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サウジアラビアのアメリカ支配に対する包囲網が確立しつつある・sayuu(アラブ諸国はユーラシア同盟に舵を切るべきです)
http://www.asyura2.com/11/cult8/msg/710.html
投稿者 小沢内閣待望論 日時 2011 年 12 月 05 日 12:42:33: 4sIKljvd9SgGs
 

http://www.sayuu.net/blog/2011/12/002161.html#more
2011年12月03日
サウジアラビアのアメリカ支配に対する包囲網が確立しつつある

(左がアブドラ国王、右がオバマ大統領)(画像はコチラから1 2)

アラブ諸国における親米大国として、真っ先に挙げられてきたサウジアラビア。9.11同時多発テロ以降、アメリカとの関係は冷え込んでいると言われているものの、政治的、経済的、軍事的なつながりは今なお強い。一方、世界的な金融不安が広がりをみせる現在、欧・露・中・印によるアメリカに対する包囲網は完成しつつあり、アメリカ覇権にかげりが見え始めている。この様な世界情勢の中、中東の親米大国、サウジアラビアはどの様な動きを見せるのか。サウジアラビアの過去と現在(金融経済、民主化運動)、近年の中東情勢を把握した上で、今後の動きについて推論したいと思う。


○サウジアラビア建国とその後の石油利権
 
〜サウジアラビア建国にいたるまで〜
 
 現在サウジアラビアがあるアラビア半島は、元来遊牧民が多くの部族を形成していた、部族社会の土地であった。その土地にオスマン帝国が入ったのが、15世紀後半から16世紀前半にかけて。その後、サウド家が王朝を樹立するまでの間、イスラム帝国による支配が続いた。1932年、サウド家がアラビア半島の他部族を全て支配下におき、建国を宣言、サウジアラビア王国が成立する。サウド家がアラビア半島を支配するに至った背景にはアメリカの支援があった。
 
 建国の翌年、初代国王は石油採掘権を米石油会社「スタンダードオイル」に売却する。そして、1938年に油田が発見され、アラビアン・アメリカンオイルカンパニー(通称アラムコ)が設立。1986年、「サウジアラムコ」として完全国有化される。略称に「アメリカ」の名を残したことは、サウジアラビアがアメリカとの関系をいかに重視していたかを如実にあらわしており、実際、完全国有化後も技術部門を中心に多数のアメリカ人スタッフが残留している。
 
★サウジアラビアは、アメリカの支援を受けたサウド家が建国した絶対王政国家
★王族に莫大な石油マネーが蓄積されていく
 
 
○サウジアラビア国営ファンド「サウジアラビア通貨庁」
 
 サウジアラビアには独立したSWF(国営ファンド)が無く、サウジアラビア通貨庁(SAMA)がその役割を担っている。SAMAのSWFとしての活動には二つの特徴が見られる。一つは通貨管理という大きな政策の中では資金運用だけでは単独の報告対象とならないため、情報開示が殆どされないこと。第二の特徴は運用方針が極めて保守的なことである。SAMAは外貨の殆どを現預金と米国の政府債で保有している。
 
 サウジアラビアの通貨はドルに完全にリンクしており、ドル固定相場制を堅持しているのである。今年に入りS&Pが米国のソブリン格付けを下げたことでドルに対する信認が薄れ、一方ではユーロ圏が金融危機の様相を呈している。国際金融筋はこの状況をとらえて、サウジアラビアが対外資産の一部をドルからユーロ或いは他国通貨に乗り換えるのではないかと考えていたが、SAMAのアル・ジャシール総裁は9月半ば「ユーロ圏の負債を買うつもりはない。ドル・ペッグ(ドル固定相場制)は議論の対象外である。」と明確に断言したのである 。サウジアラビアはドルとの心中も辞さない覚悟のようである。
 
★莫大なマネーは、ほぼ全てアメリカ(米国債)に向かっており、現在でもその流れを変えるつもりもドルペッグをはずすつもりもない
★サウジアラビアはドルとの心中も辞さない構え
 
 
○サウジアラビアにおける中東民主化運動
 
 チュニジアをはじめ、エジプト、リビアなど、中東国家のアメリカ支配を崩そうとヨーロッパ勢が民主化運動を推し進めているが、サウジアラビアでは目立った民主化運動は起きていない。なぜだろう。それは、サウジアラビアでは近代市場が発達しておらず、未だ部族社会だからである。
 サウジアラビアの国内投資に注目すると、国防・治安が全体の35%を占める一方、インフラ開発は1.4%にとどまっている(下図参照)。つまり、サウジアラビア政府(サウド家)はインフラ開発よりも国防・治安、つまり軍備に対して優先的に投資しているのだ。その結果、他地域と比較しても近代市場が発達し得る土壌が開拓されず、部族社会が維持されている。

