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2010アメリカ中間選挙ガイド:日本では誰も語らないティーパーティーのリバータリアン派・在ニューヨーク佐藤研一朗研究員筆
http://www.asyura2.com/10/senkyo98/msg/685.html
投稿者 Orion星人 日時 2010 年 11 月 04 日 12:26:14: ccPhv3kJVUPSc
 

http://www.snsi.jp/tops/kouhou(副島隆彦の『今日のぼやき広報』)

「1169」2010アメリカ中間選挙ガイド 日本では誰も語らないティーパーティーのリバータリアン派 在ニューヨーク佐藤研一朗研究員筆 2010年11月3日

米中間選挙で勝利したランド・ポール新上院議員の勝利演説

 アメリカ・ニューヨーク州ロチェスター市に住んでいる佐藤研一朗です。今日は10月31日です。

 今回は11月2日に迫った中間選挙について話をしていきたいと思います。(書き終わったのが、選挙戦前夜になってしまったので、テレビや新聞から流れるニュースのガイドとして、読んでもらえれば幸いです。感想をはツィッターの方どうぞ、http://twitter.com/kenichirosato )


 次の選挙では、共和党が大きく議席を伸ばすでしょう。しかし、その背後には、ますます影響力を拡大している草の根・保守運動のティーパーティーの存在があります。ティーパーティーは、民主党を蹴散らし、在来の共和党を飲み込んで、今後のアメリカ政治を大きく変えるでしょう。

 ティーパーティーの運動によって、アメリカで、建国の精神という原点帰りが起きる可能性があります。今回は、このティーパーティーの分析をしながら、アメリカで起きそうなこのリバータリアン革命について話をしていきます。

<中間選挙>

 アメリカでは、皆さんご承知のように、4年に一度、大統領選挙が行われます。中間選挙は、大統領選挙と大統領選挙の真ん中に行われます。オバマが選出された前回の大統領選は2008年でした。ですから、それから2年たった今年は、中間選挙の年なのです。

 中間選挙では、上院議員の定数の3分の1、下院議員全員が選挙戦を闘います。ちなみに上院議員の任期は6年ですが、下院議員の任期はたった2年なのです。中間選挙では、連邦政府の議員だけでなく、多くの州で、州知事の選挙もあわせて行われています。この中間選挙の行方が、2年後の大統領選挙の結果を大きく左右するのです。

 現在、大統領は民主党のオバマ、そして上院と下院も民主党が過半数を占めています。しかし、今回の中間選挙では、共和党が勝つだろうと言われています。保守系の新聞・ウォール・ストリート・ジャーナルでは、下院では共和党が過半数を取り、上院でも共和党が大きく議席を伸ばして、過半数に迫る勢いだと予想しています。

<ワシントン・ポストによる予想議席数>

<身動きが取れなくなるオバマ大統領>

 そうなるとオバマの政権運営は、これからますます厳しくなるでしょう。ただでさえ景気がいっこうに上向かず、失業率が高い水準で推移しています。人々の批判の声が現職の大統領や与党に向くのは当然のことです。

 就任当初70%近くあったオバマの支持率は、現在では45%前後まで低下しています。オバマは大統領に就任してから、医療保険制度改革法や、景気刺激策のような、重要な法案を成立させてきましたが、中間選挙後は、なかなかこのような重要な法案を、通すことが難しくなってくるでしょう。

 上院では、仮に共和党が過半数を取らなかったとしても、フィリバスターと言われる議事妨害(審議引き伸ばし)によって、民主党はまともに議会運営ができなくなります。このフィリバスターは、日本で言うと、昔、社会党がとった牛歩戦術に似ていると言えるかもしれません。

 もともと上院では、全ての議員が議会で演説をする権利をあたえられています。それを利用して議員が演説を何時間、何十時間と続けて審議を引き伸ばすのです。「スミス都に行く」という有名な映画がありますが、その中で主人公が不正を告発するために議会で延々と演説をするシーンがありますが。それがまさにフィリバスターなのです。*

<スミス都に行く フィリバスター>

 このフィリバスターをやめさせるには、与党がスーパーマジョリティーという上院議席の60%を抑える必要があります。しかし、今の民主党には、そのような議席を確保する勢いは少しもありません。ちなみに、現在では、規則が変わって議員が延々と演説しなくても議事妨害ができるようになり、フィリバスターはますます野党に多用されています。

