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「原発汚染水で太平洋岸を壊滅させるな！ 最優先として汚染水対策をせよ。海を殺すな！」
2011年 6月 11日 時代をみる たんぽぽ舎山崎久隆
＜山崎久隆（やまさきひさたか）：たんぽぽ舎＞

「原発汚染水で太平洋岸を壊滅させるな！ 最優先として汚染水対策をせよ。海を殺すな！」　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　山崎久隆

　原発汚染水が限界に達しつつある中、福島第二原発の汚染水まで海に投棄すると言い出した。汚染を除去してから捨てるとしているが、汚染水を投棄するなど、もはや耐えられるような状況に無いのを理解していないらしい。
　さらに第一原発の汚染水も、このままいけば、大量に海に流出し、千葉以北の太平洋岸は壊滅的打撃を免れない。

　いま溜まっている10万トンを超える汚染水は、内蔵放射能量はおそらく100京ベクレルを遙かに超え、いままでに放出した77京ベクレルの倍以上になるかもしれない。その中には、大気への大量放出は辛くも免れたストロンチウムやプルトニウムが大量に含まれている。
　海棲生物に数百ベクレルのストロンチウムやプルトニウムが見つかれば、その漁場は相当期間放棄せざるを得ないだろう。田畑ならば土地の除染（客土だけで無く化学除染もコストをかければ出来る）も可能だが、海ではどうしようもない。
　セラフィールド再処理工場汚染では、2200兆ベクレルの汚染物を十数年にわたって垂れ流しにしたため、陸上部でがんや白血病などが多発した。主にセシウム、ストロンチウム汚染だった。福島で放出された放射性物質は既にセラフィールド再処理工場汚染の二年分に相当する。さらに流出しようとしている放射能は、その50年分（あるいは50倍）にもなる。これを止めなければ、汚染規模はそのうち太平洋全域に拡散する。その恐ろしさについて東電はいっこうに理解していないようだ。
　もし、放出された放射能が千島列島で取れる海産物で発見されれば、ロシアから莫大な賠償請求をされる。さらに海流に乗ってカナダ、米国沿岸に到達したら、いったいどれほどの補償を求められるだろうか。その後、ハワイ諸島、カリフォルニアの沿岸部に到達したらどうなるか。
天文学的な賠償請求を受けることになる。払えるかどうかなんて次元では無く、国際的に日本は最悪の汚染国、ロシアがソ連時代を通じて北極海などに海洋投棄してきた放射性物質に対して私たちが抱いた感情と同じ感情を世界中の人たちが私たちに対して抱く。

　こういう恐ろしさを感じ取っているのならば、最優先課題は汚染水の処理と敷地のがれき撤去、そして放射性物質の地下への流出を止めることだ。しかし、そういう行動を真剣にとっているとも思えない。主観的にがんばってみても、これまで出来ていないのだから、とにかく世界中に救援を求めるべきだし、日本原燃や原子力研究開発機構の高レベル放射性廃棄物を取り扱うノウハウを持ったメンバーを入れているはずだ。アレバ社製の除染システムは、あまり信用できない。
また、アレバ社製の装置にのみ頼り切り、他に複線で対策を並行的に試みていないことは、そもそも３・１１に犯した失敗そのものだ。電源回復と言えば電源車しか頭に無い、回線回復と言えば、従来通りの送電線をつなぎ込むことしか考えていない、水を入れると言えば、減圧にベントしか考えていない。
複線でいろいろな方法を同時並行に行うことが出来ない、硬直した対応は、また失敗してしまう可能性が高い。
　背に腹は代えられない、かっこつけてる場合じゃ無い、なりふり構わず何とかする。政府が何と言おうと危機的状況だと世界中に発信する。ＨＰに英文で「ＳＯＳ」と書いたって良いじゃないか。
　そういう行動をとれない人たちが、今の東電を動かしているのだから、絶望的なのだ。
　しかし私たちは絶望していたら、こんどは海を失う。

