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検察審査会による「小沢起訴」とは何か (uedam.com)
http://www.asyura2.com/10/senkyo97/msg/654.html
投稿者 五月晴郎 日時 2010 年 10 月 16 日 15:07:34: ulZUCBWYQe7Lk
 

(回答先: 立花隆の『田中角栄研究・全記録』 (uedam.com) 投稿者 五月晴郎 日時 2010 年 10 月 16 日 15:05:17)

http://www.uedam.com/demotanaka.html

検察審査会による「小沢起訴」とは何か
投稿者:ウエダ 投稿日:2010年10月 6日(水)08時46分46秒

 おはようございます、皆さん、植田です。

 小沢一郎・起訴決定、の話題です。

 経過はメディアが報じている通りだとして、このことの意味です。
 昨日の日経新聞の解説記事が秀逸です。

 「日本の刑事裁判は〈起訴=ほぼ有罪〉がこれまでの社会の共通認識。仮に裁判で無罪になったとしても、起訴による被告や関係者の社会的ダメージは計り知れない。検察内部には〈起訴の目的が真相解明になれば公判の性質が変わってしまう〉との懸念が根強く、今後は捜査のプロと市民の二重基準が混在し、当面は混乱が避けられないのが検察審査会制度を抱える日本の司法制度の現実だ。」日経新聞2010.10.5

 ペリー・グッド。
 その通り。
 ついに検察をめぐって律令理性と自然理性の正面きってのクラッシュが始まった、という感じです。

 従来の地検の態度は、私は思うのですが、江戸時代の奉行所の延長です。というか、そのものです。行政と司法が一体化している、と。
 司馬遼太郎の『飛ぶが如く』を見ると、いかにして明治政府が警察制度を立ち上げて行くか、というのが物語のスタートです。薩摩藩士・川路利良。
 薩摩藩の下層武士だった川路でしたが、戊辰戦争で活躍する彼を西郷が認めて、明治維新になるや、警察のトップに指名しました。というか、警察制度そのものを作ってくれ、と西郷が川路に頼みました。薩摩藩の上級武士は、陸軍・近衛兵です。

 維新が成ったとはいえ、時代はまだ幕末の延長です。
 つまり、明治政府をなんとも思わない連中が日本全国にわんさといる時代です。
 徳川の幕臣もそうだし、薩長土肥以外の維新に乗り遅れた連中もそうだし、そもそも薩摩藩もそうでした。東京政府はけしからん、という声が列島の全体に充満していた時代でした。
 これを警察制度を構築して、抑圧してしまおう、と。

 日本の警察制度は、この立ち上がりの遺伝子を今もひきずっています。
 警察から見れば、日本人一般は、潜在的「やくざ」です。あるいは、「東大全共闘」であり、「アカ」です。
 制度的にそうなっていました。

 これが、ついに変わろうとしているのが、今です。

 「今回の起訴議決は〈政治とカネ〉に対する厳しい市民感覚を反映しており、刑事被告人がほぼ有罪と見られる日本社会の意識改革を迫った言える。・・
 『〈検察審の制度は〉公正な刑事裁判の法廷で白黒をつけようとする制度である』。議決書が結論でうたう理念は、〈100%有罪との確信〉を前提にしてきた検察当局の起訴基準にこだわらず、裁判を真相解明の場と明確に位置付けた。」同前掲

 ベリー・グッド。
 鈴木仁志の『司法占領』によれば、1990年代末に行われた日本の司法制度の改革は、アメリカに都合のいい改革だったということです。日本を司法によって占領するために行われた改革だ、と。
 確かにそういう面もあるでしょう。日本国内で行われる日本企業どうしの取引の契約書が、ニューヨーク法に準拠する、というのであれば。小説ではそうなっています。

 その一方、司法制度の改革は、律令・司法制度を市民の目線に立つ司法に変える、という側面もあります。
 律令理性から自然理性へ。
 アメリカが日本に何かを要求するときは、それが経済であれ、軍事あれ、司法であれ、具体的な要求と同時に、その背後に常にこの問題があります。日本人は、律令理性の立場から、潜在的にここに反感を持ちます。

