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オズの魔法使いとリフレ政策  原発問題でEVの普及は 日本とハイチ:2つの震災で見た「顔」
http://www.asyura2.com/11/hasan71/msg/549.html
投稿者 sci 日時 2011 年 4 月 19 日 09:58:03: 6WQSToHgoAVCQ
 

投稿者 伊賀大記


THE WIZARD OF OZ1900年に出版され映画にもなった「オズの魔法使い」は、当時の米国の金融政策をめぐる議論を暗喩して書かれた寓話だったとの説がある。


当時の米国は金本位制度だったが、大きな金鉱脈が見つからなかったことなどから世界的に金の供給量が減り、貨幣を増やしたくても増やせず深刻なデフレを引き起こしていた。1880年から1896年の間に物価水準は23%も下落。負債の実質価値は増大し、借金を抱えていた農民を苦しめ、銀行は相対的に豊かにした。


そうしたなか1896年の米大統領選挙はデフレ対策が大きな争点となった。金に加えて銀も通貨発行のベースとすれば貨幣の供給量を増やすことができるとして、金銀本位制を提唱したのが民主党のウィリアム・ジェニングス・ブライアン候補。一方、共和党のウィリアム・マッキンリー候補は金本位制の維持を訴えた。物語はその大統領選をモチーフにしているという(政治色はなかったという説もある)。


物語の主人公ドロシーは、かかし(農民)、ブリキのきこり(工場労働者)、臆病なライオン(金銀本位制を提唱する大統領候補ブライアン)らとともに、オズ(金の単位であるオンスの略号Oz)の魔法使いにそれぞれの願いをかなえてもらいに会いに行く。ドロシーは黄色いレンガの道(金本位制)をたどるだけでは家に帰る道を見つけられず、自分の銀の靴(金銀複本位制)を使って家に帰ったというのが深読み派のあらすじだ。


中西部のジャーナリストであった原作者のライマン・フランク・ボームは農民が苦しんでいるのをみてリフレ政策(金銀複本位制)に賛成したと推測されるが、実際の大統領選では、金本位制を唱えたマッキンリーが勝利した。金本位制だけが勝利に結びついたわけではないが、金銀複本位制は通貨の価値を落とし貿易も害すると反対したことが都市部の票獲得につながったとみられている。


それから115年、海を超えた日本でもデフレが大きな問題となっている。原油価格などが上昇しているほか東日本大震災の影響で生産量が低下しており、コストプッシュ型でデフレが解消されるとの見方もあるが、需要が本格的に回復しないうちはデフレ脱却は望めないとの声も多い。

数あるデフレ対策のなかには日銀の国債引き受け政策もある。復興資金の財源問題が迷走するなか、(復興)国債を発行して、直接、日銀に国債を引き受けさせればいいとする。市場を通さずに日銀に国債を引き受けさせれば巨額な資金を容易にまかなえ、さらに通貨量が増大してデフレも解消できるという。20兆─30兆円程度、日銀に引き受けさせた程度では紙幣への信用はなくならないと推進派は主張する。


1896年の米大統領選後は、金鉱脈が発見されたことなどから、米国の貨幣供給と物価水準は上昇しデフレは解消されたが、その後、世界経済の拡大に金の保有量が追い付かなくなったことなどから金本位制は徐々に廃止され、現在の管理通貨制度に移行していった。


管理通貨制度の根幹は「信用」だ。銀行にもっていっても金(Gold)に交換してくれない不換紙幣がちゃんと流通できているのは、その紙幣をわれわれが信用しているからだ。その信用は政府、中央銀行に対する信用に他ならない。


被災地の復旧復興は急がねばならない。しかし、そのためには何でもありとなれば将来に禍根を残し、長期的視点にたった日本復興にも弊害をもたらす可能性も出てくるだろう。


信用とは段階的に少しずつ減っていくものなのだろうか。ある段階を超えれば一気になくなってしまうものではないのか。多少、財政規律を弛緩させてインフレをおこせばいいという論にはそういう危うさがある。


(写真/ロイター)




2011年04月15日 9:32 am JST

原発問題でEVの普及は


投稿者 杉山健太郎


rtxwril_comp12 福島第1原子力発電所の事故が、将来的に電気自動車(EV)の普及を阻むきっかけとなるのではないか─。


深刻化する原発事故が自動車産業に与える影響を検討する中で、こうした考えが浮かんできた。これまでEVへの電気供給は少なからず原発の存在を前提としており、この事故によって国の原発推進政策が見直されれば、その前提が崩れかねないと思ったのだ。


EVは「走行中に二酸化炭素を排出しない」「ガソリン車に比べてランニングコストが安い」といったことが代表的な導入メリットだ。それが火力発電所で化石燃料を燃やして起こした電気を使うのであれば、「エコな自動車」としてのEVの魅力が多少なりとも色あせる。


