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この国と原発:第3部・過小評価体質/1 黙殺された確率評価  ◇「津波リスク、交通事故死以上」 「寝た子起こすな」
http://www.asyura2.com/11/genpatu18/msg/386.html
投稿者 taked4700 日時 2011 年 11 月 13 日 05:11:04: 9XFNe/BiX575U
 

http://mainichi.jp/select/wadai/news/20111028ddm001040031000c.html

この国と原発:第3部・過小評価体質/1 黙殺された確率評価
 ◇「津波リスク、交通事故死以上」 「寝た子起こすな」

 「津波の評価を行う際、想定外を考慮することが重要」との書き出しで始まる英文の報告がある。東京電力の原子力部門の技術者らが、06年7月に米国であった原子力工学の国際会議で発表した内容で全7ページ。福島第1原発の津波リスクが試算され、結果を示す図には、想定外の津波に襲われる確率が年5000分の1程度であることを示す曲線が描かれていた。日常生活に当てはめると、交通事故で死亡するリスク(年1万分の1程度)より高い確率だ。

 原発のリスク評価が専門の平野光将・東京都市大特任教授は「想定をわずかに上回る津波でも、(最終的に原子炉の熱を除去する)海水系が壊れれば、シビアアクシデント(過酷事故)に至る可能性がある。対策をしなかったのは、安全文化の欠如によるサボタージュではないか。これでは『想定外』の事故とはいえない」と指摘する。

 技術者たちは、明治三陸地震(1896年)など大津波を起こした地震に加え、明治三陸規模の地震が福島県沖で起きた場合なども組み合わせ、確率論的安全評価(PSA)と呼ばれる手法で試算した。

 対策に生かさなかった理由を、東電は社内の事故調査委員会に「試行的な解析の域を出ていない」などと説明した。だが、PSAに詳しい蛯沢勝三・原子力安全基盤機構総括参事は「当時の範囲では最適の方法と判断していい」と解説する。

 大地震などによる想定外の事故のリスクが数字で明確に表されるPSA。06年に改定された国の原発耐震設計審査指針の審議では、導入が検討されたが、見送られた。改定を検討した内閣府原子力安全委員会の分科会委員だった入倉孝次郎・京都大名誉教授は「指針でPSAを決めなかったため、過酷事故の確率が表ざたにならなかったという問題はあると思う」と話す。

 なぜ、導入されなかったのか。分科会委員でPSA義務化を求めていた大竹政和・東北大名誉教授は、経済産業省原子力安全・保安院の知人からこう聞かされたという。「指針を近代的なものにしなければならないが、寝た子を起こすことになってしまったら、あぶはち取らずだから」

 大竹名誉教授は解説する。「(国や電力会社は)原子力は安全だと言ってきたのに、リスクがあるということになるとやりにくい。リスクに光を当てることは『禁忌』だった。保安院が規制と原子力行政を進めるには、電力業界の支援なしにはできない。電力には経産省OBも天下り、先輩がいる会社に大きなことは言えない」=つづく

    ◇

 原発事故はなぜ防げなかったのか。国の安全審査や電力会社の対策に潜む「過小評価体質」を追う。

毎日新聞 2011年10月28日 東京朝刊  

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コメント
 
01. taked4700 2011年11月13日 05:12:38: 9XFNe/BiX575U : pkeOO1HJ2U
http://mainichi.jp/select/seiji/news/20111029ddm003040130000c.html

この国と原発:第3部・過小評価体質/2 専門分野間に壁
 ◇疑わしきは罰せず

 06年1月、内閣府原子力安全委員会の性能目標検討分科会。原発建設にあたって、東京電力福島第1原発事故のような「炉心損傷事故」が起きる確率をどこまで低く抑えればよいかを定める「性能目標」の具体的な数値を巡り、議論は平行線をたどっていた。

 議論開始から1年半。主査の相沢清人・核燃料サイクル開発機構特別技術参与(当時、故人)は「案2(年10万分の1)を強く主張する方は2人。残りの方は案1(年1万分の1)なので、この案をベースにいきたい」と、「多数決」で議論に幕を下ろした。案2の方が厳しく、国際原子力機関(IAEA)が求める基準並みだった。

 分科会の12人のうち案2を支持したのは、原子炉を持たない研究機関に所属する委員。残りは、電力会社やメーカーなど原子炉を持つ組織に所属する委員が大半で、委員構成は大きく偏っていた。

