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檀公善:平成22年9月14日平成維新成らず。デフレのトンネルを抜けるのはいつ?
http://www.asyura2.com/10/test20/msg/141.html
投稿者 檀公善 日時 2010 年 9 月 15 日 21:54:25: 5ahbeaJAdnPAk
 

今回の投稿は、ですます調ではなく、である調が似つかわしいと思いますので、である調で記述します。生意気に感じられたら、平にご容赦を……。

日本を覆う鬱陶しい閉塞感の正体は、いろいろあるかもしれないが、根底にとぐろを巻いているのは平成デフレである。私が小沢政権の誕生に期待したのは、何にもましてこの平成デフレを、命がけで克服する上でリーダーシップを発揮できる政治家は、小沢一郎をおいて他にいないと確信したからである。平成デフレの克服こそ、平成維新最大の課題である。この課題に立ち向かう知恵を、はたして日本人はもっているのであろうか。少し歴史を振り返れば、答えはすぐに見つかる。

今年の大河ドラマは「竜馬伝」だ。孫正義氏ではないが、毎週日曜の20時は、可能な限り「竜馬伝」タイムだと決めている。もちろん「竜馬伝」は、一編のエンタテイメントにすぎない。しかしそれは私たちに、実在した坂本竜馬への関心を抱かせるきっかけとなる。私の中の竜馬は、起業家精神旺盛な天才的ビジネスマンである。

海援隊規約によると、その目的は「運輸、射利、開拓、投機」とある。射利とはずばりビジネスである。竜馬が平成維新のこの時代に生きていたらどうだろう。竜馬は日本人のための日本をつくることに命を懸けたが、薩長同盟をはじめ、彼がいくつもの輝かしい成果をあげられたのは、彼がその軸足を、政治ではなく、ビジネスにおいていたからだと私は理解している。

竜馬は維新の国家経済、財政の確立にも存分に優れた知恵を発揮した。大政奉還か、武力倒幕か、運命のときが刻々と迫る中で、竜馬は真剣にカネの問題を心配していた。長崎運上所(税関)にある幕府のカネの襲撃を提案したり、新貨の鋳造を構想したが、圧巻は、江戸の銀座を京都に移そうと企てたことである。幕府の通貨発行特権(シニョリッジ特権ともいう)に着眼していたのだ。これを引き揚げれば、幕府への兵糧攻めにもなる。憎いほどに凄い発想である。

日本人であれば誰しも、明治維新を歴史上の誇りと思うはずだが、国家財政という観点からは、歴史上に類例の少ないきわめて大変な過渡期であった。新政府にはカネが無かったのである。

明治政府は、戊辰戦争の戦費を含む膨大な負債を抱えつつ、一方で税を徴収する仕組みがないという、想像を絶する貧乏政府として立ち上がった。大政奉還によって生まれる新政府のこの国家財政を、いち早く重大な課題と捉えたのは、竜馬であった。

竜馬の頭の中の人材は、力がありながらも越前藩に幽閉されていた三岡八郎、後の由利公正であった。竜馬は三岡を中央政界に押し出すために、八方手を尽くして根回しをした。慶応3年11月1日、つまり死のわずか2週間前に、竜馬は三岡に会いに行く。夜を徹して協議をし、「金札を発行せざれば、今日天下の計画はできぬ」という結論に達した。同年12月、竜馬の根回しによって、いわば大蔵大臣に任命された三岡は、早速翌年2月から金札、すなわち「太政官札」という政府紙幣の発行を成功させた。

鳥羽伏見の戦いから五稜郭の開場まで、1年5カ月にわたって繰り広げられた戊辰戦争の巨大な戦費は、太政官札によってファイナンスされた。慶応3年12月から明治元年12月までの明治第1期、13カ月の歳入は、地租201万円、関税72万円に対して、借入金が473万円、太政官札による歳入は2404万円に達した。歳入総額の9割近くを太政官札と借入金に依存したのである。続く第2期(2年1−9月)も、歳入の73%を主として太政官札に依存した。

明治4年8月の廃藩置県によって徴税権が確立し、6年7月の地租改正で税の現金納付が実現するまでは、新政府の歳入は絶対的に不足した。バカの一つ覚えのように「ザイゲン」、「ザイゲン」と騒ぎ立てる昨今の赤字財政とは比べようもない火の車の財政を、竜馬に見出された由利公正は、若干39歳にして太政官札の発行を断行し、これを乗り切ったのである。

