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2010年11月 1日 (月) 12:51

　日中関係悪化演出は沖縄県知事選対策の偽装工作　

　１１月２８日に沖縄県知事選が実施される。

　これに先立ち、１０月２６日、喜納昌吉民主党沖縄県連代表と岡田克也民主党幹事長が国会内で会談し、沖縄県知事選への民主党独自候補擁立を断念することが確認された。
　

　沖縄県知事選での最大の焦点は普天間基地移設問題である。

　普天間基地を沖縄県内に移設するとの政府・米国共同発表に対して、沖縄の主権者国民は明確に反対の意思を示している。
　

　本年１月の名護市長選では辺野古移設反対を明示した稲嶺進氏が当選した。
　

　本年９月１２日には、名護市議選が実施され、基地建設反対派が圧勝した。定数２７に対して移設反対を掲げる稲嶺進市長支持派が１６議席を獲得し、少数与党だった改選前の１２議席から４議席増やし圧勝した。移設を条件付きで容認してきた島袋吉和前市長らが支援した反市長派は、改選前から１議席減らし１１議席にとどまった。
　

　菅政権は米国の要求の言いなりになって、普天間代替施設を名護市辺野古付近に建設する方針を堅持している。鳩山由紀夫前首相は地元住民、連立与党、米国の三者の合意を得て政府案を決定することを約束していたが、５月２８日に発表された日米合意は、地元住民、連立与党の合意を得ずに発表されたものだった。
　

　鳩山政権が発表した辺野古への移設案に対して、強い反発が生じたのは当然のことだった。連立与党の社民党は連立政権を離脱し、鳩山内閣は総辞職に追い込まれた。
　
　総辞職した鳩山内閣の後を継いだのが菅直人政権である。この経緯を踏まえれば、菅直人氏が、地元住民の意思を尊重する方向で日米合意を見直すことは当然のことである。
　
　ところが、菅直人氏は日米合意を守ることだけを主張し、沖縄の主権者国民の意思を踏みにじる姿勢を維持したままである。菅直人氏にとっては沖縄の主権者の意思よりも米国に隷属することが重要であるということだ。
　

　菅直人氏の行動は国民主権の大原則に反するものである。政治は米国のために存在するものではない。政治は主権者である国民のものであり、主権者である国民のために存在するものである。
　

　主権者国民の意思を踏みにじる菅直人政権に対して、鉄槌を下さねばならない。そのための最初の具体的行動が沖縄県知事選での意思表示である。

　仲井真弘多現知事は県内移設に対する沖縄県民の強い拒絶の意思を踏まえて、普天間基地の県外移設を希望する意思を表明した。しかし、県内移設反対を明言しない。
　

　選挙のために県外移設を主張しながら、知事に再選されれば、辺野古での基地建設に賛成する可能性を否定できない。仲井真氏を支援する自民党と公明党本部は、辺野古での基地建設を推進する姿勢を維持している。
　

　これに対して、普天間基地の県内移設に明確に反対の意思を示しているのが伊波洋一宜野湾市長である。伊波洋一氏は知事選への立候補を表明している。伊波洋一氏は県内移設に反対するとともに、国外移設を主張している。
　

　普天間基地の県内移設を阻止するためには、伊波洋一氏を新しい沖縄県知事に選出する必要がある。ネットからの情報拡散を拡大して、伊波洋一氏の知事当選を誘導してゆかなければならない。
　

　民主党国会議員である斉藤つよし氏は沖縄知事選での伊波洋一氏支持を明示したところ、岡田克也民主党幹事長から除名をちらつかせて恫喝されたと伝えられている。
　

　対米隷属の岡田克也氏のスタンスが明瞭に示されているが、民主党を支持する主権者国民の多数は、日本政治の対米隷属を支持していない。沖縄県民が総意として普天間基地の県内移設反対の意思を有するなら、この意思を尊重することが国民主権の政治になる。
　

　対米隷属派が実権を奪った民主党執行部は、隠れ辺野古移設賛成派と見られる仲井真弘多氏の知事再選を希望していると見られる。主権者国民は、対米隷属の日本政治を否定するためにも、仲井真弘多氏ではなく伊波洋一氏を新しい沖縄県知事選に選出しなければならない。
　

　１１月２８日の沖縄県知事選に向けて、日米政府は反中国キャンペーンを拡大させる可能性が高い。日中関係を意図的に悪化させることは、中国の脅威をあおることと同義であり、米軍の沖縄残留を肯定する材料として用いられる可能性が高い。
　

　米国は沖縄を米軍が使用することに極めて大きな重要性を保持している。この権益を維持するためには、対米隷属の沖縄県知事を確保することが極めて重要であると認識していると思われる。
　

　日米政府が結託して沖縄県知事選に介入する可能性が高く、十分な警戒が求められる。沖縄の主権者国民は、中期的な視点での沖縄の方向を考察し、県内移設反対を明確に意思表示している伊波洋一氏を新しい知事に選出するべきである。

