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〜地震火山センターでは地震予報情報は公表しないことに決定しました・genkimaru(311の犯人からの圧力を感じます)
http://www.asyura2.com/11/cult8/msg/694.html
投稿者 小沢内閣待望論 日時 2011 年 11 月 26 日 12:19:58: 4sIKljvd9SgGs
 

http://blog.livedoor.jp/genkimaru1/archives/1610642.html
2011年11月25日21:16

「お詫び: 地震火山センターでは地震予報情報は公表しないことに決定しました.このページは閉鎖されます. 」東海アマさんのTwitterより
http://twitter.com/#!/tokaiama
閉鎖される前に、資料を!
画像貼り付けられませんでした。(閉鎖の事情があるようなので)
保存はしましたので、ほとぼりが醒めた頃にUPします。
<転載開始>


@shokfunwanpeaceIzumi Tanaka
森谷武男さんのページを見たら「お詫び: 地震火山センターでは地震予報情報は公表しないことに決定しました.このページは閉鎖されます. 」と。。なぜに。http://nanako.sci.hokudai.ac.jp/~moriya/M9.htm 
8分前webから
<リンク先より>

VHF帯電磁波散乱体探査法による
地震予報の研究

解説:森谷武男 (北海道大学理学院付属地震火山研究観測センター), {2011, October, 20}

1995年に串田嘉男氏によって 経験的に発見された地震前兆現象について考察し,電気通信大学,東京学芸大学,千葉大学の先駆的な観測を参考にしながら,より科学的に発展にさせるために,2002年度から本学理学研究科 地震火山観測研究センターで研究を始めた. 
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↓ VHF帯の電波伝播異常を起こすいろいろな原因には
(1)スポラディックE層の活動, (2)流星の活動(Meteor echo),(3)航空機からの反射(airplane echo),(4)地震発生前に起こる散乱(Eq echo)がある.このほかに異常な電波現象として太陽黒点の爆発や雷放電による電磁波がある(Flare and lightning).


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↓ 地震による異常伝播平面図

ピンクの領域はFM放送局のサービスエリア.そのなかに震央がある場合に異常伝播が起こり領域外へ伝播する.

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地震には観測可能で定量的な{これから起こる地震の物理量(マグニチュードや震度など)と量的な関係がある}前兆現象はあるのか?

 あります.そして地震発生を予測する物理的観測による経験則があります. ただしその正確な理論は現在のところ完全には確立されていません.我々は二つの仮説を立てています.一つは正孔移動説です.F. Freund (2000 など)の実験によると「地殻・マントル内部にある過酸化架橋と呼ばれる電子の少ない不安定な結合(欠陥格子,ポジティヴホール)が応力や温度の変化により拡散する.地表に到達したものは行き場がないので集積する.ホールはプラスの電荷を持っているので地表にあるもの(地表はもとより崖,建物,場合によってはエアロゾル)は正に帯電する.この状態が電磁波を散乱させ,減衰の少ない状態を作り出す.」二つ目は,ラドン壊変による大気電気伝導度の増大説です.「地表から通常はわずかに大気中へ放出されているラドンガスが地殻内部のわずかな応力変化に反応して放出量が増大する.これが半減期3.8日で壊変してビスマスや鉛になる時に大気中のエアロゾルや水蒸気と結合して帯電し大気の電気伝導度が増大する.したがって電波伝播速度が低下(屈折率が増大)してダクトが生成されて通常より遠方まで到達する. (S. Pulinets and Ouzounov, 2011)」というものです.東北地方太平洋沖地震の前に,福島県立医科大学においておよそ半年前からラドンの増加が観測されていたことが明らかになっています.この変化の形状はVHF地震エコーの変化と非常によく似ています.


