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チェルノブイリ:因果関係調査なし 放射線障害孫の代まで
http://www.asyura2.com/11/genpatu11/msg/524.html
投稿者 あややの夏 日時 2011 年 5 月 21 日 10:43:36: GkI4VuUIXLRAw
 

毎日新聞 2011年4月25日 0時58分

http://mainichi.jp/life/health/news/20110425k0000m030103000c.html

 旧ソ連・ウクライナで86年に起きたチェルノブイリ原発事故は、発生から25年となる今も深い傷痕を残している。特に当時の周辺住民は今なお健康被害に苦しみ、原発事故との関連が認められず切り捨てられる例も多い。被ばくとの因果関係がきちんと解明されていないためだ。大気中に放出された放射性物質のレベルは大きく違うとはいえ、福島第1原発事故でも今後、周辺住民への長期にわたる健康調査と配慮が求められる。【キエフで田中洋之】

 「(当時のソ連)政府は深刻な問題は起きないといっていた。それなのに……」

 ウクライナの首都キエフ北東部のデスニャンスキー地区にある自宅アパートで、ナジェージュダさん(56)は孫のイリヤ君(3)を抱きしめた。次女オリガさん(32)の三男イリヤ君は、心臓弁膜症とダウン症に苦しむ。オリガさんは「こちらの話すことは理解しているのですが、言葉が出ないのです」と顔を曇らせた。

 25年前。ナジェージュダさんは、原発職員だった夫と娘2人と一緒に原発から約3キロ離れたプリピャチに住んでいた。原発労働者の町として建設され、当時の人口は約5万人。当時としては最先端の設備がそろい、自然も豊かで住みやすかったという。住民の平均年齢は26歳と若く、活気にあふれていた。

 事故は4月26日午前1時20分ごろ起きた。「深刻な事故とは知らされず、屋内退避の指示もなかった。その日は土曜日で暖かく、子供たちは日中、外で遊んでいた」。住民に避難命令が出たのは翌27日。「(健康被害を抑える)ヨウ素剤も支給されなかった」とナジェージュダさんは振り返る。

 半年後に今のアパートに入ったが、しばらくして家族に健康被害が認められるようになった。別のアパートに暮らす長女レーシャさん(35)は6年前、甲状腺に異常が見つかり、手術で甲状腺を全摘出した。レーシャさんの3人の子供も病気がち。ナジェージュダさんとオリガさんも頭痛などの体調不良に悩まされてきた。

 オリガさんの長男(14)は妊娠6カ月の早産で、次男(10)もぜんそくを患う。三男のイリヤ君は病気のため幼稚園から入園を拒否された。オリガさんは「小学校にはちゃんと通えるといいのですが」と話す。

 イリヤ君は病気と原発事故の関連が認定され、月に166フリブナ(約1700円)の手当を国から支給される。だが、ほかの5人の孫たちは事故と健康障害の関連が認定されず、プリピャチ出身者の子供向けの手当、月16フリブナ(約160円)しか受け取れない。被災者の医療支援を行っているウクライナの民間組織「チェルノブイリの医師たち」のニャーグ代表は「放射線と病気の因果関係の解明につながる統計や調査は、費用がかかることもあり行われていない」とウクライナ政府の対応を批判する。

 ナジェージュダさんが住む地区には約2万人のプリピャチ出身者がまとまって暮らす。元住民でつくる自助組織「ゼムリャキ(同郷人たち)」は互いのきずなをつなぎとめる文化活動を続ける一方、先天的な障害をもって生まれる子供たちを救済するプログラムをつくった。だが事故から25年が経過し、スポンサー探しは難しくなっているという。ゼムリャキ代表のクラシツカヤさん(55)は「次世代の子供たちに健康被害は広がっている。チェルノブイリの悲劇は決して終わっていないのです」と話した。
 

