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投稿者 ダイナモ 日時 2011 年 4 月 11 日 19:41:02: mY9T/8MdR98ug
 

(回答先: 投稿者 ダイナモ 日時 2011 年 4 月 11 日 19:37:35)

アメリカ人よ、なぜ鶴を折る 全米に広がる「Orizuruを日本へ」 日経BP


http://business.nikkeibp.co.jp/article/manage/20110408/219373/?bvr


 地震から1カ月がたった今も、アメリカでは各地で日本支援の催し物が行われている。私の住む人口1万6000人あまりの東海岸の町、ニュージャージー州プリンストンでも同じだ。小学校から大学、カフェや教会などに募金箱が設置され、チャリティーコンサートが開催されている。

 町を挙げての支援活動に感心していた私であったが、ひとつ理解しがたい現象があった。それは、地元の小学校、中学校、大学などで次々と鶴を折ろうという企画が立ち上がっていたことである。

 どれだけ鶴が折られているか。プリンストンの様子を、私の1カ月間で紹介したい。

そして私は「折り鶴先生」になった

 3月17日、地震から1週間がたった。

 「なんじゃ、これ…」

 メールのタイトルを見て驚いた。そこには「1 MILLION CRANES CAMPAIGN〜 American Universities showing support for Japan(100万羽の鶴キャンペーン、アメリカの大学生の気持ちを日本へ届けよう)」という文字が並んでいた。

 送り主は名門プリンストン大学生の柴田明日美さん、18歳。日本に生まれ、4歳のときにアメリカに越した。アジア人がほとんどいないアイオワ州に住み、中学のときに東海岸のプリンストンに引っ越した。日本語は話せるが、読むことも書くこともできない。

 彼女は今、折り鶴を全米で作り、それをニューヨーク現代美術館(MOMA)などに展示できないかと動いている。目標は100万羽。いつか日本に送るのが夢だ。メールは、鶴を折ってくれる人を募集する内容だった。現在、イエール大学やニューヨーク大学、バブソン大学など50以上の大学やそのほかの団体が、一緒に鶴を折ることになっている。

 柴田さんの呼びかけで、プリンストン大学では学食の近くに折り紙ブースが設置され、授業中に鶴の折り方を教える教授もいる。私も、ボランティアスタッフとして、時間があればブースに座っている。

 鶴を折っているのは、大学ばかりではない。

 プリンストンのジョン・ウィザースプーン中学校では、学校や先生からの呼びかけがあったわけではないのに、いつの間にか、アメリカ人の子供たちが鶴を折り始めていた。もちろん、プリンストン大学の100万羽の折り鶴の計画を知る前から起きた現象だ。最初に鶴を折り始めた14歳の中国系アメリカ人の男子生徒に「何で鶴を折ってるの?」と尋ねると、「小さいころから折り紙を折っていて、いいことだと思って始めたんだ」と恥ずかしそうに話してくれた。鶴を折る仲間は日に日に増え、すでに1200羽を折ったという。

 小学校、中学校、大学、そして知人のピアノの教室でも、誰彼ともなく「鶴を折ろう!」と思いついて、折り鶴が始まっていた。そして、私のところに、「子供たちに鶴を教えるスタッフとして来てくれないか?」と勧誘のメールや電話がくる。私はその度に、「えっ、そちらも鶴ですか?」と驚かされた。すでに私には約50人の「生徒」ができた。

それにしても、腑に落ちない。

 「アメリカの方々よ。なぜ鶴を折るんだ?」

 募金ができない子どもたちはまだしも、私は鶴を折る理由が分からなかった。被災地に必要なのは鶴ではなくて、義援金や食料、衣服などではないか。

 実際に、私が友人にプリンストン大学の折り鶴プロジェクトを話すと、多くの人が「必要なのは鶴じゃないのにね」と反応した。

 折り鶴を日本に送ろうとした友人が、アメリカにある日本の政府機関や国際交流の団体に問い合わせると、「折り鶴を受け取るのは難しい。日本に送ることができる保証はできないし、かといって頂いた鶴を捨てることもできない」といった消極的な反応が多かったという。

