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やはりメルトダウンしていた福島1号機 (木走日記)
http://www.asyura2.com/11/genpatu10/msg/900.html
投稿者 七転八起 日時 2011 年 5 月 12 日 21:59:35: FjY83HydhgNT2
 

http://d.hatena.ne.jp/kibashiri/20110512


 やはりメルトダウンしていた福島1号機〜あっけなく破られた「5重の壁」 17:30

 12日付け日経新聞電子版速報記事から。

福島1号機「燃料棒崩落の可能性」 東電、冷却は維持

2011/5/12 12:13

 東京電力は12日、福島第1原子力発電所1号機で、燃料棒が原子炉の底に崩れ落ちた可能性があると発表した。原子炉圧力容器内の水位が極端に低いものの、容器の底に残った水で冷却は続いていると説明した。

 東電は、原子炉に注ぐ水の多くは「圧力容器とその外側の格納容器はともに損傷があり、相当量が抜けている」と話した。ただ圧力容器の温度がセ氏100〜120度と高温でないことから「崩れた燃料棒は原子炉の底の水にとどまる状態」としている。

 事故収束に向け、東電は7月までに1号機の原子炉を水没冷却する計画。水位が低すぎると、原子炉を早期に安定停止できるかは不透明だ。1号機を参考に他号機の復旧を進めるとしており、計画の見直しを迫られる。

 冷却水の水位はこれまで燃料棒の上部から1.6〜1.7メートル下にあるとされていた。水位計を復旧して正確に測ったところ、上部から5メートル以下と判明。燃料棒が完全な棒の形で残っていれば、すべてが露出する水位だった。

 今後、原子炉の水位を回復するため注水量を増やす方針。格納容器の水位は確認できていない。

 東電は、最も外側の格納容器の底から水が抜けている可能性があるとの見方も示している。汚染水が建屋や海に流れ出し、再び復旧作業を阻む恐れがある。

 専門家からは1号機の水没冷却の作業について「東電の説明通りなら(作業を後回しにした)2号機と同じように格納容器をまず修復しなければならない。工程表の全面的な見直しが必要だ」(奈良林直・北海道大学教授)との指摘も出ている。

http://www.nikkei.com/news/headline/article/g=96958A9C93819595E3E0E2E2938DE3E0E2E7E0E2E3E39F9FE2E2E2E2

 毎時8トンの水で内部を冠水状態にするつもりが、「水位計を復旧して正確に測ったところ」、燃料棒を閉じこめていた原子炉圧力容器内の「水位が極端に低い」状態が判明、空焚き状態で「燃料棒が原子炉の底に崩れ落ち」たのだが、「容器の底に残った水で冷却は続いている」ということであります。

 予想されていたことですが、福島第1原子力発電所1号機で、炉心溶融、いわゆるメルトダウンが起こっている可能性を東電側が初めて認めたようであります。

 記事によれば燃料棒は完全に崩落した模様ですからフルコアメルト(full core melt)状態ですね。

 燃料棒が溶けて圧力容器の底に溜まっている状態ですが、容器の底に残った水で冷却は続いているのは不幸中の幸いです、いわゆる再臨界、再び核燃料が燃えだして制御不能の状態になる可能性は現状ではゼロですからその点は安心です。

 しかし気になるのは、あれだけ大量の水を注入していたのに圧力容器内の水がほとんどないという事は水蒸気として漏れている以外におそらく圧力容器内の底から水が「ダダ漏れ」している可能性が高いのだと思われる点です。

 外側の格納容器も冠水状態にする予定でしたが、圧力容器内の水が格納容器に大量に漏れているとなれば、高濃度汚染水が格納容器内に流出している可能性が高く、格納容器内を冠水させてその水を循環させる予定だったわけですが、高濃度汚染水を循環させるとなれば、漏れがあってはならなくなります。

 記事によれば「圧力容器とその外側の格納容器はともに損傷があり、相当量が抜けている」とありますから、これはまず外側の格納容器の損傷箇所を発見しそこを修理しなければ、冠水計画は不可能になります。

 工程表を大きく見直す必要が出てきました。

 ・・・

 福島第一原発1号機は完全に炉心溶融(メルトダウン)してしまった模様ですが、炉心とは燃料棒のことで、「燃料ペレット」とそれを覆う「燃料被覆管」が溶融し圧力容器底に溜まっている状態であり、圧力容器の底が抜けて核燃料が外部に漏れだしたわけではないので、そこは誤解のないように理解しておきたいですね。

 核燃料の一部が圧力容器から格納容器へ飛散した可能性はありますが、大部分は圧力容器底に溜まっている状態だと思います。

 ここで食い止めれば収束に向かうことは技術的に可能です。

 内側から「燃料ペレット」、「燃料被覆管」、「原子炉圧力容器」、「原子炉格納容器」、「原子炉建屋」と用意されていた放射性物質を閉じこめるいわゆる「5重の壁」のうち、内側の「燃料ペレット」と「燃料被覆管」は完全に溶融、外側の「建屋」も爆発で屋根が吹き飛び破損、3つの壁がすでに破られている状態が、今の1号機の状態です。

 漏れはあるものの「原子炉圧力容器」と「原子炉格納容器」が「壁」としての機能を保てれば、水を循環させ安定冷却の状態に持ち込むことは可能です。

 とにかく内側の「原子炉圧力容器」への注水を続け溶融してしまった核燃料を冷却し続けながら、外側の「原子炉格納容器」の修復を急ぎ、その上で「原子炉格納容器」を冠水させなければなりません。

 そして外部に汚染水を漏らさない完全循環型の冷却システムを完成させることです。

 用意された5つの壁はあと2つだけとなりました。

 しかし冷却は維持されていますし、放射性物質は漏れているものの核燃料自体の封じ込めもかろうじて維持されています。

 ならば冷静に対応すれば安定冷却に必ず移行可能です。

 不用意な不安心理に煽られないように、私たち国民は起こっていることを冷静に理解することが肝要だと思います。

 それにしても「5重の壁」が次々と破られ、まさに首の皮一枚と表現しても言い過ぎではないでしょう、かろうじて冷却が維持されている状態です、電力関係者にとって日本の原発がこのような状態に追い込まれるとは、まさに「想定外」だったことでしょう。

 

(木走まさみず)

 

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コメント
 
01. 2011年5月12日 22:25:20: ZnI43bNMyw
5重の壁を正確に訳すと茶番の壁と呼ぶべきだ。
この国の腐敗は底なしだ。

02. 2011年5月12日 22:30:31: aHPl7NczpY
この通りだとすると水蒸気爆発の可能性が、まだあることになる。
格納容器は修理できない。

03. 2011年5月12日 23:14:16: aHPl7NczpY
原子炉を停止させても崩壊熱を除去するために毎分60トン必要。
東電が発表している水の注入量は1日150トン。
圧力容器の底に4メートルの水が残っているだろうか?

04. 2011年5月13日 17:59:37: EPyzqyl0lc
「まさに首の皮一枚」と「不用意な不安心理に煽られないように」とは矛盾するようだが、これじゃ安心しろと言われても何を根拠に?

05. 2011年5月15日 19:20:37: tEuMUcieh
ザルのようになった圧力容器の底に引っかかっている燃料棒の溶け落ちアンコを
冷やすために、毎時数トンの水をかけ続けるのは、無理がある。

東電は、汚染された水がどこにいっているのか判らず、またわかった時点で
膨大な量のその水をどうするのか何も考えず、ただ水をかける。

もう、廃人の所業だ。


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