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原発 緊急情報(46)   「風評被害」 を学ぶ    [武田邦彦 (中部大学)]
http://www.asyura2.com/11/genpatu8/msg/469.html
投稿者 純一 日時 2011 年 4 月 03 日 13:00:40: MazZZFZM0AbbM
 

http://takedanet.com/2011/04/46_e65d.html

(平成23年4月3日 午前9時)

NHKは2006年4月16日(日) 午後9時から9時49分に総合テレビで「汚された大地で〜チェルノブイリ 20年後の真実〜」という放送をし、今でもNHK ONLINEで見ることができます。


そこでNHKは、


「史上最悪の原発事故からこの4月で20年、人々の苦しみは続いている。というよりむしろ悪化している。ウクライナにある、放射線を浴びた人々が集まって暮らすアパートでは、がんなどの重病患者が増加、毎週のように死者が出ている。さらに大量の放射性物質がまき散らされたベラルーシでは、ヒロシマ・ナガサキでは否定された「遺伝的影響」が報告された。


(中略)


「いまだわからないことばかり」とも言われる放射線の人体への影響。広島の医師や研究者も加わって、暗中模索の事実解明、因果関係の究明が続けられている。」


(本来は著作権がありますので NHKに断って載せなければなりませんが、日本人の命に関わる事ですから、ご勘弁ください.)


・・・・・・・・・


一方、福島原発の事故が起こった後、 NHK は「このくらいの放射線なら大丈夫だ」という放送を繰り返してきました。


それも政府コメントの紹介に止まらず、アナウンサーが自ら比較的大きな声で「安全です」を繰り返してきたのです。


昔から NHK は受信料を強制的に取る国民的放送ですから、多くの日本人は自分が受信料を払っている NHK のアナウンサーは自分の味方で本当のことをいうというように思っています。それを利用した行動でした。


さらに、福島原発の近くの海から規制値の3355倍の放射性要素が、それたときに、「健康に影響はありません」という保安院のコメントだけを紹介し、このような高濃度の放射性要素が健康に影響を及ぼすという考えの人のコメントは出しませんでした。


つまり NHK は片方では「チェルノブイリの放射性障害が考えていたよりもはるかに大きい」という放送をし、片方で「福島原発の放射性障害はほとんどない」と言ったのです。


しかし、海外の多くの報告が示すように、今回の福島原発の事故はチェルノブイリとほとんど匹敵するような放射性物質を出していることがわかっています。


もう一つ問題なのは、 NHK 自体がチェルノブイリについては「放射線による人体への影響はまだわからないことばかり」と放送したのに、福島原発が起こると「安全です」という確定的なことを言うという違いは極めて大きいこと感じます。


・・・・・・・・・


わたくしは、数年前、風評被害を専門とする社会学者に教えを受けたことがあります。その人は若い人でしたが、非常に専門的で立派な学者でした。彼の話はとても複雑でしたが、簡単に言うと、


