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東日本大震災・原発事故の復興戦略
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投稿者 伊予次郎 日時 2011 年 4 月 07 日 14:48:36: kixPLv9awJZfA
 


 政府・東電の対応に、先が見えないのは何故か

 大地震・大津波と重なった、福島原発事故と計画停電、放射能汚染は人災と政治の貧困だ。政府・東電・与野党・マスコミの災害対応は、原発事故の連鎖・深刻化と不安の抑制が表裏で、客観的な情報の公開、最悪の状況が明示されず、後手後手に回って迷走した。

 政府の待避地域は、その場凌ぎの朝令暮改が続き、外国人の国外退去もあった。被災地域の住民は、自発的な待避を始め、自治体の首長は、政府と住民の狭間で立ち往生している。加えて、海に低濃度汚染水の放出を始めた。

 政府・東電の原発事故対応に欠けていたのは、初動の電源確保、危機管理体制などだ。中でも政府・東電は、先の見えない後手後手の対応に終始してきた。原発の外部電源は確保したが、注水による冷却機能の回復は、綱渡りの試行錯誤が続いている。

 一方で、放射性物質の拡散に歯止めを欠き、廃炉や閉鎖の技術、使用済み核燃料の最終処理など、不明確で未解決な課題が多い。また冷却機能回復の緊急対策と並んで、最悪事態を含め地域別に被害を予測し、それに備えた避難計画を検討・提示できていない。

 併せて、放射物質汚染データの公開も必要だ。「直ちに、人体に影響はない」と言うのは、逆効果で気休めにもならない。この事故で、原発の安全神話は、大きく信頼を失った。放射能の不安に、エネルギー政策の見直しは必至だ。その根底には、技術文明に疑いを持たない利便と効率の追求がある。

 具体的には、冷却と閉じこめの並存という、終わりのない核分裂エネルギー利用の仕組み。使用済み核燃料を、建屋内原子炉並設プールに保管する設計、初動の錯誤を始め、想定外の事故に対する危機管理体制の欠如。そして何よりも地震列島の海辺に原発を設置したことだ。

 加えて、政官財主導の集権体制による、エネルギーの首都圏集中と周辺地域依存という歪みが明らかになった。後手後手で迷走する事故対応には、原発輸出を進めた菅首相を始め、想定外が語る原発推進体制の継続がある。これを組み替えた、挙国一致こそ必要ではないだろうか。

 東日本大震災・福島原発事故の影響で、産業界の生産規模の縮小、西日本への生産拠点の移動、自動車・鉄鋼の海外移転加速、電機の脱原発事業改革、エネルギー政策の見直しも予想されている。

 これまでTPPで第三の開国が言われ、政府・多国籍企業は新成長戦略で、原子力発電を含むインフラ輸出を推進してきた。また社会保障と税の一体改革も、震災・原発事故の影響が産業・社会全体に及び、共に新たな視点への転換が必要となる。

 政治とカネは消えても、国難打開で政治の貧困は、一層深刻になった。だが、その前提となる、原発事故の今後を見通さねばならない。
 
 別視点の長期戦略を欠く
ー冷却と閉じこめの両立案を

 原子炉建屋の水素爆発、放射線物質の放出、原子炉格納容器の損傷、使用済み燃料プールの水温上昇、原子炉・タービン建屋地下の放射能汚染水が屋外の坑道・たて穴(トレンチ)に漏出、作業用の穴(ピット)から海に流出が起きた。

 試行錯誤の末、ピットからの流出は止まったが、他の経路からの流出や、再度の水素爆発が懸念されている。また食品や水の放射能汚染、原発の作業員の被爆、水道水、牛乳や野菜、海水の汚染、風評被害が続く。

 汚染した水は、原子炉内の循環水・外部注水の冷却水・津波に起因するという。タービン建屋内外の水が放射能汚染し、タービン建屋内のたまり水を、同じ構内の復水器に注入するため、建屋外の復水貯蔵タンク、圧力抑制室用貯水タンクの玉突き方式による、注・排水が試みられた。

 だがトレンチやピットの汚染水を排水する、集中環境処理施設が満水状態で、同施設の500倍基準値汚染水10,000トン、5・6号機の周辺汚染地下水1,500トンを海洋放出している。

