もしも子供が圧力団体を作ったら・・・
http://takedanet.com/2011/12/post_72c4.html
平成23年12月9日　　武田邦彦（中部大学）

●もしも子供が圧力団体を作ったら、農家の人が「一所懸命、作った野菜だから汚染されていても食べてくれ」というと、「とんでもない。汚れた野菜を食べさせるなんて！」と政治家に圧力をかけるだろう．

●もしも子供が圧力団体を作ったら、教育委員会が「１年４０ベクレルの新基準を作っても、お金が無くて測定器が買えないから、１年５００ベクレルに戻してくれ」と言うと、「とんでもない。もっとも良い機会でも３００万円だ。学校の経費でできるじゃないか！」と申し入れるだろう．

●もしも子供が圧力団体を作ったら、担任の先生が「日光に修学旅行に行く」と言われたら、「とんでもない。大人の観光客が１日３０００人だったのが、放射性物質が降ってから１日２０人になった．つまり自分の意思では行かないところに子供たちを強制的に連れて行くのか！」と反撃するだろう．

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子供は圧力団体を持たない．でもこれまでの日本、「美しい国日本」はそのぐらいのことは考えて、子供の健康を守ってきた．

１０年ほど前、キャラメルにホルムアルデヒドが混入した事件があった。もともとホルムアルデヒドは食品中に多く含まれるもので、たとえば、椎茸には200ppm、ほうれん草には20ppmも入っている．それがキャラメルに0.04ppm混入した．

この事件の時、マスコミは「たとえ、食品の５００から５０００分の１しか混入しなかったとはいえ、本来、あってはいけないものが入っているキャラメルを子供に食べさせることはダメだ」と毎日のようにキャンペーンをうち、ついにキャラメル６００万ヶを捨てさせた．

あれは何だったのか？　相手が弱いと思って潰しにかかったのか、私には不誠実で、定見が無く、まるで弱いものいじめだけをしているように思う．

原発からの放射性物質が給食に混じることは「本来、あってはいけないもの」だから、記者が当時のままの考えなら、自然放射線の１．５ミリシーベルトの５００分の１、つまり１年３マイクロシーベルトでも「とんでもない。本来、あってはいけない放射性物質は許せない」と毎日のようにキャンペーンを打たなければならない。

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そういえば、「東電が汚したのだから、東電が綺麗にしてください。私だって、他人の衣服を汚したら謝って自分でクリーニングに出します．それが日本の文化です」と言った主婦に対して、「そんなこと言うなら、電気を使うな！」と怒鳴り込んできた男性がいたという．

人は社会に役立つことをしている．電力会社も飲食店も同じだ。でも「社会に役立つことをしているから、犯罪を犯してもよい」とか「犯罪を犯した方が被害者を脅してはいけない」のは当たり前だ．主婦は東電の被害者であり、東電は犯罪を犯した．その主婦に向かって「電気を使うな」とはどういうことだろうか？

東日本大震災でも沈着冷静に行動した日本人。それが福島原発事故ともなると気が動転している．東電からのお金や政府の力に屈したのか、それともあまりの怖さに判断力を失ったのか、それが心配だ．

コメント
01. 2011年12月10日 03:21:59: j8DlsR41DQ いろんな役人や政治家が安全だといって殺そうとする。今の人材とようシステムはだめだぞ。良心や道徳にしたがうより命令や金での保身しかない人材とようは、間違ってるというより犯罪システムだ。 教育制度も試験制度も全部止めろ。道徳だけをみろ。
02. 2011年12月10日 05:36:52: C3uUE5jNvQ こどもの立場にたって考えないと、 農家がかわいそうだから、汚染があってもたべよう 放射能のある観光地が寂れているから、みんなで行こう お金が無くて測定器が買えないから、１年５００ベクレルに戻してあげよう という意見が正しいようにみえてしまう、ということなのでしょう。
03. 2011年12月10日 06:44:40: ZbEkMfgIXY なかなか、いい論点だと思うけど。 子ども自身が放射能で苦しめるくらいならお前ら大人たちが氏ね、 加害者である大人たちはもうこれ以上被害者である子どもたちを 苦しめるのは許しがたい非公正、非対称的な関係、不平等、人権侵害だ、 と主張する時、子ども自身は正しいとしよう。 かつて、マルクス主義者が、資本主義はまちがってる、貧富の格差を 生みだすのみでなくまた社会的富を貧者からはますます奪い 富む者たちをますます肥やすほかないのが資本主義の本性だからだ、 これほどの許しがたい非公正、非対称的な貧者と金持ちの関係、不平等、 人権侵害はあってはならないはずだと主張した時、 やはりマルクス主義者は正しかった、としよう。 資本こそ子どもにとっての放射能のごとき攻撃性で人間を苦しめてきたような ものだ。売り上げノルマに、今日も労働者は四苦八苦している。 けれどもやはり、 正しい者たちが現実には、歴史上、敗北してきたのも忘れてはならない事実だ。 手段を選ばないことで無垢の者たちを傷つけ殺めたりしてきたのも事実だ。 誰が、かの正しい者たちを弾圧してきたか。国家権力だ。警察、治安、公安だ。 子どもに賛成、反放射能拡散の立場は正しく、かつ、苦しい。 というのは、反資本、反国家したがって反国民----少なくとも建前上は 国家権力は国民のためにはたらくのだから----の立場なしには難しいように 見えるから。しかし、たとえ苦しくとも難しくとも、 最終的には子どもが、そして、労働者の連帯と労働者独裁にこそ、正しさと 未来があるのもまた、事実なのではないか。そこに放射能汚染が相応しくない のだから。子どもは被曝に弱いし被曝労働者を産み出す原発で労働者は 死にゆくしかないのだから。 とはいえ、このようなメッセージが、産業界や官僚、財界に通じるとは思えない。 しかし、もし子どもが団体を作り声明を公表し自治体、国や業界相手に 正論をぶちかますなら、事態は膠着状態をやめよくもわるくも動く可能性がある。 政治家頼みではなく、各地でシンポジウムを開催するとか、文化祭や体育祭を その声明の場としてのっとるとか、社会問題化すればおもしろいだろう。 大人は反応せずにすますことができない。まあ冷酷な無視黙殺はありうるがね。
04. he8 2011年12月10日 08:54:56: /XGAlxEUgVRGw : Swu6QSsKeQ 数年もしない内に、橋下徹主席？のもとで、反原発紅衛兵？たちが、東電や、霞ヶ関に、突入して、実力行使する事態が、生じるかもしれない。 ただし、紅は、日の丸の中心の丸い紅かもしれないが？
05. 2011年12月11日 09:19:58: BOx2lkHyx2 もうずいぶん前から、物言えぬ子供たちを儲けの犠牲にしている大人たちがいる。そのことに、どれだけの人が気がついているのだろう… 子供たちの口の中に、体に、有害物質を積極的に放り込んでいる大人たちがいる。その者達にとっては、放射能で子供たちの健康被害が起きる事など、目新しいことではないのかも…？

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