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歴史は繰り返すか? 西欧では政党の暴走、日本では官僚の暴走! −大政翼賛会とは政党が官僚に屈服した姿である
http://www.asyura2.com/10/senkyo98/msg/102.html
投稿者 影の闇 日時 2010 年 10 月 22 日 20:35:17: HiXvZf/FmwPNU
 

政権交代以降、民主党や殊に小沢氏を巡って、”ファシズム”とか”独裁者”等の非難や罵声が雑誌・ジャーナリズムで溢れましたが、その全てが、無内容にして要領の得ない、「ためにするもの」と言って良いシロモノでした。

これからも、もし小沢氏や小沢氏の衣鉢を継ぐ者が主役の座に登場することがあったとしたら、このようなレッテル張りが繰り返されること必定ですので、この際ですから、”ファシズム”や”独裁者”について、考えてみることにします。 
一見無内容とも思えるレッテルにしても、視点を変え、目を凝らしてよく見れば、案外重要な指標たり得ると思うからです。 何故メディアはこのようなレッテルを張ったのか? このような用語を用いて、彼等が否定し、又守ろうとしたものは何だったのか?

私は今、そのレッテルを無内容にして要領の得ない、「ためにするもの」と言いましたが、一度でも読んでみれば判る通り、それらの全てが根拠無き極め付けであり、漠然としたイメージの上塗りとか印象操作に終始するものでした。

何故そうなるのか?又何故そう言えるのか? 

「禁煙ファッショ」とか「人権ファッショ」と同様、先ず否定すべき対象が在り、その為の理由付けとなってる、即ち「否定すべき」という感情なり心理が先行し、その正当化の為の符丁に過ぎなくなってるからです。 言うまでも無く、これは心理学でいう<合理化>と同様の心理機制でしょう。
ファシズムだから嫌だというのではなく、嫌だからファシズムだとなってるのだから。 

どうしてこのようになるのかも又、明らかだと思います。

ファシズムの定義自体が曖昧で、しかもそれが先の大戦の結果に基く戦後支配体制の正当化の言説或いは図式(民主主義対ファシズム)に由っているからです。  それが如何にデタラメなものかはその一員であったソ連を今やファシズム視していることでも分かるはずですが、一向に改まる気配が感じられないのは、それがアメリカの世界的な指導権確立の由来或いは根拠になっているからでしょう。 

詰まり、戦後支配体制(ヤルタ体制)とファシズム観は一体化しているのです。


それは、「禁煙ファッショ」なり「人権ファッショ」ということが、批判する方も批判される方も、アメリカとの価値観と一体化している

という所からも窺えます。 どちら側もアメリカを基準としてる、しかもその矛盾に御当人達は何も頓着していないー冷静に観れば、どちらがよりアメリカに近いかを競っているに過ぎないのにーつまり、どちら転んでもアメリカ(の権威)を高めることにしかならないのです。 支配とは、単なる暴力的・強権的なものに止まらず、こういったイデオロギー的な正当化装置(ソフト・パワー!)が極めて重要な役割を果たしているということは、何度強調してもし過ぎることはありません。


多くの論者が戦後支配体制(ヤルタ体制)の言説空間に安住し、それを自明の前提としているーそこで公認された図式が固着して仕舞っているーが故に、その上で交わされる如何なる言説もその「支配体制」を強化することにしかならない、ということに気付くべきです。 
その事を踏まえて考えれば、冒頭の”ファシズム”とか”独裁者”等のレッテル張りは、その「支配体制」への異議申し立てを行う者に、単に、×点印を付けているに過ぎず、しかもそれは、彼等が忌み嫌う、ソ連や中国における”反革命”や軍国日本の”非国民”と同じく、命名が即ち断罪であるスターリン主義のエクリチュール(R.バルト)であることが解ろうというもの。 

それ故、逆に言えば、今こそ「ファシズム」とか「独裁者」等の言説について批判的に考察しておくべきと考えます。 戦後支配体制(アメリカ支配!)を変える為には、何より先の大戦の意味を変える事であり、就中ファシズムの定義自体を検め直すことにある、と思うからです。


結論から言っておくと、「独裁者」とは「アメリカ支配に抵抗する指導力を持った人物」の謂いに他ならないし、ファシズム論は「アメリカ批判論」としてのみ有効であり、またファシズム論議はアメリカの退場と共に消滅するものでしかありません。

そもそもファシズムとは米ソの世界への登場の付随現象、つまり特定の歴史的条件下で登場して来たのであって、再びファシズムが起こる事は有り得ません。 ファシズムとは、大衆社会とそれに応じた<権力>の創出という命題を担っての、政党の暴力化であり、その意味で政党の暴走だったのです。 それに対して、日本ではむしろ政党は暴力によって潰され、官僚に屈服したー大政翼賛会とはその姿ーのであり、逆に官僚が暴力化した(軍事官僚の登場)のであって、その意味で官僚の暴走であったと言えます。 私は両者をファシズムとボナパルティズムに分けて考えるべきと思いますが、それはこの「政党(暴力化)の有無」が今日の小沢氏の問題を解くカギでもあると考えるからです。


「議論板」の方でより詳しく「独裁者」とか「ファシズム」について論じておりますので、興味有る方は覘いてみて下さい。 こちらを読めば、何故今、小沢氏なのか? 
またー言うならば、小沢氏の政治的生命の有無が、大袈裟に言えば、時代の行方を決する意味を持っていることが分かるでしょう。

ファシズム考1 「独裁者」とは
http://www.asyura2.com/09/dispute30/msg/325.html
ファシズム考2   ーファシズムとは何だったのか?
http://www.asyura2.com/09/dispute30/msg/324.html
ファシズム考3  大政翼賛会ーそれは政党が官僚に屈服した姿である
http://www.asyura2.com/09/dispute30/msg/323.html
ファシズム考4   (日本型)ファシズムではなく、(天皇制)ボナパルティズム
http://www.asyura2.com/09/dispute30/msg/322.html
ファシズム考5 今日のボナパルティズムの様相 ー今日版の「大政翼賛会」ーメディアクラシーへ
http://www.asyura2.com/09/dispute30/msg/321.html

 

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コメント
 
01. 2010年10月23日 16:44:51: p3PpzE3thw

つい「ファシズム考」まで、読んでしまったじゃないか!
面白すぎる。

以前、「律令理性」と「自然理性」の二分法を説く方の
論考に対しては、

結局この論者が、最終着地点をどこに定めているのかわからず、
諾否はそれ次第と感じたが、

この方の場合、誘導先が明確で
安心して楽しめた。サンクス。


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