の秘訣」は「弱い日本の秘訣」の構図を見抜け増岡直二郎氏による辛口連載「生き残れない経営」
http://www.asyura2.com/10/senkyo94/msg/854.html
投稿者 gikou89 日時 2010 年 9 月 14 日 11:03:36: xbuVR8gI6Txyk
 

http://mag.executive.itmedia.co.jp/executive/articles/1009/14/news016.html

今回は、企業経営について日本経済再生や国民生活といったマクロの観点から検討してみたい。企業経営が個の最適化だけを狙いがちだが、そこには大きな落とし穴が待ち構える。

 7月20日付日本経済新聞に、「収益最高企業特集」が組まれた。4ページに快進撃する企業への賛辞が踊る。これを見て、背筋の寒くなるような危機感を持ったのはわたしだけだろうか。

 特集は、「リーマン・ショック後の景気低迷下でも2009年度の利益が過去最高となった企業が相次いでいる。09年度は上場企業の約1割が過去最高益を更新した。「強い会社」を実現する秘訣(ひけつ)はどこにあるのか。各社の戦略や経営革新の実態を探る」と説き起こす。

 しかし、記事をよく読み解いていくと、「強い会社の秘訣」の陰には日本崩壊の筋書きが見えてくる。実に恐ろしいことである。少しの間、日本経済新聞の分析を辿ってみよう。

 「中期経営計画で最高益を狙う主な企業」例として8社が挙げられているが、そのうち60%以上の5社が海外売上高比率の上昇をその原動力としている(第1表)。

http://mag.executive.itmedia.co.jp/executive/articles/1009/14/news016.html

 例えば、日立金属は「増産投資や人員増は国内ではほとんどない。中国・韓国・タイなど東南アジアに経営資源を振り向ける」と断言する。神戸製鋼所も中国、東南アジア、ベトナムなどでの新工場、設備建設で前期33%だった海外売上高比率を50%まで引き上げる。

 特集記事は「企業、再成長へ攻めの経営」と分析するが、「攻めの経営」なる海外シフトは他国を利して自国の利にならず、国内空洞化を招く。それは、日本に限らない。例えば、米景気が踊り場局面で、建機大手米キャタピラが4 〜6月の収入が前年比30%増、社員も年初比3600人増としているが、いずれも3分の2が米国外だ。米でも全く同じように、海外シフトは国内の雇用増、消費増に結びつかない悩みがある('10.8/3付日本経済新聞)。

 しかし、10年度設備投資調査(日本政策投資銀行)によると、大企業の海外投資は前年度比35%増、国内投資は7%増だ。国の無策に対し、有力企業は国を当てにできずに海外シフトをますます加速させる。一方、日本企業の海外拠点からの受け取り利息や配当は、日本経済を若干下支えするが、雇用創出の貢献は小さい。海外シフトを抑制するには、円高修正、法人税引き下げ、労働規制緩和などがよく議論されるが、内需そのものの喚起策が必須だ。

 しかし、内需にも問題がある。7月20日付け日本経済新聞特集記事は、2009年度に純利益が過去最高となった企業から、3つの共通項を導き出している。1.革新的事業モデル、2.他社にない独自技術、3.市場の変化に迅速対応、だ。しかし、「連続最高益年数ランキング」企業を見ると、上位には中国・四国地方でディスカウントスーパーを展開する大黒天物産や、埼玉県が地盤のスーパー・ヤオコー、家具専門店のニトリなど、地域密着や低価格化などの戦略が奏功した小売が目立つ。一方、トリドールやハイディ日高など、低価格志向で消費者の需要変化をうまく取り込んだ外食産業が連続で最高益を更新している。

 13期以上の増収を続ける主な企業にも、小売や外食の低価格志向企業が多い。松屋フーズは35期、ホームセンター大手のコメリが23期、ヤマダ電機が20期の連続増収、「すき家」の280円牛丼のゼンショー、290円の中華そばが主力の幸楽苑などは、財布の紐が固い消費者を安さで囲い込んで、店舗網を拡大する。かくの如く、成功例として低価格戦略企業が続く。

 要するに、増収・増益企業に内需企業が挙げられ、「革新的事業モデル」「市場の変化に迅速対応」の聞こえはいいが、「低価格志向」の成功物語にすぎない。連続増収・増益の企業の陰で、デフレスパイラルが進む。

特集が指摘する「攻めの経営」が、日本経済再生や日本国民の幸せにつながらなければならない。しかし、企業が個別最適に走り、国が日本経済再生に無策で、マスコミが個別企業と同じ視点で論じては、事態は悪化するだけだ。国が規制緩和や法人減税など内需志向の条件を整備し、デフレ脱却施策を実行し、各企業がそのもとで努力をするところから、国内需要が喚起され、国内雇用機会が生まれ、日本経済は再生される。6月に閣議決定の「新成長戦略」にある程度の策は盛り込まれているが、具体性に乏しく、実現性に疑問が残る。

