沖縄・尖閣諸島沖で中国漁船が海上保安庁の巡視船に衝突した事件は、釈放された中国人船長が２５日午前、中国に帰国。中国の理不尽な要求に日本が完全屈服するかたちとなった。この間、菅直人首相が「超法規的措置」の適用も示唆するなど、極端な弱腰姿勢を露呈。一方、中国は謝罪と賠償を要求する声明を出し、ガス田開発に着手する動きをみせるなど、日本に対して一気呵成の攻勢を仕掛けている。

　中国人船長、●（＝擔のつくり）其雄（せん・きゆう）容疑者（４１）を乗せたチャーター機は、午前２時１３分、中国に向けて沖縄・石垣空港を離陸。午前５時ごろ、福建省福州市の空港に到着した。

　離陸前、タラップを上る●船長は最後に振り返ると両手を挙げ、ガッツポーズ。まるで英雄のように振る舞った。暗闇の中、金網越しに見届けた地元住民からは「ばかやろう」という罵声も飛んだ。

　「検察当局が事件の性質などを総合的に考慮し、国内法に基づき粛々と判断した結果だと認識している」

　日米首脳会談のため米国・ニューヨークを訪れている菅首相は２４日午後（日本時間２５日午前）、那覇地検が船長を釈放したことについて淡々と釈明した。

　その前日（日本時間２４日）には、仙谷由人官房長官が記者会見で「那覇地検の判断なので、それを了としたい」とコメント。柳田稔法相も「指揮権を行使した事実はない」とひたすら「地検の判断」を強調した。

　あくまでも政治介入はなかったと、判断の責任を検察側に“丸投げ”してみせたが、こうした弁明を信じる者はほとんどいない。屈辱的な異例の判断にウラでは、官邸の思惑が働いていた。

　「釈放に動いたのは、仙谷官房長官と前原誠司外相に違いない。中国側があそこまで強硬に動くとは官邸の誰も予想できなかった。このままでは、国交断絶にまで発展する可能性さえあるとして、首相が不在の間に仙谷官房長官が泥を被った格好だ」（政府関係者）

　実際、菅首相は２２日の訪米前の時点で、いらだちを隠そうともせずに、近い関係者に「『超法規的措置』は取れないのか」と漏らしていた。この時点で政府は「釈放」に動いていたとみられる。判断が下った直接のきっかけは、２３日午前（日本時間同日夜）に行われた日米外相会談。

　政府筋によると、クリントン国務長官はこの場で事態の深刻化を懸念。前原外相に早期解決を望む意向を伝えたという。

　「中国側とのハイレベル協議を模索していた仙谷氏は、前原氏から『米国の要請』を伝えられて釈放の決意を固めたようだ」（外務省関係者）

　とはいえ、なぜこのタイミングだったのか。２００４年に中国人が尖閣列島に上陸した際は、当時の小泉純一郎首相がただちに強制送還処分にしたため大きな外交問題には発展しなかった。

　今回、事件性があったことで船長らを拘留。船長の拘置期限が２９日に延長されたことで、レアアースの対日輸出を制限するなど事態は深刻化。「釈放」という選択肢を取るなら、明らかにタイミングを逸していた。

　中国河北省石家荘市で、中堅ゼネコン「フジタ」の社員４人が拘束され、ある検察幹部はこれを最大の要因として、「中国ではスパイ容疑は死刑も適用される重罪。中国側が態度をますます硬化させれば、４人が死刑になる可能性もあった」と指摘する。

　しかし、安否も確認されていない状況での判断は不可解過ぎる。結局は、米国という後ろ盾を失ったことで、中国からの圧力に屈せざるを得なくなったのだ。

　官邸が、事実上の「全面降伏」を発表した瞬間、党内部にも無力感が広がった。「悪い前例を作ってしまった。ごり押しすれば勝てる、と中国にまた思わせただけだ」（党幹部）。

