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ヤブロコフ他 『チェルノブイリ』追補A 第U章5節 血液・リンパ系疾患・心臓血管系疾患
http://www.asyura2.com/11/genpatu18/msg/537.html
投稿者 爺さん 日時 2011 年 11 月 19 日 02:23:43: pkMRoq8j2xu8g
 

以前の投稿で省略された部分の追補です。情報として投稿します。
(私の投稿分には、抜粋と断ったもの以外、本文の省略はありません。)
原文 http://www.strahlentelex.de/Yablokov%20Chernobyl%20book.pdf

汚染地域、汚染地帯とはフォールアウトがあった場所全般を指します。
Bq/m2とBq/kgの変換には80を用いました。専門語はネットで調べて下さい。

(以下訳文追補)


5.1. 血液とリンパ系の疾病

5.1.1. 血液と造血器官の疾病

5.1.1.1. Belarus

5.血清補体の活性と有効的な補体C4の数が、Cs-137に汚染されたBelarus地域出身の児童350名の間で、有意に低かった。さらに汚染された地域では(15Ci/km2以上、80換算6937.5Bq/kg)、補体C3のレベルが有意に低かった。
(Zafranskaya et al.,1995)

7. 好塩基性細胞の割合としての、リンパ球の絶対的および相対的数値が、Cs-137汚染レベル15Ci/km2(6,937.5Bq/kg)から40Ci/km2(18,500Bq/kg)のGomel州に住む成人と10代の間で、有意に高かった。
(Miksha and Danylov,1997)

5.1.1.2. Ukraine

2. 汚染地域に住むリクイデーターの子供たちは、非汚染地域の子供たちと比べて、血液と造血器官の疾病率が2倍から3倍高かった。
(Horishna,2005)

3. 血液と循環器系の疾患は、汚染地域に住む人々の内で、破局後最初の12年間に11倍から15倍増加した。
(1988-1999;Prysyazhnyuk et al.,2002)

4. 1996年、汚染地域での造血器官の疾病率はウクライナの他地域より2.4倍高かった。
(10,000人あたり12.6と3.2)

6. 破局後10年間、汚染地域に住む成人と10代の血液および造血器官の疾病率は、2.4倍増加した。
1987年に10,000人あたり12.7から、1996年に30.5人へ。
ウクライナの非汚染地域住民では、このレベルは破局以前のレベルに留まった。
(Grodzinsky,1999)

8. 1987年から1988年にかけて、血液細胞の質的変異が、放射線レベル5Ci/km2から15Ci/km2(2,312.5Bq/kg-6,937.5Bq/kg)の地帯出身児童の78.3%に見られた。
(Stepanova and Davydenko,1995)

5.1.1.3. Russia

1. 血液と造血器官の疾病が、汚染地域出身児童に非常に際立った全般的疾病率増加を引き起こした。
(Kulakov et al.,1997)

2. 血液と循環器系の異常による疾病率は、破局前の期間と比較して、Tula 州汚染地域の児童で2倍以上になり、すべての汚染地区で増加した。
(Sokolov,2003)

3. 1998年、血液・造血器官・循環器系の年全般的疾病率は、Bryansk州の汚染地区の児童で、州レベルを有意に超えた。(1,000人あたり19.6対13.7; Fetysov,1999a)

4. リクイデーターでは、血液と造血器官の疾病率は1986年から1993年に14.5倍増加した。
(Baleva et al.,2001)

7. 汚染地域の住民は、適応反応を伴うリンパ球がより少なく、リンパ球の放射線感受性がより高い住民数が増加した。
(Burlakova et al.,1998)

8. リクイデーターの末梢血では、白血球・赤血球・リンパ球・血小板の数が通常とは著しく異なっていた。
(Tukov et al.,2000)
大型顆粒リンパ球の数が、リクイデーターが作業を始めた1ヵ月後と、汚染がより低い場所で最低1年間過ごした後とで、60%から80%減少した。
(Antushevich and Legeza,2002)