今また財政危機が慢性化し、国と地方の借金が天文学的に膨張しても、現役の菅政権に至るまで、この明治維新の財政政策に学ぼうとした政権はなかった。これまたデフレギャップが天文学的な規模になっても、国の造幣権を発動して造幣益を財政化し、デフレギャップを克服しようとした政権も、ただの一つも無かった。犯罪的不作為ではないか。

政府には、景気調節のために意図的に実施するフィスカル・ポリシーといわれる裁量的財政政策を実行する義務がある。デフレを克服し、インフレを抑制する総需要管理政策は、最も重要なフィスカル・ポリシーである。したがって国の造幣権を発動してこれを財政化することも、当然のことながらこのフィスカル・ポリシーの重要な一環なのである。

仮に今竜馬が生きていたら、この歴代政権の不作為の罪に対する糾弾や、いかばかりであろうか。かつてノーベル経済学賞のスティグリッツ博士が、シニョリッジ特権の発動を日本政府に強く推奨したにもかかわらず、現日銀総裁の白川方明氏は、日銀券と政府通貨の本質的な異同を理解できない無知のために、博士の提言を葬り去ってしまった。かつて経済関連3閣僚を兼任した与謝野馨氏に至っては、あのリーマンブラザーズの破綻に際して、「日本にとっては、ハチが刺した程度だ」と言い放った。歴代政権に誰一人由利はいなかったのである。

かかる歴代政権に、仮に竜馬が投げる言葉があるとすればこういうことだろう。

「くそおっ。どういたらえいがじゃ。どういてみんなあ、丹羽春喜せんせが考えちゅう、ものの道理が分からんがやろう。」

由利公正を発掘し、太政官札の計画を知恵付けた竜馬は、当然のことながら今の時代に当時の竜馬の役を担う天才が丹羽春喜氏であることを知っているのである。そして由利公正を体現するはずの小沢一郎氏……。そうだ。幕末から維新の時代の竜馬と由利を、今の時代に投影すれば、それはまさしく丹羽春喜氏と小沢一郎氏であるに違いない。

大阪学院大学名誉教授の丹羽春喜氏こそ、政府がもつ通貨発行特権(シニョリッジ特権)を、造幣益という形の歳入に最もスマートな方法で変える仕組みを作り上げた天才、すなわち現代の坂本竜馬である。そしてこの深刻なデフレの克服を、全責任を一身に背負って実践できる政治家は、小沢一郎氏をおいて他にはいまい。

破れはしたが今回の代表選で、小沢氏はきわめて明快な財政政策を訴えた。一般会計と特別会計を統合的に組成するというだけでも十分に画期的であるが、さらに国有財産の証券化、無利子国債の発行にまで踏み込んでいる。無利子国債の発行は、別の角度からみれば、通貨発行特権(シニョリッジ特権)を活用した造幣益の財政繰り入れと本質的に同じことである。

小沢氏を破って民主党代表となり、ひいては第2次菅内閣の首相となる菅氏は、選挙中の討論会において、無利子国債と非課税国債の違いすら理解できない経済財政音痴であることを自らの口から露呈してしまった。一に雇用、二に雇用、三に雇用だそうだ。デフレの克服に財政を出動させることもなく、どんな手品を使えば雇用が増大するというのだろうか。

丹羽博士の政策は、国債もお札も発行することなく、増税をすることもなく、国民になんらの負担もかけないで、政府がもつ造幣権を財政化する政策である。政府がやろうと思えば、国会における討論も法律の制定や改定も必要なく、直ちに実行できるフィスカル・ポリシーの実践である。

現日銀総裁の白川氏が理解していなかった日銀券と政府貨幣の違いは、前者の発行が日銀の負債の増大を意味するのに対して、政府の貨幣発行権の行使は、いっさい政府の負債になることはないのである。

丹羽博士がつくったスマートな仕組みについて、丹羽博士自身の言葉で語ってもらおう。

「現実的にスマートで実施しやすい方式としては、いわば国(政府)が無限大に持っている一種の『無形金融資産』である『政府貨幣の発行権』のうちの、たとえば650兆円分に限定して、その権利を50兆円ほど値引きして日銀に売るというやり方を採用すればよいであろう。

