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復興に要する資金は、20〜30兆円超という膨 大なものになりそうです。その財源ですが、どうすればいいのでしょうか
http://www.asyura2.com/11/hasan71/msg/360.html
投稿者 sci 日時 2011 年 4 月 03 日 11:40:29: 6WQSToHgoAVCQ
 

『村上龍、金融経済の専門家たちに聞く』

   Q:1205 


   ◇回答

    □水牛健太郎 :日本語学校教師、評論家
    □北野一   :JPモルガン証券日本株ストラテジスト

  
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■今回の質問【Q:1205】

 Q:1203への回答によると、復興に要する資金は、20〜30兆円超という膨
大なものになりそうです。その財源ですが、どうすればいいのでしょうか。

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                                  村上龍
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 ■ 水牛健太郎 :日本語学校教師、評論家

 政府支出だけで10兆円以上という巨額なので、さまざまな政策の見直しに加えて、
増税・国債発行は避けられないところでしょう。個人的には子ども手当て・高校無料
化については現状を維持すべきだと考えますが、政治的な議論の結果、縮小・撤廃さ
れることになっても止むをえない状況ではあります。

 調達方法もさることながら、使い方がより重要だろうと思います。財政の一層の悪
化が不可避になったことで、支出を経済成長に結びつける必要性は高まっています。
財政問題の深刻さが語られるときにあまり触れられないことなのですが、どのぐらい
の財政赤字を抱えられるかは成長の見通しによって左右される部分が大きいのです。
企業にしても家計にしても、これから収入が増える見通しさえあれば、多額の借り入
れをしても大きな問題になりません。国家財政もまったく同じことです。

 各種の統計や発表を見ても、震災までの日本経済は景気の回復軌道にありました。
当面エネルギー不足が足を引っ張るにしても、今後数年の景気の見通しは決して暗い
ものではありません。それに加え、復興に向けた確かなプランが打ち出されれば、成
長の見通しは一層高くなります。

 近代に入って日本は明治維新、太平洋戦争後と二回の大きな体制変革を行いました
が、外国からの脅威・影響をきっかけにしながらも、改革のエンジン自体は国内に
あったといわれます。

 明治維新は身分制度の廃止・教育による人材の登用、経済の自由化など多くの社会
変革を実現しましたが、その背景には江戸時代を通じた経済の発展や社会の成熟があ
ります。身分制度のために自分の力が発揮できなかった無数の下級武士や上級庶民層
の変革へ向かうエネルギーがあって、根本的な社会変動が可能になりました。

 太平洋戦争後の変革にしても、憲法はアメリカ人の主導で作られましたが、それを
どのように具体化するかについては日本の官僚機構が中心となりました。たとえば中
学校も含めた9年間の義務教育など多くの政策について、戦前からの研究の蓄積があ
り、占領統治をいわば口実にして長年の懸案が実行に移された例は多いといわれます。
民主主義制度にしても、大正期に衆議院の多数党が政権を担うデモクラシーの経験が
あって、全く未知の制度というわけではありませんでした。

 日本はこの二十年間、社会停滞期にありましたが、その間に新しい社会像への胎動
がさまざまな形で見られたと思います。国難といわれる危機意識をバネにして大胆な
変革が行われることになれば、それが新たな成長に結びつき、結果として財政問題を
も解決することは十分可能だと思います。

                     日本語学校教師、評論家:水牛健太郎

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 ■ 北野一   :JPモルガン証券日本株ストラテジスト

 内閣府は、東日本大震災で損壊した住宅、道路など直接的な被害額が16兆〜25
兆円に上るとの試算を発表しました。こうした試算の正確性についてはまだ何とも言
えないと思いますが、仮にこれが正しいとしましょう。その上で、復興に要する資金
が、被害額に相当するならば、概ね20兆円というところでしょうか。

 この20兆円を直ちに調達するのは、かなり難しいと思われますが、復興には長い
年月が掛るものと思われます。あまり適切な引用ではありませんが、俗に「築城3年、
落城3日」と言われます。順序は逆になりますが、3日で破壊されたものを作り直す
にも、それに何倍する当然長い年月が掛る筈です。仮に、それを10年としましょう。
そうすると、1年あたりの資金需要は2兆円です。これは消費税率1%分の税収にあ
たります。与野党ともに、消費税率を10%に引き上げると言っていたわけですから、
その1%分、2兆円の財源は、基本的には何とでもなると考えれば良いでしょう。

