★阿修羅♪ > 原発・フッ素10 > 325.html
 ★阿修羅♪  
▲コメTop ▼コメBtm 次へ 前へ
菅政権の迷走(放射線と生活習慣の発がん相対リスク) 経済コラムマガジン
http://www.asyura2.com/11/genpatu10/msg/325.html
投稿者 独歩 日時 2011 年 5 月 02 日 06:43:40: OcXlFVq.c5uyc
 

◆菅政権の迷走 経済コラムマガジン11/5/2(660号)
http://adpweb.com/eco/


放射線と生活習慣の発がん相対リスク

先週、「低線量の放射線はむしろ健康に良い」という中村仁信大阪大学名誉教授の話を紹介した。しかしこのような説を唱える学者は、中村教授だけでなく他に沢山いるのである。どうもこのような話は、口には出さないが原子力の専門家の間でほぼ常識になっているのではと筆者は感じる。

放射線によって人間の持つ免疫機能が高くなることは「放射線ホルミシス効果」と呼ばれている。特に筆者がこのような話を取上げたのは、放射線について科学的根拠が薄弱な話が横行し過ぎているからである。その典型が風評被害である。


福島からの避難民に対して馬鹿げた差別行為が続いている。これも風評被害の一つと言える。政府もこれはまずくなったと判断したのか、ついに放射線の発がんリスクというものを公表した。日経新聞は4月25日朝刊にこの内容を掲載している。

これは放射線影響研究所の論文と国立がん研究センターの研究を比較検討し、国立がん研究センターの研究者がまとめたものである。なお放射線影響研究所の論文のデータは、広島、長崎の原子爆弾の被爆者4万4,000人を追跡調査し得られたものである。この論文は研究者の間ではよく知られているが、これまで一般には示されたことがなかったと筆者は思っている。

---------------------------------

【放射線と生活習慣の発がん相対リスク 】

受動喫煙の女性           1.02〜1.03倍
野菜不足                 1.06倍
100〜200ミリシーベルトの被曝       1.08倍
塩分の取りすぎ           1.11〜1.15倍
200〜500ミリシーベルトの被曝       1.16倍
運動不足              1.15〜1.19倍
肥満                   1.22倍
1,000〜2,000ミリシーベルトの被曝      1.4倍
毎日2合以上の飲酒 1.4倍
2,000ミリシーベルト以上の被曝 1.6倍
喫煙 1.6倍
毎日3合以上の飲酒 1.6倍

---------------------------------

ちなみに福島原発の作業員に許可されている被曝線量は250ミリシーベルトであり、これは「塩分の取りすぎ」や「運動不足」と同等のリスクを負っていることを意味している。


この表の意味が周知されるなら、少なくとも風評被害が起るはずがないと筆者は考える。もっともこのような知識が一番必要なのは、一般人より菅総理を始め菅政権の面々である。これまでの言動を見ていると菅総理は、まさに「歩く放射能」であり「歩く風評被害」そのものである。


ただこの表を見て、筆者はおかしいところに気付く。100ミリシーベルト未満のケースが割愛されているのである。どうも100ミリシーベルト未満は分らないということになっているらしい(当然、データ自体は存在していると考えて良い)。しかし「低線量の放射線はむしろ健康に良い」と主張し「放射線ホルミシス効果」を重視している学者は、主にこの範囲の放射線量を念頭に置いている。

先週号で取上げた台北のコバルト60による鉄骨汚染(コバルト団地と呼ばれている)も年間50ミリシーベルト(平均総積算線量400ミリシーベルト)であった。ここのケースでは、一万人の調査でがん死亡率が一般の3%に減った(実に97%の減少)という衝撃的な報告が、2004年に台湾当局からなされた。あまりにも大きな減少率なので米国などが追跡調査をしている。