 案2を支持した委員は悔しげに語る。「案2だと、耐震補強が必要な原子炉がたくさん出る。それが嫌なわけ。既設炉が心配だったのでしょう」

 さまざまな分野の専門家が参加する原発の安全性を巡る審議では、各分野の思惑の違いから、必ずしも結論が「安全側」に出るとは限らない。

 07年7月の新潟県中越沖地震の際、東京電力柏崎刈羽原発で想定を超える揺れを観測。原発の耐震性を検討する経済産業省原子力安全・保安院の作業部会委員だった纐纈(こうけつ)一起・東京大教授は同11月、同原発1号機で記録した680ガル(ガルは加速度の単位)を全国の原発で想定する最低限の基準とするよう保安院に求めた。纐纈教授は、強震動地震学の専門家だ。

 だが部会では、他分野が専門の委員から反論された。「柏崎固有の事象を一般に当てはめてよいかを検討すべきだ。それをしないままでは、アフリカの地震でも大きければ使えと言っているのと同じ」。「やり過ぎではないか」。部会は結局、導入を事実上見送った。

 纐纈教授は「原発を設計・建設する側には、想定が大きすぎて物が造れないと困るという発想があるようだ。部会は『疑わしきは罰しない』方向に進む傾向があった」と話す。現在も全国の原発の6割以上は680ガル未満を想定している。

 土木学会が02年、原発で津波の高さを想定する基準「津波評価技術」をまとめた際も、専門分野間の「壁」が影響した。基準は99年から、津波や地震の専門家が参加した部会で検討。「想定外の津波で浸水した場合の対応も検討すべきだ」との意見が出たが、反映されることはなかった。

 なぜか。部会委員で地震学が専門の岡田義光・防災科学技術研究所理事長は「想定外の津波への対応は機械工学や原子力工学の話。学会というのは、人様の分野には口を出さないもの」と話す。

 複数の分野にまたがる課題を適切に調整する機能の欠如など、原発を巡る国や学会の審議には構造的な問題が見え隠れする。福島第1原発事故を受け、国や学会は関係指針の見直しなどを始めているが、専門家の数が限られることもあり、こうした問題への対応は手つかずのままだ。=つづく

毎日新聞 2011年10月29日 東京朝刊


02. taked4700 2011年11月13日 05:14:01: 9XFNe/BiX575U : pkeOO1HJ2U
http://mainichi.jp/select/wadai/news/20111031ddm003040133000c.html

この国と原発:第3部・過小評価体質/3 細る過酷事故研究

無人ヘリが2011年4月10日に撮影した福島第1原発3号機の原子炉建屋。日本でもシビアアクシデントが現実のものとなった=東京電力提供
 ◇最悪から目そむけ

 「津波対策の目標は5メートルだったが、15メートルの津波が来てしまった。こういう場合、どんな対策をすればよいのでしょうか」

 東京電力福島第1原発事故から1カ月余りの4月下旬、東電幹部が宇宙航空研究開発機構(JAXA)を非公式に訪ねた。宇宙開発も原発のような巨大システムを操り、大事故と背中合わせにある。

 JAXA側は人の手が届かない宇宙での安全対策について、ロケットや国際宇宙ステーションを題材に説明した。「まず最悪のシナリオを考え、その対策から検討を始める。人命に影響を及ぼさないことを最大の目標に据え、無人ロケットの指令破壊などミッション放棄も選択肢にある」

 JAXA関係者は「原発では『津波想定5メートル』や『全電源喪失は考えなくていい』など、国から与えられた条件や規制に従っていれば、あとは考えなくていいという発想だったように感じた。廃炉になってもいいから放射性物質の拡散だけは防ぐ、という目標もありえたかもしれない」と振り返る。

 福島第1原発事故のように、打つ手がないまま原子炉内の核燃料を冷やせず重大な損傷に至る過酷事故(シビアアクシデント)は、原発にとってまさに最悪のシナリオだ。原発関係者からは「想定外」との言葉が相次いだが、過酷事故研究が専門の杉本純・京都大教授(原子炉システム安全工学)は「日本には、シビアアクシデントは解決済みという誤った風潮があった」と指摘する。

 過酷事故の危険性は米国で75年に提唱された。当時は「現実にはあり得ない」として軽視されていたが、79年の米スリーマイル島原発事故で現実のものとなり、欧米で対策の研究が始まった。日本では、86年の旧ソ連チェルノブイリ原発事故以降、過酷事故研究が本格化した。