 問題は、むしろ、こうした資金を、どのような理念・哲学に基づいて調達するのか、
ということではないかと思います。その意味で、参考になったのは、東京財団上席研
究員の森信茂樹氏が3月28日に発表された「復興財源を考える─「日本版復興連帯
税」として所得税・法人税への付加税の導入を」という論考でした。

 森信氏の提言を簡単に紹介しましょう。復興資金としては20兆円を前提にしてい
ます。まず、当面は、復興債(国債)を発行し、資金調達を行いますが、復興期間
(例えば10年)内に、きちんと償還する仕組みにしておくことが必要だと言います。
何故、それが必要かと言えば、償還財源が曖昧なままだと、日本国債に売り圧力が強
まる危険性があるからだそうです。様々な不測の事態を想定し、慎重に事を運ぶなら
ば、こうした制度的な手当は必要かもしれません。

 では、償還財源をどうするかですが、彼は、所得税と法人税への連帯付加税が相応
しいと言います。具体的には、所得税と法人税をそれぞれ10%余計に調達するとい
うことです。現在、両方を合計すると、約20兆円程度の税収になります。それを1
0%増やすと、2兆円、10年続けると20兆円になります。森信氏が、こうした付
加税のモデルにしているのが、東西ドイツ統合時に、東ドイツの復興資金を賄うため
にドイツで実施された「連帯税」です。当時、ドイツでは、所得税・法人税に対し、
それぞれ7.5%の付加税が課せられました。

 森信氏によると、こうした連帯税を導入する意味は、「復興資金は、基本的に現役
世代の負担増で賄う、後世代へのつけ回しはしない、という原則を示すことが、国内
的には支援者と被災者の間の連帯感を強めることになり、国際的には、日本が復興す
るという強いメッセージにもなるからだ」と言います。技術的にも、所得をベースと
する所得税・法人税に、付加税という形で薄く課税することは、能力に応じて負担を
求めることにつながり、加えて復興の進ちょく状況に応じて、税率設定を臨機応変に
変更することも可能になると利点をあげておられます。

 ちなみに、ドイツで、消費税(VAT)に付加税を課さなかったのは、旧東ドイツ国
民にも負担になることや、所得の低い人にも大きな負担になる逆進性への懸念があっ
たからだそうです。今回も、被害が集中している東日本の方々や、大震災により経済
的なダメージを受けた方が多くいらっしゃることを考えると、消費税に付加税を課す
ことは、当時のドイツと同じ理由から、好ましくないと言えるでしょう。

 なお、ここで紹介させて頂いたのは、森信氏の論考のごく一部です。短期的な救済
策のアイデアなど、税の専門家ならではの提言も、前述の論文に書かれておりますの
で、ご興味のある方は、東京財団のホームページからお読み頂ければと思います。

                 JPモルガン証券日本株ストラテジスト:北野一

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コメント
 
01. 健奘 2011年4月03日 12:07:01: xbDm84QDmOFmc : G0mHLBURW6
この30年の経験です。
地震のときも、日常品は、あまり値上がりしていません。

一方、バブルは、
中央銀行 −−> 金融機関
と、お金を流すと起こります。

これら経験から分かることは、通貨を発行して、地方自治体などが、主体となって仕事を作ることが浮かんできます。
政府・中央銀行 −−> 地方自治体
というお金の流れです。