 例として、いくつかの具体策を提案しよう。

 内需拡大のために、デフレスパイラルに歯止めをかけ、労働分配率を引き上げ、人口減に対処するなど、焦眉の施策は山ほどあるが、財政負担は避けなければならない。すでに存在する莫大な潜在需要を顕在化する手法を議論するのが、内需喚起を確実にすることだと思う。潜在需要については、医療、教育、農業など多くあるが、ここでは「高齢者介護」「育児」「住宅」の3テーマに絞る。なお、「政府支出」「企業設備投資」や「家計支出」の面からの議論は、機会を改めたい。

高齢者介護需要の顕在化
1.高齢者介護市場は大きい

 65才以上の要介護高齢者は、2010年480万人、2020年644万人と推計され(エイジング総合研究センター)、一方施設介護の収容能力は、特別養護老人ホームなど政府補助が厚い施設で約92万人(「平成21年版厚生労働白書)、高価だが民間有料老人ホームで約63万人(「2005年社会福祉施設等調査結果)、これから家族の手による要介護者が300万人以上、その分介護施設の需要があると予想される。

2.施設不足の理由

 建設・運営時共80%ほどの政府補助があるのは、社会福祉法人だけ。財政難で補助が限られ、補助のない民間施設は運営費が高くなり、一般人の手が届かない。

3.対策案I 規制改革:・社会法人優遇の法制度を改正、民間業者の参入を促進する。

使用しなくなった学校など公共財産を開放できる法整備。
施設建設時支給される補助金用途の使途自由化など。
  対策案II 共有老人施設の建設:既存の「安心ハウス」の実績を検証し、手直し。

4.顕在化可能需要量:共有老人施設建設に数兆円、新入所者300万人で数兆円、介護から開放された家族の消費活動で数兆円、合計30兆円以上(10兆円/年)

保育需要の顕在化
 1.保育の市場は期待できる: 保育所入所待機児童数:4万6058人(前年同月比5874人増、厚労省)、但し認可外や保育ママを含む旧定義ではさらに3万人増となる。

 2.保育の需要を阻む壁:I 1972年制定の児童福祉法は、「保育に欠ける児童」とし

て保育児童に制限、II 官による民業圧迫(・営利企業は施設整備国庫補助の対象外、・給食の自園調理、資格者配備の制限、・運営費の使途制限など)、III 幼保一元化(一本化でない)に管轄省、法律の壁

 3.対策案:I 児童福祉法など関連法案を改正し規制改革、II 民間事業者不当排除防止のための自治体情報公開・手続き簡素化、III 情報公開による利用者の保育所比較・選択可能化、IV 幼保一元化のための管轄省統合

 4.顕在化可能需要量:保育サービス需要、女性社会進出で、20〜30兆円(5兆円/年)

中古住宅流通市場の顕在化
 1.住宅流通市場の欠如:住宅市場における中古住宅流通シェア(日13.1%、米77.6%、英88.8%、総務省「住宅・土地統計調査」2003年度)

 2.国際格差の理由:

  ・日本では戸建30年で建物価値0、欧米では手を加えて評価

  ・日本では、中古住宅市場が存在しない前提で意識と蓄え成立

 3.中古住宅市場確立策

  I 良質住宅確保の規制改革:

  ・耐久性、強度などの法整備

  ・2000年制定の住宅「品質確保促進法」の強化

  ・住宅資材や広報の標準化

  II 住宅流通市場の整備:

  ・国民意識改革

  ・市場情報の開示透明化

  ・税制の改革

 4.期待できる需要量:全国に5000万戸以上、1000万円/戸として500兆円以上の住宅資産が売買・リフォームの対象となり、20兆円以上/年

 これらは、具体的施策提案の一例にすぎない。要するに、これだけの内需顕在化可能な潜在需要があるのだから、国が需要顕在化のために規制改革・法整備などの条件を徹底して整え、企業に動機付けをし、そのもとで各企業も努力をして、「成長企業」なるものが内需型・デフレスパイラル脱出型で日本経済再生に役立つようでなければ、マスコミも評論家もはやし立ててはならない。でなければ、日本を貶めることになるということだ。

 

  拍手はせず、拍手一覧を見る

この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます(表示まで20秒程度時間がかかります。)
★登録無しでコメント可能。今すぐ反映 通常 |動画・ツイッター等 |htmltag可(熟練者向)
タグCheck |タグに'だけを使っている場合のcheck |checkしない)(各説明

←ペンネーム新規登録ならチェック)
↓ペンネーム(2023/11/26から必須)

↓パスワード(ペンネームに必須)

(ペンネームとパスワードは初回使用で記録、次回以降にチェック。パスワードはメモすべし。)
↓画像認証
( 上画像文字を入力)
ルール確認&失敗対策
画像の URL (任意):
 コメントの2重投稿は禁止です。  URL紹介はタイトル必須
ペンネームの新規作成はこちら←  最新投稿・コメント全文ページ
フォローアップ:

 

 次へ  前へ

▲このページのTOPへ      ★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK94掲示板

★阿修羅♪ http://www.asyura2.com/ since 1995
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。

     ▲このページのTOPへ      ★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK94掲示板

 
▲上へ       
★阿修羅♪  
この板投稿一覧