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足柄のお茶はなぜ汚染されたか 関東平野の放射能汚染状況 ――福島原発震災 チェルノブイリの教訓(8) ダイヤモンド
http://www.asyura2.com/11/genpatu12/msg/370.html
投稿者 赤かぶ 日時 2011 年 6 月 06 日 01:36:11: igsppGRN/E9PQ
 

足柄のお茶はなぜ汚染されたか 関東平野の放射能汚染状況
――福島原発震災 チェルノブイリの教訓(8)
http://diamond.jp/articles/-/12566
【第176回】 2011年6月6日 坪井賢一 [ダイヤモンド社論説委員]


 筆者は「福島原発震災 チェルノブイリの教訓(4)」でこう書いた。

「福島原発の事故は、国際原子力事象評価尺度(INES)でチェルノブイリ原発事故並みのレベル7に引き上げられた(4月12日)。放射性物質の総量が未発表なのでなんとも言えないが、原子力安全・保安院と東京電力の記者会見を報じた各紙記事によると、放出された放射性物質の量は数十万テラベクレル(保安院と原子力安全委員会の推計で差がある)で、チェルノブイリの520万テラベクレルに対して10%だということだ(1テラベクレルは1兆ベクレル)」

「初期の爆発と1週間後の火災による大量飛散によるものと考えられる。レベル7は1−3号機に関する評価であり、4号機は核燃料プールの事故だから含まれていないが、全4機の内部に存在する放射性物質の総量はチェルノブイリより多いのは当然で、4倍から数倍だろう」

 この記事を書いた時点(4月10日)より詳細が分かってきた。後述するが、「事故1週間後の火災」によるものではなく、降雨による影響だと分かった。

 1号機の爆発前から放射性物質は外部に出ているので、津波ではなく、地震によって原子炉のどこかが破損し、放射能が漏れたことになる。その後、津波によって冷却装置が動かなくなり、燃料棒は1、2、3号機とも短時間で全面的に溶融(メルトダウン)したと推定されている。

 つまり、大量の放射性物質が環境に放出される「最悪の事故」はすでに起きていたことになる。チェルノブイリとの違いは、大爆発による大飛散か、小爆発による飛散かの違いだけだ。

 大と小の差が10分の1ということになるが、大気中に放出された放射性物質よりも、現在、汚染水10万トンのなかにある放射性物質は72万テラベクレルと、こちらのほうが大量にある。

 うまく処置しないと本当にチェルノブイリ並みの事故になってしまう。いま、なんとなくニュースが減り、なんとなく原発全体が落ち着いているように思えるが、実態はどんどん悪化している。現場で作業している方々には感謝の言葉もないが、私たちはよく情報を収集し、生活に役立てるよりほかはない。

 東京の放射線量のグラフをご覧いただきたい。東京都健康安全研究センターが毎日公表しているデータだ。

 このグラフを見ると、3月15日がピークで毎時平均0.5マイクロシーベルト(グラフはマイクログレイだが、ほぼ同じ)、16日、17日と高く、その後減衰して21日に再び上昇し、0.15マイクロシーベルトへ。再び徐々に減衰して現在は0.05マイクロシーベルト付近に留まっている。これは平常時並みの線量だという。ちなみに、福島市や郡山市は現在、1マイクロシーベルト台なので、現在は東京地方より二桁高い線量である。

 地震発生から時系列で爆発事故を見てみよう(時刻は原子炉・安全保安院の発表資料による。「推測」は筆者による)。

3月11日 地震発生
3月12日 午前6時00分ごろ 1号機 メルトダウン(推測)
午後3時36分   1号機 水素爆発
3月14日 早朝       3号機 メルトダウン(推測)
午前11時01分   3号機 水素爆発
3月15日 午前 6時10分    2号機 爆発音(圧力抑制室か)
2号機 メルトダウン(推測)

 福島県でも東京でも、放射線量のピークは3月15日から17日である。これは3月15日の早朝に爆発した2号機から大量に飛散した放射性物質の雲(プルームという)が、北西の飯館村を経て中通りの福島市から東北本線沿いの谷を経て郡山市にいたり、さらに南下して関東平野に出たと思われる。一方、南下した放射能の雲は海岸沿いに茨城県を経て南西方向に出たのではないか。

 風速にもよるが、だいたい7〜8時間で東京へ到達する。もちろん1、3号機からも出ているはずだが、風向きの関係で2号機からの放射性放出物が関東平野まで達したのだろう。

 3月21日の2度目のピークは降雨によるものだ。東京地方はこの日、終日雨が降り、空中の放射性物資が大気の微粒子に付着して降下した。したがって、この日の放射線量が上昇したわけだ。放射線量は15日より低いが、ヨウ素131、セシウム137が大量に降下したと思われる。水道水の汚染もこの雨による。