観測の歴史
Kushida and Kushida(2000)によれば, 「地震の前1−2週間の間に電離層の異常が起こり,VHF帯の遠くの普段は聞くことのできない FM放送波がかすかに受信される」というのです. 串田氏の記録では散乱波のほかに原因がわからないいろいろな擾乱も見られ,これらから地震予報を行っています.本来,串田ご夫妻は天文観測者であり, 流星の観測を,いわゆるFM観測方式で行っていました.1993年ごろから地震と関係が気づかれていて, 1995年兵庫県南部地震M7.1の発生に際して2週間ほど前から 異常なレベル変動が観測されて確信を得た ということです.彼らの方法は,古いFMラジオを使って目標局の周波数から0.1MHzずらして同調をとりFM検波出力を監視する 流星観測方式そのままであり,どのような電界強度に対する レスポンスなのか,擾乱は何を意味するのか,地震の異常はどのような原因であるかはとりあえず問題にしていないようです.串田氏の最近の観測では,散乱波ではなく擾乱の形だけで判別しているようで そのためか大地震を検出できていないようです. この観測に刺激されて電気通信大学,東京学芸大学や千葉大学などで研究されてきました.しかし彼らの電波観測は十分な試行錯誤が不足しています.仙台の放送波だけを0時から4時までのわずかに4時間しか観測していません.これではデータを積み上げても効果はないでしょう.北海道大学では 2002年から研究に着手して以来,2003年十勝沖地震の前に異常な伝播現象を観測するなど,着実に研究が進んでおり,日高山脈南部の地震群では抜群の成果が得られています.2004年度からの「地震予知5ヵ年計画」に北海道大学が担当する地震予知計画の観測項目にも指定されています.またこれに続く2009年度からの観測計画も承認されました.2009年3月現在, 北海道内に観測点が10ヶ所設置されて合計50台以上の受信機のデータが毎日北大キャンパスへ送られて着ています.

北海道大学の観測法は串田法と同じなのか?

違います.我々は散乱波だけを観測の対象にしていて原因の不明な擾乱は無視しています. 彼のアンテナは天頂へ向けていますが我々は水平に近い角度です.高感度で効率よく電界強度を測定するためにデジタルチューニングラジオを改造しています.串田氏は電離層に異常が起こると考えていますが,我々の観測では異常伝播はきわめて局所的なので電離層は全く関係が無いという結論に達しています.

観測方法の改良
 私はこの方式で観測される現象に本質的な真実が隠されている と考えて,物理量が正確に観測されるように装置を考えました.測定しているのは電波の強度, 電界強度です.そのために最新のディジタル同調のラジオを改造しました. FM放送では送られてくるシグナルの帯域が非常に広いため(中心周波数から上側下側に広く広がった部分を側波という),中間周波増幅回路の帯域は約0.3MHzと広い 帯域となるように設計されているので異常な電波伝播現象が起こると混信します.日本では放送局の割り当ては0.1MHz間隔です.また今のラジオの感度も1980年ごろのラジオほどは高くありません.そこで,帯域を狭くすることと,感度を高くすることで電界強度観測を可能にしました.
 串田氏の0.1MHzずらす方式(流星観測の便法)ではアンテナ入力振幅とレシオ検波出力振幅の関係は非線形です. 出力はある電圧からクリップされて振幅が大きくなりません.このリミッター効果は振幅変動成分はノイズですからFM検波には都合のよい性質ですが電波強度を測定することには 使えません.電波の強度は振幅変動と同じなのでAM検波(整流,エンベロープ化)を行えばよいわけです.

観測はどこでもできるのか
 観測点の選び方は重要です.FM放送のスペクトルは広いので札幌や関東平野など大都会が集まるところでは大出力FM局が多数あり,さらに大出力テレビ局も多数ありますので局と局の間の側波も非常に強い電界強度があります.これが邪魔をして非常に弱い散乱波の観測を 不可能にしています.観測に適している場所としては,電磁波雑音が低いこと,近くに電波発信源がないこと,データ伝送のために電源と電話線があること,が挙げられます. 昔からある地震・地殻変動観測所でも観測できますが,既に稼動中のいろいろな装置が電磁波雑音 を強烈に放っていることが多く雑音除去に苦労します.

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↑ 根室市落石岬付近に設置された
のVHF電磁波観測点の状況
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↑ 札幌市南区にある北海道大学理学研究科地震火山観測研究センター
地震観測所に取り付けられたアンテナ群
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どのような記録が散乱波か

 散乱体検出用受信機で観測された記録例.スパイク状の 変動は流星エコー(1〜2秒). ステップ状に変動するのが地震の前兆的な散乱体からのエコー(数分から長い場合で数時間).やまなりの 波形は航空機のエコー(1分間).散乱体からのエコーが何回か現れ,発生が 途絶えて 9日以内に地震が発生します.我々の観測では散乱波の継続時間の合計の常用対数が受信した放送局周辺の最大震度と関係しています.マグニチュード(M) ではないのです.もしも起こった地震が深い震源であればMは大きくなり,浅い震源であれば小さいMとなります.検地できるMの限界は深さが5kmの浅い陸域の地震では3.0という小さい値ですが,海域では M6という大きなものになります.海域でM5の地震が起こり陸域で震度3になっても前兆を観測できません. M7クラスの地震では2週間以上前から 散乱体エコー が現れます.下の図はある日の1日分の記録です.縦軸は電界強度です.スポラディックE層の擾乱による乱れが観測されています.これは夏の昼に現れます.おもに南の方から来た電波が多く,韓国や台湾の放送波がほとんどです.