「風評被害というのは、正しい情報を伝えないことによって起こる」


ということでした。そしてその理由は、


「人間は自分の身を守ろうと考えるので情報が不完全な時は、余計に不安になって慎重な行動になる」


ということでした。豊富な例を示していただき、わたくしはそのことを強く覚えています。


つまり「風評被害」というのは「悪いことでも異常なこともなく」、情報が不足した時に起こる「正常な人間の社会活動」ということです。


だから、風評被害をなくすには、一にも二にも人間が自分を守りたいという本能に適した「正確な情報を提供する」ということなのです。


・・・・・・・・・


2011年4月3日(日曜日)の朝、わたくしは NHK のニュースを見て、福島県の農家の人が本当にかわいそうになりました。


放送では、福島県の野菜を何とかして売りたいと思っている農家の人が、トラックに新鮮な野菜を積んで東京に運び、そこで2割引で野菜を売っているのです。


農家も NHK も「この野菜は安全です」というの強調していました。それを見て、わたくしは本当に福島県の農家の人がかわいそうになりました。


というのはこのようなNHKの放送こそが、福島県の野菜に対する風評を強くして、野菜が決定的に売れなくなってしまうからです。


・・・・・・・・・


人間はバカではありません。そして現在のようにある程度の情報が提供されていればそれに基づいて自分の身や自分の子供の事を守ろうと考えるのは当然のことです。


福島原発から出た放射性物質が、空中にあたかも花粉や黄砂のように飛び、それが地上に落ちます。


地上に落ちたり、壁についた放射性物質からわたくしたちの体が被爆します。その値はNHKで毎日報告されていて、福島県ではおよそ数マイクロシーベルに及びます。


ということは、会津地方は別かもしれませんが、福島県全体としては放射性物質が常に降っているわけです。このことはほとんどの日本人が知っていると思います。


つまり福島県の農家には大変に申しわけないのですが、野菜には放射性物質が付着していると考えるのが「常識」なのです。そうなると、規制値と比べてどのぐらい低いのかということが大切で、消費者の知りたいことです。


例えば、規制値が300ベクレルの時に、野菜についている放射性物質が200ベクレルなら、多くの消費者は買わないでしょう。20ベクレルなら買うかも知れません。数値がなければ判断できません。


また、普通の時ならば、周りに放射性物質がないので、あるいは規制値以下であれば野菜を購入する人もいるかもしれません。しかし現在では、空間からの放射線、自分が吸い込んだ放射性物質、水・食品等の汚染があるのですから、よけいに慎重になります。


このような時に自分や自分の家族を守ろうとしたら、「放射性物質がついている野菜よりも、放射性物質がついてないものを買いたい」と思うのはごく自然のことです。


もし、福島県の農家の人が福島産の野菜を売ろうとするなら、「この野菜は規制値の何分の1の放射性物質がついています。もしもそれで良いなら買ってください」とお願いするのが良いと思います。


つまり野菜を売るということは、人の口に入るのですから、十分に情報を出して信頼を得て、野菜を売らなければなりません。


そうしないと風評被害はさらに拡大すると思います。


わたくしは息を詰めて放送を見ていました。しかし NHK は最後まで「安全な野菜だ」というのを繰り返し、「福島県の農家を応援したい」という人を紹介していましたが、野菜がどのくらい汚染されているかということは全く触れませんでした。


・・・・・・・・・


それに福島県の農家に打撃を与えたことがあります。


1) 政府が「野菜の放射線を測定するときには、「出荷のまま」ではなく、良く「流水」で洗ってから測定しろ」という通達を出したことです。
これによって消費者は「表示されている放射線量はインチキだ」と確信しました。
消費者は販売されている状態の野菜についている放射性物質の量を知りたいのに、測定する野菜だけを綺麗に洗ったら判らなくなるからです。しかも政府の通達ではご丁寧に、かならず「流水」で洗うように指導しています。
こうなると消費者は「数字は当てにならない」ので、「産地で判断する」ことになります。政府が作り出した風評です。

2) 茨城県知事や福島県知事が「野菜の出荷基準を高くしてくれ。そうしないと農家が困る」と陳情しました。
「高い放射線の野菜を出荷しないと農家が困る」という理由ですが、つまりはこれを消費者から見ると、「茨城県や福島県の野菜を買うと、余計に被曝する」ということを意味します。
もしこれが農家の要望を知事が受けたのだとすると、茨城県と福島県の農家は自分の収入を得るために消費者に、今のように被曝に神経質になっているときに、これまでの基準値以上の放射性物質がついた野菜を食べさせることになりますから、不信感は決定的でしょう。

福島県の農家は被害者です. でも、放射性物質が空から降って来るのは事実で、それを日本人は知っています。だから、方針を転換する必要があります。


政府やNHKの言っている「風評」の宣伝にのったら、農家の人は本当に困ることになるでしょう。


「風評」は情報操作などによって発生する正しい社会の反応なのです。

(平成23年4月3日 午前9時 執筆)

 