 福島県と茨城県の農産物から基準値を超える放射性物質が検出され、出荷停止となったのは原乳が3月16日、ホウレンソウなどの野菜が18日採取分からである。その後、北関東と千葉県北部に広がった。

 東京地方の被曝は3月下旬によるもので、現在、大気中の放射線量はほぼ正常にもどっている。しかし、3月下旬の被曝は相当量であり、注意する必要がある。チェルノブイリ原発で放出された放射性物質の総量は広島型原爆の300発分とも言われている(放射線被曝者医療国際協力推進協議会による)が、福島がその1割だとすると、原爆30発分の放射性物質が飛散したことになる。

 私たちは放射能とともに暮らさなければならない。可能な限り被害を少なくし、しかし社会生活も送らなければならない。

 葉物野菜は、よく洗えば付着した放射性物質はかなり落ちるので、たとえ流通している野菜でもよく水洗いしたほうがよい。食事は毎日摂るのだから、洗って食べるしかないのである。とにかく自衛しながら注意深く食べよう。

 3月15日の2号機爆発からほぼ2カ月経過した5月11日、神奈川県南足柄市でお茶の葉から1キログラム当たり500ベクレルを超えるセシウム137が検出され、東京圏の市民を驚かせた。福島原発から300キロメートル離れているからである。その後、神奈川県西部の6市町村からも茶葉から規制値以上のセシウム137が検出された。

 5月16日になると茨城県、20日には千葉県と検出が続いた。箱根山の手前で放射性降下物が特異的に固まって落ちたと想像していた人が多かったが、そうではなく、ほぼ関東全域で、かなり時間が経過してから検出されたわけである。

 6月2日、厚生労働省医薬品局食品安全部は以下の指示を各県に出した。

○4月4日、食品の出荷制限・摂取制限の品目・区域の設定・解除の考え方が原子力災害対策本部の対応方針として発表されました(4月4日付けプレスリリース「食品中の放射性物質に関する暫定規制値の取扱い等について」)。
○これに基づき、昨日までの検査結果から、本日、原子力災害対策本部は、原子力安全委員会の助言を踏まえ、
(1) 茨城県に対し、茨城県において産出される茶
(2) 神奈川県に対し、神奈川県の一部地域において産出される茶
(3) 千葉県に対し、千葉県の一部地域において産出される茶
(4) 栃木県に対し、栃木県の一部地域において産出される茶
(5) 福島県に対し、福島県の一部地域において産出されるウメ
について、出荷制限を指示しました。

 そして、生の茶葉を乾燥して出荷する荒茶も1キログラム当たり500ベクレルの規制値を準用し、検査することとした。

 ところが、植物は9割が水分なので、荒茶にすると10倍に濃縮されるため、500ベクレルでは5000ベクレル程度に濃度が上がることになる。今後、出荷停止になる荒茶が増え、関東平野を越えて検出されるだろう。通常、お茶を飲む場合はお湯で希釈されて薄くなるため、飲用段階のお茶はそれほど心配することはない。

 乾燥させれば濃縮するのは当然なので、本来は荒茶の規制値を上げるべきであろう。このままの荒茶の基準値では、お茶を飲めなくなるかもしれない。荒茶をそのまま食品に加工する場合は別である。別の規制が必要になる。

 すでに関東地方も異常事態であり、異常事態下の食品安全基準を食品個々の性格を反映させて精密に規定しないと、飲食する物が減少していくことになる。

 お茶の場合、葉に放射性物質が付着したわけではない。3月下旬から2か月近くも経っているので、土壌のセシウム137を根から吸い上げ、葉に収めたものと考えられる。関東全域なので、地理的な条件ではなく、植物としての特性として表れたのかもしれない。

 同様に、根菜類のニンジン、ダイコン、イモ類も土壌から吸い下げることになるので、注意する必要がある。当然、当局も注意を呼び掛けている。洗っても落ちないからである。

 関東の空間線量率は、茨城県以外はおおむね平常値(毎時0.02−0.05マイクロシーベルト)に戻っているようだが(計測方法の違いがあるとはいえ、単位はほぼ変わらない)、千葉県の東葛地域(野田市、柏市、流山市、松戸市、我孫子市、流山市、鎌ヶ谷市)の放射能濃度が他よりも高い、という情報が3週間前くらいからネット上をかけめぐった。


拡大画像はこちらをクリック 市民の要請を受けて松戸市が独自に5月23日から15か所で観測しているのだが、その結果をみると、最高で毎時0.581マイクロシーベルトと、たしかに高い。茨城県南西部から東葛地域にかけて、他よりも高い数値が出ていることになる。福島原発に近い茨城県よりも、むしろ松戸市のほうが少し高めである(2011年5月31日の松戸市の観測結果は右の表参照)。