さらに、東北通貨を発行するのもありでしょう。それで給料を払います。東北通貨の信用は、東北が負うわけですから、究極の地方分権です。


02. 2011年4月03日 13:30:28: Rpd2tTjuLU
■いまこそ50兆円の救国策を
「阪神」では円高で効果減少 日銀の国債直接引受がカギ
http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20110325/plt1103251549001-n1.htm
■経済による二次災害を最小限に!―― 50兆円規模の東日本大震災特別公債を 飯田泰之(駒澤大准教授)
http://synodos.livedoor.biz/archives/1708926.html
■外国に購入してもらう前に日銀が国債引き受けを
長谷川幸洋(東京新聞・中日新聞論説副主幹、元政府税制調査会委員)
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/2282?page=2
■震災復興における所得移転と通貨発行益の活用:あるニューケインジアンからの提案
http://dl.dropbox.com/u/2260564/tohoku/tohoku001.pdf
上記論文による検討の結果、
(1)まず「通貨発行益を利用する財政政策とインフレーションターゲット」の併用策を実行し、
(2)それでも震災復興に不十分であった場合には所得移転を利用する政策を実行する
「二段階政策」が良いのではないかという結論に達しました(詳細は論文をご覧ください)。
(内閣府経済社会総合研究所主任研究官 駒澤大准教授=矢野浩一)
http://d.hatena.ne.jp/koiti_yano/20110319/p1
■若田部昌澄教授の「日本は復興できる」
3月28日のモーニングサテライトに早稲田大学の若田部昌澄教授が日本の復興の条件を政策提言していた。
(http://www.tv-tokyo.co.jp/nms/shincyouryu/post_1000.html)
主張は、復興財源の確保として増税に反対し日銀引き受けを行う。
その効果として円安とデフレ脱却し、景気が回復することによって財政再建にもなるというものである。…
―――いまの日本でどういう政策がいいのか
一番大事なのは財政政策を出すと同時に金融政策も出すということ。
財政だけを出すと円高に振れていく可能性がある。
円高になると被災地を含めて追い打ちをかけるようにひどいことになる。
税金ではなく、公債を出せばいい。
ただ公債を出すだけではなく、その資金の調達を日銀のマネーを出すことでやる、
日銀直接引き受け。あわせ技。
―――効果としては
関東大震災の時と同じような効果。
ここで言っていることは、関東大震災の時に行ったような政策をできるだけ良い部分も学んで
現在もやればいいということ。
そういうことをすると、円安によるデフレ緩和、復興需要で景気後退は軽微になるということが見込める。
復興に対して力強い援軍が必要。
それをマクロ経済で援軍を出していくことが大事で、それがここで言っていること。
―――国の借金が大きくなるので規律を設けなければいけない
出口の議論は非常に大事で、その事の議論をきちんとやらないといけない。
例えば、インフレになることを懸念するのであれば、インフレ目標をつけるということもあり得ますし、
そういう知恵はいくらでも出しようがある。
http://d.hatena.ne.jp/keiseisaimin/20110331/1301545503
■政府通貨は見事な政策 若田部昌澄(早稲田大学教授、石橋湛山賞受賞)
http://voiceplus-php.jp/archive/detail.jsp?id=128&nif=false&pageStart=20
■【岐阜】国難に政府紙幣を 郡上市議会が意見書
http://www.chunichi.co.jp/article/gifu/20110326/CK2011032602000113.html
■【地震】全国知事会 日銀国債引受で80兆円確保を(03/30 20:06)
http://www.tv-asahi.co.jp/ann/news/web/html/210330047.html

03. 2011年4月03日 13:34:55: PPAJr6WqwQ
財源は税収の自然増である。

20兆円の最終需要があるのだから、そのための設備投資や在庫投資が必要になる。
日銀が信用創造の元となる資金を国債の買いオペなどで供給すればその規模は、信用創造によって10倍の200兆円ほどになる。

その200兆円の内の付加価値部分が、税金の対象となる。
法人税や所得税、消費税の増収が見込めるので、20兆円はそれで回収できる。

増税などする必要はない。
増税などすれば、20兆円の最終需要がプラスマイナスでゼロとなり、設備投資も在庫投資も起こらないので、復興需要は増えない。
復興も遅れるし、税収も増えない。逆に減る。

財源は税収の自然増である。


04. 2011年4月03日 14:30:42: CjUaPd4RoQ
空洞化の進展で減っていた上に、災害で日本の供給力は大幅に破壊されてしまった
さらに復興需要の急増で、今後は需給ギャップは大幅にプラスに変わっていく

それが明らかになった時点で、国債金利の急上昇、大幅な円安、そして
世界景気回復が重なり、投機資金が動けば、輸入食料やエネルギーは数倍に
跳ね上がり、日銀の緩和も実行不可能になる
つまり苦しい増税と歳出削減以外の選択肢は残らないだろう