計画的避難区域の飯館村や福島の学校施設は、年間の積算線量が上限である20ミリシーベルトに達するということが問題になっている。しかしICRP(国際放射線防護委員会)が設定している国際基準は、このようなケースでは上限を20〜100ミリシーベルトと定めている。日本の安全基準はこれの一番厳しい数値を用いているのである。

ところが学校施設の安全基準を20ミリシーベルトに決めたことに抗議して、内閣官房参与の小佐古東大大学院教授が辞任した。4月28日の「朝まで生テレビ(テレ朝系)」に出ていたこの教授の弟子(北海道大学)によれば、教授本人はなんと10ミリシーベルト以下を主張していたらしい。しかし先週号で述べたように、今日、低レベル放射線の害をことさら重視するこのような学者はむしろだんだん少数派になっている。筆者は、菅政権がこのような極端な考えの学者を、わざわざ内閣官房参与に招いていたことが問題だったと考える。


来週号は、ゴールデンウィークにつきアップが少し遅れる予定。

政府は、いまだに飯館村などの計画避難地域からの避難にこだわっている。小佐古東大大学院教授などの変わり者の学者にひっかき回されてきたのであろう。今日、仮説住宅の建設が全く進まず、避難民の数がほとんど減っていない。避難民は精神的にほぼ限界まで来ている。ところが住宅が無事であった飯館村などから、さらに多くの避難民を出そうというのだから、政府は一体何を考えているのかさっぱり分らない。もし避難するのだったら放射性物質が大量放出された3月15日の直後であり、今頃避難しても全く意味がない。賠償金さえ出せば良いという態度である。

原発作業員の緊急事態における放射線被曝許容量を、250ミリシーベルトから500ミリシーベルトに増やす話が出ている。もっとも2007年にICRPから、緊急時の許容量を500ミリシーベルトか1,000ミリシーベルトにするよう勧告が出ていた。日本はこの勧告を受け、今年の1月に放射線審議会(経済産業省と文部科学省の諮問機関)が、安全サイドに立ち250ミリシーベルトと答申している。つまり今後上限を500ミリシーベルに上げても特に問題はない。しかしこのような動きも小佐古教授は気に入らなかったのであろう。ところで作業員は500ミリシーベルトまで上げておきながら、一般人は20ミリシーベルトのままというのは説明のつかないことである。
 

  拍手はせず、拍手一覧を見る

コメント
 
01. 2011年5月02日 08:56:44: A5sldP6sZo
罪深き放射線影響研究所。

深刻な健康被害があるにも関わらず、早々にチェルノブイリ安全宣言を出したのは、
IAEAの重松逸造氏(元放影研理事長)。
今回の福島原発事故で同様な安全宣言を出したのが長瀧重信氏(放影研理事長・
長崎大学名誉教授)。


02. 2011年5月02日 12:10:29: 2N5u1dy2Mk
>先週、「低線量の放射線はむしろ健康に良い」という中村仁信大阪大学名誉教授の話を紹介した。しかしこのような説を唱える学者は、中村教授だけでなく他に沢山いるのである。

たしかに、この説は中村教授だの稲博士だののオリジナルじゃない。

>どうもこのような話は、口には出さないが原子力の専門家の間でほぼ常識になっているのではと筆者は感じる。

そりゃあ、その方が都合が良いからだろう。原発を推進する側ほど、その説に固執したがるのは当然だ。でも、現在、それが真っ当に認められているってわけではなさそうだ。

少量でも比例して健康に影響ありを「LNTモデル」、一定量までほとんど影響なしを「閾値(しきいち)説」、低量の放射線はむしろ体に良いというのを「ホルミンス説」というらしい。でもって、それが国際機関などからどう評価されているかというと、以下参照。

低レベル被ばく影響に関する最近の報告より
http://www.rri.kyoto-u.ac.jp/NSRG/seminar/No106/imanaka090306.pdf
(書体が親しみ易すぎるが、まじめな資料である。ちなみに、筆者の今中哲二氏は例の「熊取六人組」のお1人だ)

初めに放射線量と健康についての基本的な説明があり

次に各モデル(仮説)の説明(上記より引用)

LNTモデルに対する権威どころの見解

ICRP(国際放射線防護委員会)2007年勧告
他のモデルも否定できないが、LNTモデルが最も確からしい.しかし、集団線量を使ってリスクを計算するのは適切でない.