コメント
01. 2010年11月01日 19:32:19: xt2Jq6ipG2 ちょっとさあ、いくら阿修羅だからってこの「推論」はひどすぎやしないか？ 植草さん、あなたの肩書きが泣きますよ。 「論理」というものがぜんぜんわかっていない。 もし植草さんのいうように日中関係悪化が政権の沖縄問題そらしだとするなら、この政権に中国政府が協力していることになる。 中国との関係悪化と沖縄問題とを比べてみると、沖縄問題が内政でなんとか解決できるものであるに比して、 日中関係の悪化は莫大な損失をともなう大きな問題だ。そんなものを犠牲にするだろうか？ また中国が政権の意図どおり動いたとすれば中国が管政権の画策に協力していることになる。 あるいは、管政権が中国政府を縦横に操っていることになる。そんな利巧な政権かい？ 植草さん、劣化が激しすぎやしませんか？
02. 2010年11月01日 20:05:01: Qmr742hN4I 日中関係悪化の画策は、前原国交大臣が、仕掛けたものだと思いますがね、いかがかな、中国は、それに対して当然の対応をしただけだろ〜に。 中途半端な前原らしい早くね、国益の為に、辞職してほしいとみんなが言ってますが・・
03. 2010年11月01日 20:09:12: FcYLFaCjDg <<県内移設反対を明確に意思表示している伊波洋一氏を新しい知事に選出するべきである。 植草氏に同意します。
04. 2010年11月01日 20:10:17: awUrc1MVGI 植草氏の見立てに賛同！ 別に中国は、菅政権に、協力などしていない。 日本が米の顔色を見て、必要以上に中国の脅威を報道し、 だから米の沖縄駐留が必要なんだと思わせている。 要は、菅、仙石、前原等は、中国には重きを置いていないという事。 どこまでも、米のポチ。
05. 2010年11月01日 20:27:26: xt2Jq6ipG2 >04 そんなことは先刻承知うえでいっている。 中国が管政権の「沖縄基地問題そらし」？に協力しているわけがない。 植草さんが主張していることは沖縄基地問題「そらし」のために中国との関係悪化をわざとやっているという、いつもの陰謀論的主張があまりにも飛躍しすぎているから注意を促しているのですよ。 陰謀論は嫌いじゃないが、こんな飛躍と妄想に満ちた陰謀論ばかりが横行するとせっかく阿修羅にまともな人が目を向け始めたのにまた離れてゆく。 被害妄想に満ちた陰謀論を語りたち気持ちはわかる。わたしもそういう衝動があるし、また、語ってしまいがちだ。 うっぷんが晴れるからね。 だけど、そりゃまずいよ。そんなことをしていると、妄想の嫌いな一般大衆は離れてゆく。 それは結果的に現政権や金融資本を逆にたすけていることになる。 冷静な分析ができる人なんだから、植草さん、妄想論や陰謀論なんか語っている場合じゃないですよ。
06. 2010年11月01日 20:54:34: EJniQ3GxYY 伊波洋一氏は、米軍の動向を研究し、沖縄県内の移転が必要ないことを論文で提示されている。氏の米軍移転の主張は明快である。 また、利権屋たちは、仲井真弘多氏を再選させたがっていて、様々な工作を仕掛けている。 植草さんは、真実を見せてくれるので、妨害しようとする人たちが必ず現れるが、ここの人たちは覚醒しているので、それぞれ自分自身で情報を調べており、意見を見抜いている。
07. 2010年11月01日 22:46:37: jfFAZGb6iI 伊波氏の最新動画です。 「県内移設はさせない。そのことをするために立候補しました」 「太田県政では、毎年のようにアメリカを訪れ、政府関係者、シンクタンクや軍関係者に熱心に（県外移設を）訴えていた」 「自公県政の１２年間は、その活動はパタリと止まり、むしろ県内移設の旗振り役をつとめていた」 http://www.youtube.com/watch?v=0rB-hZhhnIc&feature=player_embedded 勝ってください。応援しております。
08. 2010年11月02日 00:25:22: pufQrOKRSg まことに合理的推論である。国内での権力闘争ではマスコミ、官僚の全面協力を得て民主執行部が大方筋書き通り進めているものの唯一懸念されるのが沖縄問題である。そしてここをクリヤーしなければ政権運営に赤信号がともる。何としてでも片付けておきたいところだ。然るに現執行部はまるで沖縄に信用がない。それはマスコミとて気づいているところ、知っているからあえて沖縄には触れないのだ。この膠着した状況を乗り切るにはやはりこの一手しかあるまい。彼らの頭で考えられるのはこれぐらいしかなかろう。どう考えたところで彼らに沖縄を説得する力はないからである。　たしかに中国に仕掛けることで被る日本の経済的損失を考えてそんな冒険はしないというのが合理的判断だろうが現執行部はその合理的思考をしない。国益なぞをどれほど損なおうが何よりアメリカの意に添うことこそが最優先課題なのだから。 今回民主独自候補擁立がならなかったことで計画がとん挫したもののかれらがこのままこれを捨て置くことはあるまい。必ずや次の大きな仕掛けをしてくるに違いない。マスコミが沈黙していることが不気味である。おそらく検察審査会議決並みの陰謀を巡らせているに違いない。要注意である。
09. 2010年11月02日 18:41:23: ZxigmR1pCE これらのこと騒いで欲しい「かんぽの宿疑惑」「りそな銀行処理疑惑」
10. 2010年11月03日 00:45:36: lmmom2TeHE 岡田幹事長は民主党の沖縄の議員以外の国会議員に対して、選挙応援禁止の通達を出したそうだが、これはますます国民が一致団結して伊波氏の応援をしなければならない。絶対に当選していただきたい。

11. 2010年11月03日 11:30:29: 9Bn2DqF0DA ＞沖縄の主権者国民は、中期的な視点での沖縄の方向を考察し、県内移設反対を明確に意思表示している伊波洋一氏を新しい知事に選出するべきである。 私も同感である。 しかし、菅内閣のこれまでの一般的な動きをみていると悲観的にならざるを得ない。 条件付きで県内移設を認めるであろう仲井真知事の再選を、どんな手を使ってでも実現させるであろう。 米国中間選挙の結果、軍産関係議員の復権が予想されている状況下で、米政府に忠誠の強いメッセージを送るためにも。

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