 外部からの注水・排水による、核燃料の冷却(残留熱除去系)は止められない。だが外部注水と汚染排水の閉じこめには、注水・排水量の調整と、他の汚染排水の受け皿が必要だ。一方で、本来の冷却機能修復まで、可能な限り放射物質の拡散を閉じこめねばならない。

 布製建屋の設置や原発域内の瓦礫に樹脂塗料の散布、ロボットの導入、タンカーなどの提案も寄せられている。作業用の穴(ピット)から海に流出する汚染水の閉じこめ、タービン建屋内のたまり水の排水が当面の課題だ。そして何よりも、外部注水量の調整で、冷却機能が保持されねばならない。

 既に、外部電源と制御室の照明は、整備された。だが今後、建屋内外から汚染水の流出を止め、排水ができても、ポンプ・配管の取り替えなどを行い、本来の冷却機能、熱交換施設の修復が可能だろうか。

 燃料を取り出すのがベストだが、中を見ないとわからない。1〜4号機の原子炉3つ、燃料貯蔵プール4つは、地震・津波に加え、水素爆発で損傷しているのだ。土壌が汚染された周辺市町村には、当分人は住めない。

 政府・東電の後手後手の対応は、衆目が認める所だろう。「止める、冷やす、閉じこめる」三原則が、広く知られるようになった。だが「冷やす、閉じこめる」のジレンマ・悪循環が続いている。一部では、「止める」が働かなくなり、水蒸気爆発や再臨界の懸念も消えない。放射性廃棄物処理も、未解決だ。

 そこで、もう一つの対応戦略として、外部からの注水・排水による、核燃料の冷却を持続し、廃炉の手順を検討する必要がある。ネットで見た提案は、「秀吉の高松城水攻め」に因む、「原子炉を囲い込んだ水攻め」だ。水は冷却効果と共に、中性子線などの遮蔽効果もある。

 門外漢だが、これを参考に、以下の冷却と閉じこめの両立案を纏めた。

 原子炉の周囲を囲む巨大なタンクを構築し、水を入れて原子炉を水没させ、安定冷却状態にする。タンクの周囲をコンクリート・ブロックで囲み、その中に鉛・黒鉛、ボロニュームなどの中性子吸収材を入れる。この構築には、放射能で売れない鋼材も利用し、土のうや被災地の埋立向け瓦礫を積み上げる。

 タンク内の水を冷やす為に、熱交換器や放射性物質除去の沈殿槽も複数必要だ。濾過水はポンプでタンクに送り返すが、蒸発を考えると蓋があるほうが良い。

 炉心の圧力容器が水没状態になると、タンクを足場にクレーンを使って、燃料棒の抜き取りが可能かもしれない。またタンクが出来れば、制御棒を原子炉内に押し込んでやる手段もある。

 加えて、福島第一原発の5・6号機、同第二原発1〜4号機内の使用済み核燃料を、全国の原発に海上輸送で緊急疎開させる。そして空いた貯蔵プールや復水器は、福島第一原発のたまり水や、放射能汚染物質の受け皿にしてはどうか。
            
 被災地の復興設計

 東日本大震災と原発事故は、国難だ。津波被害の農地だけでも、六県で二万四千ヘクタールに及んでいる。だが被災地の救援や復旧の取り組みは、禍を転じて福にし、閉塞した日本が元気になる、第一歩にできるのだ。

 まず、被災地の救援を、双方向にしてはどうか。既に集団避難も、進んでいる。全国には80万戸の空き住宅があると言う。また仮設住宅も、可能な限り高台に用地を求め、被災者の菜園付きセカンドハウスにしたい。

 さらに、24,900万トンという瓦礫の処分は、木質の可燃物、再生可能な金属・ガラス、埋立向けのものに仕分け、再生利用に努める。その上で、政府が、前述の「原子炉を水没させる巨大なタンク」周辺避難地域の土地を買い上げ、そこに埋立向けの瓦礫を集積する。