 ですから、これから景気がますます悪化する中、オバマ大統領は、下院を共和党に取られ、上院でも議会運営をさせてもらえず、何もできないという状態に追い込まれていきます。アメリカではこのような状態を、レイム・ダック(足の不自由なアヒルという意味)と言います。中間選挙後にはオバマが、レイムダック状態になり、影響力を急速に低下させるでしょう。そして副島隆彦氏が予想しているようにオバマが辞任し、ヒラリーが大統領の地位に就任するというような状態に追い込まれていく可能性は大いにあるでしょう。

<ティーパーティー、ティーパーティー、ティーパーティー>

 今回の中間選挙の台風の目は、やはりティーパーティーです。この選挙が、通常の選挙と違うところは、これがただ単に「民主党の惨敗、共和党の勝利」で終わらないところです。実は、共和党にとっても大嵐なのです。共和党の予備選挙で、共和党の本部が応援する現職・ベテランの候補者が、ティーパーティーに応援を受けた新人候補者に、次々と敗れるという現象が起きているのです。ティーパーティーの躍進により、共和党も今後の党運営の方針を大きく変えていかなくてはならなくなるでしょう。

 ティーパーティーの躍進がどれほど、日本に伝わっているか分かりませんが、中間選挙後には大きく報道され、ネオコンに続き、アメリカ政治の流行語となるでしょう。

 ではティーパーティーとはなんでしょうか。ずいぶん前に、私がやっている仙台インターネットマガジンのほうに、ブログ記事とラジオ番組のほうで、詳しく語りましたので、詳細はそちらを見ていただきたいのですが、ここでは簡単に説明させてもらいます。

誕生日・二つの革命(2010年01月23日)
http://www.im-sendai.jp/archives/2010/01/post_349.html

反税金運動・ティーパーティーに行ってきた(2010年04月19日)
http://www.im-sendai.jp/archives/2010/04/post_358.html

 ティーパーティーとは、保守派の草の根の運動です。この名前は、アメリカの独立戦争のキッカケになったボストン茶会事件(ボストン・ティーパーティー)にちなんでいます。当時、イギリスの植民地だったアメリカの人々は、自分たちはイギリスに代表も送れないのに、イギリスが勝手にアメリカに税金をかけるべきでない、「代表なくして課税なし」と猛反発したのです。しかし、その動きが、最終的にアメリカを独立に導いていったのです。

 現代のティーパーティーは、当初、ロン・ポール(アメリカを代表するリバータリアン政治家)の支持者たちが始めた、彼の大統領選挙戦の資金集めためのイベントだったのです。ボストン茶会事件を記念したこのイベントでは、ロン・ポールの支持者たちが、大きい政府、増税、連銀と書いた茶箱を、ボストンの港で海に投げ込むというパフォーマンスで話題になりました。

 それがいつの間にか、草の根の保守派の団体にも広がって、4月15日の納税日にあわせ、ティーパーティーと名乗って反税金のイベントが全米で行われるようになっていきました。昨年、2009年にも、納税日にも全国で同様のイベントが行われました。夏にはワシントンで100万人(?)も集まったという大規模なデモが行われニュースになりました。

 当初メディアは、あまりこの運動に注視していなくて、よく分からない人たちが集まって、反オバマの運動をしているという程度の認識でした。しかし、今年一月に行われた上院の予備選挙で、民主党の牙城といえるようなリベラルなマサチューセッツ州で、民主党の議員が、ティーパーティーに支持された、ぽっとでの新人の共和党の議員に負けるという事件が起きたのです。

 現在、ティーパーティーは、火の手のようにアメリカ全国に広がりを見せています。アメリカでは、選挙の前に、各党の代表を選ぶ、予備選挙という制度があります。この選挙で、まず各党の候補者を、一本に絞るのです。先程書いたように、この中間選挙の予備選挙で、ティーパーティーに応援された新人候補が、つぎつぎと現役の共和党の議員や、共和党本部に推薦された候補を破るという現象が起きました。

 ティーパーティーの特徴としては、草の根の、分散型の運動なので、明確なゴールや、指導者がいないという点です。ですから、なかなか全体像が見えてこないという問題があります。例えば私の住んでいるNY州のモンロー郡ですら、4っつのティーパーティーの団体があります。

