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米国は次のポルトガルか  WSJ
http://www.asyura2.com/11/hasan71/msg/464.html
投稿者 sci 日時 2011 年 4 月 13 日 10:21:43: 6WQSToHgoAVCQ
 

米国は次のポルトガルか
マーケットウォッチ
2011年 4月 13日 7:48 JST
記事 
 【ロンドン】経済をめぐる最近のドタバタ劇を見て、ソブリン危機は欧州の小さな国だけの問題だと思うのも無理はない。

 ギリシャ、アイルランドに続いて今度はポルトガルが金融支援を要請した。

 しかし、計算してみて欲しい。

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Reuters
ポルトガルの首都リスボン
 国際通貨基金(IMF)によると、ポルトガルの公的債務は国内総生産(GDP)の87%。

 米国はというと、実に99%に上る。

 国債利回りが持続不可能なほどに跳ね上がったポルトガルの財政赤字はGDP比8.6%。

 それに対して、米国の2010年財政赤字はGDPの約8.9%に達している。

 ということは、懸念すべき問題は次に財政難に陥るのがイタリアかスペインかということではなく、財政問題の波は大西洋を越えて来るのかということかもしれない。

 ロイヤルバンク・オブ・スコットランドの欧州債券市場ストラテジスト、アンドリュー・ロバーツ氏は、世界各国が「責任能力のある財政」と「垂れ流し財政」の2つに分かれてきていると述べる。債券市場は垂れ流し財政を続ける国の責任を厳しく問い始めており、「世界は放漫を批判し、規律を評価している」と話す。

 もちろん多くの米国人が「我々の国がポルトガルと一緒になるわけがない」と、こうした懸念を一蹴し、「米国は世界一の国だ」と主張するだろう。

 しかし、それは何の助けにもならず、どちらかと言えば重荷である。米国は公的債務も経常収支赤字も世界一。経済が大きすぎて、誰も救済できない。

 米政府債務総額は11.5兆ドルで、オーストリアからスペインまで全ユーロ圏加盟国の債務合計額より32%多い。

 社会保障基金を除いた米政府純債務額は、ユーロ圏全体を62%上回る。

 事実、今まで金融支援を要請したギリシャ、アイルランド、ポルトガルは小さな国で、経済も小規模である。各国経済からすれば大きな債務も、世界全体から見ればとても小さなものである。ギリシャ、アイルランド、ポルトガル三国の債務総額は、米国2011年財政赤字の半分に過ぎない。

 もちろん、スペインやイタリアが財政難に陥るとなれば、その規模は大きくなる。

 しかし、本当に借金まみれなのは、債務総額がGDPの230%に達している日本、そして米国なのである。

 ただし、日本には家計と企業の貯蓄という現金の山があり、財政危機はそれほど問題視されていない。けれども米国にはそのような緩衝材がない。

 財政問題が山積みの中で、政府機能が停止に陥る寸前まで子供じみた責任のなすり合いをしている議会を見ているとがっくりする。

 遅かれ早かれ米国は財政再建が必要であり、もし政府がそれを出来ないのであれば債券市場がそうさせるだろう。

(筆者のブレット・アレンズは、マーケットウォッチとウォール・ストリート・ジャーナルのパーソナルファイナンス・セクションのコラムニスト)

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コメント
 
01. 健奘 2011年4月13日 11:30:09: xbDm84QDmOFmc : G0mHLBURW6
> ・・・世界各国が「責任能力のある財政」と「垂れ流し財政」の2つに分かれて
> きていると述べる。債券市場は垂れ流し財政を続ける国の責任を厳しく問い始め
> ており、「世界は放漫を批判し、規律を評価している」と話す。

今の考え方のままでは、いわゆる「垂れ流し」は長続きしないでしょうが、一方、財政規律 = 縮み指向、とならざるを得ず、それも長続きは難しいでしょう。失業が増えるからです。


