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原子力は「この世のものではない」あの世のものだ!
http://www.asyura2.com/11/genpatu16/msg/260.html
投稿者 広島県内 日時 2011 年 9 月 05 日 17:03:46: 6oUx8U33ypvD6
 

吉岡英介氏HP「水は変わる」より転載
http://www.minusionwater.com/
記事直
http://www.minusionwater.com/konoyo.htm

季刊文科(鳥影社)という文芸誌があります。

10年以上も前のことになりますが、私はアトピーについて文章を書き、それを出版してもらいたいと、あちこちの出版社に原稿を送りました。それが長野県の諏訪にある鳥影社という出版社の社長であり編集者である百瀬精一さんの目にとまって、同社で出版してくださることになりました。
その百瀬さんから、きのう、季刊文科が「謹呈」として送られて来ました。
刊行して53号ということで、季刊ということは年4回ですから、もう10年以上も刊行されているわけですが、これまで送られてきたことはなく、謹呈を受けたのは今回が初めてです。
少しいぶかしく思いながら中をパラパラと読むと、編集人の1人である松本道介さんという昭和10年生まれのドイツ文学者が、視点というコラムを53回連続で書かれていて、今季号のそこに、「転機への予感」として原発についての論評を書かれていました。
たぶん百瀬さんは、私のこのサイトを読んでくれていて、それで送ってくれたようです。
その「転機への予感」の最後に次の文章があります。

一体、原子力の世界、放射線の世界にはなぜ「解決」がないのだろう。なぜ匂いもなく味もなく刺激もないのだろう。こうした「なぜ」の問いに私のごとき人間に答えることが出来ないのは当然のことながら、最近私の頭に浮かぶ比較的単純な答えは、原子力とか放射能とかいうものが、この世のものでないからではないかということである。
この世のものではないと言うと、死の世界だということになるが、死という方角ではなく、科学が進みすぎて人間の思考力や判断力の及ばない領域に入りこんでしまったせいではあるまいか。

これはなかなかユニークな視点ですが、事実でもあります。
私の「脱原発の道」の講演を聴いて、多くの方が「わかりやすかった」と言ってくださいます。
そこには1つのポイントがあります。原子力についての多くの講演や解説や書物が一般の人に分かりにくいのは、それらのどれもこれもが、「核分裂とは何か」というところから始まっているからです。なるほどウランが核分裂してすごいエネルギーが出てくるのか、と一応は理解できても、根本のところで釈然としません。
それに対して私は、そのもう一つ前の段階である、「燃えるとは何か」から話を始めています。すると、普通に燃えるということと核分裂との違いがはっきりと分かってもらえます。そうすればそこから先は簡単に理解できて納得できるのです。

以下、講演のその部分をご紹介します。
http://www.minusionwater.com/slideshow1.htm


さて、原子力の話が一般の方に良く分からないのは、根本のところの説明が省略されているからです。物が燃えるという普通の現象と、原子力とはどう違うのか、それほど難しい話ではないのですが、誰もていねいに説明してくれません。
まず、燃えるとはどういうことかを説明します。上図で、左側は植物が生長していく様子です。
植物は大気中から二酸化炭素CO2を吸収し、土中から水H2Oを吸収して、太陽のエネルギーを利用して炭水化物(幹や葉や実)を作り、酸素をはき出します。これを光合成(炭酸同化作用)と言います。これが私たちが小中学校の理科で習ったことです。
しかし本質はちょっと違います。本当は太陽の光が主役なのです。「植物は二酸化炭素と水を利用して太陽の光を体内に閉じこめる」のです。つまり植物とは太陽の光のエネルギーが蓄えられたものなのです。
木がぼうぼうと燃えたとします(右の絵)。それは、植物の中にある炭水化物が大気中の酸素と化合(酸化=燃焼)して、二酸化炭素と水になり、蓄えてあった太陽の光を熱として放出するという現象です。放出されたエネルギーはやがて宇宙へと戻ってゆきます。
これが普通の「燃える」という現象です。