BEIR委員会(低レベル放射線影響に関する米国科学アカデミー委員会報告)2005年報告
生物学的・疫学的知見に基づくと、LNTモデルが最も合理的であり、極低レベル被ばくのリスクにも適用できる.

UNSCEAR(放射線影響国連科学委員会)2000年報告
いろいろなデータに照らすと、LNTモデルが最も合理的.

フランス科学アカデミー2005年報告
最近のデータに基づくと、低レベル被ばくでの損傷は、DNA修復や細胞除去によって完全になくなる.低レベル被ばくの影響には「閾値」がある.

その後、「しきい値派によると、ICRPやBEIRは、「昔の考え方にとらわれて、最近の知見を無視している.」という、批判があることを前提に、世界各国のいろいろな疫学研究データのグラフがあり、

結論的には

> データの限りでは「LNT仮説」が、合理的で(さまざまな批判に耐える)最もタフなモデルであろう。

ということになっている。


03. 2011年5月02日 14:35:53: ILHmzlZBgE
デブで運動不足で毎日2合の酒を飲んで塩辛いモノ好き野菜摂らないでタバコプカプカだと3倍超えちゃう。大変だ。でも今からでも遅くない。悔い改めて適度の体重、適度の運動、お酒を止めて、野菜を食べて、タバコやめるでリスクなくなる。もちろん今までのリスクの累積にはチョコト目をつぶる。

 ところが、放射性物質の場合、閾値を超えてたら影響を消せない。全く異なるところです。爪は切ってもまた生えてくる。クビは一回切ったらおしまい。
こんな単純なことどうしてわからないのかね。


04. 2011年5月04日 10:24:33: m2fcTiNeFM
>>03
生活習慣変えてもリスク無くならないよ...
あなたがチョコト目をつぶった「累積」がでかい。特にタバコ。
これは10年20年30年引きずる。

セシウムとかで内部被曝なら確かに影響はほぼ一生残る。そこは同意する。
だがタバコだけはそんな単純じゃない。


05. 2011年5月04日 12:16:26: EGaQ73B5yp
つまりこういうことだろ。

酒飲みでタバコも吸い、塩辛い焼き肉が大好きで、
運動ぎらいのデブで、しかも強烈被曝地域の宮城から神奈川県川崎
あたりまでの太平洋岸に住んでいる奴は、救いようがないってこと。(苦笑)

……放射能汚染が日常になってしまった今、
タバコや酒の発癌リスクを持ち出してきても笑止千万なだけだ。
それら諸々の、平時における発癌リスクに
さらに放射線の外部および内部被曝、それもさまざまな核種による
複合放射能汚染という加算的なリスクが、乗じられているのが
現今の状況である。 現実を直視しろや、気休め白痴の愚か者ども!


06. 2011年5月04日 12:46:13: EGaQ73B5yp
>>02

草思社の編集者がバカなせいで、タイトルが内容とは正反対のトンデモに
なってしまった“残念な本”だが、『トンデモ科学の見破りかた -もしか
したら本当かもしれない9つの奇説』という一般向け科学書は
一章を割いて「しきい値」説の真偽を統計学的に検証しており、
けっきょく「しきい値」学説はエセ科学で、とりあえず
「被曝線量に対して被曝損傷は線形に増加していき、しきい値など無い」(LNT)学説
が科学的に妥当である、と結論づけている。この本に言及されていたと思うが
(ひょっとすると別の本かも……)近藤さんなどのhormesis仮説“讃歌”は、テメエに
都合のいい部分だけをパクったインチキ理論だと批判されていた。

