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原発行政許すな！ NPO法人が突き付けた 原発事故損失額48兆円の正当性
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2011/10/26 日刊ゲンダイ ：「日々担々」資料ブログ
政府試算はﾃﾞﾀﾗﾒ
大きく報じられていないが､原子力委員会の小委員会では､有識者からまったく違う数字も上がっていた｡ﾒﾝﾊﾞｰのひとりで原子力資料情報室の共同代表･伴英幸氏が指摘した｢事故による損失額は48兆円､事故ｺｽﾄ1ｷﾛﾜｯﾄあたり最大16円｣という試算だ｡
一方､国が仮定した損失総額は､1基あたり3兆8878億円｡これは除染費用や廃棄物の保管費用がほとんど含まれていなかった｡
48兆円を導き出した伴氏の意見書はこうだ｡
◆IAEA安全目標の無意味
日本の過去の実績､世界の過去の実績よりも安全目標は確率が低い｡したがって目標が成立していない｡新設炉がこの条件を満たすように設計･製造されるとしても､この数字を使うことの正当性は､既設炉の廃止が前提となる】
｢事故の確率を見るときにﾓﾃﾞﾙﾌﾟﾗﾝﾄしか動いていないならともかく､実際いま動いている原発がある｡それは老朽化しているし､(政府は)津波対策を取るとは言っているが､地震対策を取るとは言っていない｡これらを含めた実績ﾍﾞｰｽで考えるべきです｣(伴氏)
◆3基に問題生じた福島原発事故を1つの事故とするﾃﾞﾀﾗﾒ
【仮に福島第一の4号機が運転中であったら､炉心溶融と爆発が起きていたと考えられる｡……日本では原発が一ｻｲﾄに集中立地しているが､この集中立地がﾘｽｸを高める｡すなわち､あるｻｲﾄのどれか1基が格納容器破損事故を起こすことになれば､隣接炉に波及する可能性があり､これは事故のﾘｽｸを高める結果となる｡分母は各原発の運転年数の加算に従って計算されるのに対して､分子は3基を纏めて1回とする方法は､分子と分母の考えが異なる】
これらの理由から､3基の事故を1回の事故とみなして確率を計算する方法はおかしいと指摘している｡
◆広域除染を除いた損害総額
【広域除染が含まれていない｡加えて､例えば健康影響に対する補償､医療保険の支出の増大､行政対応に関わる費用の増加などがある】
また､文科省がﾓﾆﾀﾘﾝｸﾞの測定結果を公表していること､政府は1年で1ﾐﾘｼｰﾍﾞﾙﾄ以下を目指し除染を行うと発表していることに触れ､空間線量率毎時0･2〜0･5ﾏｲｸﾛｼｰﾍﾞﾙﾄの範囲以上の汚染地域が除染対象となると指摘｡さらに､｢ﾏｯﾌﾟを見ると､現時点で未発表の長野などにも､汚染が及んでいることは確実｡また､毎時0･2ﾏｲｸﾛｼｰﾍﾞﾙﾄ以下の地域でも､ﾎｯﾄｽﾎﾟｯﾄがあるのが実情です｡除染対策をとるべき面積は2万平方ｷﾛﾒｰﾄﾙを超えると考えられます｣(伴氏)｡
例えば､飯舘村の除染計画書によると費用総額は3224億円と算定｡面積が約230平方ｷﾛﾒｰﾄﾙだから､比例計算すると広域除染費用は28兆円と推定される｡それで､今回の事故による損害総額の推定の最大は､日本経済研究ｾﾝﾀｰの示した20兆円をﾌﾟﾗｽした48兆円となる｡
｢政府は確かな数字しか使えないということから､今回の結果は最低限のもので､今後どんどん上がることになるはず｡首都圏にも放射線量が高いｴﾘｱもあり､今回先送りになっている除染費用などをｸﾘｱにすれば､もっと大きい数字になることがありえると推定しているのです｣(伴氏)
国の試算よりよほど現実的だ｡
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