 杉本教授は日本原子力研究所(現日本原子力研究開発機構)で92年から6年半、過酷事故研究の炉心損傷を担当する室長として、ピーク時には三つの大型プロジェクトを同時に進めた。当時の国からの研究予算は年数億円に上り、約30人の研究者たちを抱えた。だが、03年ごろに電力会社が自主的に取り組む過酷事故対策の整備が終わると、予算は激減。杉本教授が所属していた部署の今年度の予算は2000万円弱に落ち込み、研究者らも3人程度に減った。

 杉本教授は「当時の研究は、機器の故障など発電所内のトラブルが原因で起こる事故が中心で、地震や津波など外部の要因によるものは対象でなかった。最新知見に基づき、シビアアクシデントを継続して追いかける動きが、極めて弱かった」と振り返る。

 福島第1原発事故を受け、国は電力会社の自主努力としていた過酷事故対策の義務化を決めた。だが、安全研究を専門とする人材は枯渇しかけている。ある専門家は「メーカーも景気が悪化すると、真っ先に安全対策スタッフを解雇してきた」と指摘する。

 杉本教授は訴える。「今の日本にはシビアアクシデント研究に携わる研究者も予算も少ない。シビアアクシデント研究者の養成が喫緊の課題だ」=つづく

毎日新聞 2011年10月31日 東京朝刊


03. taked4700 2011年11月13日 05:15:23: 9XFNe/BiX575U : pkeOO1HJ2U
http://mainichi.jp/select/seiji/news/20111101ddm002040111000c.html

この国と原発:第3部・過小評価体質/4 耐用年数「限りなく」

製造中の圧力容器。老朽化しても取り換えが困難とされている=広島県呉市のバブコック日立呉事業所第2工場で07年11月、宇城昇撮影
 ◇「老朽」と呼ばぬ理屈

 「そちらの質問で初めて知りました」。10年12月、金属材料に詳しい井野博満・東京大名誉教授は、経済産業省原子力安全・保安院の課長補佐の回答にあっけにとられた。

 質問したのは、九州電力玄海原発1号機(佐賀県玄海町、75年運転開始)の老朽化を巡る問題。九電が1号機の圧力容器について、09年時点の状況を分析したところ、炉心からの中性子を浴びることで材質がどの程度もろくなったかを示す「脆性遷移(ぜいせいせんい)温度」が「98度」と国内最高を記録し、未知の領域に入った。この数値が高いと、事故時に圧力容器が損傷する恐れがある。93年時点の56度から一気に跳ね上がり、九電内では「こんなに高いなんて」と驚きの声が上がったという。

 原発の老朽化対策は新品への交換が原則だが、圧力容器は交換が難しい。九電は「(国も認める)規定で評価した結果、損傷が起きる状態まではかなり余裕がある」と説明する。だが、規定が示す損傷の予測式は、定められた条件下での試算でしかなく、井野名誉教授は「前提条件を変えたり、別の式で評価すると、それほど余裕はない」と話す。

 そもそも予測式自体が改定を重ねている段階で、確定した式ではない。長谷川雅幸・東北大名誉教授(原子炉材料学)は「規定に十分な実績があるとはいえない。予想外の温度は何かの兆候かもしれない。慎重に対応すべきだ」と指摘する。

 こうした「老朽化」を日本の原発関係者は「高経年化」と呼ぶ。「必要に応じて設備などを取り換えており、理論上、原発は限りなく寿命を延ばせる。老朽化することはない」(原子力安全基盤機構の資料)との理屈だ。

 国内で原発建設が始まった60〜70年代ごろ、主要機器の耐用年数は30〜40年と想定されていた。だが、原発の新増設が難しくなってきた90年代後半、通商産業省資源エネルギー庁(当時)は、60年運転も視野に長寿命化へかじを切る。30年目を迎える原発は国に運転継続の認可を申請し、その後は10年ごとに申請する仕組みだ。

 今、運転30年を超えた原発は福島第1原発の全6基を含め19基に上り、うち日本原子力発電敦賀原発1号機など3基は40年を超えている。これまでの原発の歴史は「想定外」の連続だった。圧力容器内の隔壁や蒸気発生器など、設計時に交換を想定していなかった重要機器で、取り換えが必要になったケースは枚挙にいとまがない。

 今注目されている課題の一つは、原発1基で総延長2000キロにも及ぶ電気ケーブルだ。絶縁体がもろくなって断線すれば、原発を制御できなくなる。全ケーブルの確認は不可能で、細いケーブルは現場で調べる方法すら確立していない。

