全国の校長先生・・・これをどう思われますか？
http://takedanet.com/2011/11/post_654b.html
平成23年11月14日　　武田邦彦（中部大学）

校長先生、校長先生ですから日本人を被曝から守る法律がいくつもあり（たとえば原子力なら原子炉等規制法、放射線なら電離放射線障害防止規則など）、それはいずれも１年１ミリと被曝限度が決まっていることをご存じと思います。

事故の直後は、あるいはご存じなかったかと思いますが、事故から８ヶ月経ちましたから、ご存じと思います。そしてこの１年１ミリが「内部被曝と外部被曝を足した１年間すべての時間の合計」であり、その中で児童生徒に及ぼす学校の影響が大きいこともご存じと思います。

問題は「ダブルスタンダード」であることです。たとえば文科省は１年２０ミリと言っていますが、これは「暫定」がついています。また給食などに使う食材はセシウムだけで１年５ミリですから、常識的には１年１０ミリです。従って、児童生徒は学校にいて給食を食べると１年３０ミリになり、そのうち、１日の３分の１を学校にいるとすると、１年１０ミリを浴びます。

1年10ミリとは1年に胸のレントゲン200回分です。

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もう一つ情報を提供します。それは、成人男子（児童生徒より３倍は被曝に強い）でも１年５ミリ以上の被曝で白血病になると労災が適用され、原子炉作業員（成人男子）は２０００年から「被曝は危険」ということで平均１年１ミリにされていて、それで増えた電気代は児童生徒の親が電気代として払って来ました。

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関東、東北の学校の校長先生の動きを見ますと、いずれも「１年３０ミリの暫定基準の方を採用する」というお考えのようですが、ダブルスタンダードの時代に児童生徒の健康を預かる校長先生がなぜ、被曝量の多い方の基準を採用されているのでしょうか？

日本には「法律や電力が定めている１年１ミリ出なくても良い」という学者などが存在することは確かですが、もともと学校は児童生徒に「法律や学校の規則を守るように」と呼びかけて、教育をしているのではないでしょうか？　学校で１年１ミリを守ることはできますし、できなければ疎開をさせなければなりません。

ある学者が「酔っぱらい運転でも年間200人しか犠牲にならない。だからお酒を飲んで運転しても良い」と言ったら、校長先生は法律や規則を無視してそのように教育するのでしょうか？　被害が大きいか小さいかではなくもっとも重要なのは社会の規則と納得性です。

お母さんは「今まで法律でも原子炉作業員でも１年１ミリなのだから、それ以上の被曝は子供の健康に不安」と言っておられますが、それが理解できませんか？　「被曝は平気」という親もいるでしょうが本来は校長先生が平気と言っている親をご指導される立場ではないでしょうか？

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日本の子供はお母さんの宝であるとともに、日本人全体の宝です。家庭ではお母さんが必死に子供を守っておられる重要な役割を負っておられるのですから、学校では校長先生が身を賭して児童生徒を被曝から守り、あわせて「遵法精神」を子供たちに教育してください。

私から見ると、校長先生は法律や社会道徳（子供にはできるだけ被曝させないように努力する）というより、日々の仕事に疲れ、面倒なことはしたくないと思っておられるように感じられます。それなら子供たちも「疲れたから規則を守りたくない」というのと同じレベルになってしまいます。

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ある講演会で「給食を担当しているのですが、保護者から心配だと言われます。そうかといってベクレルを測定する訳にもいかず、困っています」という質問がありましたので、「保護者のかたのご心配はまともです。測れないなら給食を出さないでください」と答えました。

セシウム１３７の経口致死量は青酸カリの１０００倍以上です。つまり毒物が入っている可能性のある食材を給食に出す、その理由は毒物でも何でも給食を出すのが使命だからという間違った認識ではないでしょうか。わたしは「とにかく給食を出すのが私の役割」と思い詰めているような感じがしました。

また給食を心配する子供にいろいろな形で教育者がいじめを行っているようですが、むしろ子供たちが給食を心配している子供（親）をいじめることはいけない、人は自分で自分が食べるものを選ぶ権利がある、理由があれば給食を食べないことはもちろんかまわないと教育していただきたいと思います。