同じように、カブラ(炭水化物)は太陽の光が姿を変えたものです。そこにウサギがやってきて、カブラを掘り出して食べます。ウサギは酸素を吸って、食べたカブラと化合させることで、カブラに蓄えられていた太陽のエネルギーを取り出して、心臓を動かしたりピョンとはねたりし、二酸化炭素と水と熱を放出します。これも燃焼のひとつのかたちです。
このように炭素や酸素は、ある時はカブラになり、ある時はうさぎになり、ある時は空気になって、くっついたり離れたりするたびに太陽のエネルギー取り込んだり吐き出したりしてグルグルと回ります。地球の動植物の営みのほとんどは太陽の恵みによっています。

炭素の原子は中心に原子核があり、周囲を電子が6個回っています(左)。原子核の中には陽子(オレンジ色)が6個と中性子(緑色)が6個あります。酸素原子は原子核に陽子が8個中性子が8個あり、周囲を8個の電子が回っています(右)。
その物質が何かは原子核の中の陽子の数(原子番号と言います)で決まります。陽子6個は炭素で、陽子8個は酸素です。陽子7個は窒素、陽子1個は水素です。陽子1個から100個以上まで、つまり原子番号1から100以上までいろいろな元素があります。
燃えても原子は変化しません。炭素原子と酸素原子と水素原子は、周囲の電子を媒介としてくっついたり離れたりしているだけで、原子そのものは変化しません。原子核もまったく変化しません。これが地球上でのふつうの営みです。木も草も鳥も獣も魚も虫も、このようにして生きています。ところが原子力では原子核を割ります。そして割れた原子は違う原子になってしまうのです。
これは地球上での生命や物質の輪廻とはまったく違う現象で、太陽や星の内部で起きている現象です。

酸素や炭素などの小さな原子はなかなか割れません。原子力ではウラン(ウラニウムとも言います)という大きな原子を利用します。ウランの原子核には陽子が92個(原子番号92)あり、中性子が143個あって、陽子と中性子の合計は235個です。これをウラン235 と言います。ウラン235はある時間経つと自然に割れてエネルギーを放射する性質(放射性)を持っています。外から中性子を入れるとプルプルとふるえてすぐに割れます。原子核が割れることを核分裂と言います。
ウランが割れると、割れた破片は原子番号が半分くらいの別の原子になります。たとえばセシウムとかヨウ素とかコバルトとかストロンチウムになります。新聞やテレビでセシウムとかヨウ素とかいっているのはこれのことです。割れ方は決まっていませんからいろいろな物質ができて、新しくできた物質もたいていはさらに割れる性質(放射性)を持っています。
割れるときに大きなエネルギーが放射線の形で出ます。ウランはまた、割れるときに中性子を2つほど放出します。

このように、私たち地球上の生命体は太陽エネルギーで生かされていて、酸素は酸素のまま、炭素は炭素のまま、水素は水素のまま、物質が変わることなく、輪廻転生を繰り返してきました。

これが「この世のもの」であり、「この世の営み」です。
原子力は違います。このような輪廻転生の枠外のものです。
ですから原子力と放射線は、まさに松本氏が言う通りで「この世のものではない」のです。
さらに放射線は生命活動に敵対するものです。
ですから、「死」を連想することもあながち間違いではありません。
物理学者たちは質量数239の人工的な原子に、プルトニウムという名を付けました。
その由来は、「プルート」すなわち冥界の王です。
「原子力はこの世のものではない」という、文学者の直感は正しいと言うべきでしょう。
ですから第一感として、原子力の大規模利用などやめておけ、ということです。
 

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コメント
 
01. 2011年9月05日 18:36:37: oFgLG5zLyU
わかりやすく、納得!