たんぽぽ舎　「地震と原発事故情報　その９１」より転載。

〈記事出典コード〉サイトちきゅう座 http://www.chikyuza.net/
〔eye1450:110611〕

　２　８１　＋− 　

コメント
01. 2011年6月13日 16:51:51: 6t3Z2XpZpc 今や原子力専門家が手におえる段階をとうに超えている。 東電の発表、マスコミの報道はいずれも枝葉末節のことばかり。 どこを見ている。
02. 2011年6月13日 18:34:51: dzqRyfwCmo 原発事故から90日。冷温停止状態にする作業の進展はゼロでしょう。 3月の爆発以来何も変わっていない。それどころかかえって悪化をたどっている。 何かの方法を見つけて欲しい。
03. 2011年6月13日 20:16:02: BwAUx1wnG2 福島第一は、水のかわりにスズを入れ、汚染水の増量をなくした上、敷地の下を掘り、壁を作りプールにして建物ごと水没させ冷やす。第二の汚染水は、いくつかため池を作り、そこへ移動させ、ＥＭ菌や光合成細菌、ゼオライトをたっぷり入れて待つ。など、できることを考えて実行する。海洋放棄したら、どこかの国につけいられる口実ができる。地球汚染だから。東電では無理だから、国がやらなくては。
04. 2011年6月13日 21:13:08: h6cbKB908I 東電は最初から海に垂れ流すつもりだったから、かれらは何も感じていない。 放水作業をするときに、かける水の量ぐらいは見積もって、オーバーフロー 対策は、その時点から始めないといけない。 後手にまわっていたのでなく、最初から見こして放置していたと思いますよ。 政府は、作業プランの監視ぐらいはやってほしいものです。
05. 2011年6月14日 00:58:16: pL7l18nKe6 土木屋に登場願う。 ゼネコン使わないといけませんな。 とりあえず地中壁と堤防作ってくれ。 20km圏存分に使ってください。 ゼネコンだと被曝がネックになって駄目かな。 そうなると自衛隊か。
06. 2011年6月14日 02:27:18: HYHUspnQ6g もうダメだよ。みんな癌になって死ぬんだよ。 北太平洋を死の海にして、日本人なんか滅んだほうがいいよ。 俺も癌になったら、諦めるよ。 どうせ抗がん剤使っても助からない。 放射性のセシウムとかヨウ素とかその他の核種を、毎日どんどん吸い込んでいる。多分、プルトニウムやウランのパーティクルも吸い込んでいる。 この状況で、癌にならないほうがおかしい。 生まれてくる子どもも奇形児が多発。子孫の遺伝子も永遠に傷つけて、まったく自民党に投票した人は、いますぐ責任とって死んで欲しい。 俺は、ずーと社民か共産に投票してきた。しかし、こんな事故が起きたら、もう取り返しがつかない。金持ちにも貧乏人にも、男にも女にもあらゆる人々の上に放射能は降り注ぐ。メルトスルーして暴走中の原子炉は、何年も止まらない。今後も、大気中にものすごい量の放射能をばら撒いて何十億人も被爆させてしまう（福島大学の測定では上空８ｋｍまで舞い上がっている。これから全世界に降り注ぐ）。まさか、人類滅亡の引き金を引いたのは日本人だったとは。いくら、原爆落とされたからといって、こういう形で世界に復讐するのはおかしいだろう。原爆落とされて、放射能の恐ろしさを知っているからこそ、原子力なんて永遠におさらばすべきだったのだ。原爆落とされて学習できなかった日本人、そして学習させてこなかった文部科学省に責任がある。しかし、責任の所在をはっきりさせても、原子炉の暴走は止まらない。もうすぐ円が紙切れになって、敗戦直後と同じ状態になる。日本の電化製品・クルマなども放射能がついているので輸出できない。どうやってご飯を食べてゆくのか見当もつかない。絶望。
07. 2011年6月14日 02:42:20: pL7l18nKe6 海外に逃げてはどうでしょう。おれは南半球行ってみたい。 とりあえずタクシーの運転手でもやろうかな。
08. 2011年6月14日 09:44:43: 7jY4J1TYD6 政府や東電は、福島原発をなぜ封印しないのだろう？ どのぐらいの環境（空気・海洋）汚染進行で、人間がどうなるのかを実験しているのだろうか？　政府関係者は、自分とその家族は大丈夫という対策をお持ちなのでしょうか？　自分だけが生き残れるという発想に関しては、疑問を持ちます。

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