また、家庭でのEVへの充電は夜間電力を利用するのが経済的とされる。原発は特性上、出力の調整が難しく、夜間でも昼間と同じように発電する。そのため需要の落ちる夜間でも電気が利用されるよう、夜間の電気料金を抑えているという側面もある。原発事故により、夜間電力の低価格設定が見直される可能性もある。


しかし、実際に取材をしてみると「原発問題がEVの普及を阻むとは一概に言えない」という意見が多かった。日本総合研究所創発戦略センター研究員、宮内洋宜氏は、「国内では数年の間、成長の勢いが鈍るものの、基本的にEV普及の流れが止まることはない」と分析する。


同量の原油を用いた場合、ガソリン車を走らせるよりも、火力発電所で電気を起こしてEVを走らせたほうが効率がいいという計算があるという。さらに「大気汚染に対する影響や静粛性、将来の石油価格上昇など全体的なことを冷静に考えると、EVにメリットはある」と宮内氏は語る。

他方、「家庭用蓄電池としてのEV」という議論もある。今回のように災害などで電力供給が不安定になった場合、EVに電気を蓄え、必要なときに使えるようにできれば、EVを所有するメリットは大きい。宮内氏は「今は技術的にまだだが、実現すればEV普及の追い風にもなる」と説明する。


そもそもEVは航続距離や車両価格などの課題があり、本格的に普及してくるのは2020年か、2030年頃という見方があった。その間に電力供給側が自然エネルギーの割合を高め、クリーンで低コストな電源を整える可能性はある。メーカー関係者からは「再生可能なエネルギーは原子力だけではない。EV戦略は中長期的に変わらない」という声も聞かれた。


EV戦略が中長期的に変わらないとして、短期的にはどの環境対応車が優位となりそうか。慢性的な電力不足や石油価格上昇を視野に入れると、ハイブリッド車(HV)やプラグインハイブリッド車(PHV)の存在感が高まるとの見方が強い。そうなると注目されるのはトヨタ自動車だ。2015年までに約10車種の新型ハイブリッド車(HV)を投入を計画するなど、トヨタはHV技術を環境車戦略の中核に据えている。


HVは外部電源からの充電機能を追加し、電気利用を可能にすればPHVとなる。PHVからエンジンと燃料タンクを外しモーターのみの駆動とすればEVとなり、HVのエンジンを燃料電池に置きかえれば、燃料電池車(FCV)になる。トヨタは各国、各地域のエネルギー事情に応じ、適切な環境技術を組み合わせて投入することを推進しており、「今回、各国で脱原発の動きが出たとしても、トヨタは対応できる技術力を持っている」(国内自動車アナリスト)。


もっとも、どの環境車が優位に立っても、エネルギー政策の見直しが消費者のライフスタイルにどのような変化をもたらすのかということは議論の対象になるだろう。都市部では自動車を持たず、レンタカーやカーシェアリングなどを利用する動きが広がる可能性もある。


(写真/ロイター)




2011年04月14日 2:06 pm JST

日本とハイチ:2つの震災で見た「顔」


投稿者 ロイター写真部


ロイター通信上海支局カメラマン Carlos Barria


1年前、私はロイターの取材チームの一員として巨大地震に見舞われたハイチにいた。そこでは約25万人が命を落とし、100万人が仮設避難所での生活を余儀なくされた。

そして今年、3月11日に発生した東日本大震災の取材チームに加わることになり、沿岸地方に壊滅的な打撃を与えた巨大津波の爪あとや原発危機を追った。


2つの大地震は非常に異なるものだ。地球の反対側に位置し、全く異なる文化的背景を持つ全く異なる国で起きた。ハイチは西半球の最貧国で、政局は混乱が続いていた。一方の日本は世界で最も裕福かつ近代的な国で、世界第3の経済を持ち、ハイチにいち早く支援を送った国でもある。


しかし、この2つの大規模災害を取材し、いくつもの共通点があることに気付かされた。


宮城県気仙沼市でがれきの中を歩きながら、この惨状をどう伝えたらよいかと思案していた自分の目の前は、およそ1年前にハイチで見ていたのと同じ光景が広がっていたのだ。


気仙沼では女性が1人、じっと立ち止まって自宅のがれきを見ていた。その姿を見て、ハイチの首都ポルトープランスで撮影した男性の姿がフラッシュバックでよみがえった。彼もまた、無残な姿となった首都を1人で歩いていた。



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悲劇の後に悲劇が続き、同じような光景が繰り返される。


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私は今、国や文化にどんなに大きな違いがあろうと、人々の苦しみに違いはないのだということを肌で感じている。


(写真 ロイター/Carlos Barria)




 

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