朝鮮が「天安」事件調査結果の受け入れを拒否
　朝鮮国防委員会は20日、平壌で声明を発表し、韓国海軍哨戒艦「天安」の沈没原因について韓国側の公式調査結果の受け入れを拒否するとともに、物証を確認する検査団を韓国に派遣すると表明した。朝鮮中央通信が20日、伝えた。

　声明は「韓国当局は物証のない中、『天安』沈没事件を無理矢理朝鮮と結びつけた。これは国内外の世論をミスリードしようとの企みだ。この事件は韓国当局がある種の政治的、軍事的目的を達成するために画策した『陰謀でありペテン』だ」と指摘。「韓国が事件をわれわれと結びつけた以上、われわれは物証を確認する検査団を韓国に派遣する。韓国当局はわれわれとつながりがあるという物証を示さなければならない。また、物証はいかなる疑問の余地もないものでなければならない」としている。（編集NA）

　「人民網日本語版」2010年5月20日

北が独自の調査団派遣を要求、制裁強化なら「全面戦争」も
Y!【政治ニュース】 【この記事に対するコメント】 2010/05/20(木) 16:28
　　3月26日に沈没した哨戒艦事件をめぐり、韓国政府は20日合同調査団の調査結果を発表し、北朝鮮の関与を事実上明確にした。調査結果の発表が行われた30分後に、北朝鮮は調査の結果はねつ造であり、北朝鮮独自の調査団を派遣し、北朝鮮の関与を示す物証を確認したいと反論した。

関連写真：韓国の哨戒艦が沈没に関する写真（46件）

　　調査結果が報告された20日には、韓国のニュースサイトは哨戒艦事件関連のニュースが氾濫している。独自の調査団を派遣したい主張する北朝鮮に対して、韓国では停戦状態中であることを理由に、国連安全保障理事会の停戦委員会で判断するものとの立場を表明した。

　　このような韓国政府の対応に対して韓国のネット上では、合同調査団が明確な証拠をもって「北朝鮮関与説」を発表したのであれば、北朝鮮の調査団を受け入れることが当然であるとの声が多くあがっている。被疑者である「北朝鮮」が自主出頭したいというのに、政府がそれを拒む理由がないとの見方が強く、韓国政府の対応への不信感が垣間みられる。

　　北朝鮮は韓国政府による北朝鮮関与説は謀略であると強く反発、韓国が北朝鮮への制裁を強化する場合には全面戦争を含めた強硬措置も辞さないとの姿勢を貫いており、事件への関与を否定し続ける北朝鮮に制裁を強めれば、南北情勢は一段と緊張化するとみられる。（編集担当：金志秀）

韓国艦沈没は「北による奇襲攻撃」、国防の無能さを指摘する声も
Y!【政治ニュース】 【この記事に対するコメント】 2010/05/21(金) 09:59
　　韓国海軍の哨戒艦「天安（チョンアン）」が黄海で爆発・沈没した事故について、韓国軍・民間合同調査団は20日、沈没原因は北朝鮮製の重魚雷「ＣＨＴ−02Ｄ」であるとの調査結果報告書を発表した。複数の韓国メディアが伝えた。

関連写真：韓国の哨戒艦が沈没に関する写真（46件）

　　韓国メディアによると、調査団は15日に現場海域の海底から収集された破片と、軍が入手していた極秘資料を分析した結果、「天安」艦は北朝鮮製の魚雷による水中爆発で沈没したという結論に至ったと発表した。魚雷の破片は、北朝鮮の海外輸出用に配布した武器冊子に掲載されている「ＣＨＴ−02Ｄ」の設計図と完全に一致。それぞれ純回転および逆回転スクリュー、推進モーター、操縦装置とみられている。

　　「ＣＨＴ−02Ｄ」は音響追跡型の魚雷で、直径21インチ、重さ1．7トン、爆薬装薬250キロ内外の重魚雷。収集された魚雷の部品は復元され発表会場に展示された。

　　調査団は、推進装置の内部に「一番」というハングル表記が確認されており、北朝鮮の魚雷表記方法と同一であることから、北朝鮮で製造された魚雷であるのは確実だと説明。また、魚雷は小型潜水艦から発射された可能性が高く、天安を攻撃する2〜3日前から一部の小型潜水艦と支援船が北朝鮮の海軍基地から離れ、攻撃後の2〜3日後に戻っていたことも明らかにした。

　　北朝鮮による攻撃と断定されたことを受け、韓国国内からは「北朝鮮から攻撃されたことすら分からなかった」として、軍や政府の国防体制の無能さを指摘する声があがっている。（編集担当：新川悠）