前略　トロイカ様。

　早いものです。あの劇的な政権交代から１年。残念ながら民主党政権に対する世評は芳しくありません。首相の８カ月交代、政治とカネの不始末、潮目での指導力欠如。いずれも政治にとって致命的なものです。ただ、この手紙はあなたがたをくさすのが目的ではありません。３人にお願いがあるのです。

　まずは、小沢一郎様。率直に申し上げます。あなたの時代は終わりました。民主党代表選に負けたうえ検察審査会にもダメを押されました。９３年の「日本改造計画」に代わる新しい理念、政策も打ち出し切れませんでした。現実問題として、刑事事件の被告の身で首相の座を目指すことには無理があります。裁判闘争にかかる時間が６８歳のあなたを待ってはくれません。

　だからといって、政治家としてのあなたの存在が消えるわけではありません。あなたは冷戦終結を受けこの２０年間、激烈な権力闘争を経て四つの大変革を主導しました。９２年の自衛隊のＰＫＯ（国連平和維持活動）派遣、９３年の細川非自民政権樹立、９４年の選挙制度改革、そして、０９年の政権交代です。

　自衛隊を国連の縛りの中で国際貢献に使う。政権交代可能な普通の民主主義国家となる。いずれも妥当な選択だったと思います。同世代の政治家たちが次々に一丁上がりになっていく中で求心力を維持し続け、最後は悲願とも言うべき政権交代までこぎつけたのですから、これ以上の政治人生はないでしょう。

　そこで相談です。残る力を外交・安保論議に振り向けていただきたい。「普天間」「尖閣」は、東アジア地域の安全保障環境が大きく変わりつつあることを物語りました。安保改定後、半世紀という節目に日米同盟をどう仕分けするのか。日中は主権むき出しの衝突をどう防ぐのか。１９年前の小沢調査会を再開するぐらいのつもりで、若い党の俊秀を集め、この先半世紀の日本の生きる道を探ってほしいのです。湾岸戦争以来の米国ウオッチャーで中国人脈もあるあなたがうってつけです。

　次に、鳩山由紀夫様。あなたには「友愛」「新しい公共」の理念をもっと深掘りしてもらいたい。というのも、あなたが提唱した二つの言葉が今後大きな意味をもってくるからです。

　少子高齢化、新興国の台頭、資源・環境制約の現状を冷静に考えると、これからの日本の政治は、「負の配分」が大きな仕事になる、と思います。右肩上がり経済ではみんなに割り当て増が可能でしたが、今後は割り当てを減らされる人、団体、業界、世代が出てくる。それを民主的にどう調整するのか。政治の真価が問われる時代です。

　そのためには、政治家の説得力もさることながら新しい政治哲学が必要です。ムダ排除という経済合理性だけでは対応できない。個人が自己の利害を超えて社会に奉仕しようとする公共心というのか。カネやモノだけによる満足ではなく精神的な面での自己実現というのか。

　戦前の滅私奉公的なものではなく、戦後流行したマルクス主義的なものでもなく、宗教でもない。この厳しい経済情勢下、自立と共生を同時に達成でき、国民を納得させる哲学がほしいのです。鳩山理念はそのてがかりになるような気がします。

　最後に菅直人様。もっと自信を持ってください。小沢氏との権力闘争になぜ勝てたのか。地盤、看板、カバンもなく一介の市民からここまできたあなたに期待する声が強かったのではないですか。首相の座について初めて見えるものがあり、感じる責任感がある、と言われます。　その特権的立場にいるただ一人の政治家として、持続可能な財政・社会保障システムの構築を急いでください。この問題ほど政治の力を必要としている分野はありません。抜本的な対策が講じられないと、国家自体の破綻（はたん）につながりかねない大テーマでもあります。ようやく政府、党で議論がスタートしました。持てる政治パワーをここに結集し、実現可能な工程表を定め、一歩一歩確実に進めてください。

