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３７９９．次の戦略は、江戸時代の復活である。
今後の日本の戦略を考えたい。戦後、吉田茂が、安全保障は米国に
おんぶして、経済発展を優先するという戦略を採用して、大成功し
た。しかし、１９８０年代の日本の経済発展が米国経済を圧迫した
時点から、転換せざるを得ない方向になった。しかし、次の戦略が
まだ見えていない。
しかし、ここに来て次の日本戦略が、徐々に明確化してきている。
中国などの専制諸国と民主国家群がどうしようもない状態になった
こと。環境問題が汚染、多様性の危機、資源枯渇で出ていること。
金融経済体制の限界の３つの問題を同時に解決する方法を見つける
ことが次の戦略である。この答えは江戸時代にある。
シンガポール、韓国や中国など国家資本主義体制や専制主義は追い
かける立場の諸国では有効であるが、次の世界システムや戦略を考
えることは出来ない。ここに限界があり、かつ他者を受け入れず、
共生・共存ができないゼロサム経済である。またハードパワー優先
であり、そのため、他者から警戒させる。
アジアはインドから多くの思想的な影響を受けてきた。主知主義で
ある。これは仏教とともに中国を経由して日本に入ってきた。自然
との共生を信仰してきた当時の日本に受け入れることができた。中
国では漢方から功利的な本草学が起こり、日本に入ると趣味的な本
草学になり、園芸を生み出す。
欧州はギリシャまでは主知主義であったが、その後キリスト教とい
う一神教に支配されて、主神主義になり、自然との共生から自然の
克服と言う人間中心な思想になる。これが近代科学が自然破壊など
の問題を引き起こしている理由だ。しかし、この近代科学がない江
戸時代は有機農法など、自然の高度利用である。
この自然利用が徐々に現代科学の目で解き明かされてきた。自然と
の共生がいかに生産性を高めるか、脅威の目で見てきた林さんの無
農薬・無肥料でのリンゴがどうしてできるのか、それが明らかにな
ってきた。エンドファイトだ。自然界の共生関係である。
江戸時代、高度なリサイクル、リユースが行われている。レアアー
ス・レアメタルが一番あるのは、おそらく日本でしょうね。製品と
して内蔵されている。部品での含有率は自然界での鉱石の含有率よ
り高いという。このリサイクルができれば、中国の輸出禁止も恐ろ
しくない。このようなリサイクル技術が重要である。
また、江戸時代は金利はゼロもしくは手数料を取られるために、マ
イナスである。貨幣を貯蓄するのは甕に入れて、庭に埋めるしかな
い。投資はできたし、先物取引もできたし、為替もあるが、通貨に
貯蓄機能がない。このため、再投資して事業を拡大再生産するしか
ない。貨幣に貯蓄機能を持たした弊害が現代にはある。何もしない
金利生活者ができる。この金利分、社会は生産縮小する可能性があ
る。または、海外に短期流動資金となり、大暴れする。金融資本主
義は限界に来ている。
このため、金融資本主義が米国を衰退させて、その経済をおかしく
しているようだ。金融経済が大きくなりすぎで、米国はその中心で
、基軸通貨ドルを大量に印刷するために、世界の流動資産が膨張し
ている。これに米国の衰退と感じる。この米国の衰退を中国は狙い
、軍事力を増大させている。覇権の危機になっている。
米国の中間選挙結果も中国パッシングになる。中国容認派が政権の
中心を占めていたことが大きく災いしている。これからは対決派が
政権の中心を占め、ここでも覇権危機に対応した米国の政治が変化
することになる。しかし、軍事費は削減されてくる。このため、同
盟国に軍事の肩代わりを要求してくる。
東西の覇権移行が８００年周期で起こっている。学生のとき、自主
憲法制定委員会の事務局長であった清原さんから、次の時代は日本
の可能性があるというお話を伺ったが、中国が覇権移行先と一時は
思ったが、米国の動向から日本が次の世界経済の構図を描き、覇権
を担うことが必要だと思い始めている。
しかし、中国への覇権移行を信じている人たちが雑音を日本社会に
流しているが、その考えは間違いである。覇権には、４つの条件が
必要である。１．軍事力、２．経済力、３．文化力、４．仕組みで
あるが、文化力は民主主義がベースであり、専制国を民主国は覇権
国にはしない。この民主化が太子党・習近平で無理になっている。
温家宝首相が行う政治改革が、党中央宣言部李長春などの太子党の
攻撃で危機的になっている。２年後に習近平が国家主席になるが、
それから１０年、民主化はおろか政治改革も進まないことが明らか
である。ロシアはインドと同盟関係にある。中国と対応するにはイ
ンドが重要だ。すると、ロシアも必要だ。
また、中国はシーレーンの軍事力を増大させて、日本の通商を邪魔
できる存在である。中国に対応するのは、インドなどとの同盟や軍
事力の増強が必要になるか、必需品の貿易量を少なくし、ハウスホ
ーファーの生存圏範囲をなるべく小さくすることである。必需品の
輸入依存から国内調達にシフトすることだ。
一番重要な中東からの石油輸入は、休耕田や耕作放棄地などの水が
ある所で育つ藻からの精製で十分な間に合うし、すすきでエタノー
ル醸造も可能になる。また、日本近海にはメタンハイドレードもあ
る。食料も植物工場で可能になってきた。というように有機農業が
ベースになり、自然界からの恵みで日本は自給自足的な生活が可能
である。それは日本が多様な環境・気候とそこに暮らす多様な生物
と調和して一緒に暮らしていることによる。これも江戸時代と同じ
自給自足になる。
米国とともに覇権を担うという命題には、日本の伝統文化を再度、
見直すことである。日本版ルネサンスだ。伝統文化が息づいている
のは、江戸時代だから、この江戸時代を見直すことである。ここで
の江戸市民の江戸しぐさや番屋と言う制度、共生という仕組み、勝
小吉の本の中にある助けあいの精神の復活だ。
欧米文化からの離脱、今までの吉田茂の戦略から新しい戦略を構築
することである。末次一郎先生が存命中にも、日本の戦略はそろそ
ろ尽きている。次の戦略を考える必要があると言ったら、まだ早い
と言われたが、とうとう時期が来た。いつか来ると信じていた日本
の次期戦略構築のときである。それも大体見えてきたのが今だ。
民主党政権は明治維新と言うが、新しい戦略を構築できていないの
が現実である。このため、自民党政権と同じにしか現時点、見えな
い。民主党政権は次の戦略を立てるべきである。しかし、もし戦略
構築が難しいというのなら、われわれを使うべきだ。
沖縄・尖閣も北方４島問題も、戦略が変化しないので惰性で問題を
放置してきた。転換の新しい戦略がないからである。戦略方針がし
っかりしたら、その戦略をベースに問題を考えることが出来る。そ
れをしないから、ズルズルと同じ問題を引きずるのである。戦略変
更期であり、それを明確化することである。
世界全体の仕組みをどうするかも、併せて検討することである。そ
うすれば、日本が世界の文化的・経済的な中心を担うことになる。
その仕組みは江戸時代にある。もっと言えば、自然神道の八百万
（やおよろず）の世界だ。その文化を世界に広げることである。こ
れを八紘一宇というのである。自然との共生術を世界が求めている
。これに答えるべきである。
いろいろな方と八百万パーティを開催する方向で準備をしているが
、ここの読者も、どうか一緒にパーティに参加してほしい。日本の
いや、世界の世直しを政治家だけに任せていては、いけない時期に
きた、国民運動として行うことが重要である。どうか参加してくだ
さい。
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