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台湾から義援金100億円、どう受け止めるか 最も近い民主主義国、日本にラブコール
http://www.asyura2.com/11/hasan71/msg/391.html
投稿者 sci 日時 2011 年 4 月 06 日 14:19:01: 6WQSToHgoAVCQ
 


http://business.nikkeibp.co.jp/article/world/20110404/219295/?ST=print
中国新聞趣聞〜チャイナ・ゴシップス
台湾から義援金100億円、どう受け止めるか 最も近い民主主義国、日本にラブコール

2011年4月6日 水曜日
福島 香織

中国  台湾  義援金  東日本大震災  阪神・淡路大震災  李登輝 

 台湾からの義援金が官民合わせて1日までに106億円を突破した。9割以上が民間からだ。時事通信などが、そう伝えている。米国からの義援金は3月30日までで99億円。ちなみに日本赤十字社に集まった義援金総額は716億円以上。台湾の平均月収は13万円前後だ。10倍以上の格差がある社会なので、一概にはいえないが、庶民の暮らしは日本人サラリーマンよりつましい。食品など生活物価も安いので、暮らしは貧しくはないが、そんなに余裕のある社会ではない。

 エバーグリーングループの張栄発総裁が日本赤十字に10億円出し、大企業トップの出す義援金の大きさはニュースになっているが、台湾の各地で行われているチャリティー番組やチャリティーイベント、チャリティ・コンサートで集まる一般市民からの募金も大きい。なぜ、台湾人はここまで日本の大震災に心を寄せてくれるのか。この現象を台湾は親日家が多い、台湾人は心が熱い、という言葉だけで納得していいのだろうか。
日本の台湾へ支援表明は早かった

 理由としては、台湾人自身も大震災を経験していることが大きいだろう。

 1999年9月21日の台湾大地震だ。この日未明に台湾中部をマグニチュード7.6の大地震が襲い、当時、新聞記者だった私は夜が明けるのをまって現地へ取材に飛んだ。それが私にとっての初めての台湾訪問だった。

 当時の産経新聞台湾大地震取材班で、阪神・淡路大震災の取材経験があり、中国語を話せる記者は私を含めて2人いた。そのもう1人の記者はスーツケースいっぱいにミネラルウォーターの2リットル・ペットボトルを詰めて持ってきていた。東京から派遣された被災地取材経験のない記者が「あいつ馬鹿か」と言って笑っていた。

 私はその重いミネラルウォーターのスーツケースを引きずってきた記者が阪神・淡路大震災当時、阪神支局勤務で、記者であると同時に被災者であることを知っていたから笑えなかった。彼は阪神・淡路大震災なみの台湾大地震の規模を聞いて、同じような惨状を覚悟して来たのだ。震災を経験したものはその苦しみを忘れることはできない。

 だから阪神・淡路大震災から4年しか経っていなかった日本の台湾へ支援表明は早かった。その対応の素早さに対する感謝の気持ちは、その後も何度も台湾人の口から聞いた。
初動の指示を的確にできたリーダーの有無

 結果的には、台湾大地震での被災地での水や食料の心配は無用だった。被災地では、すぐに被災者自身やボランティアによる炊き出しが行われ、救援物資は都会に近い地域から続々と到着した。

 被災地の雰囲気が、私たちが覚悟していたほど悲惨でなかったのは、気候が夏の盛りを過ぎ、比較的過ごしやすい季節であったこと、震源地が台湾中部の南投県集集鎮という農山村地域で、もともと大都市のようなインフラに頼り切った生活をしていなかったため、被災者自身に過酷な環境での生活力があったことなどの要因もあるだろう。

 極寒の季節、都市を襲った阪神・淡路大震災や、高齢者の多い東北の海岸沿いに津波が押し寄せた東日本大震災とは比較できない。ただ、あえて阪神・淡路大震災、東日本大震災と比較するとしたら、初動の指示を的確にできたリーダーの有無の差はあっただろう。

 「台湾大地震救済日記」(PHP出版)にまとめられてあるが、台湾大震災当時の総統・李登輝氏は地震発生1時間後に10万の軍の出動を命じ、翌早朝には自らヘリに乗り込んで被災地に入り、現地の自治体の首長に自由に使える相当額の現金を渡して、いかように使っても自分が責任を取ると言明した。

 また行政幹部、軍幹部に「被災者の救助を最優先とし、医療機関と協力して全力で救助するように」と指示を出した。21日夕には、台北に戻り、「国民を守ることは政府の責任であり、今回の地震がもたらした被害に対し、政府はかならずや積極的な態度で最大限の力を尽くして救助活動にあたる。同時に助け合いの精神を発揮し、力のある者は力を、金のある者は金を出して、救助活動の列に加わるようにお願いしたい」という談話を発表した。

 李登輝氏は何度も被災地をめぐり、被災者との直接対話によって、その要求や不満に耳を傾け、その都度、関係当局に的確な指示を出したという。トップが最前線に立って指示を出す姿を台湾の人々に見せる、ということが現場の士気を上げ、被災者たちに生きぬく希望を与えたようでもあった。
むしろ現場にとって迷惑?