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コメント
 
01. 2011年5月22日 08:22:17: bXYbHSAYgw

*特徴は放射能漏れ

 チェルノブイリ原発事故における大きな特徴は、「放射能漏れ事故」であるという点だ。
 放射能とは「放射線を発する能力」であり、ここではほぼ放射性物質と同じ意味と考えてさしつかえない。つまり、放射線が漏れただけでなく、放射線を出し続ける物質が原子炉の外部に漏れてしまったのが、チェルノブイリ原発事故の最大の特徴だ。

 具体的にいえば、原子炉の燃料だったウラン235が、核分裂によって約半分の質量になることによって生まれたさまざまな放射性物質が、外部の空気中に放出されてしまっている。セシウム137やヨウ素131などがその代表的な物質だ。

 また、ウランの原子核に陽子が二つ増えてつくられるプルトニウムにも、何種類かの放射性物質があって、アルファ線を放出することが知られている。

 「放射線漏れ」ならば、放射性物質は外部に出ていないのだから、その物質をすみやかに隔離すれば、それ以上の放射線漏れは起こらない。ところが「放射能漏れ」が起きると、つまり放射性物質が外部に拡散してしまうと、その物質からの放射線の放出が長い間続くことになる。

 ヨーロッパ各国で食物の流通や摂取を制限したのは、食物についた放射能が体内に入ると「体内被曝」を起こすためである。放射性物質が体外に排出されるか放射能をなくすまで、食べた人が過度の放射線にさらされる可能性がある。

 もちろん、土壌中などに留まった放射性物質からも放射線は出され、体外被曝の原因となる。だが、その場を離れれば被曝せずにすむ、という性質のものでもある。ところが体内に入った放射性物質は、どこまでもついてくる体内被曝をよぶため問題となる。

 チェルノブイリ原子力発電所の事故現場で働いていた人々、彼らは大量の(放射能ではなく)放射線を浴びた。そのため急性で強度の放射線障害を発生させることになって、死亡したり重傷を負った。それは痛ましい事実なのだが、これに加えて事故を大きくしたのが放射性物質が漏れて、大気中に広まったことである。心配される被害予想のケースが、「放射能漏れ」によって大きく広がったことによる。

 その点で心配されたもののひとつが、時間の経過とともに周辺住民のあいだでガンが多発するのではないか、という予測であった。

 *ガン発生は予測より軽度だった

 事故が発生した翌日に、チェルノブイリ周辺の空中では、1時間に平均して10m㏜(ミリシーベルト)の放射線量が測定されたことから、住民に避難命令が出されている。発電所を中心とした、30キロ圏内から避難した住民が受けた放射線の量は、平均して33m㏜(ミリシーベルト)。内訳としては、外部被爆が20m㏜(ミリシーベルト)、内部被爆が13m㏜(ミリシーベルト)と評価されている。

 こうした放射線の影響が、ガンとなって現れることが心配された。そしてヨウ素131が原因と思われる子供の甲状腺ガンの数は、確かに増えたとされる(日本の規制値の17〜450倍以上のヨウ素131を含む牛乳を摂取したことによるものと考えられ、福島第一原発事故では、乳製品に対して早期に規制が行われた)。

 ヨウ素131の半減期は8日、つまり8日ごとに半分の量となるため、短い期間で消えるとされる。ところが、ヨウ素は体内に吸収されると甲状腺に集中する性質がある。そのためだろう、事故から10年後の調査として、事故時に被曝した(細胞分裂がさかんな)幼児や小児に甲状腺ガンが増えているとの報告があったのである。

 では、その他の晩発障害、とくにガンの発生に対する影響はあるのだろうか。誰もが心配した可能性であった。

 しかし、事故から14年後に発表された、国連科学委員会の2000年報告は意外な内容であった。「事故時の小児集団における甲状腺ガン以外のガンの増加は、確認されていない」。事故による放射性物質で汚染された隣国ベラルーシ周辺の地域に住んでいる人でも、その地域の放射線のレベルは自然放射線のレベルと同じくらいか、せいぜい数倍にしかすぎなかったと報告書はいう。

 さらに今後、放射性物質は減少するのであるから、将来にわたっても、事故による健康への悪影響を恐れて生活する必要はない、としたのであった。


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