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一家に一冊、必読必携の名著復刊!みんなで中川保雄著『放射線被曝の歴史』を読もう!
http://www.asyura2.com/11/genpatu19/msg/130.html
投稿者 ジャック・どんどん 日時 2011 年 12 月 07 日 06:22:02: V/iHBd5bUIubc
 

福島原発事故メディア・ウォッチ

福島原発事故のメディアによる報道を検証します。

http://blog.goo.ne.jp/gimlidwf2011/e/a08c29de5003e89282efc350f1f3cd92  より転載します。

一家に一冊、必読必携の名著復刊!みんなで中川保雄著『放射線被曝の歴史』を読もう!

2011-10-25 22:24:08 | 新聞

1991年に出版された中川保雄著『放射線被曝の歴史』は長らく絶版状態で、出版社も解散ということで、手に入りづらい本だった。しかし、この本こそ、福島後を生きざるを得ない私たちにとって絶対に欠くことのできない「核の秘密」を教えてくれる必読書だ。それがつい最近やっと復刊された。『ヒバクを強制する側』の策略と操作、その淵源と展開、そして彼らのあやつるあやしげな言説パターンや数値トリックをていねいに、かつ、わかりやすく追及したこの本は、今の日本の政府・メディアによるごまかしの隠された動機をみぬき、彼らに対抗する力を私たちにつけてくれる。

・・・・・・・・・
この本のエッセンスは、復刊を祝っているARecoNote3も引用する次の一節にある。

『今日の放射線被曝防護の基準とは、核・原子力開発のためにヒバクを強制する側が、それを強制される側に、ヒバクがやむをえないもので、我慢して受忍すべきものと思わせるために、科学的装いを凝らして作った社会的基準で あり、原子力開発の推進策を政治的・経済的に支える行政的手段なのである。』(ARecoNote3のこちらの記事も参照)

『ヒバクを強制する側』とはだれか。やらせでだます電力会社やその金を分配する使い走りの官僚や政治家、原子炉や放射線治療など放射能で食っている御用学者、原発マネーのツケで飲み食いするタイコ持ちジャーナリストや評論家などはむろんのことだが、客観的な科学性を装っている機関やその研究者などもやっぱりこっちに入る。放射線医療だの、放射線影響だの壮大な装置と潤沢な予算で、どこまで『ヒバクを強制』してもごまかしがきくか、バレバレのぼろを出さずにすむか、日々ご研究にいそしんでいる。こうした客観的科学の側の総もとじめが、その名も『放射線防護』などといかにも御大層でしらじらしい名称をかかげている皆様ご存知のICRPだ。この防護機関が『ヒバクの強制』にどんな風にお墨付きを与えているか、私たちは東電福一原発事故以来、何度もぞっとする経験をした。一例だけ思い出そう。原発で働く人々のヒバク強制限度を政府はまず100ミリシーベルトに引き上げた。それだけでも大変な数値なのだが、政府はそれを250まで引き上げた。『ヒバク強制側』の公式見解からでさえ、後年のがん死などの晩発障害はもちろん、白血球減少などはっきりとした放射線による急性障害さえ引き起こす数値だ。そして、これを正当化するために政府が依拠したのが、『ICRPが許容する限度』というレトリックだった・・・

やりくりに困ったときにはいつでも恣意的に『基準』をあっさりと変えてしまうのは、「18才から天下り後の生活まで人生を設計している」優秀な国家官僚の得意技で、それを諦めて受け入れてしまうのが、悲しいかな我が日本民族の庶民の生活の伝統だという。年金支給なんて、大体の人間が死んでしまう年齢まで引き上げればいい。これ、最高の赤字対策。保育園定員不足だって、園児一人あたりの基準面積を緩和すれば、一気に解消、建物なんか建てなくても必要な数だけ子どもをおしこめれられる。

しかし、ことがホーシャ−ノーで、基準の緩和がすなわち死刑の宣告にもなりかねない時には、この大胆な決断力に富むわが高級官僚でも、だれか「人のせいにする」ことのできるやつがほしい。そこで登場するのが、世界中の科学者からなる国際機関の客観性の権威、人類すべてに適用されるヒバクの普遍性なのである。