 メディアも、この運動が、なんなのか理解に苦しんでいるようです。リベラル・メディアの中には、ティーパーティーの集会に集まっている一部の人の過激なプラカードなどの言葉を取り上げて、この運動は、保守派のFOXテレビに扇動された反知性的な運動だと、レッテル張りに終始している人々がいます。しかし、それは物事の一面しか捉えていないのです。トップダウン型の運動ならいざしらず、このような草の根の人々の緩やかな連帯を語るのは、慎重にするべきなのです。

 表面的なレッテル張りばかりしているリベラル・メディアには、かなりがっかりしました。これではブッシュ政権時代、戦争推進のプロパガンダを流し続けた保守派のFOXテレビとあまり変わりません。メインストリート・メディアというのは、所詮、最初から勝ち負けが決まっているプロレスみたいなものなのです。リベラルだから保守派を批判し、保守だからリベラル派を批判するだけです。彼らはインタネット時代の政治運動にまだついて行けていない、そんな感じがします。

<大きい政府 vs 小さい政府>

さて、話を戻しましょう。
なかなか全体像が見えないティーパーティーですが、参加者たちに共通する主張は、大きく言って以下の三つでしょう。

(1)大きい政府に反対していること。
(2)国の税金、支出、借金を減らすべきだと考えている点。
(3)連邦政府を憲法に則って運営すること。

 このティーパーティーの主張を聞いただけで、これがどういう意味なのかピンときた人は、相当のアメリカ政治に詳しい人でしょう。これは、もともとアメリカの歴代の保守派の政治家たちが、主張してきたことなのです。

 彼らの主張を理解するためには、まず最初に、アメリカの政治の大きな対立軸を知っておく必要があります。

 まずアメリカの政治は、二大政党制です。民主党と共和党の二党が、事実上、地方、州、連邦政府までの政治を独占しています。本来のアメリカの政治は、この民主党と共和党の大きく対立する政治思想の綱引きなのです。一番簡単に言えば、民主党の大きい政府 vs 共和党の小さい政府というのが対立軸だったのです。こう言う簡単な違いを理解していないと、表面的などの党がどれだけ議員数を伸ばしたかどうかだけ追っていても、それがいったい何を示すのか理解するのは難しいでしょう。

 この大きな対立軸を、もう少しはっきりさせるために、下に図を書いてみました。

20世紀における大きなアメリカの政治の対立軸

民主党 vs 共和党

政府の規模 大きい政府 vs 小さい政府

政治思想 進歩的 vs 保守的
     社会主義 vs 自由主義
     民主制 vs 共和制

経済政策 保護経済 vs 自由経済
     政府による規制 vs 自由市場による規制
     ケインズ主義 vs 古典派・自由放任

福祉政策 政府の手厚い保護 vs 自助努力・チャリティー
     政府による貧困層の救済 vs 政府は誰も特別扱いしない

税金   増税 vs 減税

軍事・外交 海外干渉 vs 海外不干渉(国内優先)←これがネオコンによって、海外積極干渉に変わった

問題に対する対策 政府をうまく使って問題を解決 vs 政府こそが問題を作り出しているから政府の干渉を軽減

支持層 労働者階級 vs 事業主
    移民・マイノリティー vs マジョリティー

 もともと、民主党は大きい政府を志向し、政府の規制・介入を好む。そして海外へ積極的に軍事的な干渉も厭わない。これは、ケインズ主義のニューディール政策を進めたのは、民主党のルーズベルト大統領であり、第一次世界大戦、第二次世界大戦、ベトナム戦争に参戦した政党は民主党であることを考えれば分かるでしょう。

 一方、共和党は、もともと小さい政府を志向し、政府の規制・介入を嫌う。国内問題を優先し、海外への軍事的介入に消極的なのです。しかし、80年代から共和党は大きく変わりました。レーガン政権の時に、ネオコンたちが、民主党を裏切って、共和党に寝返ったのです。ネオコンというのは、もともと社会主義を信じていた人々ですが、レーガン政権に取り入って、対ソビエト強硬路線を取っりました。ブッシュ(息子の)政権では、軍事力によって中東に民主主義を植えつけるとイラク戦争を推進させて行きました。

 ネオコンに乗っ取られ凶暴化した共和党は、本来の小さい政府を忘れ、どんどん大きい政府を志向する政党になっていきました。戦争を推進する政府というのは、やはり大きい政府なのです。共和党は、こうして軍事面だけなく、ブッシュ息子政権でみられたように、福祉面でも、処方薬にも保険が効くよう高齢者向け健康保険制度メディケアを拡充して、借金を増やしたりしています。全国の小学校に統一学力テストを導入するなど、連邦政府による画一的な政策に反対する以前の共和党では、絶対に反対するような事をやっていたわけです。