10. Kursk州の汚染地域では、10歳から13歳の児童と妊婦の血液に、リンパ球数および循環免疫複合体の数と機能的活動の変異が見られた。
(Alymov et al.,2004)

12. リクイデーターの間では、次に述べる血液とリンパ系のパラメーターが対照群と有意に異なっていた。
・血漿の核磁気共鳴緩和(NPMR)の平均持続期間。
(Popova et al.,2002)
・赤血球膜のリセプター・ロイコトリエン反応。
(Karpova and Koretskaya,2003)
・ポリメラーゼ副産物の量(マロン酸アルデヒド濃度と膜粘性と脂質非飽和性の度合いによる)。
(Baleva et al.,2001a)
・血小板・赤血球・血清の中間サイズ分子の不均衡。
(Zagradskaya,2002)
・リンパ球核の顆粒要素拡散の減少、囲顆粒ゾーンの面積と周囲長の減少、このゾーンの歯状突起の増加。??(原文 Decreased scattering of the granular component of lymphocyte nuclei reduction of the area and perimeter of the perigranular zones;---)
(Aculich,2003)
・血管内血小板凝集の増加。(Tlepshukov et al.,1998)
・血清中の血液繊維素溶解性活動と繊維素原(フィブリノゲン)濃度の上昇。
(Tlepshukov et al.,1998)

5.1.2. 心血管系疾病

5. 1995年に、心血管系疾病率が、汚染地域住民と退避者の間でベラルーシ全体よりも3倍高かった。
(100,000人あたり4,860と1,630; Matsko,1999)

13. 観察期間1992-1997に、リクイデーターの致死的心血管疾患が、全人口での2.5%上昇と比較して、22.1%増加した。
(Pflugbeil et al.,2006)

5.1.2.2. Ukraine

1. 循環器系疾患の疾病率は、1996年に、汚染地帯で他のウクライナ地域に比べて1.5倍高かった。
(10,000人あたり430対294;Grodzinsky,1999)

5.1.2.3. Russia

1. Bryansk州の重度に汚染された3地区では、循環器系の問題からの児童疾病率は全国平均の3倍から5倍高かった。
(Komogortseva,2006)

3. リクイデーターでは、循環器系疾患からの疾病率は、1986年と1994年の間に23倍増加した。(Baleva et al.,2001)
1995年から1998に、Bryansk州リクイデーターの疾病率は2.2倍増加した。(Fetysov,1999b)
他のデータによれば、1991年から1998年に、疾病率は1.6倍増加した。(Byryukov et al.,2001)
破局約13年後、心血管系疾病率はリクイデーターの間で、全人口の対応グループの4倍高かった。(National Russian Report,1999)

6.1991年から1998年に、虚血性心疾患の発生率は、リクイデーターの間で3倍増加し20%から58.9%になった。(Zubovsky and Smirnova,2000)
虚血性心疾患は、15年間観察された118名のリクイデーターの3分の1で発生した。(Noskov,2004)
1993年から1996年に、他のグループのリクイデーターは、虚血性心疾患の有意な増加を示した。14.6%から23.0%へ。(Strukov,2003)
虚血性心疾患の疾病率と生起頻度は、リクイデーターと汚染地域の全住民の間で増加し続けている。(Khrysanfov and Meskikh,2001)

12. 典型的には、異常性はリクイデーターの間で破局後長期間持続した。
(Shamaryn et al.,2001;Khrysanfov and Meskikh,2001;Kuznetsova et al.,2004)


(以上追補A)

 

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コメント
 
01. 2011年11月19日 05:04:01: EcZ7rDOJvQ
力作ありがとう。♪

02. 2011年11月19日 10:53:34: i1Bm8E8htA
有難うございます。

免疫に関与の補体まで減少とは!
血小板が、固まりやすくー詰まりやすいーこれじゃ大変だ。

血球の分化機構のそれぞれの段階で、改変が起こされていると
考えられるでしょうか。

>大型顆粒リンパ球の数
一月後から減少し、低放射能レベル地域に退避して一年しても
減少ししたままだった、とは!
その後回復したのか、そのままだったのか。

米国の80マイル以遠退避勧告の説明理由は、血液改変でしたが。


03. 爺さん 2011年11月19日 20:11:07: pkMRoq8j2xu8g : XnmWycR5PI
>>02
今投稿のため訳している部分に次のように書かれています。
別の人がすでに訳して投稿していますが、訳が若干?なので関連部分だけ別訳を載せておきます。
5.4.3. Russia 10.の後半

『3年から4年後、リクイデーターのT系免疫変性は持続していた。それはT細胞およびヘルパーTの減少と、ヘルパー/サブレッサー指数の減少を伴っていた。
この組合せは、高変動度で80%の症例に観察され、細菌性腸疾患を伴っていた。
5年後と次に13年から15年後に、リクイデーターの細胞性・体液性免疫の大方のパラメーターは正常値と異ならなかった。
しかし、自然免疫の変性があった。それは、好中球のミエロペルオキシダーゼ活動減少、活性リンパ球亜集団の著しい減少、赤血球形態異常の実質増加を伴っていた。(Antushevich and Legeza,2002)』


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