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かわら版
2010年4月2日 No.45
―湾岸・アラビア半島地域ニュース―
バハレーン:原子力技術会議の開催 (3 月 28 日付現地各紙)
1. 3月27日、エジプト、イラク、イラン、バハレーン、サウジアラビア、IAEA等からハ イレベルな専門家の参加を得て、「第二回地域社会における原子力技術国際会議」がバハ レーンにて開催された。同会議では、「原子力プログラムの展望」、「原子力、エネルギー、 安全、地域のチャレンジ」、「イスラム社会における原子力技術の強化での安全性に関する 地域協力」等のセッションが設けられた。
2. キーノート・スピーチとして、アライヤドGCC外交問題議長は以下を述べた。
(1) GCC諸国は、安全且つ最新の原子力エネルギー・プログラムに取り組むために近隣諸国
の援助を必要としている。
(2) 原子力開発は、それぞれのGCC諸国では行えず、GCC全体として、又、近隣諸国の協力
があってなし得るものである。この協力に当たり、各国間の信頼醸成のためには漸進的ア
プローチが必要である。
(3) GCC諸国は、イラン、イラク、又その近隣諸国と直接的な議論を行う必要がある。その
ためには、原子力問題の解決にあたり、責任と信頼に応え、又団結するために GCC として
取り組まなければならない。
(4) 我々は、国際社会においてどのように原子力プログラムが開発されるのか、又湾岸地
域においてどのように協力するべきなのか理解しなければならない。
3. 「原子力プログラムの展望」セッションにおいて、イランのAsgharani国際安全保障 及びイラン原子力プログラム上級専門家は、下記を述べた。
(1) イランは、自国の原子力開発について、P5+1に代えて、バハレーン及びその他アラ ブ諸国と議論を行いたい。
(2) イランは、IAEAとの交渉についてオープンである。但し、これは欧米諸国との交渉と いうことではない。
(3) 原子力エネルギー平和利用のための地域の研究機関が設立されることになれば喜ばし い。通常型の弾道ミサイルについては、どの国もから防衛に関する戦略を自身から奪うこ とは出来ない。自己防衛のシステムを持つべきことは否定できない事実であり、イランは バハレーン、サウジアラビア、イラク、アフガニスタンとこの種の協力を行っていきたい。 自分は国際的な安全保障の枠組みではなく、地域の関係について指摘している。
(4) イラン及びアラブの原子力エネルギー開発に対する国際的な制裁は、イラン及び地域 に害を与えるものである。現在の国際安全保障の枠組みは偏向しており、先進国の利益に のみ基づいている。
(5) 原子力の普及に関する協力促進のために、アラブ諸国は安全に関する保証を必要とし ている。そのために、地域における安全保障の枠組みが必要であり、地域における力のな い国々は同盟を結成するべきである。
4. 本会議で参加者は、欧州諸国での長期に持続する原子力協定は、GCC諸国にモデルとな るものであるとの結論を示した。欧州では、「良き隣人」政策を形成し、これにより原子 力技術の使用に関し規制を行いモニターしている。又、GCC 諸国における政府関係者及び 専門家に対し、欧州におけるユートラムのような組織設立のために、さらなる調査と議論 を行うべきと要望した。
5. 会議参加者は、全てのGCC諸国はそれぞれが有する原子力施設の運営及びメインテナ ンスに関し、完全かつ透明性を確保する協定の必要性を言及した。これは相互の完全査察 の受け入れを認めるべきものである。又、原子力施設は、発電、医療等の民生用に限定さ れるべきものであること、IAEA 等による全ての国際規則及びモニタリング制度に従わなけ ればならない等の意見が示された。
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