 日本の菅直人首相は東日本大震災発生翌日の3月12日にヘリで福島第一原発に「原子力の勉強」のために立ち寄ったものの、被災地の視察は上空からにとどめ、実際に被災地に降り立って被災者と向き合ったのは地震発生後23日経った4月2日だった。自衛隊への指示は比較的早かったかもしれないが、おそらく被災規模を見誤っていた。

 原発事故については「陣頭指揮に立ってやりぬく」と表明したが、報道を見る限り陣頭指揮に立った形跡はない。正直いえば「イラ菅」とあだ名されるほど、短気で落ち着きのないリーダーの指揮は、むしろ現場にとって迷惑ではないかと思うくらいだ。

 日本の首相のリーダーシップの欠如は李登輝氏も心配したようで、「リーダーシップを発揮するには自衛隊の幕僚長と官房長官を従え、ヘリコプターから降りて災害地を一つひとつ見回り、被災者を慰問し、地方自治体指導者から救済措置と財政負担を聞き取ることが大切」と菅首相に苦言を呈している。

 李登輝氏は3月11日午後8時、台湾情報メルマガ「台湾の声」を通じて「台湾で起きた大地震を思い出すと同時に、現在日本の皆様の不安や焦り、悲しみなどを思い、私は刃物で切り裂かれるような心の痛みを感じております」と、親身なメッセージを日本に向けて発信した。震災を経験した者はその苦しみを忘れることはできない。台湾大地震の時、被災地をかけずり回った李登輝氏もそうなのだろう。
世界最大級の仏教ボランティア組織

 台湾からの日本への義援金の多さの背景について、もう1つ言えば、台湾はもともと寄付文化、ボランティア精神がかなり根付いている。たとえば台湾のマザー・テレサとも呼ばれる尼僧・証巌法師が率いる台湾慈済基金会という世界最大級の仏教ボランティア組織がある。台湾大地震では発生1時間後から、延べ2万人のボランティアを動員し、炊き出しを始め、被災地支援を展開していた。

 私自身もこの仏教ボランティアたちに随分助けられた。外国から来た取材記者が地方の被災地で水や食料や宿泊施設に困らなかったのは、彼らのケアが大きい。外国人記者が海外の災害取材で遭遇する困難さはロジスティックの面以上に、言葉や文化がうまく通じ合えない中で悲しみに打ちひしがれている人を取材することの微妙さや罪悪感だが、彼らは無償で台湾語の通訳をしてくれたり、日本メディアが取材することの意義を認めて「海を超えて取材に来てくれてうれしい」と励ましてくれたりした。

 巨額の資金とマンパワーを短時間で動かせるこの仏教ボランティア組織は、海外で大震災が起きるたびに活躍しており、今回の東日本大震災でも被災地での炊き出しのほか3月末までに30億円以上の義援金を出している。

 しかし、同盟国・米国以上の巨額義援金を日本に送る理由が、大震災経験の共有感や善意だけではないだろう。そこにやはり政治的理由も加わることはまちがいない。台湾は親日家が多い、ということにも通じるが、台湾人は一人ひとりが比較的政治的である。それは選挙の熱狂ぶりを見れば分かるだろう。

 独自の行政機関や軍隊、通貨といった国家の要件をそろえていながら国際社会に国家と認識されていない台湾が中国という巨大な経済力と軍事力をもつ国に飲み込まれずに、今ある独立性や民主主義を守り、なおかつ平和を維持するためには、国際社会における政治力が頼りだ。

 馬英九政権になって中台関係が改善したと主張する人がいるかもしれないが、それは普通の台湾人の感覚を知らない人の意見だと思う。中国に寄り添わなければ台湾に未来はないと考える人は3割程度いるかもしれないが、独立派も3割ほどいる。4割の多数派は現状維持、つまり国際社会の力学をうまく利用して、事実上の独立を保ち、これ以上、中国の影響下に入りたくないと考える人たちだろう。
国際社会は善意ばかりでもない

 私が常々感じるところでは、台湾人の旧宗主国の日本に対する不思議なほどに濃い親愛の情の表明は、中国による併呑への恐れと裏表の関係にある。信じられないような額の義援金は日本との絆を強化することで、馬英九政権下の中国傾斜に歯止めをかけたい台湾人民意の表れではないだろうか。彼らは国際社会をうまく渡り独立性を保つために、最も距離的に近い民主主義国の日本にラブコールを送っている、と理解して間違いないだろう。

