よく見ると、「犠牲」という言葉の中には「牛」が２頭もいる。漢字のふるさと中国では牛は神にささげる大切な生き物だった▼動物の性別を表す「牡牝（おすめす）」も牛が寄り添う。立派なごちそうを「大牢（たいろう）」という。ここにも牛がいた。熟語や慣用句の中に「牛」を見つけて人とのつながりの深さを考えるのも面白い。小学生のみなさん、夏休みの自由研究にどうだろう▼人類の脳が大きくなり始めたのは、２４０万年前ごろという。大きな脳を維持する栄養源になったのが肉食だったという説もある。最古の肉食の証拠となる石器で肉をそいだ跡のあるウシ科の動物の骨が、エチオピアの古層から出土している（三井誠「人類進化の７００万年」講談社現代新書）▼牛は消化管の中に大量の微生物を“飼って”いる。食べた草は微生物の餌になり、発酵で生まれる有機物や増殖した微生物が消化されて肉や乳に変わる。われわれの遠い祖先が道具をあみ出し、言葉を使い、共同生活を営むことができる脳の発達を助けたのも、牛の遠い祖先が生産した良質タンパク質だったと思うと頭が下がる▼人と牛は長い時を牛歩のごとくゆっくり一緒に歩んできた。それなのに−。近年は口蹄（こうてい）疫や牛海綿状脳症（ＢＳＥ）で大量処分されるなど牛の受難が目立つ。そこにセシウム汚染とは▼命を受け渡すことなく「犠牲」となった魂は、どこへ行けばいいのか。

http://www.hokkaido-np.co.jp/news/fourseasons/307990.html
　

コメント
01. 2011年7月29日 12:40:32: rWmc8odQao 河上みつえ氏 「『国会は何をやっているのか？！怠慢です！』…法律を犯してまで放射能汚染と闘い、無為無策な国会に怒りをぶちまける（児玉龍彦氏の）勇気と正義に心揺さぶられた。」 http://twitter.com/#!/kawakamimitsue/status/96746448057667587 （YOUTUBEリンク） http://www.youtube.com/watch?v=O9sTLQSZfwo&feature=player_embedded#at=237 内部被曝の専門家のお話しとお怒り。 まずは「プルトニウムは飲んでも大丈夫だという東大教授がいて、ビックリしました」というご発言を聞いて安心しました。東大内にもトンデモがいるので、なんとかしてください。 そして内容は、アルファ線による、ドライバーミューテーション、パッセンジャーミューテーションについてのご説明です。集積点を見なければホールボディスキャンをしても全く意味がないそうです。 東大理科系にも良識派がいた。よかったです。
02. 2011年7月30日 10:52:09: aLy3dmWqTI 北海道新聞、牛の受難をのんびり心配してる場合じゃないぞ。いいかげんに目を覚ませ。

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