上は、国際会議で幅を利かせる(ダマシタ教授がひどく御執心の)「世界的」な放射能学者―金とポストと栄誉にまみれ、マホガニーのデスクの前でカーフスキンのチェアに座り、ウィーンやパリやワシントンやモスクワの同業者と電話で討議する時、こいつらは、自分の手に地球上の何億人もの生命と、数億年かけて形成された人類の遺伝子の未来が握られているのを感じて悦に入る、「選ばし者の恍惚と不安われにあり」なんちゃって!―から、下は子どもの鼻血は放射能のせいではないかと心配する母親を叱りつけ、お前の不安こそが子どもの健全な心理的成長に一番悪い、と脅しをかける町医者に至るまで、こういう科学者・医者連中が『ヒバクを強制する側』にいることはわかりやすい。すこしわかりにくいのが、自分は原発には反対だ、子どもたちの健康を守れ、と言いつつ、しかし、根拠のない必要以上の恐れはエセ科学だ、過度の不信感は不評被害だという良心的良識派だ。かれらはたとえば、政府やマスコミがICRPの勧告を正しく解釈していないと、「科学」と「客観性」の名のもとに糾弾することをためらわないが、ICRPがおしつける科学性・客観性の基盤を問うことはできない。放射能が日々私たちの生活を脅かしている今、かれらは、とりあえずは脱原発依存・卒原発その他もろもろの曖昧派だが、いつ同じ良識に基づいて再原発・続原発・復原発・原発回帰・原発更新にもどりかねない。なぜなら、かれらは『ヒバクを強制する側』に自分がいて、そこから何らかのおこぼれをもらっていることを自覚できないからだ。このブログでも取り上げた江川紹子のような人のことだ。

原子力に中立や客観性はない。それが客観性の独占で飯を食っている物書きや学者には都合が悪い。原子力マフィアの腐敗ぶりを告発できても、客観性そのものが、科学の装いをまとって人々の命を奪い、健康を害し、その犠牲のもとに利潤を上げ、権力を強化してきた世界の瞞着の構造の中心にあることを認めることができない。とりわけ、原子力が、原発利権であるまえに、大国の軍事と外交の屋台骨、世界秩序のへそのへそとして君臨しており、だから人々が原子力に拒絶反応を示すことを科学の総力を挙げて阻む必要があるという事実、したがって、この分野では、科学が中立も良心も論理も真理もかなぐり捨て、すべての知的行為があげて権力に身売りしているという事実を、これらの虚構の価値と自己同一化している諸先生方はどうしても認めることができないのだ。フーテンの寅さんみたいに「そいつを言っちゃおしまいよ」とでも言いたいのだろう。

一方、こんな客観性だの科学だのという壮大な瞞着装置に義理立てする必要のない『おバカな』(松本哉氏)庶民は、ICRPだのIAEAだの横文字にビビったりはしない。私たちは国家が、客観性や正義や正当性や「ハチの頭だのアリのXXXXだの」(再び寅さん)などと、表面をとりつくろって私たちをだますのを知っている。それが、五木寛之氏や水木しげる氏のように深刻な戦争体験にもとづく直観ならずとも、薬害エイズ事件、C型肝炎事件のような薬害事件からも、アスベスト問題や水俣のような公害事件からも私たちが学んだことだ。

あなたがインテリなら、エリートなら、シンボリックアナリストなら、物書きやマスコミ人なら、教師なら、社会的な地位があるなら、高収入なら、高学歴なら、人に指図をして飯を食っているなら、今からでも遅くはない、中川保雄著:『放射線被曝の歴史』を今の今から熟読して、あなたがあぐらをかいて座っている客観性の基盤を問い、『客観化する主体を客観化する』(ブルデュー)作業を開始してください。それこそが世界とあなた自身とを原発体制から解放する第一歩になるはずだから。

一方、『おバカな』庶民もまた『放射線被曝の歴史』を熟読する必要がある。『ヒバクを強制する』奴らはバカではない。つぎつぎとまやかし装置を繰り出し、わけのわからない概念や用語や数値で私たちを煙にまく。『放射線被曝の歴史』はそうしたやつらの手の内を私たちの教えてくれる。たとえば、リスク・ベネフィット論などとかっこをつけても、それが、「おれたちのリスク、奴らのベネフィット」というしょうもない詐欺原理であることを教えてくれる。私たちは客観性を体現した「かしこい人」になる必要はない、むしろそういう連中の虚を突き、足元をすくういやらしい、したたかなバカになろう!