　トロイカの踏ん張りどころです。何のために十数年野党暮らしに耐え、政治活動を続けてきたのか。初心に戻り、それぞれに最後の快走を試みてください。怨念（おんねん）を捨て、たまにはほがらかに話し合い、歴史の歯車を一つでも前に回してください。小沢、鳩山両氏には追伸です。鈴の音高く、次の世代に恥じることのないよう身を律してください。政権交代を価値あるものにするための仕事。３人にしかできないことでもあります。草々
http://mainichi.jp/select/opinion/hansya/news/20101031ddm004070012000c.html
　

コメント
01. 2010年10月31日 14:53:46: 9tO6ocLtfo この倉重篤郎って男は、バカなのかボケているのか、それとも確信犯か。 小沢・鳩山両氏を「政治とカネ」「普天間」で追い込み、辞任に追いやったのは、テメエ等マスゴミ自身だろう。世論調査とやらを錦の御旗のごとく振りかざし、政権を結果として短命に終わらせ、その都度政局話でゼニを稼いできたくせに、何を今更言ってやがる。 地獄に落ちろ！
02. 2010年10月31日 15:13:16: v9JGWW5Syk 何ですか、この男、偉そうに、馬鹿みたい。
03. 2010年10月31日 15:27:58: uC8DKpjnU6 どんどん書くことに品が無くなってきてるね近頃の新聞は 薄汚い本性を晒して読者にどう取られてるか気づいてない のだとしたら憐れですな。
04. 2010年10月31日 15:39:43: qpoPzI5FeU なにしろ、本人や家族の生活が第一なもので。
05. 2010年10月31日 15:43:58: LVrT5qSV72 > まずは、小沢一郎様。 > そこで相談です。残る力を外交・安保論議に振り向けていただきたい。 そこで相談です。 米軍は第７艦隊だけで充分だと強く主張してください。 > 日中は主権むき出しの衝突をどう防ぐのか。 > 湾岸戦争以来の米国ウオッチャーで中国人脈もあるあなたがうってつけです。 中国人に、小沢一郎は中国共産党 人民解放軍 野戦軍司令官だと脅してください。 中国人脈もあるあなたがうってつけです。 中国人は震え上がるでしょう。 > 若い党の俊秀を集め、この先半世紀の日本の生きる道を探ってほしいのです。 白 眞勲等朝鮮系等の若い党の俊秀を集め、日本から血税を吸い取って韓国・朝鮮が生きる道を探ってほしいのです。 > 最後に菅直人様。もっと自信を持ってください。 反日運動家として有名な岡崎トミ子国家公安委員会に抜擢したことに、もっと自信を持ってください。 彼女に戦時性的強制被害者問題法案を推進させ、日韓条約を無視して日本国民の血税を韓国・朝鮮の売春婦にばらまいてください。 > 持てる政治パワーをここに結集し、実現可能な工程表を定め、一歩一歩確実に進めてください。 外国にいる外国人の子供にも（真意は韓国・朝鮮人に）子供手当を支給し、金正日を礼賛する朝鮮学校への学資を補助し、憲法を無視して韓国・朝鮮人に参政権を与えること等、持てる政治パワーをここに結集し、実現可能な売国政策を工程表に定め、一歩一歩確実に進めてください。 ーーー 小沢氏、胡中国主席と会談「私は人民解放軍の野戦軍司令官」2009.12.10 23:30 http://iori3.cocolog-nifty.com/tenkannichijo/2009/12/post-c441.html 　小沢一郎氏は、総勢６００人を超える「大訪中団」を率いて、『北京詣で』をしました。 小沢氏が乗り込んだリムジンカーと、それに追従したバスの車列は、かつて故宮博物院で見た「冊封國からの朝貢團」を髣髴とさせるものでした。 　小沢氏は調子に乗ってか知らずか、「私は人民解放軍の野戦軍司令官だ」などと発言したと伝えられていますが、この発言は大陸では日本とは全く違うニュアンスで受け取られています。 　日本の政権与党の幹事長たる人物が、人民解放軍という「中共の正規軍」の「野戦軍司令官だ」と名乗るということは、日本國は中華人民共和國の実効的軍事支配下に入ったと言うのと同じことです。