02. 2011年9月05日 18:47:36: K6t0WgHMC2
トリビア。
ウランの由来、ギリシア神話のウーラノス(天)は、母親のガイア(地)の息子であり夫なのです。
原子力には冥府と背徳の匂いがします。

03. 2011年9月05日 18:48:29: iQinVlOl1c
せっかく電離層やバン・アレン帯が宇宙からの有害放射線を弾いて生き物を守ってくれているのに放射能をわざわざ持ち込んで、作り出してどうする!
福島原発事故は地球の意思に反する人類の営みに与えられた罰だ。

04. 2011年9月06日 05:21:02: AiChp2veWo
誤解恐れず書きます、重複あれば御容赦願います。S・62年頃、原発災害とその核の行く末と暴走を案じて自宅で目を閉じじっと考えておりました。それはどう考えてもまことに暗澹たる問題でありました。三十分ほど経ちましたか、ふと感じるものが現れました。それは、全ての思い出が無くなるというビジョン的のものでした。
福島被災地でも、物より残っていたアルバムに感動されていました。我等みな、思い出が必要です。後ろ向きにひたるのではなく、自分の、親の、親のふるさとの、子供の、成長の記録の、そんな思いではこの世が存在するからこそたどれもし、明日に生きる糧ともなります。江戸時代に写真はありませんでしたが、山河は厳然と存在していました。この思い出、現実、自然天然の全てが物質の根本から分裂して不可視の状態になる、そんな恐ろしい感情を伴ったビジョンです。そして同時に、これはいわゆる「あの世」も分解してしまうな、という全く不気味な恐ろしいビジョンでした。勿論、地球の大気も燃え尽きます。地球も他の天体も、霊界も神界も連鎖的に分裂して消えてゆくビジョンです。私は、すでに意識とは別に激しい落涙でひざはべとべとでした。恐いというより、例えば、営々と続いてきた、父のふるさとも消える、その思い出の全ても歴史も消える、そんな深海から来る様な悲しみが溢れていました。そして地中深く沈み込むような絶望的の瞬間に、今度はススキの原のような広い野原が現れ、しかしその野原は霧のようなものが立ち込めた野原でした。そしてなぜかススキの原の中を亡き母が向こうの方に向かってスーっとゆっくりと歩いているような映像が浮かびました。景色全体は薄曇りの霧の中のような感じでした、続いて空に広がる曇った薄い雲を見やると、雲の上にかすんでぼんやりと太陽が薄黄色に出ていました。その時、「大日如来様」が助けてくれる」そんな言葉が胸の中からポーンと噴出しました。原発の行く末に絶望的になっていた当時の、その時の絶望的な気分が、このことでスーっと楽になり、涙も次第に止まっていきました。「大日如来様」、私はこれは、「天照大神様」だったと思います。普段から大日如来、という仏の内容なども特に知らなかったのですが、突然このように感じたわけです。神仏の論争には興味はありません、自分の心が信じるほうを信じています。原発には、国や人を破壊する、そしてこの恐ろしい、自然全体と大気空間までを無にするというビジョンを含んで、これまで反対をしてきましたが、心中には、必ず助けがあるとも信じています。今、考えますと、確かに現代科学は地球と大気を破壊出来るようになってきているようです。乱文失礼致しました。過去にあったことそのまま書かせていただきました。

05. 2011年9月06日 09:30:25: np5Jvjz0r2
放射性廃棄物は末代まで「祟る」。
生者を蝕む毒を量産する原発は、「この世にあってはいけない」という「答え」が古今東西共通する生存本能と普遍的な良識によって導き出されている。

時には、科学的な専門用語を駆使するよりも迷信用語の方が原発によって起こる災厄の表現はダイレクトに伝えられる。

憤死した怨霊を神社に封じて祟らないように神主が祀り守り神になってもらうという、日本の御霊信仰に似ているせいかもしれない。
(↑崇徳院と平将門が有名)
この古来からの怨念を封じて活かす方法は、原発の放射性廃棄物を代替わりして管理し続けなければならない現状と似ている。
しかし、正しく祀れば守り神になってくれる怨霊よりも性質が悪い。

国家が傾くことなどの原因で誰も廃炉を管理する仕事をしなくなれば廃墟となった古い原発は途端に放射性廃棄物という災いを噴き出す。


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