『放射線被曝の歴史』を復刊した明石書店は、これも待望の本、ゴフマン『人間と放射線』も復刊してくれた。どちらも原発擁護・推進のメディア・出版環境で早々に入手不能になり、肝心の過酷事故の時には、アマゾンの古本で5万だのなんだのというとんでもない値段がついていた。さて、私には、もう一冊、ぜひ復刊してほしい本がある。フリーマン(中川保雄・恵子訳)『核の目撃者たち』(筑摩書房)である(筑摩さん、ちくま文庫あたりでどうです。今ならきっと売れますよ)。これにはGEの設計者(NHKのドキュメンタリーにも出てきた)、原発建設労働者・運転労働者、ラボ職員、ウラン鉱山労働者と家族、原爆実験参加兵士、反原発研究者など多彩な人々、そしてみんな気合の入った人々が出てきて原発を告発し、警告するが、このゴフマンもその一人で、いかに原子力をめぐる「科学研究」が原子力マフィアによって抑圧・管理・誘導されているか語っている。別の研究者、スターングラスは、低線量被ばくの危険性がなぜこれほどしつこく否定されるか、私が疑っていたことを確信に変えてくれた。核兵器の「銃口」は実は敵にばかり向いているのではない、とスターングラスは言う。銃口は味方にも向けられている。核爆弾が爆発すると放射能、特に低線量の放射能が味方の土地・人間に向かうのを避けることができない。もし、低線量被ばくの危険性が真面目に研究され、証明されでもしたら、核兵器は兵器として機能しなくなる。だから、軍や政府は(文字通り)どんな手段に訴えても、低線量被ばくは危険ではないという科学的・客観的事実を明らかにして人々に知らしめねばならない。調査や研究や実験が先にあるのではない、結論が先にあるのだ。おまけに、この結論は原発の普及にも役立つ。そしてこの結論に反するものは・・・消されることになる。  

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コメント
 
01. 2011年12月07日 13:28:49: ZbEkMfgIXY
投稿記事、ただ感謝あるのみです。

02. 2011年12月07日 22:38:45: A4GQ7o9O02
どなたか、以下の記事を新規投稿していただけると大変ありがたいです。

《防護基準について「ヒバクを強制する側が、強制される側に、ヒバクがやむをえないもので我慢して受忍すべきものと思わせるために、科学的装いを凝らして作った社会的基準。原子力開発の推進策を政治的に支える手段だ」と厳しく批判。一貫して、原発労働者や子どもら「社会的に弱い立場にある人たち」の側に立ち、防護基準のもとになった原爆傷害調査委員会(ABCC)の被爆影響の過小評価の問題や、原発事故の危険性を鋭く指摘する。》

http://mainichi.jp/select/opinion/newsup/

「被曝の真実」命懸け問うた科学者の遺言=社会部・牧野宏美

 <おおさか発・プラスアルファ>

 ◇弱き人々の側に立て

 神戸大教授だった故中川保雄さんの著書「放射線被曝(ひばく)の歴史」が福島第1原発の事故後に脚光を浴び、10月に復刊した。病床でこの本を手がけ、20年前に48歳で亡くなった中川さんは生涯を懸けて何を訴えようとしたのか。妻で、遺志を継ぎ兵庫県宝塚市で反原発運動を続けている英文学者の慶子さん(69)を訪ねた。

 ■過小評価を告発

 「人類が築き上げてきた文明の度合いとその豊かさの程度は、最も弱い立場にある人たちをどのように遇してきたかによって判断されると私は思う」。放射線被曝の人体への影響が過小評価されてきた歴史を告発した本の中で、20年前に書かれたこの言葉が今、重く響く。

 「福島の事故以降、原発や被曝について、あちこちから講師に呼ばれることが多くなった。空いてる日がないくらいなの」。宝塚市内の自宅で、慶子さんはおっとりとした口調ながら、複雑な表情を見せた。リビングには生前の中川さんの写真が飾られ、仏壇に復刊した本が供えられている。「もし夫が生きていたら事故にものすごくショックを受け、忙しく飛び回ってまた体を壊してたかもしれませんね」