02. 2011年4月13日 14:40:58: cqRnZH2CUM
【コラム】FRB議長とECB総裁の異なるDNA構造−C・ボーム
 
  4月12日(ブルームバーグ):2つの中央銀行は、同じファンダメンタルズ(経済の基礎的諸条件)を前にしてそれぞれ異なる結論を下し、異なる政策行動を取った。
  欧州中央銀行(ECB)は先週、約2年間維持してきた1%の政策金利を0.25ポイント引き上げて1.25%とした。
  一方で米連邦準備制度理事会(FRB)は同じ週に、量的緩和第2弾(QE2)である6000億ドル(約50兆円)の米国債購入計画を維持した。フェデラルファンド(FF)金利先物は、FRBがFF金利の誘導目標を早くても来年3月まで引き上げないとの予想を反映している。FRBは0−0.25%という現行の誘導目標を2年4カ月間変更していない。
  ECBのトリシェ総裁にとって、利上げの目的は「価格・賃金設定の二次的影響」によるインフレ高進を防ぐことにあった。ユーロ圏の3月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比2.6%上昇し、中期的に2%を超えないとするECB目標を超過。総裁は、今回の利上げはインフレ期待を抑えるために正当化されると判断した。
  米国のCPIは2月に前年同月比2.1%上昇。しかしバーナンキFRB議長は、トリシェ総裁とは対照的な結論を下した。議長は先週開かれたアトランタ連銀主催の会議で、インフレ期待が「引き続き安定し、十分に抑制されている限り」、商品相場高に伴うインフレ上昇は「一時的なもの」だとの認識を示した。
  どちらが正しいのだろうか。
          中銀としての義務
  2つの決定(一方は行動を起こす、他方は行動を見送る)は、両中銀の使命の違いを一定程度反映している。ECBは、かつてのドイツ連銀のように物価安定維持の役割を委ねられている。中期的なインフレ目標は2%未満で2%に近い水準だ。
  欧州の失業率はスペインで既に20.5%に達している。ユーロ加盟国のうち3カ国が支援要請に追い込まれた。しかし、それはECBの問題ではない。より正確に言えば、彼らの仕事ではないのだ。中銀が物価安定という1人の主人に仕えるだけでよいなら、その任務はずっと容易だ。
  FRBには物価安定と最大限の雇用という2つの義務がある。物価安定に関する漠然とした定義は、あの「曖昧な言い回しの名人」であるグリーンスパン前議長が残している。彼の定義では、物価安定とは、企業や消費者の意思決定に影響を及ぼさない程度に十分低いインフレ水準を指す。そしてそれは、需給ギャップや経済のスラック(たるみ)といったつかみどころのない概念を指針としている。
            実験用のネズミ
  例えるならば、今われわれの前には、世界的な商品相場高という同一の状況を見据えている実験用のネズミ2匹がおり、その2匹は別の反応を示したということだ。なぜだろうか。
  私は長い間、その答えは中銀の特質とその発展過程の中にあると考えてきた。
  欧州の中銀当局者の集合的無意識の中に刻み込まれているのは、1920年代のドイツのハイパーインフレの記憶だ。それが彼らのDNAにないのであれば、若いうちにたたき込まれる。
  一方、米国の中銀政策史に残る大きな失敗は、大恐慌に伴うデフレだ。ノーベル経済学賞を受賞したミルトン・フリードマン氏とエコノミストのアンナ・シュワルツ氏は、FRBが1929−33年のマネーサプライ(通貨供給量)の25%以上の減少を招いたとして、その責任を真っ向から追及した。
          バーナンキ議長の約束
  この両氏に対するバーナンキ議長の約束を誰が忘れることができようか。議長は2002年、フリードマン氏の90歳の誕生日を祝うイベントでこう述べた。「ミルトンとアンナに申し上げたい。大恐慌に関するあなた方の見解は正しい。われわれは間違いを犯した。本当に申し訳なく思う。しかし、あなた方のおかげで、われわれは二度とそうした行動は取らない」。
  バーナンキ議長は、インフレ期待がFRBの抑制の手を振り切らない限り、FRBのバランスシート縮小や利上げを急いでいない。ただ5年後のインフレ見通しは、インフレ期待値を示すブレークイーブンレートで3%と、FRBが暗黙に定めている目標の1.5−2%を上回っている。
  FRB当局者はインフレ回避を口にするが、彼らの行動はデフレをより大きな脅威と捉えていることを示唆している。例えば90年代半ば、グリーンスパン議長はそれまで20年間低迷していた労働生産性が上昇していることに気付いた。技術革新が物価下落につながり、エコノミストは生産性向上を原動力とする「良いデフレ」で、1930年代の「悪いデフレ」とは違うと指摘した。
            FRBの判断
  リッチモンド連銀のブローダス総裁(当時)と同連銀調査局長のマービン・グッドフレンド氏(同)は実質金利の上昇を求める状況だと主張したが、グリーンスパン氏は違った見方をした。その結果、最初の資産バブルを招いた。
  グリーンスパン氏は良いデフレの恩恵に気付くべきだったのだ。インフレ期待を抑えるのに、物価下落以上に良い方法があるだろうか。
  インフレ期待の高まりが中銀当局者の懸念材料であるならば、ECBは今回の0.25ポイントの利上げによって、FRBよりも信頼を高めたかもしれない。(キャロリン・ボーム)
(キャロリン・ボーム氏は、ブルームバーグ・ニュースのコラムニストです。このコラムの内容は同氏自身の見解です)
更新日時: 2011/04/12 16:23 JST

