１週間前の番組紹介です。ＮＨＫ総合201107060815あさイチ「特定避難勧奨地点」

原子力災害現地対策本部は、６月３０日、特定避難勧奨地点を設定したとして福島県伊達市に通達しました。
http://www.meti.go.jp/earthquake/nuclear/pdf/20110630nisa-2.pdf

それに先立つ２８日、住民説明会が伊達市立小国小学校の体育館で行われました。７月６日朝８時１５分からのＮＨＫ総合での番組「あさイチ」で取り上げられていましたので、ユーチューブにアップしておきました。
http://www.youtube.com/watch?v=iX_YMGvYk9c

以下は、質疑の要点だけ抜粋します。回答者は、原子力災害現地対策本部　住民支援班長　佐藤暁氏：

Ｑ：避難せずにここに残った場合、私たちはどんなリスクを背負うのでしょうか。

Ａ（佐藤暁氏）：健康影響っていう形でゆくと、その生活をですね、普通に生活される分については、国としてはですね、制約をもうけるわけではないということですので、普通にお暮らしいただいて問題ないという風に考えているところでございます。

Ｑ（秋葉知子さん）：特定勧奨避難というその設定で、こんなに待っても、選ばれた子供しか助けてもらえないんだって思ったのが一番悲しいことです。（拍手）漏れても、その子どもたちを守るためにちゃんと手当はしてくれるんでしょうか。

Ａ（佐藤暁氏）：えー、こうした放射線被曝でですね、健康影響が確認されるというようなことが将来的にある場合にはですね、当然その因果関係も含めて整理されるべきことかと思いますし、最後はですね、大変申し分けにくいことなんですけれども、司法の場での話しになる可能性もありますけれども、そうしたことについて出来る限り、対応というのは国として、誠意を持ってやってゆくべきことだと、、、、やや基本的な対応になってしまいますけれども、、、、まずはですね、そうした放射線による健康影響のないような取り組みを、、、、

枝野官房長官は、フクシマ原発が爆発した事故当初から「健康に直ちに影響を与えるものではない」という言葉を繰り返しましたが、その背景には、１）低線量被爆による晩発性の健康被害といった因果関係の証明しにくい問題については、２）原発事故の損害賠償にかかる国家財政の負担を極力抑えるために、３）立証責任を持つ原告側に有利になるようなデータを行政としてはなるべく実施しない＋残さない、ことに留意し、４）それでも、損害賠償請求をされてしまうときには、安易に示談に応ずるというのではなく、司法に場を移して、あくまで行政の責任として国の財政負担を軽減することに最大限努力するのが行政官の責務であり、５）住民の安全を確保するという項目を基本（重要事項）に据えることは考えない、、、と、云うことなのだと思います。

特定避難勧奨地点として行政に認定してもらえなかった世帯や、政府の勧奨に応じなかった住民に対にとって「私たちはどんなリスクを背負うのでしょうか」との質問に、「制約を設けるわけではない」との回答です。要は、原発事故が放出した放射線被曝に起因するあらゆるリスクは自己責任で管理し、損害賠償は司法の場で国家が総力を挙げて対抗する、という意見表明ですね。小泉元首相あたりから具体的に云われ出した自己責任論を、社会に浸透させる政治圧力が強く働いているのだと思います。 　