 集積した瓦礫は、その上に土を盛り草木を植える。原発の古墳だ。古墳の周辺には、濠を廻らし地下水の放射物質汚染除去の装置を設ける。勿論、充分な代替地の提供、補償は、不可欠だ。 

 次に、地震防災の研究者は、大津波に10メーターの堤防が無力だったことから、従来型の災害復旧では対応できないと語った。先人の言い伝えを大切に、防災意識の高さで98%が生還した、宮城県石巻市雄勝町水浜集落。同じく先人の教え「津波の時は井戸に気をつけろ」で、津波避け助かった岩手県大槌町栄町の婦人。

 また「此処(ここ )より下に家を建てるな」を守り、全家屋が被害を免れた岩手県宮古市姉吉地区。さらに「津波てんでんこ」(自分の責任で早く高台に逃げろの意味)で、3千人近い小中学生のほとんどが無事に避難した、釜石岩手県釜石市。同角力浜地区も、10人の内9人が助かった。

 コンクリートと鉄に替わって、災害に順応し自然共生型の国土復興計画が必要だ。この計画は、域内各河川の流域圏を範囲とする。大津波の被災地復旧は、堤防やダムの高水方式に替わって、信玄や清正の霞堤みなど自然に逆らわない低水方式が、水利技術の軸となる。

 被災地の多くが、田畑や森林などの農林地に、これに遊水池・沼沢地が組み込まれ、自然生態系が形成される。その基軸は、灌漑・輪作・放牧などの高度化、自然更新・択伐・林牧複合、魚釣り林など、農林漁法の変革だ。

 また住民の居住地は、扇状地の山麓や山間の高所に設けられる。そこで、仮設住宅に替えて、菜園付きのセカンドハウスを建て、休日の保養と災害時の避難場所とする生活スタイルも提案したい。

 それは、自然と人間が共生する、地域循環型の地域再生計画だ。被災者が求めているのは、これからの展望だ。この地域再生計画は、その設計図であり、住民の仕事と暮らしの羅針盤となる。 

 さらに全国には、荒れた山野と不耕作地、居住者の無い住居を抱える限界集落が、広範に存在している。こうした地域の人々が、ネットで被災者の受け入れを呼びかけ、これを自治体や政府が支える仕組みが始まっている。

 加えて地震列島の原発は、エネルギー政策を見直し、長期的には原子力発電を廃止する。そして小水力・バイオ・太陽熱などの自然力利用、分散・双方向方式で、エネルギーの地産地消(スマートグリッド)、固定価格買い取り制度に転換が必要だ。また国内炭火力発電の復活も検討されてよい。

 それは、地域資源や住民の仕事や暮らしを、活かし・つなぐ地域循環を構築し、地域経済・社会の再生を土台に、日本全体を再生させるだろう。また復興財源には、原子力関連予算・基金などの特別会計を取り崩し、財政の組み替えを行う。電力企業の内部留保の洗い替えでも、一部は捻出が可能だ。

 特に従来の集権型復旧ではなく、地域裁量の一括交付金方式が有効となる。加えて復興公債の発行も、必要だ。世界金融危機の下、中国・産油国などに引き受けて貰う。
 
 即ち、今度の大震災と原発事故は、従来の外需依存・海外生産指向経済と、内需再構築・国内産業の立地と技術・市場構造変革という、政策路線の選択を必要とし、日本の命運を決めるのである。それ故、迷走する政治の貧困打開には、この道筋の選択に、国民が広く参加する論議の場が不可欠である。
 
 今度の震災と原発事故は、維新・敗戦に並ぶ歴史の転機だ。問われているのは、西欧技術文明と官僚集権体制である。そして、これに代わる自然と人間を活かし・つなぐ、仕事や暮らしと社会の仕組みだ。

今日本には、一人一人が、できることでつながる、大きな流れが起きている。この潮目を実感して、未来を展望したい。 政府・東電主導のトップダウンから、国民・住民・地域の智恵と力を結集するボトムアップへの転換だ。被災地への支援と、避難の受け入れが両立する住民・地域間の連携も、その一つである。 
政治の貧困を打開するのは、維新の若き志士や敗戦後の復興を担ったような人々だ。地域の仕事と暮らし、現場に根差したリーダーに期待したい。

 
 

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