 しかし、日本国憲法がそうだったように、いかに反感をもたれようと、アメリカの「ごり押し」は日本社会に定着していきます。西部邁氏は、これを「押しいただき」憲法、と呼びます。

 戦後の日本社会は、アメリカ占領軍によって「押し改革していただいた」社会です。

 結論を言えば、アメリカの押し付けが日本社会に定着していくのは、軍事力のせいでも、圧倒的に大きい市場のせいでもなく、まして英語のせいでもなく、これらの背景にある自然理性のせいです。日本人の律令理性がアメリカ人の自然理性に負ける、という構図です。
 この構図が日本国憲法以来、ずっと続いているのが戦後の日本国です。

 ペリーが来航した時点で、日本人が自然理性人であったなら、現代日本史は事実としてあったものとは、まったく異なっていたことでしょう。  

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コメント
 
01. 2010年10月16日 15:29:44: 5O9EAw0IlM
起訴されるということは、刑事裁判を受けなければならない被告人にとっては、大変な人権侵害である。この侵害は、合理的理由がある場合(重大な違法の疑い)のみ許される。

しかし、検察審査会の判断根拠が、合理的理由ではなく、興味本位や感情的好悪で決めるのであれば、この制度は、あなたにとってもとても恐ろしいものになるはず。

あなたを、誰が告訴したか分からず、誰が決めたかも分からず、被疑者の弁明も聞かず、ある日突然、あなたは刑事被告人にされる。
まるでカフカの審判のような、悪夢のような出来事が起こる。

小沢氏だからいいんだと思っているあなた。
あすは、我が身かもしれないよ。

それでも、黙って、放っておくの?


02. 2010年10月16日 15:41:16: Get9aY0xRA
大きな流れで見ることです。

違った視点で見れば、検察審査会の今回の行動は検察へのNOともとれる。そのとおりである。これがもし検察が自ら招いた意図的なものだったとしても、結局それは自らの権力・信用を地に落とすものであり、自爆行為とも言える。
こっち側からもあっち側からも、結局は加速度的に、起訴される=犯罪者同様=悪人の従来の図式=従来の権力構造の基本はどんどん通用しなくなっていかざるを得ないだろう。

私を含む多くの国民が自分たちの国の政治を、自分たちの手で運営していくことの意味や責任とその具体的手法=民主主義の次の段階をよく理解していない以上、それなりの紆余曲折があったとしても、結局は政治主導=国民主導になっていくという展望を持って進んで行きたいものだ。


03. 2010年10月16日 15:44:10: Get9aY0xRA
追記

小沢氏も司法の場で闘いながら、一方で政治活動を続けていけばいい。
大きな時代の流れはあなたの示した方へと進んでいく。


04. 2010年10月16日 18:31:31: GDFWd1dmPu
>02. 2010年10月16日 15:41:16: Get9aY0xRA
>大きな流れで見ることです

決定的に欠けているのは政治的視点です。
政治的考察を抜きにして、こういった問題は論じられないと思う。

今回の狙いは小沢氏を「有罪」にすることではなく、田中氏同様、「刑事被告人」にしておくこと、10年裁判で、政治の表舞台に復帰させないことでしょうし、「闇将軍」として、ダークな存在にすることでしょう。

>小沢氏も司法の場で闘いながら、一方で政治活動を続けていけばいい。

事有る毎に、これからは、「文春」を筆頭に、「刑事被告人」の大合唱が始まるでしょう。 ロッキード事件以降の田中角栄氏の様に!

少なくとも貴方の処方は、近代化論、詰まりは進歩=発展史観の一変種としてしか読み取れません。


05. 2010年10月16日 19:15:05: rMwSesd0Is
新しいビジネスモデル。
ある事ない事、検察にちくり捜査をさせて不起訴決定。
その後の検察審査会で「真相は裁判の場で!」と起訴議決して、代議士を失脚させる。
あなたに不利益な国会議員を失脚させます 商売。