なお、この本はアメリカの物理学者が著したものだが、原題は
『Nine Crazy Ideas in Science』(科学の世界のぶっとんだ学説9題)
というもので、破天荒な学説ではあるが、真剣に検討に値するものを
彼なりの誠実さで吟味検証している。けっしてトンデモ本ではない。
(こういうウランかな、もとい、売らんかな商法で、読者をミスリード
 する本を作る体質があったから、草思社は経営が傾いたのだと思うよ。)

ちなみにこの本には、石油の「生物起源説」を真っ向から否定する
無機生成説も取り上げられているが、著者はこれを吟味して、
むしろ無機生成説のほうが真理であろうと主張している。
……そうなると、ネオコンや石油資本漬けの御用学者どもが宣伝してきた
「オイルピーク」仮説は根っこから破綻するわけですが。(笑)

ところで否先生、もとい稲チュー卓球部野郎が白痴大衆どもを相手に
健康食品のセミナー詐欺商法と同様のやり口で宣伝してきたhormesis仮説
だが、これは何も放射線にかぎった話ではない。 でもホルミーシス仮説
に肩入れするなら、ホメオパシーにも肩入れしなくちゃ理屈が通りませんぜ、
という“諸刃の剣”だぞこれは。(笑) 

稲チューたっきゅー部先生は、そのうちセミナー商法で、無教養なジジババを
集めてインチキホメオポシーでもやらかしそうでコワイわ。(笑)


07. 2011年5月10日 00:26:03: 8fvRDAdblE
なにか最近は、自分に被曝して自分の病気だけを心配している情けない人達が多いのですかね?
女の子は生まれたときに一生分の卵子の数を持っています。
良く知られたことですが、高齢出産では奇形児の生まれる確率が増えること、これは長年にわたるx線撮影などの放射能の影響があると言われています。
生殖細胞に放射線が被曝すれば、奇形児の生まれる確率が増えます。
奇形児の生まれる確率が増えれば出生率に負の影響を与えます。
出生率2を切っている現在、出生率を負に導く行為は国を滅ぼすと断言できます。
このことから、子供に当てる放射線の量を増やして良いという話には決してなりませんね。

08. 2011年5月13日 09:47:09: 8fvRDAdblE
だいたい、「放射線と生活習慣の発がん相対リスク」の表は、
急性と慢性を同じにすることはできないので、
−−−−−−−−−−−
1000-2000mSv (1.8)
喫煙者(1.6)
毎日3合以上飲酒(1.6)
−−−−−−−−−−−
の表は、急性の放射線量を慢性の放射線量に直した
−−−−−−−−−−−
12.5mSv (1.5)
喫煙者(1.6)
毎日3合以上飲酒(1.6)
−−−−−−−−−−−
こちらの方がより正しい。

  拍手はせず、拍手一覧を見る

この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます(表示まで20秒程度時間がかかります。)
★登録無しでコメント可能。今すぐ反映 通常 |動画・ツイッター等 |htmltag可(熟練者向)
タグCheck |タグに'だけを使っている場合のcheck |checkしない)(各説明

←ペンネーム新規登録ならチェック)
↓ペンネーム(2023/11/26から必須)

↓パスワード(ペンネームに必須)

(ペンネームとパスワードは初回使用で記録、次回以降にチェック。パスワードはメモすべし。)
↓画像認証
( 上画像文字を入力)
ルール確認&失敗対策
画像の URL (任意):
 重複コメントは全部削除と投稿禁止設定  ずるいアクセスアップ手法は全削除と投稿禁止設定 削除対象コメントを見つけたら「管理人に報告」をお願いします。 最新投稿・コメント全文リスト
フォローアップ:

 

 次へ  前へ

▲このページのTOPへ      ★阿修羅♪ > 原発・フッ素10掲示板

★阿修羅♪ http://www.asyura2.com/ since 1995
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。

     ▲このページのTOPへ      ★阿修羅♪ > 原発・フッ素10掲示板

 
▲上へ       
★阿修羅♪  
この板投稿一覧