 その上、国民が大反対しているのに、潰れた銀行を国の税金で救済するというような事をしたのですから、ブッシュを支えてきた、共和党の現職も、今回の選挙で、ティーパーティーから厳しい非難を浴びているのです。

<イデオロギーの対立、再び>

 2008年に、オバマを当選させたのはブッシュ政権への怒りでした。国民は、戦争に反対しているのに議員や政権はそれを完全に無視する。大義名分も持たず、戦争を起こすなんてアメリカ的でないと、国民が怒ったのである。そのフラストレーションが、それまで活発に政治活動していな かったリベラルな無党派層を刺激した。これが「チェンジ」を叫ぶオバマを大統領に選ぶ原動力になった。しかしオバマになっても残念ながら戦争は終わらなかった。だから今のリベラル派はめっきり静かになってしまって、今回の中間選挙で、積極的に民主党を応援しようという感じが、なかなか見えない。

 ティーパーティー運動も構造は同じです。今までそれほど政治に興味がなかった人々が怒っている。しかし目が覚めたのは保守派の無党派層です。きっかけは、リーマンショック以降の銀行救済劇でした。国民は、銀行救済に反対なのに議員は無視する。何千もの有権者から反対の電話が議員の事務所にかかっているのには、議員たちはそれを完全に無視して、銀行の救済案を進めました。

 議員は我々の代表ではなかったのか、そのフラストレーションが彼らを刺激しているのです。ここで独立戦争のスローガン「代表なくして課税なし」に結びつくのです。だから、彼らは納税の日にあわせて集会を開き、自分たちの言うことを聞く、候補者をワシントンに送りこもうとしているわけです。これが現職に対する強い風当たりを生んでいるのです。

 そしてオバマ民主党が政権を取り、金融機関の国有化、GMの国有化、ケインズ主義の大盤振る舞いの景気刺激策、その上、社会民主主義的な国民皆保険制度を、反対の声が高いなか導入しようというのだから、彼らの怒りに油を注いだ形になったのです。

 ティーパーティーの支持者は、黒人のオバマが気に食わないから、彼に反対しているのだ。ティーパーティーは、白人の人種差別的な運動だと、結論づけようとするリベラルなメディアもあります。しかし、やはり大きな視点で物事を見ていけば、焦点はそこにはありません。今起きて始まっているのはイデオロギーの闘いなのです。

 現在、民主党も共和党も大きい政府を志向する政党になったのです。ティーパーティーはそれに反対しているのです。ですから、共和党の現職にも反対をする。オバマは、まさに典型的な民主党の大きい政府的な政策を進めているわけですから、小さい政府を志向するティーパーティーと真っ向から対立するのは当たり前です。やはりこの部分を無視してはいけない。

 これから、ティーパーティーが共和党に乗り込んでくることで、共和党が本来の小さい政府を志向するポジションに戻り、大きい政府の民主党 vs 小さい政府の共和党という対立軸が、少しずつアメリカの政治に戻ってくることでしょう。そして、しばらくは、小さい政府の方に分があるでしょう。

<ティーパーティーのリバータリアン派>

 先日、発表されたケートー研究所の調査によると、ティーパーティー参加者は、大きく伝統的な保守派と、リバータリアン派に分かれているそうです。(こう言う調査も、調査する人によって結果が大きく変わってくるから、なんともいえないのですが)調査によれば、ティーパーティーの支持者の48%がリバータリアン的な考え方を持っていて、51%が伝統的な保守的な考えを持っている。伝統的な保守派も、リバータリアンも、政府は小さく、経済に口を出すなという経済政策では、考えを一致している。* しかし、リバータリアンは、伝統的な保守に比べ、ゲイ結婚とか、大麻の合法化など、社会問題に寛容なのです。そして戦争にハッキリと反対する人々なのです。

 ティーパーティーでの、伝統的な保守に人気なのが、副大統領候補としてマケインと一緒に戦ったサラ・ペイリンです。そしてリバータリアン派に人気なのが、ティーパーティーの生みの親のロン・ポールです。この中間選挙が終わった後、このサラ・ペイリンとロン・ポールが、2012年の大統領選挙のティーパーティー推薦を争って、バーチャルな茶党の予備選挙を繰り広げることになるだろうと私は思います。