　懸念は早くも現実化している。日本の弱腰ぶりに中国側は攻勢を強める一方だ。

　２４日には、東シナ海のガス田「白樺」（中国名・春暁）の施設に中国側が掘削工具を海底に誘導するパイプを持ち込んだ可能性があることが判明。すでに掘削を開始している可能性もある。

　さらに、中国外務省は船長の釈放を受けて日本側に今回の事件についてあらためて「強烈な抗議」を表明、日本側に謝罪と賠償を要求する声明を発表した。

　中国のポータルサイトには「大和民族を滅ぼせ！」「断固として日本に打撃を加えよ」などの書き込みや、同様の賠償請求を主張する声があふれている。菅政権は一件落着としたいところだろうが、日中対立は、第一幕を終えたばかりのようだ。
http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20100925/plt1009251331003-n1.htm 　

コメント
01. 2010年9月25日 15:50:04: vQUQNtBSgQ 「腰ぬけ菅」そして前原外相は、 1．尖閣諸島を「領土問題」にしてしまった。 2．この「領土問題」を自国で解決できない枠組みを作ってしまった。 力に衰えが見えるアメリカが、地域覇権を中国に委託するここ何年かの動きが顕在化し、今後の日中関係が見えてしまった。 鳩山政権での中国への呼びかけが、日中がイーブンで地域覇権に就いて関係が持てる最後の機会だったのではないか。 これを潰し、まんまと上記1．2．を達成したのだから、アメリカも中国も獲るものを獲ったのだろう。 赤かぶさん！　一体、この前原という野郎は何者なんだ！？
02. 河内のおっさん 2010年9月25日 15:53:35: Yyy5HM2hjbLWg : hdQj9dXicQ やったね！ お見事中華万国。さすが覇権国家の面目躍如。 何でも有りの仙石も、その上行く華人に軽くあしらわれ。 泣き泣き検察に、この場は君に任せると。 借りをを作った解決策。 それが悪いと一斉砲火。 マスコミ援護で勝ち戦。 何故か見方が出てこない。 配った機密費（毒饅頭）足らないか？ 策士が策に溺れては・・・ 菅内閣もここが最後の本能寺。 隣にいるぞ、明智君。 俺と殉死の取り巻きは・・・ 今は皆無と思い知り。 広い官邸探したが。 伸子ばあさん只一人。 あ〜あ菅。
03. 2010年9月25日 15:56:13: mbwBKBnlRo 民主党ＨＰから、菅内閣を倒すべく国民の声をメールでガンガン送ろう。 http://www.dpj.or.jp/header/form/index.html
04. 2010年9月25日 15:59:15: U41Ln6NYVo 中国にもアホがいるネー。 わざわざチャーター機を用意するとは。 ヨイショ！　ヨイショ！ 戦時中の日本と同じダネー。
05. 2010年9月25日 16:05:40: lQDLBsvyuo オバマが記者会見し、日中の領土問題は双方で解決すべきだと語った。 オバマは領土問題があると認識した。 ところが前原は領土問題はないと言っている。 いまにアメリカからも見放される。もうなっているかもしれない。
06. 2010年9月25日 16:16:55: E5hIRYCCXM 宗主国アメリカから集られ、仮想敵国中国から集られ、絞り取られて国民は飢餓貧困、乞食国家に成り下がった日本。 こうなる事が分かっても菅を支持した国民・国会議員、その罪の深さを知れ。 仙谷・菅よ、お前たちは二重の売国政策をしたのだ。 アメリカに魂を売り、中国にきん○まを抜き取られ、後は何か残るのか。 売国奴よ、恥を知れ。 　横須賀たより
07. 2010年9月25日 16:54:29: mfEeyId7gI さすが、中国は「孫子の兵法」を生み出した国だから、役者が１枚上手だな。 中国にまんまとひっかかって、船長をだほして。 だぼハゼがどんなえさにでも食いつくようなもんだ。 これで、中国は油田の開発に独自で踏み込める。 今回の事件は歴史的に日本の大きな失点となるだろう。 拿捕するときには、海保は政府の指示を仰がなかったんだろうか。 いままで拿捕していないのだから、方針変更に何らかの政府からのシグナルがあったと思うけど。前原が国交大臣で当時の責任者だからないにか指示があったんだよね。 これで賠償まで認めたら、完全に尖閣列島は中国に取られてしまうよ