 折り鶴を送ること以外に、やらなければならない仕事が山積しているのだろう。かさばる折り鶴を運ぶのは、物流網が完全に復旧していない状況では容易ではない。

 私はプリンストン大学の学生たちに、「折り鶴はかさばるし、被災者に必要なのはお金や食べ物じゃないのかな」とさりげなく助言し続けた。

 それでも、彼らはひるまなかった。鶴を折るという行為に確固たる意思と自信が満ちているように見えた。

日本のために汗をかきたい

 プリンストン大学で100万羽の折り鶴を集めようと動き出した柴田明日美さんはこう打ち明けてくれた。

 「募金だけでは、何か寂しい気がしたんです」

 地震が起きたとき、アメリカは深夜の午前1時46分。柴田さんは大学の宿題に追われていたが、友人の知らせでテレビをつけた。そして、息を呑んだ。

 「私の大好きな国が…。まさか、冗談でしょ」

 柴田さんはアメリカで育ち、日本にいけば、「自分はアメリカ人だな」と思わざるを得ないこともあるという。それでも彼女は思った。「やっぱり日本が好きだから、何かしないと落ち着けなかったんです」

 アメリカは募金活動が盛んな国だ。学校の食堂やパブリックスペースでは、いつも募金活動が行われている。柴田さんも最初は募金活動が頭に浮かんだ。

 しかし、彼女の心はどこか満足できなかった。

 「募金活動もしよう。でも、それだけではなく、自分も汗をかきたい」

 彼女が思い出したのが千羽鶴だった。1年前、大学の日本語教師だった母親が体を崩した時、中国人の学生が2日間で100羽の鶴を折って持ってきてくれたことがある。

 「母のために時間をかけて祈ってくれた。同じことを被災者の方にしたいんです」

 鶴を折りにやって来たプリンストン大学のクイントン・ベック君は、「小学校の時に友達が白血病になってしまって、みんなで千羽鶴を折ったんだ」と教えてくれた。

 折り鶴は、あっという間に入手できる花束でもなく、財布から取り出すだけのお金とも違う。時間をかけて作り上げるから、それだけ贈った人の気持ちが伝えられると信じている。

 東日本大震災がハイチ地震と違うのは、企画立案者の多くが日本に住んだことがあるか、日本のことを気にかけている人であること。ただ「困っている人にお金を送ろう」という心境とはどこか違う。友達が重い病気をして、そのお見舞いをする感覚に近いのかもしれない。であれば、お見舞いにお金だけ渡す人はいない。お金以上に精神的なメッセージを伝えたい、あるいは日本のために自分も汗をかきたいという気持ちがあるのではないか。

折り鶴で支援参加の障壁を下げる

 柴田さんから100万羽の鶴プロジェクトに誘われて、実行委員となった栗脇志郎くん(19歳)の想いは少し違っていた。

「鶴を折るのは、ドナーファティーグ(募金疲れ)の対策でもあります」

 アメリカは日常的に募金活動が行われている。その結果、寄付を行う人たちが、寄付先が多すぎて、どこに送るべきか判断が付かなくなったり、募金を依頼されることに疲れてしまう現象が起きている。

 「学生にとって、毎日5ドルを寄付することは苦しいけど、折り鶴を5羽ぐらいなら折れるでしょ。多くの学生に参加してほしい。だから、参加しやすくする仕掛けも必要なんです」

 プリンストン大学の折り鶴ブースに座っていると、多くの大学生が興味を持っていることが分かる。「学者の卵」風の真面目そうな男子から、金髪をゆらしながら歩く美女、スケートボードが似合うさわやかな青年まで、様々な学生がブースに吸い寄せられてくる。

 足繁く通う「常連」もいれば、30枚くらい折り紙を持っていって、翌日に完成した折り鶴を持ってくる学生もいる。

 「鶴を折れるって聞いたんだけど、ここでいいの?」

 「折り紙、クールだな」

 「折り紙に集中していると気持ちが落ち着くの。禅をやっているような気分だわ」

 楽しみながら鶴を折っていることに批判もあるだろうが、折り鶴が学生たちの日本支援への壁を低くしていることは確かである。

 実際に鶴を折っているほかの団体では、折り鶴をお金に変える動きもある。西海岸カリフォルニア州のスタンフォード大学では、折り紙を1枚1ドルで売り、利益を寄付する予定だ。既に1500ドルが集まった。