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地震エコー   下の図は地震の前兆と考えられるエコーの記録です. 上から2番目のピンク色のトレースに 現れています.通常は数分間,大きい地震の前には数時間も続きます.波形はステップ状に変化していて見分けるのは大変簡単です.航空機エコーはやわらかい曲線の正規分布のような波形です. 流星エコー,航空機エコーや地震エコーはFM電波が復調されることがあり, 音声を認識できます.

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地震エコー観測網   現在の観測網は, 天塩中川(TNK),エリモ(ERM),札幌市南区砥山(HSS),弟子屈(TES),根室市落石(OTI)の6観測点があります.観測点の条件は強い電波源が無いこと, 雑音が無いこと,商用電源と電話線があることです.北大のある札幌などの都会では多数のテレビやFM放送波が乱れ飛びそれらの強い側波が局間の受信を不可能にしています. 各観測点では,北海道内と東北・関東地方の数箇所を目標放送局に設定しています.なるべく混信の心配がない独立した周波数の局を選んでいます. しかしやむを得ず他の局と重なっている局も使っています.どの局からの散乱波かわからない ことが起こりますが,この問題を解決する方法として独自の電波を発信することを行っています.それは本来地震観測に開発された64MHz帯送信機(10W)を利用することです. これは現在日高の三石,弟子屈,根室および厚岸に設置されています.現在の観測点(●)と放送局(△),64MHz帯発振局(◆)は次のとおりです.これらは雑音状態や地震活動の変化に伴い変更することがあります.
      ●中川観測点(TNK)  羽幌(広尾),留萌(平取町振内),札幌,函館,小樽(稚内)
      ●砥山観測点(HSS)  羽幌,仙台,釧路,浦河,八戸,千葉,三石,
      ●エリモ観測点(ERM)  旭川,中標津,静内,広尾,振内(留萌),三石(64.145MHz),秋田
      ●弟子屈観測点(TES)  浦河,広尾,厚岸,根室,網走,厚岸町あやめが原,根室市別当賀,
                 中標津,放送波のない周波数81.1MHz(雷など自然界のノイズや太陽からの電波を監視)
      ●根室市落石観測点(OTI)  厚岸,弟子屈,網走,厚岸町あやめが原(64.085MHz),弟子屈町仁多(64.175MHz)
      ●厚岸愛冠観測点(AKK)  網走,弟子屈町仁多,根室市別当賀(64.145MHz),弟子屈,根室,広尾,福島,千葉
      ●様似町冬島(FYS)  広尾,静内,千葉,振内,気仙沼,種市(葛巻)(アンテナは6方位)
      ●様似町留崎(RSK)  広尾 (アンテナは4方位)
      ●下川町観測点(SMK) 羽幌,稚内,留萌,小樽,札幌,振内,中標津,新北見,網走
      ●根室市別当賀(BTG) 網走,帯広,羅臼,根室,中標津 (アンテナは6方位)
      ●弟子屈町美留和(BRW) 網走,足寄,帯広,新北見,広尾,羅臼,中標津,根室 (アンテナは6方位)
      ●福島県会津坂下町(ABG) いわき,水戸,勝浦,宮古,秋田 (アンテナは6方位)
      ●群馬県沼田市(NMT) いわき,日立,勝浦,宮古,秋田 (アンテナは6方位)


      

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下の図は改良された受信機のアンテナ入力〜出力特性.高感度FMラジオよりさらに12db高感度で,受信帯域も通常のFMラジオよりも狭く改造されている.

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いままでに地震エコーを観測することができた地震は?

   2003年9月26日の十勝沖地震M8.0;

  9月04日から弟子屈ー広尾局に”地震エコー”が現れはじめ,浦河,八戸,釧路,中標津局 から”地震エコー”が観測され,異常な地域は広い範囲に及びました.あきらかに異常でしたが,大地震の経験がなかったので札幌の観測点では受信機の故障と思ってしまったりしました.実際には,中規模地震の同時多発なのか大地震1個なのかはわからないことです.