投票した有権者<<選ばれた11人
投票した有権者<とある新聞読者
投票した有権<番組視聴者

足し算割り算よく間違えますのであしからず。


06. 2010年10月16日 19:42:59: Get9aY0xRA
>>04
ここで紹介されている論点は鳥の視点。片や貴方の意見は人(地)の視点。
話が噛み合わないのはその通りでしょう。別に私も高みの見物を決める積りはありませんが、一歩引いて俯瞰してみる立場もも理解を示す度量がないと、多くの潮流を取り込むことは出来ないと思います。

世論の実体はロッキード事件の当時と比べても大きく変わってきています。
検察・司法制度への信頼度は当時と比べても大きく落ち込んでいます。既得権益がインチキで成り立っているという認識は広がってきている。時代は変わっています。
あとは世論の実体を表に晒すことです。マスメディアは虚像です。大手メディアは自己防衛の為の情報戦をし続けるでしょうが、その影響力は低下の一方です。

今の闘いの本質は情報戦だと考えます。そこに私たちの闘いの活路がある。
勿論、当の小沢氏本人は出来うる限りの闘争を展開していくべきでしょう。
鳥の視点で状況と時代を俯瞰した上で、地に足つけて人として成すべきことを大いにやって欲しいと思います。


07. 2010年10月16日 22:29:07: GDFWd1dmPu
>ここで紹介されている論点は鳥の視点。片や貴方の意見は人(地)の視点。

私が「貴方の処方は、近代化論、詰まりは進歩=発展史観の一変種としてしか読み取れません」と書いたのは、「鳥の視点」としてでしたが。

>世論の実体はロッキード事件の当時と比べても大きく変わってきています。

問題は、どう変わったのか?又どう変わってきてるのか?という視点です。   勿論、それこそが「鳥の視点」というものでしょう。
貴方は、何やら、その変化をポジティブ(楽観的に?)に捉えているようですが(進歩=発展史観の一変種と言ったのはそのようなスタンスからです)、私は、貴方ほどには、ポジティブにはなれない、ということです。

その理由を、今度は別の角度から言いましょう。
”デフレ”
日本はもう10年以上デフレが続いていますが、ではこの”デフレ”とは一体何か?
殆どの人がデフレを経済(学)的な視点でしか捉えていませんが、これは明らかな間違い、と言って悪ければ一面的です。

デフレは何よりも<身体現象>として捉えられなければならない。 

岩井克人氏は、デフレについて、鬱病の人の精神構造との類似を指摘しておりましたが、卓見です。
鬱病とは、自分と社会の自明性が確立しており、自己の所属の自明性を疑ってはいない。 ただ、社会と自己のミスマッチにその病の原因が在るということです。

同様に、デフレとは、畢竟、モノよりも金であり、金の究極の意味である<信用>ーその実体である<権力>の自明性は疑われてはいない。 ただ、これまでの制度とのミスマッチが問題となってる、ということです。
だとすると、国民国家の既存の制度=法と現実が合わなくなってる、ということでしょう。
ここで問題になってくるのは「所属の自明性」というものです。
一体何に所属しているということなのか? 所属の多層性という問題を考えて下さい。 それは、直ちに、国民国家内とイクオールの事なのか?

これは、戦後日本が何故、米国に従属状態のままでいるのか?にも繋がってきます。
貴方の律令理性から自然理性への必然的な推移というのは、この「従属」を、最終的に、後押しするものなのではないのか?


08. 2010年10月17日 06:45:42: 6MDUgoYt0Y
律令理性と自然理性についてもう少し説明がほしい。
特に自然理性とは、自然理性人とは、なんですか?
(倫社か哲学の基礎知識?)

09. 2010年10月17日 07:51:53: 9vtx0CIZNs
個々の論理は完全な間違い、検察は日本では司法ではなく行政機関なのだ。市民目線が検察審査会と言うのも間違いだ。検察審査会法は欠陥が多数ある法律で違憲と言われている。市民目線で起訴できるという世界から見たら大笑いされる滅茶苦茶な法律なのだ。絶対に大幅に改正される必要がある。

10. 五月晴郎 2010年10月17日 11:51:14: ulZUCBWYQe7Lk : 3TceM4k07M
>>8
http://www.asyura2.com/10/senkyo97/msg/361.html#c1
「官僚だけに「私こそが日本国家である」という意識が持て、選挙政治家に持てないのはなぜか (uedam.com)」

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