 さらに考えられた仕組みがある。教育関係のNPO、DoSomething.orgが企画している「Paper Cranes for Japan(日本へ折り鶴を)」キャンペーンである。Bezos Family Foundationが協賛して、1羽について2ドルが寄付される。同NPOは全米の小中高校を中心に2000のボランティアクラブを組織しており、鶴を折るよう呼びかけている。目標は10万羽で、義援金20万ドルだ。同NPOのウェブサイトを編集しているベッツィー・ファスト氏は、「お金が出せない子どもも行動に移せる」と効果を話す。

広島の絵本と千羽鶴

 鶴を折る――。それは私にとって、「小学校の時の友達との遊び」ぐらいにしか考えてなかった。もっと極端に言えば、「鶴の形をした紙」といった認識だったかもしれない。私は、柴田さんやベック君、栗脇君の話を聞きながら、折り鶴の意味を考え直さざるを得なかった。

 そんな折、カリフォルニア在住のジャーナリスト、加藤靖子氏からメールが届いた。そこには、サンフランシスコのチャリティイベントにおける折り鶴ブースの様子が記されていた。そして、イベントに参加していたフィリップ・ドゥエリー氏の想いを知って、折り鶴が、私が考えていた以上の、重要なメッセージを背負った象徴なのだと気付かされた。ドゥエリー氏はイベントの折り鶴のテーブルに、「折り鶴先生」として座っていた。だが、彼はただ折り方を教えていただけではなかった。ある少女の物語を、参加者に話し始めた。

 実は、多くのアメリカ人に千羽鶴と一緒に覚えられている日本の少女がいる。

 その名は佐々木禎子。2歳のときに広島で被爆し、11歳のときに白血病を発症した。走るのが大好きだった禎子は、発症後も元気になって退院できることを夢見て、千羽鶴を折り続けたが、1年後に息を引き取っている。

 この実話を元に、1977年にカナダ生まれのアメリカ人作家であるエレノア・コア氏が「Sadako and the thousand paper cranes(禎子と千羽鶴)」という本を書いた。物語の中でサダコは、644羽を折り終えたところで息を引き取っている。その思いを友人たちが引き継いで、残りの356羽の鶴を折るストーリーとなっている。この出版以来、米国の多くの小学校で副読本として読まれ続けている。広島市が1999年と2000年に実施した調査では、折り鶴を送ってきた人のうち、「サダコ」の認知度は、日本人の約6割に対し、外国人は9割を超えていたという。

 「困難に立ち向かう姿」「信じる力」「友との支えあい」。サダコから強い影響を受け、記憶しているアメリカ人にとって、折り鶴は日本人が考えている以上の存在となっている。

 だから、鶴を折る理由の答えは1つではない。だからこそ、全米に折り鶴が広がっている。ニューヨーク、ボストン、ロサンゼルス、サンフランシスコなどの大都市だけではない。小さな町でも、日本の被災者に向けて「折り鶴」を送る計画が進んでいる。

貰い手の責任

 今日も、明日も、明後日も、多くのアメリカ人がそれぞれの想いを胸に、鶴を折り続けるだろう。

 「折り鶴なんてかさばるし、お金でもないし、ほかの企画を考えたら」。そう思っていた自分を省みる。アメリカ人が鶴を折ろうと決めた背景には、強い思いが横たわっていた。海の向こうで起きた災害で、限られた情報しかない中、彼らは何ができるのか、考え抜いたに違いない。そして、たどり着いたのが「折り鶴」だった。当初、私はアメリカ人の心の底にある想いを理解することができなかった…。

 だから、今は、彼らの想いだけでも日本に届けたいと思っている。想いが伝われば、きっと被災地の方の支えになるはずだ、と。

 「折り鶴をどうやったら日本に送れるか」という問い合わせに対応できなかった政府関係者や財団のみなさん、もし、気が変わったら、下記のメールアドレスまでご連絡ください。想いを伝えたいアメリカの人たちが、列をなして折り鶴を持ってくると思います。折り鶴の数に限りがございますが、今回取材をした団体をご紹介させてください。

りっふ 雅映子 kaeko.orizuru@gmail.com
 
 
 
 
 

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