03. 2011年4月13日 14:42:27: cqRnZH2CUM
米国株:下落、福島原発事故の深刻化や原油安で−アルコアに売り (1) 
  4月12日(ブルームバーグ):米株式相場は下落。S&P500種株価指数は4営業日続落となった。日本が福島第一原子力発電所で起きた事故の深刻度を国際的基準で最悪の水準に引き上げたことが手掛かり。原油相場の値下がりやアルコアの売上高が予想に届かなかったことも売りを誘った。
  商品価格の下落を背景に、シェブロンとフリーポート・マクモラン・カッパー・アンド・ゴールドが安い。福島原発の事故が旧ソビエト連邦のチェルノブイリと並び史上最悪の原発事故に位置づけられたことをきっかけに、リスクの高い資産が敬遠されるとの観測が強まった。ドル安やエネルギー・原材料コストの上昇で利益が抑えられたと説明したアルコアも値下がり。
  S&P500種株価指数は前日比0.8%安の1314.16。これで昨年11月以来最長の連続安となった。ダウ工業株30種平均は117.53ドル(1%)下落の12263.58ドル。ニュ−ヨーク原油先物相場は3.3%安の1バレル=106.25ドル。株価の予想変動率の指標であるシカゴ・オプション取引所(CBOE)のボラティリティ指数(VIX指数)は3%上げて17.09。
  ハリス・ブライベート・バンクのジャック・アブリン最高投資責任者(CIO)は、「全力投球の勢いは衰え、今は静かに足踏みの状態だ」と語る。「エネルギーや商品価格の上昇は利益マージンを圧迫するため、不安を抱きながらこの決算期を迎えている。高いコストは利益を圧迫するだけでなく、消費者の裁量支出抑制にもつながる」と述べた。
             企業決算
  S&P500種は年初から4.5%上昇。政府の刺激策や企業業績が予想を上回ったことなどが好感された。ブルームバーグがまとめたデータによると、昨年の1−3月期は同株価指数構成銘柄の78%がアナリスト予想を上回った。これは2009年の7−9月期の80%に次いで過去2番目に高い水準。昨年10−12月期は68%と、現在の強気相場が始まって以降で最も低かった。
  世界の45カ国で構成するMSCIオール・カントリー・ワールド指数(ACWI)は1.2%安と、約1カ月ぶりの大幅下落となった。経済産業省の原子力安全・保安院は12日、東京電力福島第一原発の放射能漏れ事故を国際原子力事象評価尺度(INES)で最悪の「レベル7」に引き上げた。これまではレベル5と、1979年に起きた米スリーマイル島事故と同水準だった。
  ハンティントン・アセット・アドバイザーズで144億ドル相当の資産運用に携わるマデリン・マトロック氏は、「リスク回避の動きが広がっている」と指摘。「放射能という言葉が発せられるたびに、人々は不安になる。日本の状況を見て、過去最悪の原発事故の一つではないと錯覚している人はいないだろう」と述べた。
米輸入物価指数
  3月の米輸入物価指数は2009年6月以来の高い伸びとなった。原油や食品の価格上昇が全体を押し上げた。特に食品は1994年以来の大幅な値上がりとなった。米労働省が発表した同物価指数は前月比2.7%上昇。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト予想の中央値は2.1%上昇だった。3月は、燃料を除いたベースでは0.6%上昇となった。
  エネルギー株と素材株の両指数はS&P500種の業種別10指数で値下がり率上位に並んだ。シェブロンは3.3%、フリーポートは3.1%いずれも下落。
  アルコアは6%安と、ダウ30種平均の値下がり率トップとなった。同社が前日発表した1−3月(第1四半期)の売上高は前年同期比22%増の59億6000万ドルと、ブルームバーグが集計したアナリスト8人の予想平均(60億6000万ドル)を下回った。
翻訳記事に関する翻訳者への問い合わせ先:ニューヨーク 大塚 美佳 Mika Otsuka motsuka3@bloomberg.net Editor: Akiko Nishimae記事に関する記者への問い合わせ先:Rita Nazareth in New York at rnazareth@bloomberg.net;Jeff Kearns in New York at jkearns3@bloomberg.net.
更新日時: 2011/04/13 06:48 JST