 2004年12月14日留萌北部の地震M6.1;

 11月29日からエリモ観測点 の83.8MHzのチャンネルに異常が観測され始めました. この周波数は広尾局を想定していますが,道内にはこの他に遠軽と羽幌が同じ周波数の局があります.この時点では広尾と考えて日高山脈に地震が11月27日M5.6に引き続き発生するのかなと考えました.この日厚岸でM7.1の地震* が発生し北海道での地震活動が非常に高いと実感しました.この異常は継続時間の総計が非常に長く日高山脈での経験式を使うと最大震度が5強または6弱にも達しました.12月12日に学科内全員にメールを送り状況を説明しました.実際には14日に日高山脈ではなく 羽幌町の南でM6.1,最大震度5強を記録し,被害を被りました.後の調査で強震計データでは最大震度6弱であったことがわかりました.この観測では同じ周波数の放送局が複数あるときに場所をどうして推定するのかということが問題になりました.これを契機に, 地震予知計画が独自の周波数を持っている地震観測用無線テレメータシステム(64MHz帯)を使うことを検討することになりました.
*この地震については厚岸と落石観測点がまだなかった時期なので完全な”不意打ち”となりました.

日高山脈南部の地震群

北海道中央部日高山脈南部には特異な地震活動があります.ほぼ一定の期間にM5クラスの地震が起こります. 震源の深さは50kmに集中しています.この他にプレート内に起こる深さ100Km付近と地殻の浅い15km付近に地震が起こります.日高山脈は千島と本州の地殻が衝突しているためにこのような特異な地震活動があります.エリモ観測点で30kmはなれて,通常は 受信できない広尾のNHKをターゲットとしたところ見事にこれらの地震に対して地震エコーを観測することができました.
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我々のめざすVHF観測法とは

 電波工学の研究者は目標放送局を観測点から数100kmのかなり遠方に設定して観測してきました.異常伝播が起こったとき 伝播経路途中に起こった地震と関係があると考えるのですが,地震はいつも起こっておりそれらのなかでどの地震と関係があったのかを判定しなければなりません.たいていはMの大きい地震ですが,我々の観測では内陸の浅い震源の地震はM3クラス でも海底で起こるM5クラスより強い(長い)異常を起こします.これを間違えると間違った統計処理を行うことになります.我々はこの間違いをなくすために放送局と観測点の距離を短くしました.エリモ観測点と広尾はわずかに30kmしかありません. この経路で異常が起これば,非常に高い確率で地震は日高山脈南部の地震群と関係があると言えましょう.ここで得られた高精度の経験則は世界で初めて総異常継続時間(Te)とこれから起こる地震との間に定量的な関係があることを示しました.Teは震源の深さに敏感ですがここの地震活動は深さ50km±3kmに集中しているので,多くの地震をつかってMとTeとの間に


Log (Te) = 1.2 M - 3.5


という経験式を得ました.この領域では深さ100kmの地震や26kmの地震も起こってきました.このとき観測された 深さ50kmの地震群を含む 50個以上のデータから最大震度とTeとの間にも驚くような経験式が得られました.


Log (Te) = 0.68 I + 0.25


 この式はすべての深さの地震に対して成り立つようです.つまりこれから起こる地震の深さはわからないが 最大震度は推定できることを意味しているのです. 日高山脈南部でのエリモ観測点と広尾局の間で観測された現象は,短い距離で観測することが重要であることを示唆しました.このことから北海道東部では密な観測網を構築する 考えが浮かびました.Teは最大震度の情報を持っているが,おそらく面的な異常はマグニチュードを示唆するのではないかと思われます.2003年の十勝沖地震では広域的な異常が観測されました.このように考えて図に示したように観測点と発信点を設けました.64MHz帯の散乱波は根室付近の地震に対して観測されており,FM放送局と同じように有効であることが証明されています.また日高山脈で得た最大震度の予測経験式が道東でも成り立つことが期待されます.このような観測によって,(1)これから起こる地震のおよその震央位置(北海道内ではおそらく半径50−80km程度の円内)と(2)最大震度,(3)時期(現在進行形で「いま起こっても不思議ではない」,という状況が地震発生まで続く)が予報されることになるのです.


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地震予報と地震予知はどのように違うのか?