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コメント
 
01. 2011年4月03日 14:07:53: E6p85VMTw6

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110403-00000502-san-pol

「造血幹細胞採取は不要」と原子力安全委 作業員の命より政治的配慮か
産経新聞 4月3日(日)1時48分配信
 東京電力福島第1原発の放射能漏洩(ろうえい)事故で、復旧作業員の大量被曝(ひばく)に備えた自家造血幹細胞の事前採取について、内閣府の原子力安全委員会が「不要」と判断していたことが2日、わかった。造血幹細胞は、被曝し、造血機能に障害が起きた際の治療に有効だとして、専門家らが事前採取の必要性を指摘している。安全委は原子力の安全規制を担当し、基準などを首相に助言する役割を担っているが、専門家からは「作業員の生命を軽んじている」との批判が出ている。

 産経新聞が入手した安全委の内部文書によると、現時点で事前採取する必要がない理由として(1)作業員にさらなる精神的、身体的負担をかける(2)国際機関での合意がない(3)十分な国民の理解が得られていない−ことを挙げている。

 造血幹細胞は血液中の細胞である白血球などの源となる細胞。骨髄などに存在する。全身に被曝した場合、血液の細胞をつくれなくなる障害が起きるが、あらかじめ自身の造血幹細胞を採取・冷凍保存しておけば、それを移植することで造血機能が回復する。

 茨城県東海村の臨界事故(平成11年)では、作業員2人が他人の造血幹細胞の移植を受けたが死亡した。だが、自分の細胞であれば合併症を防ぎ、回復も早まる。費用の自己負担は約20万円で手術の必要もない。

 造血幹細胞の事前採取については、日本造血細胞移植学会と国立がん研究センターが提言している。先月28日には移植医療に携わる虎の門病院(東京都港区)の谷口修一血液内科部長が首相官邸を訪れ、仙谷由人官房副長官に採取するよう申し入れた。仙谷氏は理解を示し、事前採取に前向きだったという。

 今回、安全委が造血幹細胞の事前採取を「不要」と判断したことについて、事前採取の必要性を訴えてきた野党若手議員は「被曝を前提とするほど危険な場所で作業していることになれば、国民の不安感や諸外国の不信感をあおることになりかねないという政治的配慮があるのではないか」との見方を示している。


02. 2011年4月03日 14:36:01: vYaTE3dzKU
NHKなんて誰も信用してないし。
広瀬 隆氏のYOUTUBE福島原発事故講演動画や武田邦彦教授のブログの方がよほど信用できる。
(枝野会見)プルトニウムは重いから拡散しません??日本で検出される過去に行われた核実験による残留プルトニウムと同レベルです??拡散するから日本でも検出されるんだろうが!

03. 2011年4月03日 14:42:57: OIxNYWfJog
私のこれを見て呆れました。政府と行政は福島と、福島近県の農家を潰すつもりなのかと。
規制を緩めたり水洗いをしてからなどと小細工を聾すれば、消費者が不安に思い買わなくなるのは当然のことです。農家の首を絞めるような政策です。社会を知らないにもほどがあります
近くのスーパーに行けば。北関東産の野菜の値段の下がっていること、目を覆うばかりです。正にお上の発想の典型です。
むしろ規制を厳格に護り、だめなものは早急に農家に補償し、安全なものは安心して消費者が買えるようにするのがベターな政策です。

どうしてこんな酷い政府と政治家を日本は持ってしまったのだろう。それに即座に反対、不信任を言い出さないのは、他の政治家も同じ穴のムジナか。


04. 2011年4月03日 15:10:22: wGaSu5Yb0U
官僚の考えることなんか、この程度の小細工ばかりです。
今だに「知らしむべからず」を金科玉条にしているんですね。

05. 2011年4月03日 15:30:49: CjUaPd4RoQ
>規制値が300ベクレルの時に、野菜についている放射性物質が200ベクレルなら、多くの消費者は買わないでしょう。
>福島県の農家の人が福島産の野菜を売ろうとするなら、「この野菜は規制値の何分の1の放射性物質がついています。もしもそれで良いなら買ってください」とお願いするのが良い