04. 2011年4月13日 14:45:51: cqRnZH2CUM
米失業率の急低下でもFRBは安心できず、労働者は就活意欲失う 

4月11日(ブルームバーグ):米国の失業率が約25年で最も急激に低下したことで、ある単純な事実が覆い隠されている。多くの米国人にとって労働市場は依然として機能していないという事実だ。
  米国では約630万人が失業状態にあり、半年余りにわたって職を探している。企業による雇用拡大ペースは鈍く、就業比率はリセッション(景気後退)終了時を下回っている。かつて最大の雇用を生み出していた政府とヘルスケア業界、小売業界は、議会の歳出抑制や消費支出の伸び悩みを背景に、将来再び雇用の源になることは見込みにくい。
  ノーベル経済学賞受賞者でニューヨーク大学のマイケル・スペンス教授は「こうした傾向は少し怖い」と述べた。
  3月の失業率は昨年11月の9.8%から8.8%に低下し、4カ月の低下幅は1983年以来最大を記録した。雇用統計が発する複雑なメッセージは、バーナンキ米連邦準備制度理事会(FRB)議長ら当局者の金融政策決定を一段と難しくさせそうだ。
  ドイチェ・バンク・セキュリティーズの米国担当チーフエコノミスト、ジョゼフ・ラボーニャ氏は、物価上昇や失業率低下からインフレ抑制のために利上げの必要性が示唆されていると指摘。米国債利回りは上昇し、年末までに2年債は1.25−1.5%、10年債は4%に達すると予想した。ブルームバーグ・ボンド・トレーダー価格情報によると、8日のニューヨーク市場午後5時16分(日本時間9日午前6時16分)時点で、2年債は0.81%、10年債は3.58%だった。
  一方、元米財務次官補のアラン・クルーガー氏は、雇用の不振や長期失業の増加を考慮して当局は金融を引き締めるべきではないと主張。6月の量的緩和第2弾(QE2)終了後に米国債を追加購入する「QE2.5の実施が望ましい」と話した。
翻訳記事に関する翻訳者への問い合わせ先:東京 守護 清恵 Kiyoe Shugo + kshugo@bloomberg.net    Editor:Akiko Kobari記事についての記者への問い合わせ先:Richard Miller in Washington at rmiller28@bloomberg.net
更新日時: 2011/04/11 11:31 JST


05. 2011年4月13日 18:27:09: cqRnZH2CUM
やはり急激な円安が一方通行で進むというよりも、振動しながら
1年くらいかけて、100~120円台になるという感じか

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米2月貿易赤字、2.6%縮小=輸出入減少で景気減速示す
2011/04/13 (水) 18:21

−Q1・GDP伸び率を1%ポイント押し下げか−

【2011年4月13日(水)】 − 米商務省が12日発表した2月の米貿易・サービス赤字は、輸入と輸出がともに減少したが、減少ペースは輸入の方が輸出より大きかったため、前月比2.6%減と、前月(1月)の同16.7%増から4カ月ぶりの縮小に転じた。

 輸出は、前月は5カ月連続の増加となったが、今回の統計では前月比1.4%減と、6カ月ぶりに減少に転じた一方で、輸入は前月が原油高と原油輸入量の急増などで過去最高を更新、輸出の増加ペースを大幅に上回ったが、今回は、同1.7%減と、4カ月ぶりに減少に転じ、輸出の減少ペースを上まわっている。

 この結果について、エコノミストは米経済が減速していることを示すと見ており、一部では今月28日に発表される第1四半期(1-3月)GDP伸び率を前期比年率+2%以下に下方修正している。ちなみに、前期(昨年10‐12月期)は堅調な輸出に支えられて同+3.1%だったが、1‐3月期は外需がGDP伸び率を1%ポイント押し下げると見ている。