 日本政府はそれを分かってか分からずか、早々に救援隊派遣を申請した台湾を2日間待たせて、中国の救援隊を先に入国させるなど、中国への配慮を優先させた。日本が中国の救援隊を受け入れるのは初めてであり、これを日中関係好転に向けた象徴的な出来事だと評価することもできる。中国は確かに、今回、四川大地震のときの恩返しだとばかりに、ガソリン重油2万トンの無償援助など積極的な日本の被災地支援を行っている。

 だが、一方でG7財務相・中央銀行総裁会議が円高阻止の協調介入で合意したタイミングで、中国は預金準備率を0.5%引き上げ、協調介入効果を減殺させるような行動を取った。東シナ海公海上で中国海洋局ヘリが警戒監視中の海自護衛艦に異常接近するといった事態も発生している。

 当然のことだが国際社会は善意ばかりでもない。弱肉強食の競争社会でもある。先のことかもしれないが、食糧やエネルギーを阿漕なやり方で奪い合う時代もやがて来るだろう。日本経済がこの大震災をきっかけに弱体化するようであれば、中国の経済・金融、軍事力に飲み込まれる心配をしなければならなくなるかもしれない。日本の周辺で一番野心のある大国は中国だ。杞憂なら言うことはないが、あり得ないなんてことは誰も言えない。

 少なくとも日本政府は、この100億円以上の義援金に込められた台湾のラブコールに、もう少しまじめに向き合ってみてはいいのではないだろうか。日本人としてはこれまでのように台湾に冷淡であり続けることは、人としても、国益の面からも得策とは思いない。
このコラムについて
中国新聞趣聞〜チャイナ・ゴシップス

 新聞とは新しい話、ニュース。趣聞とは、中国語で興味深い話、噂話といった意味。
 中国において公式の新聞メディアが流す情報は「新聞」だが、中国の公式メディアとは宣伝機関であり、その第一の目的は党の宣伝だ。当局の都合の良いように編集されたり、美化されていたりしていることもある。そこで人々は口コミ情報、つまり知人から聞いた興味深い「趣聞」も重視する。
 特に北京のように古く歴史ある政治の街においては、その知人がしばしば中南海に出入りできるほどの人物であったり、軍関係者であったり、ということもあるので、根も葉もない話ばかりではない。時に公式メディアの流す新聞よりも早く正確であることも。特に昨今はインターネットのおかげでこの趣聞の伝播力はばかにできなくなった。新聞趣聞の両面から中国の事象を読み解いてゆくニュースコラム。

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著者プロフィール

福島 香織(ふくしま・かおり)
ジャーナリスト

松田 大介 大阪大学文学部卒業後産経新聞に入社。上海・復旦大学で語学留学を経て2001年に香港、2002〜08年に北京で産経新聞特派員として取材活動に従事。2009年に産経新聞を退社後フリーに。おもに中国の政治経済社会をテーマに取材。著書に『潜入ルポ 中国の女―エイズ売春婦から大富豪まで』(文藝春秋)、『中国のマスゴミ―ジャーナリズムの挫折と目覚め』(扶桑社新書)、『危ない中国 点撃!』(産経新聞出版刊)、『中国のマスゴミ』(扶桑社新書)など。
 

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コメント
 
01. 2011年4月07日 22:10:59: yxstEvnWG6
日本の台湾ロビー言論に流言蜚語されてきた孫正義氏の一人100億円もすごい。

02. 2011年4月09日 02:21:47: tXTof7mZK2
金は使い方に限らず、使ってこそ価値がでてくる。
その使い方が個人や、家庭や、会社内や、国家で問われることもあるが、生き方や価値観が使い方に出るのだろう。
しまっておいてあの世へ持ってくことはできないからな。

03. 2011年4月09日 12:36:23: XLlzUg85P2

台湾には、日本に親密感がある人々が多い。

台湾との友好は日本にとって重要だ。


04. 2011年4月10日 19:18:33: woBs2udcbw
たしかに政治的な思惑はあると思いますが人口、収入、額、を考えると政治的な思惑なんてチッポケなものなのではないのでしょうか?義援金のはほとんどが一般の方々からの寄付である事からも分かると思います。素直のありがたい。本当の意味での友好国はどこなのか?考えさせられました。
我々は日本人なのだから、義には義で報いると思わされました。

05. 2011年4月15日 17:27:49: csxYO242bE
一方

06. 2011年12月31日 04:57:19 : iZmkesouFQ
確実に考えすぎだと思うんですけど、台湾人は基本的にそんな計算が出来るほど器用ではないです。

07. 2012年5月16日 17:06:37 : RtnrBGNqIA
客観視し過ぎではないだろうか?

素直な当事者としてのコメントも必要だと思う。

日本人としての自覚を取り戻そう!

台湾の人へ! 本当に「どうもありがとうございます。」

まずはそこからはじめます!!!


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