総理大臣と財務大臣は、日銀法の第43条を適用して、日銀がそれを購入するという業務を行うことを認可することができる。しかも、この場合、日銀としても、正味50兆円分の優良資産を、代償を支払うことなしに獲得しえて、資産内容を改善することができるわけであり、そのことは、わが国の金融政策の信頼度を高め、信用秩序を堅固なものとすることにも役立つであろう。

したがって、総理大臣および財務大臣は、『日銀法』第38条の規定によって、日銀に、そのような『政府貨幣発行権』所定額の購入を指示・要請することができるようになる。そうなれば、政府は、わざわざ『政府紙幣』の発行などをしなくても、600兆円の、日銀からの新規財源を得ることができるようになる。この600兆円の、日銀から政府への支払いも、日銀券の札束でそれを行う必要などは無い。日銀から、政府の口座に、電子信号によって、この金額を送金したものとすればそれでよいわけである。」

これが現代の坂本竜馬、丹羽春喜博士のスマートな仕組みである。デフレギャップが存在するかぎり、このことは最優先のフィスカル・ポリシーとして実行できる、いや実行されなければならない。これをサボタージュしてきた歴代政権は、犯罪的不作為をなしてきたという所以である。

年々のデフレギャップについては、内閣府がその測定を行っている。丹羽博士によれば、「わが国の経済においては、潜在GDPの実質額に換算して年額400兆円以上にも達する巨大な規模のデフレ・ギャップが居座っている。わが国の経済は、過去四半世紀あまりのあいだに、このようなデフレ・ギャップの形で、合計6000兆円(1990年価格評価)あまりにも達する潜在実質GDPを失ってしまったのである。」

繰り返すが政府が造幣権を活用して造幣益を財政に繰り入れるフィスカル・ポリシーを実行しなければ、それは不作為の罪であり、内閣府がフィスカル・ポリシーの根拠となるデフレギャップの測定を正しくまじめに実行しなければ、これまた不作為、あるいは日銀が政府貨幣発行権の購入を渋るとすれば、これまた不作為である。これらの不作為を許さず、法に基づいて粛々と事を進めていくことのできる由利公正の役回りについて、小沢一郎氏以外の人物を脳裏に浮かべることは私にはできない。

最も適切な一期一会のタイミングで、現代の竜馬と由利、すなわち丹羽春喜氏と小沢一郎氏をお引き合わせするのは、私の役回りなのではないかと思っている。


急な話ではあるが、9月19日(日)に東京で開かれる「丹羽経済塾」の案内を丹羽博士からいただいた。テーマは、今やわが国をはじめ全世界において、その本格的な実施が極めて切実に要請されるべきケインズ的マクロ政策の理論的フレーム・ワークを、平易明確に整理し、その真髄を把握すること。誰でも出席できる小規模なセミナーで、出席者による討論や質疑・応答など、十分に行なうことができる。

17:30開始。会場:四谷区民センター11F、第4集会室(東京都新宿区内藤町87、新宿区四谷特別出張所内)、地下鉄 丸の内線「新宿御苑」駅2番出口を出て左へ、御苑に沿い四谷方向へ徒歩5分。電話:03−3351−3314.会費:2000円(学生は無料)。レクチャー題目:今こそ再認識すべきケインズ的マクロ政策の真髄。私も出席する予定。


現代の由利公正、小沢一郎氏の敗退は返す返すも残念であるが、明るい日本の未来には、デフレという慢性病の克服が絶対である。いずれにしても、菅政権が安定することはありえない。もちろん菅政権にデフレ克服の経済財政政策を期待することもできない。じっとチャンスを待ちたいものである。それまでは、ひたすら小沢氏のブランド価値を上げるしかない。


これからは、投稿の頻度が少し少なくなります。情報の受発信は、かなりメーリングリストにシフトせざるをえません。メーリングリストへのご参加はこちらに空メールを……。

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コメント
 
01. 2011年4月14日 22:26:36: ENLDMOXLzQ
やはり天才は天才を知る、のでしょう。

ご活躍を楽しみにしております。


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