 また、注目の対中赤字は対米輸入が前月比13%減と、大幅に減少したことから、前月比18%減の188億ドルと、大幅な縮小に転じた。しかし、依然、高水準に変わりはない。一方、中国政府が11日発表した3月の貿易収支は輸出の伸び(前年比35.8%増)が輸入の伸び(同27.3%増)を上回ったため、市場の赤字予想に反して前月の大幅赤字から若干の黒字に戻っている。

 オバマ政権は1月19日の胡錦濤国家主席との首脳会談で中国側が人民元の一層の切り上げを約束したことから、中国が人民元の為替レートを操縦しているかどうかの判定を再び見送ったが、中国の3月の貿易統計が再び黒字に戻ったことから、米国の政府や議会、産業界からの人民元の一段の切り上げ問題が再燃する可能性が強まる見通しだ。ティモシー・ガイトナー財務長官は今週、中国に対し、人民元の一段の切り下げを急ぐよう圧力をかけると見られている。

■貿易赤字、拡大傾向変わらず=GDPのマイナス要因

 2月の貿易・サービス赤字(季節調整済み)は、原油輸入が大幅に落ち込んだのが響いて、前月比2.6%減の458億ドルと、4カ月ぶりに減少、市場予想のコンセンサスである457億ドルの赤字をやや上回った。

 2月は赤字幅が縮小したとはいえ、過去3カ月(2010年12月-2011年2月)の移動平均と見ると、月平均は444億ドルと、前3カ月(2010年11-2011年1月)の同419億ドルから、まだ6%も拡大している。

 また、2月までの貿易赤字は、年率換算では5564億ドルとなる。これは2010年の通年の貿易赤字4957億ドルを32.8%も上回っている。2010年だけでも2009年の3749億ドルを32.2%も上回り、2000年以来10年ぶりの高水準となって、2010年のGDP伸び率を0.5%ポイント押し下げたと見られているだけに、今年のGDP伸び率にはマイナス要因となる見通し。

 ただ、エコノミストは今年の貿易赤字は昨年とほぼ同じ規模になると楽観的に見ている。それでも、リビアの内戦状況が長期化するなど中東・北アフリカ情勢次第では、原油価格の高止まりや、一段高となる可能性もあり、その場合、米国の貿易赤字が拡大の一途をたどる可能性も否定できない。

■原油・資本財の輸入、減少=景気減速か

 今回の2月の貿易統計の結果を米経済との関係でどう見るかがポイントになるが、まず、財とサービスに分けて見ると、財の赤字幅は前月比10億ドル縮小したのに対し、サービスの黒字幅は3億ドル拡大した。

 これは、つまり、財とサービスを合わせた全体の貿易赤字は、財だけの赤字と見ることができる。ただ、2月は財の赤字は、輸入の減少ペースが輸出の減少ペースを上回ったため、縮小に転じたが、輸入の大幅減少の要因は原油輸入の落ち込みによるものだ。

 特に、原油価格が上昇しているにもかかわらず、原油輸入が前月比15億ドルも落ち込んだのは輸入量が減少したためで、経済活動の減速を示している、とみられる。しかし、原油輸入の減少は一時的で、3月以降の統計では、中東・北アフリカ情勢の悪化で原油価格が急騰していることから、増加に戻ると見られている。

 さらに、財のうち、自動車と航空機を除いたコアの資本財の貿易赤字額が通信機器やコンピューター、電子機器、機械類などの輸入減で、前月の24億4000万ドルから6億5000万ドルへと18億ドル縮小したのは、企業の設備投資が低調なことを意味しており、米国の生産は弱まっている兆候と見られている。

■輸出、前月比1.4%減=自動車や産業機械など減少

 2月の輸出はドル安も追い風にはならず、前月比1.4%減の1651億ドルと、6カ月ぶりに減少に転じた。FRB(米連邦準備制度理事会)の主要通貨バスケットに対するドルの価値を測るドル・インデックス(名目値)は、1月の72.9456から2月は72.0050、3月も70.8304と、ドル安になっている。

 前月は1675億ドル(改定前1677億ドル)と、過去最高を記録し、2008年9月の米証券大手リーマン・ブラザーズの経営破たんで世界的な金融危機が起こる前の水準(危機前の2008年7月の輸出額は1657億ドル)に戻ったが、長続きしなかった。