08. 権兵衛 2010年9月25日 20:04:46: xXf5Tf//ZSxTM : XGaGe6TkJs 幾多の掲示板を拝見しましたが、政権への批判、憤懣、侵略へ苛立ちはまったく同感ですが、そこに1つでも知恵はないかと又掲示板を眺めています。これはデマと思いますが、いら管は超法規を模索したとか、仙石さんや外務省担当者が、釈放による早期解決、フジタ社員の開放を本気で期待していたとか。官僚のささやきにまたのせられたのかと残念ですね。おそらく前日真夜中まで、胃を痛くして中国からの良き返答を待っていたのではないかなと推察してしまいます。見切り発車の釈放の見返りは、フジタ社員の面接が許されたのみ。さらに謝罪と賠償。現実を思い知ったことでしょう。私たち日本のよってたつところは知恵です。残念ですね。知恵が見えない。対中対策外務官僚や知識人は、中国の急進派を抑えるため、お穏健派の現政権に”配慮が必要”の概念にとらわれすぎではないでしょうか。自民党政権以来常にその論理です。わが国麻生元総理も鷹派で鳴らした人が総理になるとこの上ない穏健派に。中国の恩家宝も首相を辞めれば驚くべき急進派に早代わりすることでしょう。本質は変わらないようです。反日教育も拡大主義も、何十年もちっとも変わっていません。知識人評論家は賢いのに過去の知識にとらわれて、其れが飯の種ですけれど、変化に対応するのに弱点があるようです。 提案１：民主党に政権が変わったのですから、自民党がやらなかったこと即ち、国民に直接語るように、日本国総理の言葉として中国政権ではなく中国国民に語ることを念頭に”コメント”していくべきです。たぶん、目を血走って怒るでしょうね。中国にはこたえますよ。各大臣の発言に、テレビでは”閣内不一致”と騒ぎましたが、われわれ庶民はそれを了とし、今では民主党の評価の高い特徴となっています。民主党の得意分野です。 提案２：中国は日本からのシナという言葉を忌み嫌う様ですから、中国国民に配慮して東シナ海を改めましょう。中間境界線より東は、日本公海。台中境界線より東は、台湾公海。西は中国公海でもいいのですが、中国の呼称に順ずる。又東を一括して、台湾に敬意を表して、台日公海とする。台湾の同意がなければ、日本独自の呼称として、日台公海を留保する。 紛争がおきたときは、東シナ海では、世界に中国領海内での印象を与えて、不愉快です。 庶民の浅知恵で申し訳ないですが、だまって来たるべきときの準備をする。朝までテレビではないですが、１つでいいですから、未来を語っていただきたい。外れれば、旗を降ろして実家で２、３年おとなしくしていれば又再起していただいてもＯＫです。１つでもいいから勇気を持って、知恵を出し合いませんか。
09. 限界 2010年9月26日 13:31:13: kSVZEKnVsWIdc : T6NwJuAWbk 日米安保で尖閣は対象にあるとしているので日本が侵略されれば当然なんらかの米からの圧力やアクションは一応あると思います。 米にとっても南や東シナ海を中国の領有権になることは脅威だからです。 ただ日本は独立国家とし正直自国をもまもれない国です。日本国憲法第9条にあるように武器をもたない平和国家としての主張では本当に通用しなくなりました。 アジア諸国で日本と言う国を分析すると。メタボの丸腰の無防備状態です。最近はメタボすらなくなってきてますけど。 正直これほど恵まれた国はありません！日本で生まれた日本人はそれに気づかずそれが当たり前であり まさに平和ボケしていることは間違いないと思います。実は日本は恵まれていると言う逆の意味で異常な国なのです。 