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「100点取れて、エライね!」がダメな理由 プレジデントファミリー
http://www.asyura2.com/10/yoi1/msg/226.html
投稿者 てんさい(い) 日時 2014 年 3 月 01 日 12:17:00: KqrEdYmDwf7cM
 

http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20140301-10012016-pfamily-bus_all

■勉強が楽しいとき親が褒めては逆効果

 東大生は親から「勉強しなさい」とあまり言われないそうです。理由は簡単で、親に言われなくても勉強していたり、効率よく勉強し成績をあげている子が多いからでしょう。

 しかし、彼らが親に強いられなくても勉強を続けることができたのはなぜでしょうか。

 やる気を起こさせる基本的な方法論として、「褒める」と「叱る」があります。「勉強しなさい」というのも「叱る」部類に入ると思いますが、「褒める」と「叱る」では、どちらが有効でしょうか。

 マウスに迷路を学習させる有名な実験があります。「ゴールに餌を置いておく(=褒める)」、「道筋を間違えたら電気ショックを与える(=叱る)」、「正しければ餌、間違えたら罰を与える(=褒めたり、叱ったり)」という3つのパターンで実験を行うと、効率よく学習できるのは、「ゴールに餌を置いておく」だけなのです。

 「餌と罰の両方」もダメで、罰が待っていると学習中のマウスは萎縮してその場から動かなくなってしまう。

 このようにマウスの実験では「褒める」だけが効果的という結果がキレイに出ます。では、人間ではどうでしょう。

 子供のやる気にとっても、「褒める」ことは確かに大切です。

 たとえば小学校低学年の九九を覚えるような段階では、「親が褒めてくれる」から勉強を頑張り、結果も出ます。これが高学年になると、心理的には発達し自我が芽生え、将来の夢もできる。「医者になるため」「○○中学に合格するため」「○○クンに負けたくない」などと、目標のために努力するようになるのです。

 親は、褒めてやる気にさせるステージから、興味や目標のために自分で努力するステージに、スムーズに移行させることが大切です。

 注意していただきたいことは、褒めることが逆効果になるケースさえあることです。たとえば、お絵かきが大好きで自発的に描いている子供に、「あら〜お絵かき上手ね」と声をかける大人は少なくありませんが、実はこれって最悪の声かけです。

 周囲から何度も褒められて快い思いをするうちに、絵を描くことが大好きだったはずが、褒められたくて描いているのだと認識してしまう。これを心理学用語で、「認知的不協和」といいます。すると絵を描くことへの興味を急速に失ってしまう。子供が積極的に取り組んでいることに関しては褒めてはいけないのです。

 これは、勉強でも同じです。東大生の親には、「勉強しなさい」と言わないだけでなく、取り立てて成績を褒めない人も多いようですが、そのことが興味を長続きさせたのです。

 では、自発的に頑張っている子供にはどう声かけをすればいいのか。本当は放っておくのが一番いいのですが、何か声をかけてやりたい衝動を抑えるのは難しいものです。あえて声をかけるとしたら、成績が上がったことを子供と一緒に「嬉しいね」と喜ぶことくらいでしょうか。まちがっても「がんばって勉強したからだね」と褒めてはいけません。

 私も、大学の研究室の学生には、「徹夜して頑張った甲斐(かい)があったな」などと褒めることは決してありません。「おもしろいデータだ」などと実験結果そのものへの感想を楽しげに言うだけです。

■もう少しの頑張りで全く違う世界が

 実は私も親から「勉強しろ」と言われた覚えがありません。でも私の場合は、勉強していたわけでもないし、勉強ができたわけでもなかった。親が勉強をそれほど重要視しなかったのです。

 小学生のころの通信簿は5段階評価の「3」ばかり。たまに「2」がちらほらという感じで、クラスの成績順で言えば下から2番目でした。でも通信簿を見せても、親は「(3ばかりで)ミンミンゼミだな」と言うくらい。

 私の親は勉強には無関心な親でしたが、私が興味を持ったことは必ずサポートしてくれました。天体望遠鏡を買ってくれたり、電車が好きになったらブルートレインを見に連れていってくれたり。子供の意欲をまめにくみ取ってくれる親でした。

 私が勉強するようになったのは中学に入ってからです。

 中学1年生の担任の先生から「中学生になったら学年+1時間は毎日家で勉強するものだ」と脅されて、バカ正直に1日2時間ずつ勉強していたら、1年で人よりできるようになった。そして2年生ではクラスでトップにまでなったのです。後で気付いたら、1日2時間なんてほかの子は誰も勉強していなかったというオチだったのですが(笑)。

 勉強の努力と学習効果は、「べき乗」の関係にあることが知られています。つまり勉強量と成績の関係は単純な比例関係ではなく、むしろ幾何級数的な急カーブを描いて上昇する。1、2、4、8、16、32……という具合に最初はゆっくり、しかし勉強を続けるほどに成績は長足で伸びていくのです。

 どんな子にも「やる気になる一瞬」はあります。ところが一生懸命に勉強しても、なかなか思うように成績が上がらない。それで意欲を失って、勉強を投げ出してしまうのです。

 たとえば、今、成績が1のスタート地点にいて、1000の成績目標に向かって勉強しているとしましょう。幾何級数の特徴は、最初は伸びがゆっくりだということ。勉強してレベルアップしても成績は2。さらに勉強してレベルが上がると4になり、8、16と効果が累積していきます。こんなに努力したにもかかわらず、現在の成績は32。目標の1000の高みからすればスタート地点から変わっていないように思える。

 この時点では多くの人は、「なぜこんなに勉強しているのに成績が上がらないのか」「才能がないのだろうか」と悩みます。そして1000の成績になった人を眺めて、「とてもかなわない」「ああいう人を天才というのだろう」と嘆息することでしょう。

 しかし、嘆く必要はありません。忍耐強く勉強を繰り返せば、その後、成績は64、128、256、512……とみるみる上昇するからです。

 勉強の成果というのはそういうもので、すぐには表れませんが、あるとき、突然視界が開けるように、そして爆発するように表れるのです。

 512までたどり着けた人であれば、あと一息の努力で目標の1000に到達できる。これが勉強の相乗効果であり、「努力の継続」こそが一番大事な勉強の心得といえます。

 成績アップの秘訣は特別な勉強法などではなく、成果が表れるまでひたむきに努力できるかどうか。近道はありません。やる気を維持して、勉強を続けることが肝心です。

 こういった真理を子供に教えてやるだけでも、モチベーション維持の一助になるはずです。

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池谷裕二 
1970年、静岡県生まれ。薬学博士。東京大学大学院薬学系研究科准教授。『自分では気づかない、ココロの盲点』『脳には妙なクセがある』など著書多数。
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池谷裕二(東京大学大学院薬学系研究科准教授)=教える人 小川 剛=構成  

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