 原子力資料情報室の上澤千尋さんは「ボロボロだが何とか生き延びさせるという発想は、老朽化を軽視している」と批判する。

 野田佳彦首相は就任会見で「寿命がきた原発は廃炉にする」と明言した。だが「寿命」の定義は定かでない。現在、関西電力美浜原発2号機が40年超の、四国電力伊方原発2号機が30年超の認可を求め、保安院の審査を受けている。=つづく

毎日新聞 2011年11月1日 東京朝刊


04. taked4700 2011年11月13日 05:16:41: 9XFNe/BiX575U : pkeOO1HJ2U
http://mainichi.jp/select/seiji/news/20111103ddm002040052000c.html

この国と原発:第3部・過小評価体質/6止 安全目標、たなざらし
 ◇リスク受忍、どこまで

 「原子力を利用する事業活動には、エネルギー確保などの便益がある一方、広範囲にわたる放射性物質の放散などを伴う事故が発生する可能性という、国民の健康や社会環境に大きな影響を及ぼすリスクが潜在することは否定できない」

 まるで、東京電力福島第1原発事故を予測していたかのような表現で始まる報告書がある。03年12月、原発の「安全目標」を検討していた原子力安全委員会の専門部会が出した「中間とりまとめ」だ。

 安全目標は「想定外」に備え、大事故が起きるリスクをどこまで小さくすれば十分かを判断する「道具」だ。中間とりまとめは案として「原発事故の被ばくで死者を出す危険性を年100万分の1以下に抑える」と提示。導入されれば、国は電力事業者に対し、数字を基にリスク低減を求める規制を実施できる。「リスク発生の確率が高ければ対策を求める声が高まり、議論につながり透明性も向上する」(原子力安全委事務局)という。

 欧米では、79年の米スリーマイル島原発事故などを受け、安全目標の導入が進んだ。英国やカナダ、オランダなどが個別の原子炉の規制に活用するなど、安全目標策定は「世界標準」になっている。国内では、99年のJCO臨界事故をきっかけに注目され、原子力安全委は00年の原子力安全白書で、安全目標の検討を表明した。

 中間とりまとめは、数字の意味を考える参考として「交通事故で死亡する危険性は年1万分の1」などのデータも示し、国民的議論の必要性を訴えた。ところが、その後は議論が進まず、いまだに「案」のままだ。

 たなざらしとなった理由について、原子力安全委事務局は「地震を確率で安全評価する手法が未成熟だったことなどが主な要因」と説明する。だが、元専門部会委員は「とにかく日本のみなさんはリスクを言うのが嫌い。大きな事故が起こる確率のことを。事故は起きませんというのが好き。問題があったから導入できなかったというのではない。それなりの力学、因縁があった」と、導入に反対する動きが強かったことを示唆する。

 過小評価してきたリスクが今、福島第1原発事故で白日の下にさらされた。専門部会の部会長を務めた近藤駿介・原子力委員長は「福島の事故で最大の問題となったのは土地の汚染。土地を汚染したら、人間が暮らしていけなくなる。安全目標は土地の汚染が発生するリスクも指標にしてはどうか」と話す。

 原子力安全委の班目(まだらめ)春樹委員長は安全目標について、10月24日の会見で「来春に原子力安全庁ができれば安全委は改組される。来年の3月31日までには課題の整理くらいはやりたい」と述べた。

 原発事故のリスクをどこまで受け入れるのか。住み慣れた家、故郷に長期間住めなくなる人が出るリスクを受け入れてまで原発を続けていくのか。今後、具体化する安全目標の議論は、電気を使う一人一人に重い問いを投げかける。=おわり

     ◇

 この連載は永山悦子、河内敏康、奥山智己、町田徳丈、八田浩輔、岡田英が担当しました。

毎日新聞 2011年11月3日 東京朝刊


05. 2011年11月13日 07:17:43: jLlWnM5AVA
これは犯罪だ。

建設現場では「安全第一」の標語が掲げられているが、東電、保安院にはなかったのか?


06. 2011年11月13日 13:05:31: N4ysGmxBeU
たしか「利益第一」って書いてあったと思う。

07. 2011年11月13日 15:40:02: yyMh2dXANk
いいや「隠蔽第一」って書いてあったと思う。

08. 2011年11月13日 17:42:45: f2bDRcpoc2
その子は寝たふりしてただけ
まんまとだまされた馬鹿ども

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