今回中国の強硬な手段を見て中国の恐ろしさを感じたひともいると思いますが、中国はずっとこんな感じで長期的戦略を持っていて 様々なカードを使い分けています。 特に近年軍事や経済が急激に成長しているため自信の表れでそれで浮き彫りになってきただけです。 中国国民向けの定期的な反日国家戦略だけではなく、戦略的です。日本が対抗できるような強い外交が急速に求められていると思います。 それには今の政治では不可能でしょう。 日米同盟を選択ながらポッポが普天間基地でボロボロになり、中途半端で何処に向かって行くのか長期的な戦略がないまま 仲間割れ（代表選）などもうウンザリです。国民は疲れています。 中国の首相「温 家宝」みたいに自己主張中心の強い政治を出来る人を望んでいて、日本国民は求めています。 中国漁船の船長釈放については、賛否あると思いますが、 「フジタの社員が拘束されたことが決定づけたとしている。」処刑も想定してのやむなくの配慮だったことは、 命を重んずる日本人の考え方と言うことも考慮して議論しないといけません。 日本政府が中国に対してこんなことを言ってます。 「日本は法治国家だから日本の法により裁かれてしまうので理解してほしい。」 まるで人ごとに聞こえました。すべて那覇地検の判断だったとか責任転換に聞こえます。 もし日本国民に対して納得のいく言葉を言うならば、 「尖閣諸島は日本の領有権であり不法で進入したものは日本の法律で裁かれます」って言うべきです！ そして今回いろんな国がこの問題を注視している中、なぜもっとアピールしないのかって思いますね。 ＧＰＳなどにより故意に衝突してたことは明確に証明できるし、 証拠映像を世界に公開を「早く」しないと時間がたてばどんどん後手に回ると思います。 中国はこんな国ですって逆に世界に印象を与えるチャンスです！ 今後、 この問題で国に期待することは 日本の国防費も仕分けしないでＵＰするべきです。 あの島に日本の建設物を建てるとか 日米同盟をこの先も進めていくなら尖閣諸島に米軍基地などいどうでしょうか？ 台湾侵略も阻止しやすいでしょうね。 中国は尖閣諸島は最初の関門で、実質的には東シナ海を狙ってるので断念阻止してほしいです。 レアアースは日本の生命線として輸入を止められれば大打撃になりますが、 この体質も変える必要性がありますよね。 希土類元素はレアアース以外の他にも物質があるようですし、レアアースに限ると、他の国からの供給も可能でしょう。 中国に依存度を高めていると、今回のような経済制裁のカードにされてしまいます。 また、中国観光客で賑わっている日本地域でも、中国人が突然来なくなることは今回ありましたし、今後もあります。 基本的に日本人のお客を獲得できるような努力や国策が必要で中国観光客に依存度を高めると危険です。 また、マナーの悪い、声の大きい、下品な中国人が多い施設では、日本人は遠のいて行くことも忘れないでおかないとだめです。 中国人の大好きな買い物で日本電化商品も同じです。 国際社会になっていくとことで依存度を高めていくことは、文化の違う国の方ですので危険を伴うと思います。 もちろんメリットもあるのですが、場当たり的に儲かるからっと言うことで安易に考えないで長期的、戦略的に進めていくべきです。 今回の事件は本当にいろいろ考えさせられました。 一つ感じることは日本には時間がないと思います。
10. 限界 2010年9月26日 13:40:40: kSVZEKnVsWIdc : T6NwJuAWbk 訂正 ＞中国の首相「温 家宝」みたいに自己主張中心の強い政治を出来る人を望んでいて、＞日本国民は求めています。 これははっきり主張できると言う意味では見習うべきと言ういみです。 今の政権ではハッキリ言わないマスコミに恐れすぎている、世論が怖いとか。 独裁国家中国を研究、対応しているとはとても思えない言論や処置対応が今の政権では多く、このままでは非常に危険だと思います。

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