06. 2010年10月31日 16:19:17: PuiZfJGR9w これは裏読みすればとてもわかりやすい米国金融資本からのメッセージです。 まず、このマスゴミ男は小沢さんにはこう注文をつけている。 >残る力を外交・安保論議に振り向けていただきたい。 裏を返せば、国内問題には首を突っ込まないでほしい。郵政民営化や取調べ可視化や格差問題に豪腕を発揮しないでもらいたい。 経済が崩壊寸前の米国の金融資本がいま日本の財産をねこそぎもっていきたがっている。あなたがいては邪魔だ。 そういっている。 次に鳩山さんには新しい軍国教育のもととなるような理念を開陳しろと進めていると読める。 管には、米国がいつもおまえを見張っているぞ。もう、あともどしは許さない。そう恫喝しているのだろう。ｗ
07. 2010年10月31日 19:03:04: FN1zC6nnJI この男は、第５検審の議決書を読んだ上でこんなことを書いているのですかね。「朝日」の記事といい、この記事といい投稿者が引っ張ってくる記事は、潮目の変わりを逆に証明しているということでしかないですね。
08. 佐助 2010年10月31日 19:22:28: YZ1JBFFO77mpI : GnuRgcG5J2 【社会の木鐸を捨てた大手マスメディアにより天下国家の国づくりは失敗した】 菅政権を持ち上げる昨今の大手マスメディアにおいて、政治的利害関係やしがらみがからまったために人間的なあたたかな人間関係がうすめられ、やがてふみにじられてゆく姿を見るのは悲しいことである。社会の善意は踏みにじられ人と人との結びつきも、利害関係によってくっついたり離れたりしている。利害関係を無視して産業、報道社会が動き得ないことは冷静な事実である。彼ら大手マスメディアは結局、弱者を小ばかにし、搾取されたり、虐げられたりするのは当然だと思っている。所謂、選民意識である。 菅総理と大手マスメディアの狙いは、既得利権確保である。社会の木鐸としての機能が大手マスメディアから消え去ってしまっている。国民はマスメディア報道を信用してはいけない。すべてではないと思うが各社は競って創作して大嘘を報道しているのである。第二次世界大戦に突入してしまったのも社会の木鐸を失い暴走してもっともらしく煽ったのである。菅総理と大手マスメディアにより日本は本当におかしな国になってしまった。
09. 2010年11月01日 09:47:05: l4uTgh5xOQ 冤罪で、葬り去ろうとどれだけ、白紙のマスを埋めても無駄！庶民が許さない。御存じでしょう、あなたは、毎日新聞。ＴＢＳの水戸黄門が、何故お化け番組ですか？昔、祖母が見ていました。今、母が楽しみに見ています。私は、たまにお付き合いで見ますが、なるほど、これかと思います。庶民は、世の中が理不尽なことを身をもって知っているのです。今まで、点でバラバラに、ドラマでガス抜きをさせられていましたが、私達新規高齢者世代は、違います。点でバラバラにはなりません。思いを告げられる媒体が漸く出来たのです。理不尽さをこのままにはしません。今や、Ｂ層化は、マスコミ自身です。論説だか、編集委員だか知れませんが、中身は、Ｂ層です。ＴＶもどうでしょう、キャスターや司会者や、コメンテイターが、まさしくＢ層発言をしています。よほどの鈍感で無い限り、ほとんどの庶民は軽蔑しています。庶民に火を着けたのは、あなた方、マ・ス・コ・ミ
10. 2010年11月01日 18:03:20: A6YzCUYVFs >>06 同意＆ＧＪ ＞裏を返せば、国内問題には首を突っ込まないでほしい。郵政民営化や取調べ可視化や格差問題に豪腕を発揮しないでもらいたい。 追加でもう一つ、クロスオーナーシップ規制法案でこいつらの息の根を止めよう。 飯のたねだからね、一番必死になるよ。

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