 地震予知は大地震の発生を何かの方法で時間,場所,規模をあらかじめ知ると言うもので,多分に予言するという響きがあります.我々は科学的に未来を予知することはできません.特に地球科学的な現象は「ゆらぎ」という現象があります.例えば台風の場合を見ると,毎年たくさんの数が発生し,およそ似たような経路をたどりますが全く同じものはありません.地震も同じようなことが言えるでしょう.予報は文字通り天気予報の雨の降る確立と同じように,今日から1週間程度は大地震が起こりそうなのか確率で言い表すことになります.異常が観測されなければ地震は起こりませんから,この場合は安心情報なのです. 安心して野外コンサートやサッカーの試合を鑑賞できます.もしも異常が観測された時には,それを過去のデータと照合すればMや最大震度を百分率で表すことができるでしょう.地震が予測されて震度5くらいが予想されるときは,危険な作業,たとえばビルの窓拭きや,ビルディングの鉄骨の組立や解体作業,橋脚に橋を架ける作業など控えることが考えられます.また鉄道や高速道路の最大速度を規制する必要が あるかもしれません.人的被害軽減のために自治体が地域の特性に応じた対策をあらかじめ構築することが大変重要になってくると考えます.地震予報はなによりもまず防災意識を高揚させて,人的な損害を最小にすることが最大の目標です.そのために公共の建造物の耐震化や生活様式の安全化が重要であることは言うまでもありません.地震予報と建物の耐震化は地震防災の両輪です.


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このほかに地震の前兆現象や観測法はあるのでしょうか?

 地震の前に電磁波ノイズが増大するという現象があります.いくつか観測例がありますが 本来,ノイズは大気の擾乱などが原因で大気間放電が起こり,これに伴って 電磁波がパルス的に発生しています.非常にS/Nの悪い信号というべきです が地震の前にその数に増加傾向があり低下すると地震に至るという観測結果があります.これは 本研究で行っている大気圏内の散乱体の発生と関係があるかもしれません.それから化学的な現象としては地下水中に含まれるラドンという希元素が地震発生前に増加することがあります.ギリシャではVAN法とよばれる地電流を観測する方法が開発されてすでに実用化されています.この方法で2008年2月14日に発生したM6.9(過去20年でギリシャ国内最大)の地震を予報しました.また同年5月29日に発生したM6.3の地震も予報に成功したと言われています.


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地震の前に動物が異常な行動をするということとこの現象は関係あるのでしょうか?

 動物が異常な行動をするのは大気イオンの増加や電磁波ではないかと考えられていますが,観察して異常かどうかを判断することは難しいことです.さらに上で述べたように定量的な評価を行いこれから起こる地震の大きさと関係付けることはさらに難しいでしょう.これは中国で強調・宣伝されすぎたきらいがあります.この説が流布した時期は文化大革命の時で,高度に科学的な理解を敬遠する傾向が政治的に非常に強められたためでしょう.

河北省邢台に1966年の大地震が起こり,8100人が死亡する被害が発生した.この時井戸水の異常や動物の異常行動が観察され住民は視察に来た周恩来首相に地震予知研究をもっと行うように直訴したのです.このため地震研究者は「下放(科学は地人民に有益ではないとしてインテリを農村へ追放すること)」されずにすみました.そして民衆と研究者が共同で観測する体制を作ったのです(専群結合).1975年の海城地震の予知は成功したのですがその立役者は動物ではなく高感度地震計でした.しかし政治家は民衆の動物や井戸水の観測が役立ったと宣伝したのです.しかし翌年1976年の唐山地震の予知大失敗や周恩来が亡くなったことで専群結合は破綻しました.

我々の基本は物理計測です.地球内部の物理学的な「からくり」を新しい方法で物理量を観測して科学的に解き明かすことが目標です.地球科学には理論が先行して現象が見つかった例はないのです.地道な観測こそ新しい道が切り開かれるのです.
 

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参考資料

T.Moriya, T. Mogi, M. Takada, Anomalous pre-seismic transmission of VHF-band radio waves resulting from large earthquakes, and its statistical relationship to magnitude of impending earthquakes, Geophysical Journal International, 2009.
森谷武男 「地震予報のできる時代へ」,青灯社,2009.
森谷武男ほか「地震の前に観測されるVHF散乱波の観測的研究」 北海道大学地球物理学研究報告2005

森谷武男ほか「地震の前に観測されるVHF散乱波の観測的研究その2」 北海道大学地球物理学研究報告2009

(http://eprints.lib.hokudai.ac.jp/dspace/bitstream/2115/14368/1/68_p161-178.pdf)


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森谷武男 MORIYA TAKEO のアドレス
tmoriya@mail.sci.hokudai. ac.jp

<転載終了>
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01. 2011年11月29日 11:09:27: FL3HBMFVVs
つまり、今度また大地震起こしますけど 次は確実にばれそうなんで非公開で〜す。

という訳ですね。


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