コメント
01. 2011年11月14日 09:55:56: WwrPHk8DeI 教育委員会に電話すれば分かるけれども文部省の言ってるとおりしてるから問題ないと返答するのみです。 　教育委員会がマトモに行政権力から独立行政機関として機能したのは戦後数年ぐらいのことで、上意下達の機関と化し、これに忠実の者が校長に成り、ただの抜け殻が校長ですから、武田先生が、校長に説教垂れても無駄です。武田先生が諦める前に国民の力でくだらない文部科学省を解体しなければならない。
02. 2011年11月14日 11:04:32: fuAuPLgR6A 文部科学副大臣の森ゆうこ氏から、不定期でメールが届く。アドレス登録者への一斉メールだ。その中で、給食の放射性物質の検査についても報告があった。検査と評価と情報開示を進めるよう努力しているが、なにせ官僚組織が相手だから、なかなか進まないようだ。 こうした一部の政治家の努力がうまく機能しないのは、役所仕事の遅さゆえだろうか?　他に原因があるからだと思う。それは、官僚統治機構が原発推進の指令を受けているからだ。その指令は誰がしているのか。 先日、日経新聞主催のCSIS（米戦略国際問題研究所）三極会議で、アメリカ側の参加者から原子力を今後も推進するようにとの発言があった。これが今後の官僚統治機構への指令だと思う。今頃、文部科学省の幹部は、副大臣からの文書とは別に、CSISの会議資料のコピーを、引出しのバインダーに重要書類として綴じ込んでいることだろう。
03. 2011年11月14日 11:43:53: bW0kgIpTJg 武田先生、世の中、心から　先生と呼べる人物がいなくなりました、私にとって武田先生は数少ない　本物の先生です　先生の言葉には、いつもキッチリ理路整然とした　ぶれない柱を感じます 凄いとしか言い様がありません。　まるで戦時中の様な世の中ですね　先生につずく本物達の言葉がネットを透してでも　一人でも多くの人の人命を救う為に活かされる事を切に願います。
04. 2011年11月14日 11:51:16: uUvLHoFmkE 私の恩師はへき地に赴任すると、真っ先に井戸を掘って良い水を子供たちに飲ませていました。 子供に生きる力を育てる教育者、校長の権限で頑張れることは山ほどあるのに、本当に能力のある人が校長になってないということですかねー？
05. 恵也 2011年11月14日 13:10:47: cdRlA.6W79UEw : BUtfKffNMo >>　酔っぱらい運転でも年間200人しか犠牲にならない。だから >>　お酒を飲んで運転しても良い 確かにそうだ。 ただし酔っ払い運転中の事故は、完全に自分の責任にされ自己責任だ。 相手のせいには出来ない。 被曝に関しては、被曝しても良いという御用学者のせいにしても責任を取ってくれん。 病気になった本人が全責任を負って、苦しんで死んでいくだけの話。 少なくとも校長先生は、御用学者の影に隠れるより、生徒の立場で動くべきだろ。 訳の判らん暫定規制値というものより、きちんとした法律や電力が決めていた基準 を安全値として環境を守るのが義務。 年間１ｍＳｖを守るためには、空間線量0.3μＳｖ／ｈ以下にし、食べ物は30Ｂｑ／ｋｇ 以下をなんとか死守して欲しい。 主食のお米と水はとくに厳格に。 身体に悪いものを入れないようにするのは、教育の第一歩だ。 本当の基本的人権じゃないかね。 県や市の教育委員会の再生を望みたいが、無理な相談なのかな。 しかし武田氏は非常にわかりやすいたとえがお上手だ。
06. 2011年11月14日 13:54:12: u3E6Ef3e1Q 子どもたちを守りたいのか、自分の職を守りたいのか、すべての教師たちに、教育者としての誇りと哲学が問われている。
07. 2011年11月14日 14:37:44: plfS77AoxU どこかの府で作られようとしている条例は、先生が疑問に思った事も、マニュアルどおり教えないと、首にされてしまう恐ろしい条例である。
08. 2011年11月14日 15:55:29: k3nzYl0Obw 07様 条例がなくてもマニュアル通り（あるいは文科省学習指導要領に準拠）していないと県も市町村教育委員会事務局も現場の管理職責任を問うたり、勤務評定で既に給料を下げることができるようになっています。（遠距離人事もします） 管理職は教育委員会事務局に自分たちの意見は言えません。言えない仕組みになっております。 子どもの被曝については　文科省から通知がない限り勝手なことをしたり、自校だけで判断することはできません。 おかしな話ですが、がんじがらめの教育現場なのです。 やってられないと思う教師は、辞めていきます。
09. 2011年11月14日 16:08:54: Xcd9KLtvbQ 今まで通った学校の校長にロクな人間はいなかった。ある校長は、いじめ問題など見て見ぬふりをし何も無かったことにした。事なかれ主義者であり自らの保身のみを第一に考える人間のクズだと思った。校長にまでのぼりつめたということは、それだけ権力に魂を売ってきた証。そんな校長に生徒が期待できるものは何もない。しかし稀に、校長になって以降、今後良心に目覚める「素晴らしい校長先生」が現れるかもしれない。武田先生はそういう願いを込めて書いたのだろう。「素晴らしい校長先生」とは、権力に媚を売らず、子供たちのことを最優先に考えてくれる人物。一人でも多くの校長が今までの間違いに気づき、考えを改め、武田先生のように罪滅ぼしの為に勇気を出して立ち上がって欲しい。校長は内心では放射能の危険性を十分に承知しているはずだ。そこの校長先生！！今からでも遅くはない。子供たちを守るために、今こそ政府（悪魔）に敵対せよ。売った魂を取り戻せ。国に対して言うべきことは言え。自らの正義感に基づいて行動せよ。明らかな間違いを間違いだと言う勇気を持て。自らを犠牲にするつもりで、退職金も返上するつもりで、自分を守るよりも子供たちを守ることを最優先し行動せよ。正義感あふれる素晴らしい校長になれ。
10. 2011年11月14日 16:46:45: ZrMDpsyito 子供を守ろうとすると、首になるんだから、先生方には子供は守れない。 先生は他人の子供より、自分の給料の方が大事だからね。 情けなくも、希望もない話だが。

11. 2011年11月14日 19:02:22: kY7722EY7k 他人の子供などどうでもいい
12. 2011年11月14日 20:42:15: v9I0GzB2Vc 11 他の人はあなたの子どもなどどうでもいいと思うようになる。
13. 2011年11月22日 17:11:40: 6rVWuIGb6o そもそも、人が安全に住める所じゃない場所になっていますね。 直ちに移住すべきです。かしこい人はすでにそうしています。 政府も正直に危険を認め、集団移住させるべきです。

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