 前述の東京都健康安全センターの数値と比べると、一桁上である。5倍から10倍高いことがわかる。観測方法の違いがあるので結論は出せないが、平時の数値より高いことは間違いない。3月21日の降雨で関東全域の放射能濃度が2度目の上昇をみたが、そのときの水準のまま推移しているようだ。だからといって危険な数値といえるほどではない。福島市などの半分以下である。しかし、これが日常的な放射線量で、何年も続く事態になるとまずい。

 松戸市による独自の計測は自治体の対応として正しい。千葉県も東葛7市を5月31日と6月1日に計測し、6月2日に公表している。

放射線測定結果
http://diamond.jp/mwimgs/d/b/-/img_db7bed18f38395b2e940e6980068647e97886.jpg

 これを見ても桁が一つ上、小数点1位の値が出ていることがわかる。もっと計測範囲の自治体を増やし、定期的に観測を続けると、市民には非常に有益な情報源となる。すでに6月1日には周辺の自治体がそれぞれ広範な計測を行なう予定だったが、雨天のため6月6日以降に順延されている。

 千葉県の各自治体は観測条件や観測機器の情報も公開しているので、初めて正確な実態がわかるだろう。茨城県は以前から各市一か所の観測結果を定期的に公表しているが、千葉県の各市は市内数か所以上で毎日一斉に観測することになる。

 千葉県のホームページにはこう書いてある。松戸市もほぼ同じ内容だ。

 千葉県が実施した東葛地域における空間放射線量の測定結果は、下記のとおりでした。
各地の放射線量は、文部科学省が示している校舎・校庭等の利用判断における暫定的な目安(1時間あたり3.8マイクロシーベルト)、さらには、放射線量低減策を実施する場合の指標(1時間あたり1マイクロシーベルト)を下回りました。(千葉県環境生活部大気保全課 6月2日)

 これには注釈が必要だ。

 毎時3.8マイクロシーベルトとは、屋内にいる時間などを考慮したさまざまな条件をつけ、年間20ミリシーベルトにおさまるという数値である。20ミリシーベルトは「ICRP2007年勧告」で規定されている緊急事態の下限、事故収束時の上限で、長期間の被曝を想定しているものではない(「福島原発震災 チェルノブイリの教訓第6回」参照)。長期的には一般公衆の被曝限度は年間1ミリシーベルトである。

 福島市や郡山市の市民が文部科学省へ直接抗議し、低減策を実施する指標として毎時1マイクロシーベルトとした。文科省は校庭などの年間積算量も20ミリシーベルトから1ミリシーベルトへ下げる、と言っているので、本当は毎時3.8マイクロシーベルト基準も20分の1にしなければ計算は合わない。3.8の20分の1は、毎時0.19マイクロシーベルトとなる。毎時1マイクロシーベルトを除染の基準にするのは短期的にはいいが、長期間に及ぶ場合は再検討する必要があろう。

 以上の数値を勘案すると、東葛7市のデータ、すなわち小数点1位の値はやはり高いと言わざるを得ない。放置しておけばこのまま20年から30年は変わらない。子どもの健康を考えれば、「できるだけ下げるべき」というICRP(国際放射線防護委員会)の勧告どおり、小数点2位まで下げる作業が必要になる。もちろん校庭だけでいいと思うが。

 私たちは異常事態下にある。その中で生活するのだから、定期的で安定した検査体制のもと、正確なデータを入手する必要がある。データを提供できるのは自治体だけだ。千葉県でようやく始まった精密な観測に期待したい。ほかの自治体も千葉県と同じように始めてもらいたいものだ。

※「福島原発震災――チェルノブイリの教訓」シリーズの過去記事はこちら

(1)チェルノブイリの教訓を生かせ
(2)子どもの甲状腺被曝検査の継続を
(3)ソ連政府はどのように収束させたのか
(4)汚染食品のデータをどう読むか
(5)「クリーンエネルギー原子力推進」をだれが言い出したのか
(6)学校の放射線許容量はなぜ迷走しているのか
(7)菅首相の「浜岡原発停止要請」は唐突ではない
 

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コメント
 
01. 2011年6月06日 07:12:58: 8HikxGtgtU

 浜岡原発 震度4で 一部崩壊 放射能をまき散らす

 => 静岡の茶畑で 放射能汚染

 => 米軍基地で 放射能検知 => 日本政府に連絡

 => 海江田 浜岡視察

 => 菅が 海江田の手柄を横取りして 浜岡原発の停止を発表

 

 結論 : 原発は 震度4でも壊れる  震度6では 100%壊れる

      日本の原子力発電は 全て危険
 
 


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