 輸出の内訳は、サービスを除いた財が前月比2.0%減の1180億ドルと、前月の同2.6%増から6カ月ぶりに減少に転じた。インフレ調整後では同3.7%減となっている。これは、主力の自動車・自動車部品に加え、工業用サプライ(石油含む原材料)と農産物がそれぞれ大幅に減少したためだ。

 自動車・自動車部品は同9.3%減の100億ドルと、大幅に減少した。自動車・同部品を除いた資本財も同0.8%減の390億ドルとなっている。

 工業用サプライ(石油含む原材料)も同1.4%減の392億ドル、農産物は同1.5%減の105億ドルとなった。一方で、月によって変動が激しい民間航空機は前月比9.3%減の100億ドル、消費財も同1.2%減の139億ドルと、続落した。

 サービス輸出は前月比横ばいの47億ドルとなっている。

■輸入、前月比1.7%減=原油や資本財の急減で

 他方、2月の輸入は前月比1.7%減の2109億ドルと、前月の同5.4%増の2145億ドルから4カ月ぶりに減少に転じた。

 また、サービスを除いた財だけの輸入も同1.9%減の1773億ドルと、減少に転じた。インフレ調整後では同3%減となっている。これは、原油を中心に工業用サプライ(石油含む原材料)が同2.4%減となったことが大きい。

 特に、原油輸入(季節調整前)は同13.8%減の211億ドルだった。これは1バレル当たりの原油価格が前月の84.34ドルから2月は87.17ドルと、2008年10月以来2年4カ月ぶりの高値となったものの、輸入量が同16.6%減の2億4237万バレルと、1999年2月以来12年ぶりの低水準となったためだ。

 ニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)の標準油種であるWTI(ウエスト・テキサス・インターメディエート)5月物は12日の取引で、2月の貿易統計で輸出入がともに減少に転じたことから米経済の成長率の見通しが悪化、前日比3.3%安の106.25ドルとなった。しかし、それでもまだ、1バレル当たり100ドルを超えて高水準に変わりはない。

 また、自動車・同部品の輸入は同11%減の193億ドルと、自動車を除く資本財も同5%減の396億ドルと、減少に転じた。ただ、民間航空機は同9.6%増の7億ドルに増加している。

 消費財は、医薬品や繊維・衣料品、生活用品、自動車用品などを中心に、同5.6%増の441億ドルとなり、食品・飼料・飲料水も同1.7%増の87億ドルと、過去最高となった。

■2月対中赤字、縮小=中国3月貿易収支は黒字転換

 国・地域別の貿易赤字(季節調整前)では、米国の貿易赤字の大半を占め、米国の赤字拡大の元凶とされている中国との貿易赤字は、前月比19%減の188億4000万ドルと、縮小に転じた。しかし、前年比は14.1%増と、依然、高水準が続いている。

 対中赤字は依然、米国の貿易相手国の中では最も大きい数字で、2010年全体でも前年比20.3%増の2731億ドルと、2008年に記録された過去最高2680億ドルを更新している。

 内訳を見ると、2月の米国の対中輸出は前年比23%増(前月比4.4%増)の84億4000万ドルと、増加した一方で、中国からの輸入も同16.8%増(同13%減)の272億8000万ドルと、増加している。

 また、中国政府が11日発表した3月の貿易収支は、前月(2月)の7年ぶりの大幅赤字(73億ドル)から一転して1億4000万ドルの黒字に戻った。

 これは輸出が前年比35.8%増となったのに対し、輸入が同27.3%増と、輸入の伸びを大幅に上回ったためだ。もともと、2月は中国の旧正月にあたっていたため、その影響で輸出が伸び悩んだが、3月はその要因が剥落し、再び貿易黒字に戻るとの見方があった。

 中国側の貿易統計を1‐3月期でみると、10億2000万ドルの貿易赤字となった。四半期ベースで貿易赤字となったのは2004年以来7年ぶりとなる。しかし、これは最近の原油などのコモディティ価格の上昇で輸入が急増したためで、2011年全体では1700億ドルの貿易黒字に戻ると見られている。

 このため、中国は引き続き、人民元の切り上げ圧力が続く見通しだ。ただ、人民元の切り上げで輸入物価を抑制できるため、国内のインフレ抑制にも寄与することができることから、アナリストは、中国は今年、人民元の対ドルレートを4‐6%切り上げるだろう、と見ている。 (了)


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