もう日本の大衆がデフレと政府・日銀に頼れる時代は終わりつつあるのだ


05. 2011年4月03日 15:15:18: 78IL90wTo6
 こんなとき、郵政民営化していなければ、郵政貯金の中から50兆円ほど特別融資して対応できたのだが、これも小泉の似非構造改革のためだ。
 さらに小泉は、香川県の多度津にあった「原子力発電所の耐震テスト設備」を潰していた。今回の福島原発の第1原子炉爆発の遠因である。
 2005年、まだ中越沖地震で柏崎刈羽原発で事故が起きる2年前のこと、時の小泉内閣の構造改革で、原発の耐震性実験を担ってきた巨大な実験施設が国費の無駄と称して、強引に廃止閉鎖された。
 地震の多い日本で原発の耐震性をテストするため、原子力発電技術機構は1982年、多度津に世界最大の大型高性能振動台を設置した多度津工学試験所を起き、試験機を起震台に乗せて、耐震性能実験をしていた。
 ところが、この多度津起震台における耐震実証試験は2005年3月末で終了し、2005年9月末日をもって多度津工学試験所を閉鎖、すでに取り壊されている。
 1977年から5年の年月、310億円(半分は国費=国民の税金)かけた施設を、わずか2億7千700万円で叩き売り、買い取った業者は解体してスクラップにした。当時の維持費は、年間10億円だった。
 なぜ、小泉内閣は「地震国日本」の重要な研究所をわざわざ廃止する決定をしたのか、重大な疑問が深まる。

06. 2011年4月03日 18:05:47: pri6MYK7ZU
この機会に特別会計を例外無く廃止
これまでに財団法人などに貯め込まれた国民の金を例外無く国庫へ返納させる

特別会計廃止分で毎年数十兆
国庫返納分だけで数百兆になるかも

とにかく国民の知らぬ間に役人が好き放題にできるシステムは完全に潰す
主権を国民の手に戻すのだ


07. 2011年4月04日 04:13:55: rWmc8odQao
「東日本大震災で損壊した住宅、道路など直接的な被害額が16兆〜25兆円に上るとの試算を発表しました。」

参考ですが、森原秀樹氏
「日本で過去に一度だけ行なわれた、原発事故の人的・物的被害想定の調査報告書を読んでいる。「大型原子炉の事故の理論的可能性及び公衆損害額に関する試算」という文書。昭和34年に科技庁が日本原子力産業会議に委託した調査。過去一度だけということに驚くが、様々なパターンをよく想定してある。」
「過去唯一の原発事故の損害想定(昭和34年)は、東海村の50万KW原子炉の事故を想定。最悪で数百人の致死、百人程度の障害、千人程度の要観察者を生じ、合計損害額1兆円超と試算。損害額の算定が、都会の長期立退き60万円、2週間以内の被曝死85万円という水準。しかしこれが唯一とは。」
https://twitter.com/#!/HidekiMorihara/status/54556257188716544
https://twitter.com/#!/HidekiMorihara/status/54561860090998784

原発事故関連は、数百人死んで1兆円ですか。昭和34年だから今より物価がうんと安いこともあるし、想定も甘いのではと思うのだが…
うーん。やはり津波で家が流されたほうが被害が大きいのかな。印象的には原発事故のほうが損害が大きいような気がしますが。


08. 2011年4月05日 11:24:47: fM3eRkPzjM

肥大化しすぎた公務員数(準公務員含む)と高額報酬が維持される公務員給与
http://www.asyura2.com/10/senkyo82/msg/787.html

この記事が正しいなら、公務員給与を10%減らせば余裕。


09. 2011年4月05日 20:59:54: tHih7sAEdg
06さん
>この機会に特別会計を例外無く廃止
>これまでに財団法人などに貯め込まれた国民の金を例外無く国庫へ返納させる

 賛成です、漸くまともな国への第1歩。

08さん
>肥大化しすぎた公務員数(準公務員含む)と高額報酬が維持される公務員給与
http://www.asyura2.com/10/senkyo82/msg/787.html

>この記事が正しいなら、公務員給与を10%減らせば余裕。
 同意です、10%が適性かは議論が有るでしょうが、これで、第2歩。


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