 中川さんが反原発運動に本格的に取り組むようになったのは79年の米スリーマイル島原発事故がきっかけだ。80年に研究者仲間と「反原発科学者連合」を結成し、各地で学習会を開いたり、原発の下請け労働者の実態を調べた。81年には慶子さんを誘い、自宅のある宝塚市で市民団体「原発の危険性を考える宝塚の会」をつくった。中川さんが国内外を飛び回り多忙を極める一方、慶子さんは仕事と子育てをしながら、地元で無農薬野菜の共同購入をしていた友人らと学習会を開くなどした。

 ■20年前の名著に光

 「放射線被曝の歴史」は91年出版。工学博士で科学技術史を専攻していた中川さんが87年に渡米して入手した資料などから、国際的権威とされる国際放射線防護委員会(ICRP)の放射線防護基準がどのように作られ、変遷したかを丹念にひもといている。

 著書によると、ICRPは原子力開発を推進する米国の強い影響を受け結成された。中川さんは、防護基準について「ヒバクを強制する側が、強制される側に、ヒバクがやむをえないもので我慢して受忍すべきものと思わせるために、科学的装いを凝らして作った社会的基準。原子力開発の推進策を政治的に支える手段だ」と厳しく批判。一貫して、原発労働者や子どもら「社会的に弱い立場にある人たち」の側に立ち、防護基準のもとになった原爆傷害調査委員会(ABCC)の被爆影響の過小評価の問題や、原発事故の危険性を鋭く指摘する。

 絶版になっていたが、事故後、ICRP勧告をもとに政府が設定した年間被曝線量の上限値が高すぎるなどの声が高まる中、インターネット上で話題になり、ネットオークションでは数万円の高値がついた。東京大の島薗進教授(宗教学)は自身のツイッターで「早急に復刊すべきだ。なぜ多くの『専門家』が理解困難な放射能安全論を説くのか理解しやすくなるはず」などと評価した。米国の核戦略を研究する広島市立大広島平和研究所の高橋博子講師(アメリカ史)は「原爆投下時の残留放射線などの過小評価が現代にもつながっていることがよく分かる。『科学的』とされる情報に疑問を持つことから出発していて、研究者として人間として強く共感した」と話す。6月に出版社から慶子さんに復刊の打診があり、中川さんの研究者仲間が加筆し出版することになったという。

 ■痛みに耐えながら

 中川さんは奈良県出身。61年に大阪大工学部に入り、応用物理学を学ぶ傍ら、ベトナム反戦運動などにも関わった。文学部の同級生だった慶子さんとは学内の合唱団で知り合う。「思慮深く実行力があって、魅力的な人でした」。2人とも大学院に進み、67年に結婚、慶子さんは私立大の教員になった。博士課程を終えた中川さんは大阪府の教職員研修施設に就職し、科学技術史に専攻を変えた。78年に神戸大の講師になった。

 しかし、90年秋に末期の胃がんと分かる。当時、研究の集大成となる「放射線被曝の歴史」を執筆中だった。医師に告知を止められた慶子さんは、「完成させないまま亡くなったら後悔する」と3日間寝ずに悩んだ末、伝えたという。

 中川さんは激しい痛みに耐えながら病床で口述、慶子さんがワープロに入力した。入稿を終えた91年5月に死去。慶子さんと息子2人が校正した。「読み進めるたびに胸が詰まり、泣いてばかりいました」。原発を止めなくてはいけない、という気持ちがますます強くなったという。宝塚の会の代表を引き継ぎ、20年間こつこつ活動を続けてきた。

 「中川さんは私たちの中で生きている」。11月、復刊と没後20年を記念する集いが大阪市内であり、ともに運動した研究者や市民、原爆被爆者ら約50人が集まった。「福島での健康調査は不十分」など事故の対応を批判する声も多く出た。慶子さんは「夫もどこかから見ている。今頑張らないとね」と自らを奮い立たせるように言った。

 事故後の社会は、最も弱い立場の人たちをきちんと「遇して」いるだろうか。集いからの帰り道、私は中川さんの言葉を思い出し、自分自身に問いかけた。「増補 放射線被曝の歴史」は2415円、明石書店(03・5818・1171)。

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毎日新聞 2011年12月7日 大阪朝刊


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