5月1日に開幕する上海万博に、北朝鮮が万博としては初めてパビリオンを出展することが明らかになった。
上海万博開幕まであと40日。
急ピッチで工事が進んでいる上海万博に、今回北朝鮮は、テニスコート4面分という比較的小さなパビリオンを建設中だという。
今回、北朝鮮が万博に初めて、パビリオンを出展することになった。
FNNは、建設中の北朝鮮パビリオンの映像を独自入手した。
撮影されたのは2月で、内部を見てみると、壁際にはいくつもの切り立った岩があり、その手前には丸く仕切られた一角があった。
FNNが入手した完成予想図には、外観は、白を基調にピョンヤン市内の写真が張られ、内部は青を基調とし、噴水のあるピョンヤン市内の公園が再現されるという。
日本館の敷地面積がおよそ6,000平方メートルと、外国パビリオンの中では最大級なのに対し、北朝鮮館はその6分の1、およそ1,000平方メートルとなっている。
北朝鮮はこれまで、アジア大会など国際的なイベントに、いわゆる「美女応援団」を派遣し、一糸乱れぬ応援で国威発揚をアピールしてきた。
上海万博では、「繁栄のピョンヤン」をテーマに、映像や模型などで「朝鮮人民の強盛大国づくり」をアピールするという。
コリア・レポートの辺 真一編集長は「強盛大国というのは、小国であっても思想的に、軍事的に強くなれば、大国になれるんだという考えです」と話した。
ところが北朝鮮の現状は、2月に韓国を訪れたアメリカのキャンベル国務次官補が、「金正日総書記の余命はあと3年」との見解を示したとされる一方、デノミを初めとする一連の経済政策の失敗で、責任者が処刑された情報が流れるなど、国内事情に暗い影が落ちている。
その北朝鮮が、上海万博で強盛大国をアピールする意図について、コリア・レポートの辺編集長は「(北朝鮮館に)外国からの見物客、観光客がたくさん集まったと。それを国内で、国民に見せることによって、強盛大国というスローガンの実現に向けて、(国民を)発奮させようと」と分析した。
(03/22 18:56)