 
 つまり、近代市場が発達していないサウジアラビアでは、未だ「武力」によるヒエラルキーが完璧に確立しているのである。この様な社会構造の下では民主化運動のような活動は萌芽せず、すぐさま封殺されてしまう。
 
★石油マネーを国内投資に向けていない → 近代市場が発達しなかった
 → だからこそ「武力」を源泉とする力の原理で統合されてきた
 → 加えて民主化運動も広がりを見せていない 散発的に発生しても武力で押さえ込む
★サウド王家の力の源泉は「石油」と「武力」
★これはアメリカとの親密な関係があって初めて維持される(だからアメリカ盲従を続ける)
★逆にアメリカから見れば、サウド家を援助しさえすれば、中東の中心を確保し続けられる
★アメリカとサウジアラビアは一蓮托生…どちらかの命運が尽きれば、もう片方も没落する運命にある
 
 
○サウジアラビアのアメリカ支配に対する包囲網が確立しつつある

  
 これまでアメリカは、サウジアラビアを主な拠点とした中東戦略を展開してきた。しかし、近年の中東情勢を俯瞰してみると、アメリカ支配切り崩し戦略とも思える事象が散見される。この章では、それらの事象を大別し、地理的、かつ時系列的に把握する。
 

 
事象@:ドバイ発 東からの「市場化戦略」(1981年)
 

ドバイは元々、英国東インド会社の海運拠点とされており、海運業が盛んだった地域。タックスヘイブンを実施するには格好の立地だった。タックスヘイブン後のドバイ投資には、香港上海銀行が強く影響していること、モナコやスイスが欧州主導で同様のタックスヘイブン化が実践されていることなどから、ドバイの金融立国化も欧州主導と見て間違いない。つまり、欧州がアメリカの中東支配に再び食い込んだ。
(アメリカ包囲網を受けて、中東政府系ファンドはどう動くか?)


 
事象A:アフマディネジャードがイラン大統領に就任(2005年)

イラン革命以降、一貫して反米国家だったイラン。その大統領にアフマディネジャードが就任したのが2005年8月である。アメリカに対して歯に衣着せぬ批判で知られ、大統領として反米色をさらに鮮明にしている。結果的に「反米」→「民族主義(イスラム回帰)」が中東全体に広がりつつある。
 
 
事象B:西からの「民主化戦略」(2010年以降) 

2010年以降、『アラブの春』と言われる民主化運動が各地で起きており、中東全体でも、これまでの親米政権体制が崩れ始めてきている。欧州がこれを支持していることからも、欧州主導で、アメリカの中東支配力を弱体化させようとしていると見て間違いない。
(アメリカ包囲網を受けて、中東政府系ファンドはどう動くか?)

 
事象C:北からの「イスラム統一国家構想」(近年)

イスラム系国家の中でも世俗的・民主的な国であるトルコは、オスマン・トルコ崩壊以降、一貫して親米国家であった。その国が、90年代以降にEUへの加盟を申請し続けているなど、ヨーロッパへの歩み寄りを強めている。
トルコは、世界各国のパワーバランスを巧みに利用しながら、再びイスラム統一国家を作り、英米による中東分割統治を排除しようとしている可能性が高い。
(トルコ東部地震は人工地震か?! D.ロックフェラーによる「イスラム統一国家構想」潰し)

 
事象D:ロシアの「資源一極支配構想」(近年)

プーチンは、着々と破局後の覇権獲得の準備を進めてる。
金融市場崩壊→経済破局が現実になれば、必然的に経済は現物市場に移行することになる(だからこそ金貸しも今になって現物の確保に躍起になっている)。
(エネルギー市場はどうなっている?(10)〜破局後の覇権獲得を狙うエネルギー大国ロシア〜)

 
★欧・米・露の覇権国家争いの最前線は中東。
★サウジアラビアの周辺は、ヨーロッパ勢がかためつつある。
★サウジアラビアを巡る帰趨がその後の世界経済の行方を決めることになる。
 
 
○サウジアラビアの今後
 
 サウド家の武力による社会統合の背景には、アメリカによる軍事支援がある。サウド家は建国期よりアメリカと親密な関係を持ち、アメリカ軍の駐留を認め、キング・ハリド軍事基地など国内にいくつもの在サウジ米軍基地を所有している。サウド家による国家運営はアメリカなしでは成立し得ないものとなっているのである。
 
 一方のアメリカであるが、高まる金融不安の中、その覇権力は確実に衰弱している。もし仮に、米国債のデフォルトが現実のものとなり(アメリカの没落)、サウジアラビア王国からの撤退を余儀なくされたとしたら、サウド家による武力支配は一気に崩壊する。そうなると、一大勢力を形成するイスラム原理主義が台頭することが予想される。もしくは、アメリカに変わり、ヨーロッパ、もしくはロシアの支配となるのかもしれない。
 
真の独立を果たすことになるのか、サウジアラビアは正念場を迎える。  

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