 そして、最終的には、イデオロギーとしては、リバータリアン派が勝つでしょう。ティーパーティーの支持者は、小さい政府を求めているのです。サラ・ペイリンのような、ネオコン的な発想、タカ派的な発想では、連邦政府の支出の50%を占める軍事費を削減することができません。だから、最初から戦争をすぐに辞め、軍隊を世界から引き上げようと主張しているロン・ポールが勝つだろうと予想しておきます。小さい政府は、やはり世界中に軍隊を派遣するような帝国ではないからです。

 まあ、実際にはどうなるか、それは誰にも分かりませんが、例えばイランやパキスタンなどと、戦争が起きたりすると、このティーパーティーの運動が大きく変質する可能性があります。共和党がネオコンに乗っ取られたように、ティーパーティーがネオコンに乗っ取られる可能性もないとは言えない。だから、リバータリアン派のティーパーティー支持者は、常に小さい政府は戦争をしない、政府だと主張し続ける必要があるでしょう。


<ランド・ポールとリバータリアン革命>

 今回は、ずいぶん長文になってしまったので、そろそろ終にしたいと思いますが、最後にロン・ポールの息子であり、現在、ケンタッキー州の上院選挙を戦っているランド・ポールについて話をして終にしたいと思います。

 ランド・ポールは、五月の共和党の予備選挙で、ティーパーティーの支援を受け、トレイ・グレーソンという共和党の本部に応援された候補者を圧倒して勝利しました。彼は、ティーパーティーのリバータリアン派の代表と言ってもいいでしょう。

 彼の予備選の大勝利のあとのスピーチで、美人の奥さんと一緒に、彼は「我々の政府を取り返しに来たぞ!」とさっそうと演説しました。これが全国ニュースが流れました。

"We have come to take our government back!"

 これは、おそらくオバマが民主党の党大会でさっそうと登場してスピーチして、それから頭角を表したような意味をもつだろうと思います。ランドが上院議員になったら、その影響は小さくないでしょう。上院は、各州からたった2名だけですから、たしかに下院よりもずっと格上です。大統領になる前、オバマも上院議員をやっていました。保守派としては、若くて元気のいいリーダーを欲しているのです。

 ランド・ポールは、自分の事を憲法・保守派(constitutional conservative )だと、呼んでいます。憲法というのは、国の権限を制限するためにある、国民からの国への命令です。アメリカの憲法というのは、もともと、連邦政府の権限を、非常に厳しく制限しているのです。憲法にハッキリと記載された連邦政府の権限以外は、全て州と人民に属するという考えなのです。例えば、中絶の問題がありますが、これは憲法に書かれていないので、本来、各州が自分たちで決めるべき事項であるのです。しかし、現実には、この憲法は完全に無視されて続けているのです。

 ランド・ポールは、もともと、非常に分権的で、リバータリアン的な憲法を武器に、政府を本来の小さな政府にしていこうと考えているのでしょう。80年代にロナルド・レーガンが選ばれたような、地滑り的なリバータリアン革命が、今後、アメリカで起きる可能性も無視できないでしょう。

佐藤研一朗 拝  

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コメント
 
01. 2010年11月04日 13:29:51: tvTVcpKrKQ
ティーパーティーは愚かしく、時代錯誤な行為だと思うが、民主党の政府の支出
拡大に不安を感じる白人中間層の不安の表れだろう。いずれはアメリカの「少数派」に
なるであろう白人の抵抗運動の始まりだと思う。

医療保険改革は先進国では普通の話だし、銀行などへの公的資金投入がもしなかっ
たら、大変なことになっているし、共和党でも避けられなかったはずである。それ
にもかかわらず、オバマが不景気やこれらの支出拡大の批判を受けているのは
不幸だと思う。本来、その原因をつくったブッシュ政権が責められるべきだと思うが、
そのような理性的な判断を許さないくらい、急速な景気の悪化が背景にあるのだろう。

ティーパーティーはアメリカ原理主義ともいうべき、高度な方向性のない草の根
運動であるが、景気の悪化を政府に求めるアメリカにはある種の健全さを感じる。
数字上のインチキで日本はアメリカより失業率が低いが、本来は日本国民は景気の
改善を求めて政府を批判するべきなのである。

しかし、その国民の不満を長年、マスコミ、旧体制政府、官僚などによって政治と
カネという虚構への怒りにそらされた。国会の審議はいつもこの無駄な質疑に費やされ、
実質的な政治、経済の改革はなされなかった。景気対策はあっても、経済政策が
ないのである。その結果、日本は20年不況から回復できていないという不幸な構造に
なっている。