それと、関西や海外の野菜や魚の放射能をきちんと書いた方がいい
例えばバナナ5本で、約130ベクレルだw


06. 2011年4月03日 15:49:09: 98hXIFsvWM
この稲 恭宏博士の話が、本当じゃないのかぁああぁぁ・・・・心配しなくていいと・・・・

  http://www.youtube.com/watch?v=8ONbhHHBlVk

[削除理由]:2重投稿
07. 2011年4月03日 16:04:59: TD7i9vvqMo
>>06
そのタイプの「断言する奴」はまずウソつきと思っていい。
しゃべりも胡散臭いしな。演説か何かかよ。

08. 佐助 2011年4月03日 18:40:12: YZ1JBFFO77mpI : BEWhTuIOgg
稲 恭宏博士分けわからん,専門家はただ混乱させているだけではないか
データによる説明不足,海藻に含むヨウ素と放射性ヨウ素131・・取りすぎになるとどうなる
セシウム137は、ナトリウムやカリウムと同じ動きをすると聞いている,土壌粒子と結合しやすく、肥料成分と同じ動きをしますので、農作物にも取り込まれて、長期汚染の原因となるのではなかろうか。野菜がもつ酵素は放射性ヨウ素131によりどうなるのだろうか。昆布などがもつ普通のヨウ素との違いは。よくわからん,混乱させているだけだろう。

原発でメルトダウンしたのでしょう,放射性元素の「ヨウ素131」と「セシウム137」は,ばら撒かれました,何年続くのでしょうか。セシウム137は、ナトリウムやカリウムと同じ動きをするので,イオン化によって共鳴振動応力が発生します。従って納容器(ジルコニユウム特殊合金)及びステンレスの圧力抑制室容器や配管などは明らかにクラック,腐敗],発火が進み漏れます。その証明的なことが起きています.コンクリートピットがクラックが入り海洋への垂れ流しです,しかし元々この原子炉はハウジング下部に溶接肉盛り箇所があります,そこも割れて穴が空いていると思う,オマケニ配管から大気開放,ドレンは海洋と繋がっています,大気と海への放射能の放出はさけられなかったことになる。なんと可笑しな設計をしたもんだ。安全に地下への廃炉も分解も整備性も考えてない,電源なし冷却水の冗長回路もない,遊びも逃げもない恐ろしいことだ。せめてイオン化による共鳴振動とクラックと発火,応力の説明もしてもらいたいものだ。

なんの材料データも応力(耐久性・耐震基準・放射能の標準化など)全くがありません。なのに大丈夫可笑しいですね。それならば放射線ヨウ素と普通のヨウ素の関係と酵素の関係のデータが欲しいです,放射性ヨウ素131と安全なヨウ素と植物自身がもつ普通のヨウ素と酵素,例えば白菜のヨウ素と酵素の関係,抵抗力などどうなるのでしょうか,データがないのに憶測で放射性元素の「ヨウ素131」と「セシウム137」について大丈夫,安心安全の発言は控えて下さい。一日あたり卵1個あたり0.3mgとワカメや昆布で50g摂取したとします,卵を40個以上食べることになります。そうすると毎日大変なヨードを取る事になりますね。それでも大丈夫なんですか,可笑しいですね。見え透いたウソこそ風評被害だ。卵を40個以上毎日食べたら健康的に可笑しくなります。最近の野菜は化学肥料など使いすぎかヨウ素の被害なのか酵素成分がなくなり,旬のものがなくなったと思われます,魚もそうでしょう。白菜の大量摂取でヨウ素も酵素も摂取できないことになります。我々人間は最近抵抗力がなくなりジンマシンが増えているように感じます,健康被害はこの影響がないのか,具体的な普通のヨウ素と放射性ヨウ素131の関係データでの説明がないと放射能への不安感は解消しない。特に抗酸化酵素の元になるアミノ酸(タンパク質)とミネラル、がどうなるのか,免疫はどうなるかの説明を専門家はしないなぜだ。



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