コメント
01. 2011年7月13日 00:58:17: h6cbKB908I 最高裁をおさえている国は、訴訟には絶対負けない。 スポーツの審判は、はたから見てあまりにおかしい判定はめったにしない。 しかし、裁判所の審判は、はたからの目は一切気にしないから、まるで おかしい判定を日常茶飯事に行う。 こんな、審判で庶民は国と争って勝てるわけがない。
02. 2011年7月13日 05:11:52: wsWc39Z9rI ＞当然その因果関係も含めて整理されるべきことかと思いますし、最後はですね、大変申し分けにくいことなんですけれども、司法の場での話しになる可能性もありますけれども、・・・ 本当に重要なレポートでしたね。 投稿者さん、ありがとう。お疲れ様です。 訴えられたときの対抗措置というものを考えながら国は行動しているとはっきり言明しました。 こちらも急いで対抗しましょう。
03. 2011年7月13日 06:14:30: A4GQ7o9O02 すばらしい投稿ありがとうございます。 国民の命よりカネの方が大事だと考えているこの「日本」という国家。 非情な国家ですね
04. 2011年7月13日 10:08:55: frMKFGYAcg 今の体制を倒さなければ、永久地獄が続くと言うこと。
05. 笠井一朗 2011年7月13日 11:45:04: hjlOpqOBwUqa. : EFTq3JikJY 本件と小出さん発言とをからめて、「種まきジャーナル」録音サイトに http://www.youtube.com/watch?v=cPTpDJtoEjs コメントをアップしておきました。ご参照下さい。
06. 2011年7月13日 13:30:17: oz33FCcPgo 累積50ミリシーベルトで白血病で亡くなった嶋橋伸之氏は、 浜岡での作業を詳細に記録していました。 その記録が有力な証拠になって労災が認められました。 裁判でも大きくものを言うのが記録です。 とくに福島の皆さんには、事故以後、家族の誰が、どこで何をしたか、 細かく記録しておくことをおすすめします。 学校では校庭など屋外にどのくらいの時間いたか、どんな活動をしたかが重要です。 線量計での測定も日付を入れて写真、ビデオに撮っておく。 食品は専用の装置がないと汚染は測れませんが、せめて何をどのくらい食べたか 記録しておくと良いと思います。（産地、ブランドなど） 定期的に髪の毛を数十本、根元から切って保管しておくのもいいらしい。 毎日マメに日誌をつけると良いと思います。
07. 2011年7月13日 21:22:54: JZ3J0fnQLo 　裁判にはお金と時間がかかるので、泣き寝入りする人が多いのが現実。 　被災者に更に費用と被害実証の負担が増加する。 　国は税金と公務員の仕事で対応するから最高裁まで争ってくるだろう。 　枝野官房長官は弁護士だから百も承知の上での判断だ。　 　チェノブイリ原発による汚染では「健康に影響がない。安全だ 」が政府見解だった。 　「安全に問題があり健康に影響があった」と反論できる。 　しかし「健康に直ちに影響を与えるものではない」に対する反論は更に困難だ。 　記録をつけることと行政にしっかり要求することを薦めます。負担が増加ですが 　第一、国民の健康を守るのは政府の責任でしょう。
08. 笠井一朗 2011年7月23日 06:27:14: hjlOpqOBwUqa. : 1coBB6HG6A ビデオファイルの格納場所を変更しました 　７月６日朝８時１５分からのＮＨＫ総合での番組「あさイチ」をユーチューブに http://www.youtube.com/watch?v=iX_YMGvYk9c アップしておいたのですが、２３日の昼頃、ＮＨＫから強力な著作権侵害の報告があった模様で、ユーチューブからアカウント削除の可能性を示唆されました。アカウントを削除されては堪らんと、スゴスゴ自主的に削除しました。但し、現時点で、ビデオは http://www.youtube.com/embed/iX_YMGvYk9c 直リンク？でなら閲覧できるようです。ローカルサーバーに反映されるまでに時間がかかるのでしょう。ローカルに保存していなかった私も急いでダウンロードしておきました。 　私は、マスメディアのニュース報道に著作権を認めることはしません。ニュースにするからには、その素材は公共性を有するものであり、情報は特定少数に管理されるべきものではないでしょう。「あさイチ」については番組仕立てになっているので、著作権を主張したいＮＨＫの気持ちも分からぬ訳ではありませんが、所詮、ニュースはニュース、ＮＨＫはニュースに登場した人物の肖像権を、ニュース番組ということで暗黙の了解で利用しているわけで、素材には無断に、利用者には著作権を主張するというダブルスタンダードは成り立ちません。 　まずは、 http://kasai-chappuis.la.coocan.jp/NuclearPowerPlant/mp4/NHK20110714Asaichi.mp4 こちら（20m14s200165kB）からダウンロードして下さい。

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