[東北地方太平洋沖地震] １４日午前１１時頃、福島第一３号でも爆発

2011/03/14

東京電力によると、福島第一原子力発電所３号機（ＢＷＲ、７８万４千キロワット）の原子炉建屋が１４日午前１１時０１分頃、白煙を上げて爆発した。水素爆発とみられる。圧力などのパラメーターを見る限り、原子炉と原子炉格納容器の健全性は保たれているとしている。ただ、原子炉水位の低下により燃料棒は半分ほど露出しており、「炉心溶融の可能性がある」（小森明生常務・原子力・立地副本部長）という。原子力安全・保安院から南側５キロメートル以内の立ち入り禁止が指示されており、１〜３号機の作業はすべて中断している。

３号機の水素爆発で作業員が６人負傷しており、３人は打撲と確認された。内訳は東電社員４人、協力企業作業員２人で、いずれも意識がある。

放射線量は爆発直後の３号機近傍で毎時５０マイクロシーベルト（同１１時３５分）、中性子線は０．０１ミリシーベルト以下（同）だった。同１１時４４分、正門での放射線量は毎時２０マイクロシーベルト。風は海方向に吹いているとしている。

そのほかの同１１時３５分時点のパラメーターは原子炉水位Ａ系が１７キロパスカル、同Ｂ系が１８キロパスカル、格納容器圧力が３６０キロパスカル、格納容器液層部が３８０キロパスカルで、小森常務は「格納容器の気密性は保たれている」としている。３号機はＭＯＸ燃料が入っているが、「（通常燃料と）それほど組成は変わらない」（小森常務）とし、個別の影響を否定している。

爆発前の同１０時５５分には原子炉水位Ａ系・Ｂ系が３４キロパスカル、格納容器圧力が５２０キロパスカルだった。爆発前後の数値の変化は現在分析中。

水素爆発に至った原因は福島第一１号機と同様の可能性が高い。１号機では被覆管のジルコニウムが溶けて水と反応し、水素が発生。これが格納容器の外に漏れ出し、原子炉建屋内で空気と混合して爆発したとみられている。

３号機は原子炉格納容器圧力が、同６時５０分に最高使用圧力と同程度の５３０キロパスカルに達した。同７時４４分に原子力災害特別措置法第１５条第１項に基づく特定事象と判断した。

その後、格納容器圧力は緩やかに下がり、同９時５分に４９０キロパスカルとなった。圧力上昇により３号機の作業員を一時退避させていたが、圧力低下に伴い、圧力降下のための現場作業に復帰させていた。

３号機は海水のくみ上げ量が足りなくなり、同１時１０分〜３時２０分に注水を一時中断した。時間差はあるが、圧力の上下は注水作業の中断によるものとみられている。

http://www.shimbun.denki.or.jp/news/main/20110314_03.html