(書評です。転送・転載を歓迎します）

私も原子力が怖かった―あることの危険性・ないことの危険性 (1981年)
竹村 健一著

（書評）
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　私も原子力が怖くなった（西岡昌紀）

　若い頃、私は、原子力発電に賛成して居た。だが、チェルノブイリ原発事故（１９８６年）の際、この原発事故で放出された放射性ヨードの量が広島原爆のそれの５００倍に及び、同原発から半径３０キロの地域が耕作放棄された現実を見、私は、原子力発電はやめるべきだと考える様に成った。その上、原子力発電は、ウランの濃縮から原発の運転、解体、そして、核廃棄物の解体などにそれ自体石油を必要とする事を知り、真の代替エネルギーには成り得ない事を知った私は、今では、原子力発電は、危険かつ不要な技術と考えるに至って居る。竹村健一氏は、日本を愛する人であり、過去に、良い事も沢山発言して居るが、この本に述べられた竹村氏の原子力発電に対する見解は、余りにも楽天的であり、非現実的である。それは、竹村氏に限った事ではなく、竹村氏同様、原子力発電の「明るい未来」を信じた全ての人に共通する幻想であった。そうした原発推進派の幻想こそは、東日本大震災（平成２３年＝２０１１年）における福島第一原発の複合事故の根本的原因であったと私は考える。本書に代表される、そうした原発推進派の幻想を読むと、私は、原子力発電の怖さを痛感せずに居られない。

（西岡昌紀・内科医／福島第一原発の行方を見守りながら）

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コメント
01. 2011年5月03日 18:52:35: pjsPjKsQRo 竹村健一を持ち上げてどうするのだ。マスコミとアメリカの都合のいいことを言ってきただけだろう。
02. seelook 2011年5月16日 13:30:25: yVOIqlTJ6JgWA : 4IHMuW57Ns 「原発は安全だ」とかつてさんざんマスコミで言い続け、自ら時代のオピニオンリーダーを自負してきた竹村健一氏は、今回のこの惨事をどう見ているのだろうか？ 最近ではマスメディアで彼の姿を見ることはほとんどない（出演依頼がないのであろう）が、彼はマスコミに出て自身の発言と責任についてキチンと釈明すべきではなかろうか？　これをしなかったら彼はかなりの卑怯者である。しかし彼は多分やらないであろう。 というのは、数年前、ライブドア事件でホリエモン（堀江貴文氏）が逮捕された際、竹村氏がレギュラーコメンテーターとして出演していた番組でこの事件を取り扱った時の事である。竹村氏はホリエモンのことを『彼は今回ちょっと間違ってしまったね』この程度のコメントでさらりと流してしまった。しかし竹村氏はその１年前にホリエモンと共著で「世界一の金持ちになってみろ」という本を出版しているのである。つまり堀江氏のことを推していたにも関わらず、事件が起きた時には自信の責任については全く触れないのである。説明も何もない。「私は関係ありません」という態度なのである。 今回の原発もまた同じで、自身の責任をとることはしないであろうと思われる。所詮は世間で起きている事を題材にして、無責任な立場からしゃべっているだけの存在なのだ。しかし彼はこれを商売にしている以上当然発言した責任があるはずである。

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