後半の軍の問題だが、基礎的な問題として徴兵制の廃止も影響してきているのでは
ないか。徴兵制があった時代は戦争は国民の問題であったが、廃止から長期になり、
戦争は一部の人達の問題になりつつある。政治家の中でも戦争経験者は急速に減って
おり、今後、大統領選挙での従軍経験はますます問われなくなっていくだろう。
ロボット導入もあり、政府支出の面からも軍事への支出はますます好まれない時代
になるのではないか。


02. 2010年11月04日 13:49:05: u6lxUAAy6s
>>01
>ティーパーティーは愚かしく、時代錯誤な行為だと思う


投稿記事の内容をまったく理解していないね。
もう一度投稿記事をちゃんと読んだら?

投稿記事は今のアメリカの現状とティーパーティーの真の姿を冷静に分析している。

最近の投稿記事の中では、出色の内容だ。
こういった良質の投稿が増えることを期待したい。



03. 2010年11月04日 14:04:49: ddBzWRCNRg
大変勉強になりました。ありがとうございます。

核心をついた投稿なのでしょう。
01のような工作員がすぐ食いついてきましたネ。


04. 2010年11月04日 17:46:23: j5x66pRKIQ
ティーパーティには、実は支持母体が宗教右翼なので草の根運動とするのは
勝手がいいね。しかも、大資本家から巨額のマネーが動いてるとも言われる。
外交政策では、財政破たん回避や小さな政府を望みながら、軍事費の削減は主張せずに、レーガン時代のような戦争外交で強いアメリカを支持する。また、財政破たん回避を主張するのに、貧困層へ減税は主張せずに、特に大企業や富裕層への減税を主張するなど、かなり虫のいい主張しかしてないね。一般的なリバタリアン運動とはちょっと違うだろう。

社会保障は憲法違反、雇用保険や廃止せよ!などかなり極端な思想で、資本主義が誕生した産業革命時のイギリス?のころの社会を目指してる。労働者保護はアカとかいう主張もある。外交でも冷戦時代をなつかしむように、資本主義vs社会主義という視点が強いし、むしろ、日本のネトウヨに近く、中間所得層でありながら、大企業や強いものを媚びする一方、弱者や弱いものをけなす精神がそこにはある。むしろ、プロ奴隷のアメリカ版に近い。

だから、茶会運動は純粋なリバタリアン運動とは違う。もちろんそういう目的で参加してる人もいるが、主軸をなすのはあくまで、狂信的宗教右翼で、ペイリン大統領が茶会運動の頂点に立つ。


05. 2010年11月04日 18:07:25: JQq5drYsDE
とても勉強になる投稿です。
投稿内容に引き寄せて考えるなら、私たち日本人も変な税金ばっかりとられて、国民の希望しない政治ばっかりされるとか、右と左が一致するとか似たようなところもあるのかなと思いますが、
コメントを拝読しますと、いや、茶会は偏っている、とマスコミで聞くような説もあり、悩ましいところです。

この投稿の価値は、日本では米マスコミ(のさらに翻訳)を通じてしかイメージを持っていない茶会について、現地の感覚を伝えているところかなと思いました。


06. 2010年11月04日 20:10:16: NKGBUbkb9A
見事な分析です。
作者の深い米国の知識と優れた分析力に、感心します。

07. 2010年11月05日 09:03:28: MzQ0dNuj7k
非常にすぐれた報告ですね。勉強になりました。

日本でもこの種の保守革新運動は、起こります。

すでに台頭は始まっています。


08. Nico 2010年11月08日 16:21:56: YXSXgaBkuk2IA : 7gUXrsDP7c
田中宇さんのブログを読んでもいまいち茶会のことがわからなかったのですが、勉強になりました。
それでもいろいろな思惑がある人が集まったという感はありますね。米国の状況も混沌としてきましたね。
日本では相変わらず米ネオコンに振り回されているようですが、07さんのおっしゃるように遠からず政治勢力の再編が起こるかも知れませんね。いい方向か悪い方向かはわかりませんが。


09. 2010年11月09日 10:06:29: qXVrTI3bh2
馬鹿なアメリカ人は一方向に流され洗脳が容易だ。
サラペイリンが無能なのはわかるが、ロンポールは抹殺されtるだろう。
アメリカの支配者は今も昔も変わらない。

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